宇宙作家クラブ
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No.1890 :S-520-30の頭胴部 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年9月11日(金)06時04分 投稿者 柴田孔明

S-520-30の頭胴部。


No.1889 :S-520-30 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年9月11日(金)06時01分 投稿者 柴田孔明

公開されたS-520-30。


No.1888 :観測ロケットS-520-30の報道公開 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年9月11日(金)06時00分 投稿者 柴田孔明

 2015年9月10日午後、JAXAの内之浦宇宙空間観測所にて観測ロケットS−520−30号機の報道公開と概要説明が行われました。
(※一部敬称を省略させていただきます)

・登壇者
宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系 教授 観測ロケット グループ長 石井信明
宇宙科学研究所 学際科学研究系 教授 稲富裕光

実験の目的:地球やその他太陽系天体の材料となった微粒子が作られる初期状態の再現
実験主任:稲富裕光 教授(JAXA)
研究代表者:木村勇気准教授(北海道大)
参加研究機関:北海道大学、東京大学、東海大学、JAXA
打ち上げ日時:2015年9月11日 20時00分〜20時30分(JST)
打ち上げ予備期間:2015年9月12日〜2015年10月31日
打ち上げ条件:ロケットの保安や飛行に影響を与えない天候時であること。日没後の打ち上げであること。

・実験について
「宇宙ダストの核生成過程の解明」
意義:星間物質進化のスタート地点である、晩期型巨星で生成するダストの核生成過程が解明される。ダスト形成を伴う様々な天体現象の観測のデータと組み合わせて恒星風の化学組成や密度、温度環境など、様々な物理・化学パラメータを厳密に決定できるようになり、当該分野に革新的な寄与を与えられる。また、宇宙ダストの核生成理論に対する実証実験ができ、宇宙における物質進化の理解において、最初のマイルストーンとしての役割を担う。

・2012年12月17日16時00分(JST)に実施されたS−520−28号機の実験
 目的:単原子物質を用いて核生成の素過程を解明し、宇宙における鉄の存在形態を理解する。
 成果:核生成時の鉄原子同士の付着確率は、続いて起こる成長時の値よりも4桁小さいことを明らかにした。これは従来の考えでは相容れなかった、遅い核生成そして続くダストの急速成長が両立できることを示す結果であり、全く新しいダスト生成モデルが提案できた。
 核生成の素過程の一端を解明した成果により、ICCGにおけるSchieber賞受賞につながった。

・今回のS−520−30号機の実験。
 目的:地球を含めた太陽系天体の材料の初期状態を知る。
 実験装置:二波長干渉計による核生成環境の計測に加えて、最近開発した「浮遊ダスト赤外スペクトルその場測定装置」を小型化して搭載することで、天体周辺に浮いているダストのスペクトルを再現する。酸化物系ダストは、金属に比べて蒸気圧が非常に高いために蒸気化が難しい。今回、蒸気源を工夫することで蒸気化技術を確立する。

・次号機以降の将来計画
 目的:星間物質の主要成分のひとつである炭素質物質の生成に必須のデータを取得し、その進化史を明らかにする。
 波及効果:2020年代に、「はやぶさ2」が回収する炭素を含んだ小惑星試料や、次世代赤外線天文衛星SPICAなどによる観測データの解釈の根拠となる実測データを取得できる。
 (※炭素質物質は更に高い温度が必要)

・さらに将来…
 実験装置の動作検証とキーとなる制御パラメータを見定めた上で、ISSや無人実験衛星による実験に移行する。


・S−520−30号機の実験について
「酸化物系宇宙ダストの核生成過程の解明」
 天体より放出されたガスから最初に核生成する物質は、その後のダスト(微粒子)から天体に至る進化に大きな影響を与えるため、その物質の同定と生成条件の理解は宇宙の物質循環を知る上で根幹となる。最も有力なのがアルミナだが、地上では確定出来ていない。
 そこで本実験では、ロケットの弾道飛行による微小重力環境を利用して、アルミやシリカを蒸発させ、その後に酸化物粒子が生成、成長する過程を直接測定することで、その生成条件を理解し最初に核生成する物質の同定を目指す。
(※地上では重力や対流による影響で測定が困難)

 ・二波長干渉計を用いた実験:アルミナとシリカそれぞれの核生成の起こり易さを求め、アルミナとシリカの核生成効率を検証する。
 ・浮遊ダスト赤外スペクトルその場測定装置を用いた実験:アルミナが核生成して更に大きな粒子へと成長する過程において赤外スペクトル測定を行い、天体のスペクトル観測でのみ現れる13μmピークがアルミナに由来するか否かを明らかにする。

 ・天文学へのインパクト
 アルミナに由来することが明らかになると、初めて宇宙ダストの生成・成長過程を同定し、物質進化のストーリーを記述できるようになり、次世代赤外線天文衛星SPICAによる宇宙史の中での物質進化の解明に生かすことができる。

