投稿日 2014年2月26日(水)23時33分 投稿者 柴田孔明
2014年2月26日14時よりH-IIAロケット23号機/GPM主衛星打ち上げ前Y−1プレスブリーフィング及びGPM計画利用に関する記者説明会が行われました。
写真はY−1プレスブリーフィング時のものです。
・登壇者
三菱重工業株式会社 防衛・宇宙ドメイン 宇宙事業部 製造・発射整備部長 MILSET長 並河 達夫
宇宙航空研究開発機構(JAXA) GPM/DPRプロジェクトマネージャ 小嶋 正弘
アメリカ航空宇宙局(NASA) GPMプロジェクトマネージャ Art Azarbarzin
アメリカ航空宇宙局(NASA) 地球科学部 飛行プログラム次長 Steven Neeck
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 鹿児島宇宙センター 射場技術開発室長 長田 弘幸
・打ち上げ日時:2014年2月28日3時37分(JST)
・打ち上げ時間帯:午前3時37分〜4時37分(JST)
・予備期間:2014年3月1日〜2014年3月31日
・予備期間中の打ち上げ時刻は3時7分〜5時7分の間で別途設定。
(※機体移動は2014年2月27日13時頃に開始。終了後まもなく立ち入り規制が始まるので見学の方は注意してください)
・質疑応答より(一部省略しています)
NHK:意気込みなどをお聞きしたい。
並河:我々にとって全ての打ち上げと衛星が重要。作業と気象を確認しつつ確実に打ち上げを成功させる。
不明:天候について説明をお願いしたい。
並河:本日は一旦天候が悪化し、日付が変わる頃までに風雨が強まる。明日の機体移動までには回復し、深夜に向けて良くなっていく。打ち上げに支障がないと判断している。
毎日新聞:今回のH-IIAに特別な違いはあるか。
並河:特別にGPM向けとした仕様変更は無い。しかしコストダウンや部品枯渇対策は行っている。また今号からSSB取り付け部分を廃止し、約120kgを軽量化した。
(※SSB:以前、H-IIAロケットの2024型や2022型で使用していた小型の固体補助ロケット。現在は廃止され使用していない)
共同通信:衛星の試験とデータ提供はいつになるか。
小嶋:打ち上げ後順次チェックアウトを行い、ノミナルでは3日後に衛星の制御をOn、18日目後頃に全体をOnにして確認してゆく。データは研究者による確認が必要。半年後頃には一般の研究者にデータ提供が行われる予定。
共同通信:NASA側の開発費用はいくらか。
Neeck:GPMのNASA負担は9億2千800万ドル。これには開発、設計、作製、運用、データ解析等が含まれる。
NVS:世界的規模のプロジェクトだが、期待や反響はどうか。アメリカの天気予報に使う予定はあるか。
Azarbarzin:グローバルなプロジェクトで、参加している科学者から、非常に熱意を持った反応を得ている。
NOAA(アメリカ海洋大気庁)はNASAとのパートナーシップを持っている。GPMを使えないかと考え、機能のチェック時にNOAAも参加し、データが予報に使えるか判断していく。
SAC:以前のJAXA配付資料ではGPM計画に中国が含まれていたが、最近の資料には無い。これはどういった経緯か。
小嶋:GPM計画は開かれた計画で、衛星が増えれば精度が高まってゆく。中国の衛星は検討している段階。データが有用であれば、今後相互に協力していく可能性がある。今はパートナーに入っていない。
NHK:ウインドウが当初の発表より短く変更されているが、どういった解析が行われたのか。
長田:有人宇宙機(国際宇宙ステーション等)の最新の軌道解析から、ロケットとその分離物が干渉しない時間帯を選んだ。今回が初めてではなく、シャトルとの干渉から変更したこともある。
(※COLlision Avoidance解析・COLA解析)
延期した場合は最新の解析によって変わります。
時事通信:ハリケーンや干ばつなどが最近多い。どれくらい軽減に役立つか。
Azarbarzin:衛星のデータは1ヶ月後に入手するが、ハリケーンなど危急の場合は調整して使うことも可能だと思う。
鹿児島テレビ:日本の打ち上げ技術はどのように感じたか。
Azarbarzin:高技術で作られ正確であり感銘を受けた。
産経新聞:成功を確信しているか。アメリカから運んで打ち上げる経緯はどのようなものか。
Azarbarzin:H-IIAは成功率が高いロケットであり私たちは非常に高く信頼している。国際的なプロジェクトである件と、65度の角度がある。国際的なパートナーであることと、各機関が単独で行うと膨大な費用がかかることがあるためパートナーシップを組んだ。打ち上げはJAXAの貢献である。
NVS:衛星に愛称はつけるのか。
Azarbarzin:まだつけないが、軌道に乗ればたぶんつくでしょう。
|