投稿日 2016年10月30日(日)23時03分 投稿者 柴田孔明
2016年10月30日14時より、種子島宇宙センターにてH-IIAロケット31号機/ひまわり9号の打ち上げ前プレスブリーフィングが行われました。
なお当初打ち上げ予定日だった11月1日は天候の悪化が予想されているため、翌11月2日に延期になりました。
(※一部敬称を省略させていただきます)
・登壇者
気象庁 観測部 気象衛星課 運用準備班長 佐々木 幸男
宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 鹿児島宇宙センター射場技術開発ユニット長 長田 弘幸
三菱重工業株式会社 防衛・宇宙ドメイン 宇宙事業部 MILSET長 平嶋 秀俊
(※MILSET:Mitsubishi Launch Site Service Team :三菱打上サービス射場チーム)
・打ち上げ延期について
打ち上げ当日の発射準備作業時に天候の悪化が予想されるため、打ち上げを11月2日に延期します。
・打ち上げ準備状況
6月3日:飛島工場を出荷後、射場作業を開始。
〜8月29日:機能点検。機体の各機器が正常に作動することを確認。
8月29日〜10月10日:機体休止保管。H-IIB 6号機射場整備作業を実施。
10月11日〜10月14日:作業再開に伴う点検。各機器の機能が維持されていることを確認。
10月15日:カウントダウンリハーサル。関係要員に対し、打ち上げ当日の対応手順を周知徹底するために、打ち上げ時の作業を模擬。
10月16日〜10月24日:ひまわり9号とロケット機体の結合作業。
10月24日:ロケット機体の最終的な機能点検。
10月28日〜:発射整備作業を実施中。
・H-IIAロケット31号機について
202型、4S型フェアリング
・打ち上げ予定日時等
機体移動予定日時:2016年11月2日午前1時30分
打ち上げ予定日:2016年11月2日
打ち上げ時間帯:15時20分00秒〜18時18分00秒(JST)※後日、詳細時刻を決定。
打ち上げ予備期間:2016年11月3日〜2016年12月31日
打ち上げ予備期間中の打ち上げ時刻は15時20分00秒〜18時40分00秒の間で別途設定する予定。
・ひまわり9号について
軌道上展開後の大きさ:全長約8m
燃料を含めた打ち上げ時質量:約3,500 kg
衛星本体のみの質量:約1,300 kg
静止軌道初期の発生電力:約2.6 kW
衛星本体の設計寿命:15年以上
観測機能:8年以上(運用7年+平行観測1年)
静止化予定日:11月11日頃(11月2日打ち上げの場合)
※観測機能に関しては「ひまわり8号」と同一。
・質疑応答
NHK・打ち上げ延期だが所感をお聞きしたい。
平嶋・風が強く、雷が来る予定がありいろいろ考えた。検討の結果、11月2日なら憂いが無い。確実に打たなければならないという気持ちをこめて延期した。心を入れ替え、ひとつひとつ丁寧に、平常心を保ってやっていきたい。
佐々木・個人的見解だが、確実安全に打ち上げられることが第一条件。その方針で行ってもらいたい。
長田・今年度初めての打ち上げを、確実に打ち上げたいと準備を万全にしていたが、天候には勝てない。2日は天気が良くなる。少ないチャンスだが、確実に打ち上げたいと思っている。
鹿児島テレビ・ひまわり8号と9号は同型だが、2機体勢になることのメリットは何か。
佐々木・万が一トラブルが発生しても観測の欠測が無く、利用者の方に配信が継続できる。2機であっても観測は1機のみなので、2機でも画像の精度は変わらない。
NHK・2日は確実とのことだが、不確定要素はあるのか。
平嶋・2日は天候が良い。100%とは言えないが制約条件はかなう。引き続き注視していきたい。
NHK・1日未明の発雷と強風は、発射時点ではなく作業時点での天候悪化による延期となるのか。
平嶋・機体を射座に据え付ける屋外作業があり、発雷があると待避しなければならない。作業安全にも支障があるため延期とした。
NVS・12月9日に予定されているH-IIBロケット6号機の打ち上げに影響はあるか。
平嶋・H-IIB6号機の打ち上げに対する影響はJAXAと検討していきたい。
長田・現時点では影響は無いが、今後状況が変われば再設定もあり得る。
南日本放送・打ち上げの細かい時間はいつ決定し発表するのか。
平嶋・本日は時間帯の発表だが、明日打ち上げ時間の発表を行う。
テレビ愛知・強風とは制限風速以上の風という意味か。また発雷のリスクは何か。
平嶋・風について、突風は2倍の風速になる可能性があり、人に対して問題になる可能性がある。落雷の懸念があるため雷警戒報をセンター内で設けていて、それが発令すると作業が中断し人は待避しなければならないため、そこは避けようと考えている。
以上です。
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