 ・「浮遊ダスト赤外スペクトルその場測定装置」を用いた測定は世界初の試み。
 (※この装置は赤外線を使い、できた粒子の成分や、分子と粒子の構造を明らかにできる)


・質疑応答、その他
石井・S−520−30号機は、全長8.5m、打ち上げ時重量2.3トン、到達予定高度300km。発射角(仰角)は80度。ただし当日の風で数度変わる。
稲富・夜打ち(20時)の理由は、光を使った測定のため、外からの光を嫌う。強い光を避けるため20時に設定している。(※上空ではノーズコーンを切り離している)

稲富・核ができるというのは、理科の実験で石灰の中に息を吹き入れると白く濁る。これは炭酸カルシウムの小さな粒ができて、それがある程度大きくなって光を散乱して白く見えるようになるため。どんどん息を吹き込むと核が出来やすくなって、ついには粒ができる。核は小さい時はなかなか大きくなろうとしないが、ある程度まとまってくると大きくなった方が居心地が良くなる。宇宙の場合、核ができる条件くらいに冷えてくると粒が出てくる。材料工学の難題で、結晶ができる前の段階で結晶になるかアモルファスになるかの境目がある。
数原子単位のオーダー。顕微鏡で見えないものを見ることへのチャレンジである。

NHK・打ち上がってどれくらいで実験が行われるか。
石井・無重量状態は6分、打ち上げの前後を含め9分の飛行を予定。

NHK・微小重量状態を作り出すことで酸化物を蒸発させることはどういった意味か。
稲富・宇宙で微粒子が出来る様子を見るために対流など余計な要素は外したい。宇宙空間のように浮いてじっとしていてほしい。

NHK・酸化物の粒子とは何か。
稲富・アルミの酸化物がアルミナ、シリコンの酸化物がシリカ。温度が上がって蒸発した後の、酸化物同士のくっつき具合で、何が支配しているのかを調べる。小さい時はなかなかくっつかない。しかしある程度大きくなると、もっと大きい方が得になるという所があり、それが核が出来る瞬間。

NHK・この実験により将来どういった事に繋がっていくのか。
稲富・太陽系ができる元の宇宙ダストができるメカニズムを明らかにする。天文学の観測データと比較検討し、それが正しいのか、それとも物理的パラメータが判らなかったのかを直接得ることが出来る。将来的に生命の元と考えられる有機物がどこで出来たのか、ダスト表面が触媒的に作用したのかを調べる。水についても考えている。ナノサイズの研究と天文学の融合・タイアップの実験。

・二波長干渉計について詳しくお聞きしたい。
稲富・ガスは光を通すが、核が出来て大きくなると煙ってわかる。この温度と濃度のデータが必要。しかしヒーターのところの温度と、離れたところの温度が違う。ミクロで違うところをリアルタイムで画像で見なければならない。そこでは二波長干渉計が良い。
干渉計は光を2つに分けてまた合わせると、同じ距離ならそのままだが、途中で片方に何か変化すると、光の波が交わったときに弱めたり強まったりする。
このパターン(縞)をとることで、その場所の温度と濃度がわかる。これを緑と赤の二つの光で調べると、時間と場所毎に計算で求められる。これまで液体では例があるが、ガスでは初めてである。ただし、解析には時間がかかるので、今回(打ち上げ後会見)は速報として絵のみの公開となる。

毎日新聞・加熱ヒーターに巻いてあるのは、アルミナとシリカが別々か。
稲富・ひとつのチャンバーにひとつの物質。密閉容器は3つ。干渉計がアルミナとシリカ、もう一つはアルミナである。測定装置はそれぞれについている。

毎日新聞・材料は星なのか。
稲富・そうである。スペクトル観測で測定される典型的な例のピーク。ただし地上ではアルミナのピークをとった例が無い。従前は臭化カリウムを使うが、元来のところとずれたピークが出る。

読売新聞・シリカはアルミナ起源の証明のための比較なのか、それともシリカも候補なのか。
稲富・それぞれがガスからできる際の大事な物質。どちらが先に出来たのかが判っていない。どちらが先かを知るための実験である。宇宙ダストにはシリカとアルミナは大抵入っている。

朝日新聞・加熱ヒータの温度はどれくらいになるか。
稲富・二千度超になります。それでも溶けない材料で作られています。
1分の実験を3回で計3分、残り3分でデータを送信する。

