投稿日 2018年8月31日(金)23時22分 投稿者 柴田孔明
2018年8月26日16時00分より、種子島宇宙センターでSRB-3の地上燃焼試験が行われました。そのあと燃焼実験場を報道公開し、続けて記者会見が開催されています。
写真は竹崎展望台屋上から撮影した燃焼試験の様子。(約900m)
(※一部敬称を省略させていただきます)
・登壇者
JAXA 第一宇宙技術部門 H3プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 岡田 匡史
JAXA 第一宇宙技術部門 H3プロジェクトチーム ファンクションマネージャ 名村 栄次郎
・岡田
大変お待たせして、ようやく燃焼試験ができました。本日の点火時間は16時とさせていただきます。内容については今日は口頭ですが名村からご説明したいと思います。我々はこれからデータのレビューをやって、順次撤収作業に入っています。
・名村
試験としては大成功。所定の燃焼ができて必用なデータがとれた試験になりました。昨日の気象の話もありまして、緊張感を保ちつつ、そうは言ってもドキドキしながらその時を待っていたのですが、無事に点火できました。燃焼したデータにつきましては、まだこれからなんですが、クイックで評価した所ですけども、モータとして燃焼圧力を最大10.8MPaと想定していたが、計測誤差の範囲で10.7MPaと速報値で入っています。燃焼時間につきましてもほぼ110秒と、事前には100秒程度と申し上げていましたが、今回の特性から110秒と思っていましたが、110秒くらい燃えました。燃焼パターンとしても予測と近い物が得られた。ということで設計の妥当性が検証できたのではないか。そして必用なデータがとれたという事で、いい試験が出来たということで、報告させていただきます。供試体も特に気になる点は見つかっていないという状況であります。
・岡田
まだ皆さんに具体的な内容をご説明できるほど我々もデータを見ていないので、この場で質疑応答という形でいろいろやりとりをさせていただければと思います。
・質疑応答
東京飛びもの学会・気になっていた風向きだが、煙が陸地の方に行ったが、そのあたりはだいたい想定内におさまったのか。
岡田・風向き的には我々の考えていた範囲。またどんな状況かはこれから確認したいと思う。
東京飛びもの学会・試験場の床に白い粉が吹かれていたが、あれが舞い上がって降るのか。
名村・多少それもあるが、ディフレクターのコンクリートがえぐれて混ざって白い粉となって見えていたと思います。
・JAXAプレスリリースより
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、H3ロケット用固体ロケットブースタ(SRB-3)開発の一環として、設計の妥当性等の確認を目的として実施したSRB-3実機型モータ地上燃焼試験の結果について、下記のとおりお知らせいたします。
試験は予定したデータを取得し、良好に終了しました。
試験日時:平成30年8月26日(日)16:00点火
試験場所:種子島宇宙センター 竹崎固体ロケット試験場
天候:晴れ 風:4.5 m/sec 気温:29.1 ℃
[試験結果]
燃焼時間:110.1秒
最大推力:2137 kN
最大燃焼圧力:10.7 MPa
以上です。
|