宇宙作家クラブ
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●宇宙作家クラブ、2004年の宇宙関連10大ニュースを選定(2005.01.11)
 世界初の民間有人宇宙飛行と米惑星探査機の活躍が目立つ
 宇宙作家クラブ(SAC、顧問:小松左京 http://www.sacj.org/)は、2004年に起きた宇宙関連の10大ニュースを選定しました。
 第1位は、米スケールド・コンポジット社の「スペースシップワン」による世界初の民間有人飛行成功が選ばれ、僅差でNASAの土星探査機「カッシーニ」が7年の飛行を終えて土星に到達したことが続きます。3位は火星に着陸し、現在も活動を続けているNASAの無人探査車「スピリット」「オポチュニティ」の火星到着でした。全体に上位3位に票が集まり、それ以外はほんのわずかの票で同率という結果でした。日本の話題は、2004年末の「H-IIA打ち上げ再開へ」がやっと4位に入った程度のさびしいものでした。

 SACが選定した2004年の10大ニュースは以下の通りです。
第1位 民間開発の「スペースシップワン」が高度100キロの有人宇宙飛行に成功
   米スケールド・コンポジット社の「スペースシップワン」は、2004年6月21日、マイク・メルビル氏の操縦により高度100.1kmに到達し、国際的に宇宙空間とされる高度100kmを突破した初の民間宇宙船となりました。弾道飛行で、地球周回軌道に入ったものではありませんが、純粋に民間資本で開発された有人宇宙機が高度100kmを突破したのはこれが初めてです。その後「スペースシップワン」は9月29日と10月4日にも100km突破に成功。2週間以内に同一の機体で高度100kmに到達したチームに与えられる、アンサリXプライズを受賞しました。

 
第2位 探査機カッシーニ、土星に到達
   1997年に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の土星探査機「カッシーニ」は7年もの惑星間空間の航行を終えて、7月1日、土星を周回する軌道に入ることに成功しました。すでにはげしい浸食が起きているらしい衛星タイタンの表面を撮影するなどの成果を挙げています。搭載していた欧州宇宙機関(ESA)のタイタン突入プローブ「ホイヘンス」は、1月14日にタイタンの分厚い大気に突入する予定です。カッシーニによる土星探査は、4年間を予定しています。

 
第3位 火星探査車「スピリット」と「オポチュニティ」が火星着陸に成功
   NASAが2003年に打ち上げた2機の無人火星探査車「スピリット」と「オポチュニティ」は、それぞれ1月3日と1月24日に無事火星に到着し、探査を開始しました。当初3ヶ月とされていた探査は極めて順調で、到着後1年を経た現在も継続しています。その過程では火星に水が存在した証拠が複数発見されました。

 
第4位 欧州の火星探査機マーズ・エクスプレス、極冠に水の氷を確認し、大気中にメタンが存在することを発見
   火星を周回中のESAの火星探査機「マーズ・エクスプレス」は、火星南極の極冠が、ドライアイスだけでなく水の氷も含んでいることを確認しました。さらに火星の希薄な大気中にメタンが予想以上の濃度で存在していることも発見、科学的成果という点ではNASAのローバー以上ともいえる成果を挙げています。  メタンは生物由来がもっとも有力な大気への供給源で、この発見はひょっとするとなんらかの生命活動が火星で続いているのでないかという可能性を示唆するものです。

 
第4位 海か、川か、雲か、カッシーニ、タイタン表面の模様を撮影
   第2位と票を合わせると、カッシーニの話題がトップとなります。カッシーニは10月26日、土星の衛星タイタンに1200kmまで接近して表面を撮影することに成功しました。画像には雲が写っており、表面は明るい部分と暗い部分からなり、しかもクレーターは存在していませんでした。明るい部分と暗い部分があるということは何らかの液体による海の存在するかも知れないということで、クレーターがないということは、かなり激しい浸食作用が存在することを意味します。ひょっとするとタイタンには海だけではなく川も存在するのかも知れません。

 
第4位 国際宇宙ステーションであわや食料不足の事態
   2003年2月のスペースシャトル「コロンビア」空中分解事故以降、国際宇宙ステーションの建設は中断となり、滞在人員も3人から2人に減少。ロシアの「ソユーズ」有人宇宙船と「プログレス」貨物輸送船による運用が続いています。12月に入ってから、ステーション滞在中の2人の飛行士に、食事を制限する司令が出たというニュースが流れました。プログレスの補給能力が限定されているので食料備蓄が減少しているというのが理由です。年末、新たなプログレスがステーションにドッキングし、制限は解除されました。

 
第8位 ISAS、科学衛星年1機体制を断念
   JAXAの宇宙科学研究本部(ISAS)は、これまで年1機を維持してきた科学衛星の開発体制を見直し、2005年度予算に新たな科学衛星開発を盛り込まないことを決定しました。衛星の巨大化で予算が圧迫されている上に、10年以上開発が遅延して、なおも打ち上げの目処が立たない月探査機「LUNAR-A」が事実上の不良在庫化していることが理由です。

 
第8位 NASA、月面基地実現へ組織改革
   事前にはもっと上位にランクされるかと予想されていたトピックですが、意外に票が伸びませんでした。
 1月、ブッシュ米大統領は、シャトルの2010年引退、国際宇宙ステーション計画の事実上の集結(2016年運用停止)、代わって有人月探査の再開と有人火星探査を目指す新宇宙政策を発表、NASAはそれに応じて組織改革を行いました。
 しかし発表から1年経った現在も、新宇宙政策の具体的な開発アイテムの詳細やタイムラインは見てきていません。

 
第8位 デルタ4ヘビー1号機、ビミョーな打ち上げ成功?
   12月21日、米ボーイング社の次世代大型ロケット「デルタ4ヘビー」の1号機が打ち上げられました。ボーイング社は「打ち上げは成功した」とコメントしましたが、第1段の燃焼が早く終了してしまったために、搭載した試験ペイロードを予定の軌道に投入することはできませんでした。同ロケットはブッシュ新宇宙政策の主力ロケットとなることが期待されていますが、その前途はまだ見えていません。

 
 
 
   選定方法:SAC会員からニュース候補を挙げてもらい、会員用ホームページを使い投票しました。


 
 この件に関する問い合わせは 宇宙作家クラブ事務 松浦晋也(smatsu@sacj.org)までお願いいたします。

 宇宙作家クラブ(Space Authors Club of Japan):1999年3月末設立の任意団体。宇宙と宇宙開発に興味を持つ著作者(作家、漫画家、イラストレーター編集者など)の集まり。関連知識の吸収と会員各自の著作への反映を目的としている。ホームページ:http://www.sacj.org/
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