・その他、機体公開されたKS台地での説明より。
 ・頭胴部(実験機器等を格納)は窒素で乾燥させている。いつも行っているが、今回は機体移動時にもボンベを繋いだまま行った。また、テスト時は窒素の抜けを防止するため、養生テープが貼ってある。
 ・ロケットのスピンを安定させるため、ランチャへの留め金を対称位置にも装着してある。
 ・この留め金は上下二つあるが、ランチャのレールはそれぞれ別にしてあり、発射時に同時に外れるようになっている。これはレールから外れたときの姿勢の乱れを防ぐため。
 ・実験時にスピンを止めるため、サイドジェットとヨーヨーデスピナも装着されている。
 ・ノーズコーンは空力加熱されていて実験に影響するため、上空で分離する。
 ・新ランチャは前回の結果を受けて僅かに改修してあるが、目で見てわかる変化は殆ど無い。
 (※ロケットをとめる位置がほんの少し変わった。クリアランス確保のため)
 ・今年はアブの発生が多いので苦労した。
 (※質疑応答時にも何匹かのアブが飛び回っていた)
 ・打ち上げ当日は夕方から準備を行う予定なので、一般見学時にはロケットの作業は見られないかもしれない。
 (※9月9日は夕方からの電波テストのため、16時頃からロケットをセットする作業が見られた。また、同10日も13時頃からロケットをセットしている様子が見られた。なお、打ち上げ当日の昼間も施設内見学が可能だが、KS台地とM台地など一部施設には入れない。また見学終了時刻も15時半に繰り上がっている)
 ・一般の見学は宮原のロケット見学場を使います。

以上です。


No.1886 :H-IIA F29の1段目 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月30日(日)09時53分 投稿者 柴田孔明

H-IIAロケット29号機の1段目は、11号機以来の204型です。
(SRB-Aはまだ結合されていません)


No.1885 :H-IIAロケット29号機の2段目 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月30日(日)09時45分 投稿者 柴田孔明

高度化開発が適用された29号機の2段目。
高度化のロゴが描かれています。


No.1884 :H-IIA F29コア機体 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月30日(日)09時43分 投稿者 柴田孔明

公開されたH-IIAロケット29号機のコア機体。
(コア機体:1段目と2段目及び段間部のこと。SRB-Aとフェアリングは含みません)


No.1883 :H-IIAロケット29号機の機体公開 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月30日(日)09時40分 投稿者 柴田孔明

 2015年8月28日午後から三菱重工業株式会社飛島工場にて、H-IIAロケット29号機の機体公開と記者説明会が行われました。
(※一部敬称を省略させていただきます)

登壇者
 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門基幹ロケット高度化チーム プロジェクトマネージャ 川上 道生
 三菱重工株式会社 執行役員フェロー 防衛・宇宙ドメイン 技師長 二村 幸基
 三菱重工株式会社 防衛・宇宙ドメイン 宇宙事業部 H-IIA/H-IIBロケットプロジェクトマネージャ 秋山 勝彦

・H-IIAロケット29号機について
 目的:カナダ テレサット社の通信放送衛星Telstar 12 VANTAGEを、静止トランスファー軌道に投入する。
 打ち上げ時期:調整中(※2015年後半を予定)
 基本コンフィギュレーション:H−IIA204型(コア機体+個体ロケットブースタ(SRB−A)4本)
 直径4mシングル衛星フェアリング(4S型)
 今後の予定:コア機体は9月8日に飛島工場より出荷し、9月10日に射場へ搬入予定。
   ※SRB−Aは工場での作業を完了のうえ射場へ搬入済。 
   ※衛星フェアリングは射場へ搬入済。

 特記事項
 ・第2段機体には、JAXAによる基幹ロケット高度化開発の成果を初適用。
 ・打上輸送サービス初の海外海外商業衛星顧客。(注:単独のケースで初)
 ・コストダウンの継続適用(機能集約による搭載機器の削減等)
  例・照明装置への電源を他電池と共用させることで、専用電池を削除。
  (JAXA開発成果の適用)

・衛星について
 名称・通信放送衛星Telstar 12 VANTAGE
 目的・テレサット社が運用する西経15度の通信放送衛星Telstar 12の後継機
 製造メーカ:Airbus Defence and Space社
 質量:約4.9トン(燃料込み)

・飛行計画
 静止軌道に近い高度(約3.4万km)まで上昇し、衛星を分離。
  特徴1・長秒時の慣性飛行。(ロングコースト。約14,000秒)
   ※第2段エンジン第2回燃焼停止(打上後26分37秒)→第2段エンジン第3回燃焼開始(打上後4時間22分45秒)
  (※はやぶさ2打ち上げでもロングコースト技術の一部が使われ、約5,000秒のロングコーストが実施された)
  特徴2・第2段エンジンの第3回燃焼。

・基幹ロケットの高度化について
 目的
 ・H−IIAロケットの静止軌道打ち上げ能力を向上させることで国際競争力を強化する。
 ・地上施設を簡素化することにより、ロケット運用の基盤強化を図る。

 基幹ロケット高度化プロジェクト
  ロケットの機能・性能の向上
  1.静止軌道打上能力の向上。
   ロケットの飛行時間とエンジン着火回数を増やすことにより、従来よりも柔軟な飛行を可能にし、静止衛星の打ち上げ能力を向上。
   →H−IIAロケット29号機に適用・技術実証。
  2.衛星搭載環境の緩和。
   火工品によらないメカニズムにより、衛星の搭載環境を世界最高レベルまで引き上げる。
   →別途技術実証予定(※29号機には適用されていない。衛星を火工品で分離する際の衝撃を他の方法で置き換えて緩和する)
  設備維持更新コスト低減。
  3.地上施設の簡素化
   機体搭載型飛行安全用航法センサを開発することで、地上追尾レーダを不要化。
   →H−IIAロケット29号機にて初回技術実証。
  
