投稿日 2000年2月10日(木)18時07分 投稿者 江藤 巌
文部省宇宙科学研究所(ISAS)のロケットが打ち上げに失敗したのは、1995年1月のEXPRESS微小重力実験カプセル打ち上げ以来の出来事である。
1998年には、火星探査機「のぞみ」(PLANET-B)が所期の軌道に乗れず、火星到着が大幅に遅くなるというトラブルがあったが、これは軌道制御の問題で、M-V-3ロケットによる打ち上げには成功している。
EXPRESS以前の失敗というと、1976年2月のX線天文学衛星CORSA-Aにまでさかのぼる。この当時はまだ宇宙研ではなく、東京大学宇宙航空研究所である。
なお昨年打ち上げに失敗したH-II-8は宇宙開発事業団(NASDA)のロケットで、あちらは液体推進剤ロケット、今回のM-Vは全段固体推進剤ロケットと、技術的な共通点はまったくないと言っても良い。メーカーも別、打ち上げ場所も異なり、二つの打ち上げ失敗に共通の原因を求めるのは無理なことではないかと思える。
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