宇宙作家クラブ
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●宇宙作家クラブ、2005年の宇宙関連10大ニュースを選定(2006.01.06)
 「はやぶさ」の小惑星イトカワ探査がダントツのトップに、科学探査が多数選ばれる
 宇宙作家クラブ(SAC、顧問:小松左京 http://www.sacj.org/)は、2005年に起きた宇宙関連の10大ニュースを選定しました。
 第1位に、航空宇宙研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究本部(ISAS)の小惑星探査機「はやぶさ」による小惑星イトカワ着陸がダントツのトップで選ばれました。以下、米航空宇宙局(NASA)の彗星探査機「ディープ・インパクト」による彗星へのインパクター打ち込みが2位、アメリカの新有人月探査計画が3位と続きます。
 4位にはX線天文衛星「すざく」(ASTRO-EII)の打ち上げ、同じく4位にホイヘンスのタイタン着陸、10位には、「はやぶさ」に搭載したマイクロ・ローバー「ミネルヴァ」の着陸失敗が入り、科学面でのニュースが大きくクローズアップされました。

 SACが選定した2005年の10大ニュースは以下の通りです。
第1位 「はやぶさ」イトカワに着陸
   9月に、小惑星イトカワに到着した「はやぶさ」は、上空からの観測の後、11月にはイトカワへの着陸とサンプル採取に挑みました。リハーサルの後、11月20日と11月26日に着陸を決行。26日は、正常な着陸シーケンスの実行に成功しました。しかし、サンプル採取に必要な弾丸の発射ができなかった可能性があります。2005年12月末現在、「はやぶさ」は燃料漏洩のために姿勢を崩し、地球と交信できない状況が続いています。今後、自然に姿勢が安定するのを待って通信の回復を図り、予定よりも3年遅れの2010年の地球帰還に挑みます。

 
第2位 「ディープ・インパクト」のインパクター衝突実験成功
   2005年1月に打ち上げられたNASAの彗星探査機「ディープ・インパクト」は、7月4日にテンペル第一彗星に、重量372kgの銅製のインパクターを打ち込みました。噴出したテンペル第一彗星を構成する物質は、「ディープ・インパクト」搭載機器と、地上の望遠鏡の両方で噴出を観測されました。

 
第3位 アメリカ、新たな有人月計画を発表
   9月19日、NASAは新しい有人月探査計画を公表しました。スペースシャトルに代わるカプセル型宇宙船「CEV」を使い、2018年以降に4人の宇宙飛行士を月面に一週間程度滞在させるというものです。

 
第4位 X線天文衛星「すざく」(ASTRO-EII)打ち上げ
   JAXA/ISASは7月10日、内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県・肝付町)からM-Vロケット6号機を打ち上げました。2003年5月の「はやぶさ」打ち上げ以来2年2ヶ月振りのM-Vロケット打ち上げでした。打ち上げは成功し、X線天文衛星「ASTRO-EII」を予定軌道に投入しました。ASTRO-EIIは、「すざく(朱雀)」と命名されました。
 「すざく」は打ち上げ直後に、主力観測機器であるX線カロリーメーターが故障するというトラブルを起こしました。しかし、それ以外の観測機器は順調で、軌道上での観測が始まっています。

 
同率4位 スペースシャトル再開第一便に野口宇宙飛行士が搭乗
   7月26日、NASAは2003年の「コロンビア」空中分解事故以来2年6ヶ月振りにスペースシャトル「ディスカバリー」を国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げました。ディスカバリーにはJAXAの野口聡一宇宙飛行士が搭乗し、宇宙服を着用して3回の船外活動を実施しました。日本人の船外活動は、土井隆雄飛行士に続いて2人目です。ディスカバリーは8月9日、エドワーズ空軍基地に無事帰還しました。
 しかし、打ち上げ時に外部タンクから断熱材の大きな破片が剥離したことが観察され、続くシャトル打ち上げは再度凍結されました。飛行再開は2006年5月以降となっています。

 
同率4位 「ホイヘンス」土星の衛星タイタンに着陸
   2005年1月14日、NASAの土星探査機「カッシーニ」に欧州宇宙機関(ESA)が搭載したタイタン着陸機「ホイヘンス」が、土星の衛星タイタンに着陸しました。「ホイヘンス」は極低温のタイタン表面の詳細な写真を撮影することに成功しました。また、「ホイヘンス」はタイタン表面の風の音も送ってきました。
 人工物体が土星の衛星に着陸するのはこれが初めてです。

 
第7位 「神舟6号」二人の飛行士を乗せ5日間の飛行
   中国の有人宇宙船「神舟6号」が、10月12日酒泉衛星発射センターから打ち上げられました。中国としては2003年の「神舟5号」に続く2度目の有人打ち上げです。聶海勝・費俊龍両宇宙委飛行士が搭乗した「神舟6号」は、5日間の飛行を行い、10月17日に無事内モンゴル自治区に帰還しました。
 成功後、中国は「神舟7号」〜「同10号」で、宇宙遊泳、ドッキングなどの技術を開発し、有人宇宙ステーションの開発・運用、さらには有人月探査へと進むロードマップを明らかにしました。

 
第8位 H-IIAロケット、7号機で運航を再開
   2月26日、2003年11月の6号機打ち上げ失敗以来1年3ヶ月振りに、H-IIAロケット7号機が種子島宇宙センターから打ち上げられ、無事運輸多目的衛星「MTSAT-1R」を打ち上げました。MTSAT-1Rは、「ひまわり6号」と命名されました。

 
第9位 JAXA、長期ビジョン「JAXA2025」発表
   4月6日、JAXAは今後20年程度の宇宙開発の方向性を示す長期ビジョン「JAXA2025」を発表しました。災害・危機管理情報収集システムの構築や、地球環境監視システムの確立、宇宙科学の推進に加えて、2015年には有人技術の開発、独自の再利用型輸送機の開発などに乗り出すかどうかを判断する、という内容です。詳細は、http://www.jaxa.jp/2025/index_j.htmlから読むことができます。

 
第10位 「ミネルヴァ」着陸ならず
   小惑星探査機「はやぶさ」は、11月12日、小惑星イトカワ表面にマイクロ・ローバー「ミネルヴァ」を投下しました。しかし、投下のタイミングが合わず、「はやぶさ」が上昇に入ったところで、「ミネルヴァ」が投下されたために、「ミネルヴァ」は微弱なイトカワの重力を振り切って宇宙空間に漂いでてしまい、イトカワ表面の科学観測に失敗しました。その一方で桁外れの低コストで民生電子部品を流用して開発された「ミネルヴァ」は、放射線の強い惑星間空間での2年以上の航行に耐え、かつ放出後は18時間もの間きちんと動作したことが確認されました。

 
 
   選定方法:SAC会員からニュース候補を挙げてもらい、会員用ホームページを使い投票しました。


 
 この件に関する問い合わせは 宇宙作家クラブ事務 松浦晋也(smatsu@sacj.org)までお願いいたします。

 宇宙作家クラブ(Space Authors Club of Japan):1999年3月末設立の任意団体。宇宙と宇宙開発に興味を持つ著作者(作家、漫画家、イラストレーター、編集者など)の集まり。関連知識の吸収と会員各自の著作への反映を目的としている。ホームページ:http://www.sacj.org/
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