 長時間飛行のための技術
 1.液体水素タンク遮熱コーティングの適用。
  タンク表面を白くコーティングすることで飛行中の太陽光入射を抑制する。
 2.エンジンの冷却機能改良。
  エンジン冷却に用いる液体酸素の量を低減する。
 3.機体システムの熱制御。
  宇宙空間での長時間飛行に耐えるための各機器の熱制御を行う。
  (※冷えすぎると困るものにヒーターを搭載。また、太陽光が偏らないように機体をゆっくり回転させるバーベキューロールなどを行う)
 4.推進薬液面保持機能改良。
  タンク内部の推進薬の液面保持に液体水素の蒸発ガスを活用することで、ガスジェットの推進薬量を低減する。
 5.電子機器の改良
  長時間の電力供給を可能にする。
  高度36,000kmからの長距離通信を可能にする。

 第2段エンジン再々着火技術
  規定の60%の推力で第3回の着火を行う機能を持たせることで、柔軟な軌道投入を可能とする。

 <参考>静止衛星打ち上げ能力の向上。
 種子島から現行H−IIAを打ち上げた場合、地理的な制約(北緯約30度)から衛星側で必要となる静止化増速量が大きいため(デルタV=1,800m/s)、衛星はより多くの推進薬を必要とする。
 赤道付近からアリアン等で打ち上げることを前提とした、最近の標準的な衛星(デルタV=1,500m/s)のための静止化増速量の差分(300m/s)を、現行H−IIAで補う場合、効率が悪い近日点付近での増速が必要なため、消費するロケット側推進薬量が増加し、静止軌道の打ち上げ能力が低下する。
 本開発により、静止化増速量のデファクト・スタンダード(1,500m/s)での打ち上げ能力を向上する。


・質疑応答
NHK・打ち上げ時期はざっくりといつ頃か。
二村・調整中だが、今年中の打ち上げ予定である。

朝日新聞・初の商業衛星打ち上げだが、世界市場参入に向けての三菱の強みと弱み、今後打って出るにあたっての意気込みをお聞きしたい。
二村・基盤として支えるために、ベースとして年4〜5機をコンスタントに打ち上げ続けたい。国の打ち上げ機数では、それに満たない場合もある。国内の市場だけではまかないきれないため、世界に打って出て民間衛星オペレータの打ち上げを獲得していくことで維持できるようにしたい。29号機でメジャーな事業者の衛星を打ち上げることになり、成功すれば大きな実績を作ることになる。衛星側の負担が少ないロケットの実績も得られる。
 強みは、これはお客様が評価するものだが、昨今は天候による延期以外は基本的に無い。ロケットと設備の仕上がりと信頼度が高くなっていると、広く評価されてきていると認識している。
 一方、弱みというか世界で戦うためには価格がひとつのターゲット。我々としては1円でも安く提供できるように、飽くなきコストダウンをしていきたい。

フリー大塚・高度化について、ロングコーストだけでなく分離機構の改良もあるが、これが今回適用されていない理由は何か。これは何号機くらいで使うのか。
川上・開発は終わっているが、実証がまだである。今後の打ち上げで実施したい。

フリー大塚・高度化のロゴに使われている衛星が「はやぶさ」のようだが、理由は何か。
川上・「はやぶさ」に似ていますが架空の衛星です(笑)。

・高度化でH−IIAはどういった立ち位置になったのか。
二村・高度化された2段を得られたことは、衛星側の負担を軽減できるのがメリットである。アリアンは赤道で打ち上げるため、一時期の衛星がそれに合わせていて、我々の場所では不利だった。今回の高度化で衛星の軌道投入という面で、これで同等に持って来られた。

sorae.jp・H−IIAの高度化だが、今後更なる改良はあるのか。
川上・ロケットは常に改良改善をやっている。今回は大きなステップだが、今後とも改善を続けてゆく。
二村・H−IIAロケットはJAXAが主体的に開発し、技術移転を受けて我々が打ち上げサービス事業を行っている。しかし必ずしもJAXAの開発に全て委ねることではなく、機能と性能に直接影響しないコストダウンや軽量化はビジネスチャンスを広げる事に繋がる。候補はあるが、これから検討して適用していくことを続けていく。

sorae.jp・H3ロケット(次期基幹ロケット)に、最初から今回の高度化は含まれるのか。
川上・獲得された技術は継承されるが、ロングコーストはオプション的なもので、標準的なH3としてどういった形態になるかは決まっていない。

