投稿日 2016年9月20日(火)21時09分 投稿者 柴田孔明
2016年9月20日午後、種子島宇宙センターにて気象衛星「ひまわり9号」の機体公開と概要説明が行われました。前日から台風16号が種子島に接近して影響が心配されましたが、公開時には台風一過の、たいへん良い天気となりました。
(※一部敬称を省略させていただきます)
・登壇者
気象庁 観測部 気象衛星課 衛星整備計画官 大友 猛
三菱電機(株) 鎌倉製作所 宇宙システム部 ひまわりプロジェクト部長 西山 宏
・概要説明 「ひまわり8号・9号」について
・平成21年度、衛星の製造に着手。
・「ひまわり8号」は平成26年10月7日に打ち上げ、平成27年7月7日に運用開始。
大きなトラブルも無く順調に観測を続けている。
(※今現在は7号が待機運用中)
・「ひまわり9号」は平成28年11月1日に打ち上げ予定、平成28年度中に待機運用を開始。
同じ型の気象衛星2機体制となる。
平成34年度から8号の後継機として観測を開始予定。
・気象衛星は運用系と待機系の2機体制。
・「ひまわり8号・9号」で平成41年まで観測。
・観測機能について8号と9号は同じ。
(※7号から解像度、観測回数、観測画像の種類、データ処理と伝送等が向上している。また、姿勢制御も地球センサからスターセンサになり、より安定した姿勢制御を行って、ブレの無い気象画像を可能にしている)
・軌道上における静止化は打ち上げ後1週間程度。
・静止化後、衛星機能の確認試験を約3ヶ月間予定。
・全体的な機能確認後、待機衛星として今年度中に運用開始。
・軌道上展開後の大きさは、全長約8m
・打ち上げ時質量約3,500 kg、ドライ約1,300 kg
・太陽電池発生電力、約2.6 kW(静止軌道初期)
・衛星バス:三菱電機標準バス「DS2000」。
(※DS2000は、現在軌道上運用中が9機、製造中が7機。累計58.2年の動作実績があり保険料も安くなっている)
・設計寿命:衛星は15年、ミッションは8年以上。
・質疑応答
共同通信・なぜ2機体制で、待機と観測の交代を行うのか。すぐ側にいるのか。
大友・衛星のバスの寿命が15年と長くなった。カメラには可動部があり設計寿命は7年。設計寿命を考慮し、7年後に交代する計画。ほぼ同一軌道、東経140.7度の赤道上にいる。
不明・8号と9号は同じ性能とのことだが、全く同じなのか。マイナーチェンジなどはやっていないのか。
大友・同一の機能で間違いない。
西山・衛星も同じです。
・その他、衛星公開中の質疑より。
・観測中に内部ソフトウェアの書き換えは行えるのか。
・可能なものとできないものがあるが、運用を開始する前に殆ど終えている。パラメータなどは運用中にも書き換え可能。
以上です。
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