投稿日 2000年10月23日(月)13時05分 投稿者 江藤 巌
STS-92ミッション・ステイタス・リポート#24
STS-92ミッション・ステイタス・リポート#23
ケネディ宇宙センター(KSC)の滑走路の横風のため帰還を1日延期したディスカヴァリー(STS-92)だが、KSC周辺には相変わらず強い風が吹いており、着陸が予定されている23日午後(日本時間24日深夜)にも天候の改善は見込めない。このためNASAでは、ディスカヴァリーを第二着陸場であるカリフォーニア州のエドワーズ空軍基地(AFB)に着陸させることを検討している。
23日の帰還のチャンスはKSCには2回、エドワーズAFBには3回ある。
まず1243CDT(24日0243JST)にデオービット(軌道離脱)の逆噴射を行った場合には、KSCに1351CDT(0351JST)に着陸する。
その1周後の1415CDT(0415JST)にデオービットした場合、エドワーズAFBに1523CDT(0523JST)に着陸できる。
この機会をパスしても、同じ周の1421CDT(0521JST)にデオービットすると、KSCには1528CDT(0628JST)に帰着する。
またその次の周の1531CDT(0631JST)にデオービットして、1658CDT(0758JST)にエドワーズに着陸することも出来る。
23日の最後の帰還のデオービットのチャンスは1729CDT(0729JST)で、エドワーズに1835CDT(0835JST)に帰着する。
ディスカヴァリーの再突入経路
天候などが理由でこれらの機会を逃すと、帰還はさらに1日間延期されることになる。
KSCの天候はこれから2,3日も思わしくなく、エドワーズ周辺の天候も今後悪化が予想されるため、NASAではKSCへの着陸が無理な場合には、23日中にエドワーズにディスカヴァリーを降ろすことになろう。
エドワーズAFBにオービターが着陸した場合には、ボーイング747ジャンボジェット改造機の背中に載せて、アメリカ大陸を横断してKSCまで輸送することになる。そのための経費は100万ドルで、2週間の余分な時間が掛かってしまう。このためオービターをエドワーズに降ろすのは、実用飛行が始まってからはよほどせっぱ詰まった時だけである。
推進機関を持たないオービターの着陸は、やり直しの効かない文字通りの一回勝負であり、横風などの外乱を極端に避けねばならない。そのため滑走路の横風成分が15ノット(7.7m/s)を超えると予想される際には、デオービットを中止して再突入を延期することになる。NASAではこれをwaveoffと呼んでいるが、もともとは航空母艦(空母)に着艦進入してきた艦上機が、着艦条件が合わずに上昇して着艦をやり直すことを指す。
宇宙開発事業団(NASDA)着陸予定日時の延期について
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