知多メディアスネットワーク・高度化で簡素化により地上レーダーが省略されるとあるが、今回実証されれば次号機からも適用されるのか。
川上・今回は初回の技術実証であり、何度か確認しこれで行けるとなってから移行する。

フリー大塚・2年前くらいの会見で204型のロングコーストは4.7トンだったが、今回は4.9トンだが能力が向上したのか。カタログスペック的にはどうなるのか。
二村・以前は4.6〜4.7トンという話もあったが、それはあくまで開発のノミナル目標値である。最終的な打ち上げ能力はエンジン能力や機体の重量などがある。数値はあくまでノミナルの能力の目標であり、今回のものは要求を満足するものになっている。
カタログスペックとしては今回の打上成功の暁に定めたい。

以上です。


No.1882 :打ち上げの軌跡 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月21日(金)13時58分 投稿者 柴田孔明

国際宇宙ステーションへ向かうH-IIB F5の軌跡。竹崎展望台より撮影。
(※今回の写真撮影は柴田孔明)


No.1881 :打ち上げ ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月21日(金)13時55分 投稿者 柴田孔明

H−IIBロケット5号機の打ち上げ。竹崎展望台より撮影。


No.1880 :CALET関係者囲み取材 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月21日(金)13時53分 投稿者 柴田孔明

・CALET関係者囲み取材
(HTV5には、高エネルギー電子、ガンマ線観測装置:CALorimetric Electron Telescopeが搭載されており、ISS到着後に「きぼう」の曝露パレットに設置される予定です)

早稲田大学 CALET代表研究者 教授 鳥居祥二
シエナ大学/ピザ大学 INFN 教授 イタリア側代表研究者 Pier S.Marrochesi
イタリア宇宙庁(ASI) 宇宙物理部門 Elisabetta Cavazzuti
JAXA CALETファンクションマネージャ 佐野伊彦

・打ち上げの感想。
鳥居・ISSの曝露部に取り付けられる、CALETという宇宙線を観測する装置の、サイエンス側の代表の鳥居です。この観測装置はプロジェクトが始まって5年かかっていて、やっと打ち上げにこぎ着けた。今日、打ち上げに成功して感激しています。これから最低2年の観測期間、5年間目標です。宇宙線の観測によって、これまで未解明だった宇宙の謎のひとつ、暗黒物質の探索を行います。あるいは、高エネルギー宇宙における様々な現象を理解するような観測を実施していきます。
S.Marrochesi・とても見事な打ち上げ風景をみて感激しました。これで日本の役割が重要になっていきます。
Elisabetta Cavazzuti・同じくこういった打ち上げを見るのは初めてで感激している。見事なチームワークに感謝している。CALETの打ち上げで、宇宙の問題が解決されることに期待している。
佐野・プロジェクト立ち上げから5年でようやく打ち上げ。運用できることを感激している。実験棟「きぼう」の暴露パレットはCALETのような全天の観測に適している。今後もこういったミッションが次々と立ち上がっていくことを期待している。

・質疑応答
読売新聞・CALETは我が子のようだとのことだが、打ち上げをどう見守られたか。今の気持ちなどをお聞きしたい。
鳥居・構想を持ったのは20年来。装置の隅々まで最初から我々が考案し、JAXAの協力を得てメーカーと開発してきて、確かに我が子のよう。打ち上げは初めて見たが、装置が乗っていることで感激。スムーズに打ち上がって喜んでいる。これから筑波と早稲田でデータを受信してデータの解析はイタリアとNASAと三つの国が国際チームを作ってデータ解析をし、成果を上げていく。

共同通信・観測はいつから行われるか。
鳥居・打ち上げ一月半はチェックアウト(装置の健全性の確認)作業が行われる。高電圧を使うので十分な真空状態になるまで約45日待つ。観測開始は9月末から10月初旬。その後、2年間の観測、健全ならばさらに5年まで延長を行う。

読売新聞・待ち遠しい気持ちをお聞きしたい。
鳥居・観測するエネルギーの領域は、これまで実際に観測されたことがない。いろんな理論的な推察(ダークマターや宇宙線の加速源)は出ているが実現していないものを目指す。どういった結果が出るか楽しみ。実際に観測することを期待している。

産経新聞・国際協力で未知の領域へチャレンジする意義をお聞きしたい。
S.Marrochesi・ひとつの国ではできないので、いろいろな国が集まるのは大事。ISSはいい成果である。
Elisabetta Cavazzuti・宇宙の国際協力は1950年代からあるが大事である。ほかの衛星でも行われているが、宇宙の謎を解くための国際協力がISSでも行われていくことが大事である。

以上です。


No.1879 :打ち上げ経過記者会見 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月21日(金)13時52分 投稿者 柴田孔明

2015年8月19日22時30分より、H-IIBロケット5号機打ち上げ経過記者会見が種子島宇宙センター竹崎展望台の記者会見室で行われました。

記者会見・第一部

・登壇者
文部科学省 文部科学副大臣 藤井基之
内閣府 政務官 松本 洋平
宇宙航空研究開発機構 理事長 奥村 直樹
三菱重工業株式会社 防衛・宇宙ドメイン 宇宙事業部長 阿部 直彦
・側面列席者
内閣府 宇宙戦略室審議官 中村 雅人
文部科学省 大臣官房審議官 森 晃憲


・打ち上げ結果について・阿部宇宙事業部長
 三菱重工業株式会社及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構は、種子島宇宙センターから平成27年8月19日20時50分49秒( 日本標準時)に、宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)を搭載したH−IIBロケット5号機(H-IIB・F5)を打ち上げました。
 ロケットは計画通り飛行し、打ち上げ後約14分54秒に「こうのとり」5号機を正常に分離、所定の軌道に投入した事を確認しました。
 ロケット打ち上げ時の天候は晴れ、南南東の風(3.5m/s)、気温27.8度Cでした
 「こうのとり」5号機が軌道上での初期機能確認を無事終了し、国際宇宙ステーション(ISS)への貨物の輸送を成功裏に完遂される事を心より願っています。
 本日の打ち上げでH−IIBロケットは通算5機中5機の成功、成功率は100%です。H−IIAとあわせると通算33機中32機の成功、成功率97%です。またH−IIAとH−IIBの27機連続の打ち上げ成功です。H−IIBは2年ぶりの打ち上げでしたが、無事打ち上げることが出来、大変安堵しています。当社はこれからも皆様に安定的に打ち上げを提供できるよう更に心を引き締め、細心の注意と最大限の努力を傾注してまいります。
 今回の打ち上げに際し、多くの方々にご協力、ご支援いただきました。あらためて関係者の皆様に感謝を申し上げるとともに、引き続きご支援を賜りたくお願い申し上げます。

・打ち上げ結果について・奥村理事長
 打ち上げ事業サービス事業社として、今回のロケット打ち上げを見事に執行していただきました三菱重工株式会社様に、私の方からも御礼申し上げたいと思います。
 また、今回の打ち上げに際して私共JAXAは安全管理業務を遂行することになっておりましたが、この任務も無事果たしたことを皆様にご報告申し上げます。
 今回の打ち上げに際しましては、天候不順もあって二度予定日が延びておりましたが、この打ち上げに関わる、あるいは安全業務に関わって多くの地元の皆様をはじめ、関係機関の協力を得て初めて成し得た物として、あらためてこれらの皆様に御礼申し上げたいと考えています。
 我々JAXAは安全管理業務の他にも、「こうのとり」5号機の運用の業務が既に始まっています。今回の「こうのとり」5号機は来週月曜日、8月24日にISSに到着するように業務を進めていく予定です。今回「こうのとり」5号機のISSへのキャプチャはISSにいる油井宇宙飛行士がロボットアームで掴む動作を行います。同時に若田宇宙飛行士が筑波のJAXAの仲間と一緒にヒューストンから交信を行い、ロボットアームによる「こうのとり」5号機の捕獲をサポートするという、私共日本人が地上と宇宙の両方で物資輸送の大任を果たせるようになったことを、私は誇りに思い、また嬉しく思っているところであります。従いまして、この輸送ミッションを、8月24日のキャプチャを成功させたいと考えています。
 引き続き皆様方のご理解とご支援を賜りますようあらためてお願い申し上げます。

・藤井副大臣
 このような科学技術の成果が皆様方にお伝えできて本当に嬉しく思っています。H-IIBロケット5号機の成功は、これは本当に嬉しいことでございまして、この打ち上げに際しまして、ご尽力、ご支援をいただいた関係の方々にこの場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 今回の打ち上げで基幹ロケットの打ち上げについて申し上げますと、28機連続で成功したことになります。H−IIAで22機連続、H−IIBで5機連続、イプシロンロケットで1機成功しています。我が国が有するロケット技術の、着実な発展と信頼性の向上を示すものと考えております。
 私は今回こちらに来させてもらいまして、前回はH−IIAロケットでの「はやぶさ2」打ち上げの成功に立ち会わせていただきました。今回はH−IIBロケットでの「こうのとり」5号機の打上成功に立ち会うことが出来、たいへん感動しております。これからも我が国の基幹ロケットが国民生活の向上や国際貢献などに資する宇宙開発需要を支えると共に、国際市場で活躍できることを期待しており、私共としても実現に向けて努力して参りたいと思います。
 今回のこの「こうのとり」5号機はISSに滞在する油井宇宙飛行士と、地上で交信を担う若田宇宙飛行士の共同作業によりましてISSへのドッキングが開始する予定と伺っております。無事にISSと「こうのとり」とのドッキングが成功して搭載しております水や食料、実験装置が宇宙飛行士に届けられ、我が国の宇宙開発技術への国際的な信頼にしっかりこたえて行くことを期待して止みません。これからもご支援をお願いしたいと思います。

・松本政務官
 本日H−IIBロケット5号機によりまして「こうのとり」5号機の打ち上げが成功をいたしました。まずはJAXA、三菱重工業株式会社、地元の皆様をはじめとします関係者の皆様方に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 今回、打ち上げが成功した訳でありまして、私もその模様を拝見させていただきました。たまたま私の地元が東京都の国分寺にあります。今から60年前に糸川英夫先生がペンシルロケットの水平発射実験を行ったのがまさに私の地元であります。先人達が一生懸命努力をし、そして関係者の皆さんが積み重ねた努力によって、こうして我が国のH−IIBロケットが成功し「こうのとり」という形で、世界の宇宙政策に我が国が大きな貢献していることに大きな感動をすると同時に、私自身誇りを持ったところでございます。
 いうまでもなく我が国の宇宙政策におきまして、この国際宇宙ステーションは宇宙分野で国際的な発言力を維持するなど重要な取り組みとなっているところであります。なかでも「こうのとり」は高い信頼性によりまして国際的に評価されておりまして、今後とも国際宇宙ステーションの運用に大きく貢献することが期待されているところでもあります。またH−IIBロケット等の基幹ロケットの打ち上げ成功は、我が国の宇宙活動の自立性を確保するために重要な意義を有するものと考えております。国際宇宙ステーションや基幹ロケットへの取り組みを含めまして今後も引き続き宇宙基本計画を着実に推進して参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

・質疑応答
NHK・「こうのとり」がドラゴンの荷物を緊急輸送したが、これにどんな意義があるか。
奥村・今回は、外国のうまくいかなかった事例の直後で、私共に大変大きなプレッシャーがある中で仕事をしていたと思います。そういった中で打ち上げに成功し、大きなプレッシャーを跳ね返す第一歩を踏み出した。外国からいちだんと高く評価してもらえると考えている。ただし、これはあくまで打ち上げまでの話で、本来のミッションを達成するためには第二段階のISSへのキャプチャをきちっとやらなければならない。

日本経済新聞・三菱重工株式会社で請け負った打ち上げが連続成功で商業衛星の受注への影響はどうか。
阿部・非常に大きな一歩。外国でのISSへの補給がうまくいかなかった後の成功で、商業分野でも信頼性という面で、さらに世界から認められたと思っています。

NHK・米シグナスはロケットに問題あったが、こちらではそれらを踏まえてどの点で気をつけたか。
阿部・今回が特別という訳ではなく、以前からそういった事例があれば情報を集め、水平展開し我々のロケットでそういった事が起こらないか毎回チェックしている。今回もシグナス・ドラゴンの事例を分析している。

鹿児島テレビ・打上成功で今後日本がI貢献することや、影響はあるか。
奥村・将来、たとえば火星に行くなど遠方に行く場合にベースキャンプから物資を運ぶプロセスがある。我々の輸送機やベースキャンプとのドッキングの仕方やキャプチャの仕方が、ますます有人探査の世界で存在感が高くなっていくのではないかと考えています。

共同通信・今回、レイトアクセスでアメリカの荷物210 kgを乗せた。緊急搭載に応じて成功した受け止めと、このレイトアクセスの需要は高まると考えるか、そしてこれにどうこたえていくか。
奥村・レイトアクセスは、運ばれる物の方から見ると、受付が直近の方がサービスとしては付加価値が高い。たまたまアメリカの事例もあって緊急輸送の価値がご理解いただけた。
 ISSの「きぼう」棟で我々は生物実験に力を入れている。今回もそのための小動物の飼育装置を持って行っている。こういった生命に関わるものはできるだけ直近に積んだ方がいい。有効利用という点で、緊急輸送だけではなくて生物学的なものに有効利用できると考える。レイトアクセスに見合うような実験内容や実験対象を検討していくことも重要。これは日本の強みになる可能性があると、私は期待を持っている。

産経新聞・次の(種子島での高度化H−IIA)打ち上げは外国顧客だと思うが展望と意義、課題をお聞きしたい。
阿部・今度の顧客は「テレサット」でビック4の一角である。我々が受注したことで話題を呼んだが、打ち上げに成功することで我々の事業がさらに前に進める。高度化で5時間ちょっと後に分離で、その間の顧客対応をどうするかが課題である。


記者会見・第二部

宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門 HTV技術センター長 成田 兼章
宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門鹿児島宇宙センター長 打上安全管理責任者 藤田 猛
三菱重工業株式会社 防衛・宇宙ドメイン 宇宙事業部 技監・技師長 打上執行責任者 二村 幸基

質疑応答
読売新聞・まだ途中だが、現在の気持ちをお聞きしたい。
成田・無事軌道に投入されほっとした。スムーズに軌道に入ったなあというのが実感。ただ、私共としてはまだ作業の始まり。ミッション達成に向けて着実万全に作業を進めていきたい。

NHK・今の「こうのとり」5号機の状態をお聞きしたい。
成田・速報的だが、データ中継衛星等を通じて筑波と通信中。次に向け点検中です。

産経新聞・打ち上げを振り返っての評価をお聞きしたい。
二村・計画通りで、軌道もほぼノミナル。軌道投入もほぼ正確にできた。今回のミッションはかなり満足できる点数が出せると考えている。

・レイトアクセスで緊急物資を運ぶプレッシャーがあったが、感想をお聞きしたい。
・二村・正直なところ、ほっとしている。大切な物資を運んでいること、そして無事に軌道に投入しなければならない。他の衛星打ち上げと同じだが、今回特に注目されていて、ミッションを終えて非常に安堵している。

鹿児島テレビ・今回の打ち上げの成功がどのような自信になっていくか。
二村・おかげさまで連続成功が続いているが、H−IIBは2年ぶりでまだ5機目であり、作業を慎重に進めた。2年開いていると世代も代わっているので、オペレーションを行うクルーの教育訓練など用意周到に進めてきたつもりでいる。そういった事が今回の成功につながって、次につながる。

ニッポン放送・今回は緊急で水再生システムを積んだが、何の荷物を外したなどという苦労したエピソードをお聞きしたい。
成田・レイトアクセスだが、もともと緊急のものは三番目ぐらいの位置づけ。若干増えたが、乗せ方を苦労してきっちり乗せた。

NVS・今回、天候判断で悩まれたと思うが、状況をお聞きしたい。
二村・天候判断はいろいろな要素がある。今回は特に雷に注意した。雷が近づくとオペレーションに制約が出る。週間天気予報などで、最初の16日と次の17日は雷の発生が非常に心配された。我々としてはできるだけ早く打ち上げたいため、極力チャンスの大きい日を狙って天候判断をした。いったん燃料を入れ引き戻すと、我々の疲労がたまるため慎重に判断した。

sorae.jp・プレスキットの超小型衛星の数が海外報道と違うが、実際の搭載数をお聞きしたい。
成田・プレスキットのものはJAXAが輸送するものが2つとなっている。海外のものは別で、NASAのものは16となっています。
 (※当初17機となっていたが、会見終了後に16に訂正されています)

NHK・当初分離は打ち上げ15分後の予定だったが、実際には早いようだがどう判断されたか。
二村・あらかじめ組み込まれたプログラムで決まっているが、実際にはエンジンの性能によっては少しスピードが出てしまう事などがあり、求められたポイントで求められた軌道に投入するために、若干早めに進んだ場合は早めに分離するなど微調整をしている。

毎日新聞・ロケットはH3開発が始まった。「こうのとり」の改良型も検討されている。これらのコスト削減と今日の安全性を維持する事の自信はあるか。
二村・三菱重工株式会社はJAXAさんから開発を請け負っている。H3はJAXAさんからお答えいただく。コストと信頼性が相反する開発であってはならないと思っている。技術的に裏付けができたものでコストを下げ、ロケットとしては信頼性をこれまで以上に高めていく。厳しいがメーカーとしては地道に努力してJAXAを支えていきたい。
成田・H−IIBはやっと5号機まで上がったが、これまでの知見と経験、これからの打ち上げ実績で技術を確立していくのが基本。その裏付けがあった上で、コストを見直すなど技術の話が出てくる。

南日本新聞・HTV運用でドッキングが重要だが、日本人二人が担当する事についての気持ちをお聞きしたい。
成田・軌道上で油井宇宙飛行士、ヒューストンで若田宇宙飛行士、そして筑波で日本のチームの三つが連携して宇宙ステーションに物資を運ぶのはとても誇らしい事だと思っている。

NVS・今後、日本の輸送量の増加やHTVの増加は可能であるか。
成田・輸送機側として「こうのとり」はある意味、世界でいちばん大きい物資や量を運べる能力をもっている。今回5号機でもそういった工夫をしている。そういった機会があれば続けていきたい。

以上です。


No.1878 :H-IIB F5打ち上げ ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月20日(木)00時17分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット5号機は、2015年8月19日20時50分49秒(JST)に打ち上げられました。


No.1877 :機体の射点到着 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月19日(水)06時54分 投稿者 柴田孔明

第2射点に到着したH-IIBロケット5号機


No.1876 :機体移動 ●添付画像ファイル
投稿日 2015年8月19日(水)06時52分 投稿者 柴田孔明

2015年8月19日4時30分(JST)よりH-IIBロケット5号機の機体移動が行われました。
通常の打ち上げより早めの移動となったのは、「こうのとり」5号機側の作業があるためです。


No.1875 :H-IIBロケット5号機の新たな打ち上げ日時
投稿日 2015年8月17日(月)14時43分 投稿者 柴田孔明

延期されているH-IIBロケット5号機の打ち上げ日時ですが、臨時天候判断の結果、2015年8月19日(水)20時50分49秒(JST)に決定されました。
なお、今後の天候状況によっては、再延期の可能性もあるとのことです。