宇宙作家クラブ
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No.2210 :再延期
投稿日 2018年9月20日(木)17時00分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット7号機ですが、天候悪化のため再延期されました。
以下、連絡文です。


三菱重工業株式会社及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)を搭載したH-IIBロケット7号機(H-IIB・F7)の打上げを平成30年9月22日に予定しておりましたが、打上げ前日から当日の天候悪化が予想されるため、下記のとおり変更いたします。

                   記

打上げ日:平成30年9月23日(日)
打上げ時刻:2時52分頃(日本標準時)(※1)
打上げ予備期間:平成30年9月24日(月)〜平成30年10月31日(水)(※2)

(※1)最新の国際宇宙ステーションの軌道により決定する。
(※2)打上げ予備期間中の打上げ日及び時刻については、国際宇宙ステーションの運用に係る国際調整により決定する。

なお、9月23日の打上げの可否については、明日以降の天候状況を踏まえ、再度判断いたします。

以上です。

No.2209 :打ち上げ中止記者会見(2018年9月15日) ●添付画像ファイル
投稿日 2018年9月19日(水)21時52分 投稿者 柴田孔明

 2018年9月15日5時59分14秒(JST)に打ち上げ予定だったH-IIBロケット7号機は、推進系統に確認事項が発生し同日の打ち上げを中止しました。同日6時より、打ち上げ中止に係る記者会見が竹崎展望台記者会見室で開催されています。
 新たな打ち上げ日は、この日の段階では未定となっています。
(※一部敬称を省略させていただきます)

・登壇者
宇宙航空研究開発機構 第一宇宙技術部門 鹿児島宇宙センター所長 打上安全管理責任者 藤田 猛
三菱重工業株式会社 執行役員フェロー 防衛・宇宙セグメント 技師長 打上執行責任者 二村 幸基

・打ち上げ中止について(二村)
 三菱重工業株式会社及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、種子島宇宙センターから宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)を搭載したH-IIB ロケット7号機の打ち上げを平成30年9月15日に予定しておりましたけれども、ロケットの推進系統に確認を必要とする事象が生じたため、本日の打ち上げを中止させていただきました。

 昨日から機体を移動いたしまして、燃料充填等、作業を進めてまいりまして、カウントダウン作業は本日全般の作業を申し上げますけども、この作業において、燃料を充填したあとに最終的にフライトに向けて様々な機能点検を行います。その機能点検の中のひとつ、2段の液体酸素ベントリリーフバルブ作動試験において、バルブの作動圧力が規定より低かったという事象が起きております。規定圧力は0.33 MPaAに対して、作動圧力は0.25 MPaA。これだけだとわかりにくいので少し解説を加えますと、液体酸素ベントリリーフバルブというのは、2段のところに搭載しております液体酸素を入れているタンクがございます。タンクの上部の方に取り付けているバルブでございますけれども、機能としては、まずベントというのは大気中に開放するための機能で、開けると大気圧と同じ圧力になる。排気したりする機能。もうひとつの機能はリリーフと言っておりまして、ある一定圧を超えると安全のために圧力を逃がす機能、この二つを持ったバルブがございます。このバルブの作動試験のリリーフするときの圧力を最終的に確認しているときに、本来であれば0.33 MPaAまでは圧力が抜けない状態、つまり圧力を保持しなければならない規定がございますが、実際にこの試験で圧力をかけていったところ、それよりも低い0.25 MPaAで圧力が抜けてしまうリリーフモードになりました。つまり必用な圧力がこのタンクとして保持できない状態になっていたということになります。この事象のままフライトさせると何が起きるかということになりますけれども、(配付資料に)「飛行中に2段液体酸素タンク圧力が保持できないということがあって、本日の打ち上げを中止した」とありますが、フライト中にタンクの圧力を約0.3 MPaAに保持をする意味は、液体酸素をある圧力で押しつけまして、その圧力でもってエンジンに酸化剤を供給しております。従いましてこの圧力が所定の圧力より低いと、正常な値でもって燃料あるいは酸化剤がエンジンに供給できないために、正常な燃焼が出来ない事が発生しうるということで、この状態でフライトをさせてもミッションを達成できる可能性が無いということで、今回この状態でのフライトをあきらめまして、本日作業を中止して現在各種データ取得あるいはその後の排気処理に入っていくという予定で作業を進めております。

・質疑応答
共同通信・不明とのとこだが、調べたが異常が無かったところと、または思い当たる、可能性があるところはあるか。
二村・正直に申し上げまして、私どもでこういった事象を発生させたのは初めて。推定等がなかなか難しいので必用なデータをとり整理しているところ。それ以上のところは申し上げる状況にないということでございます。

共同通信・何日空けるなど今後の目安。
二村・現時点ではまだ何とも申し上げられないと思っています。確定的ではないのですが、1週間以内の打ち上げはかなり難しいと、感触ですが思っています。

朝日新聞・どういった作業があるから1週間以内が難しいということか。
二村・今お答えできる範囲でお答えします。現在期待は射点に出ておりまして、燃料である液体水素、それを燃やすための液体酸素が機体の中に入った状態になっております。我々としましては、こうして燃料を実際に詰めたり、酸素を詰めたりした状態でしかできないデータ取得がございますので、言い方は変ですけどもここのフェーズでしかとれないデータは今のうちにちゃんととっておきたい。次の打ち上げに目がけてですね。といった作業をした後、速やかに排液、つまりタンクから燃料と酸化剤を排出いたします。そのあと移動できる状態になって、これも明確な時間は申し上げられないが、本日中には機体を組立棟(VAB)になんとか返送したいと思っています。ただこれは確約できるものではありません。そのあとロケットというのは打ち上げる前に、打ち上げるためのコンフィギュレーションを作りますが、それを解除しなければいけない。それが半日ないしは1日かかります。そのあと今回はバルブを外して製造工場に持ち帰りまして原因の究明の作業を行いますが、バルブを取り外して実際に返送してトラブルシュートをすると最低でも2日から3日かかるだろうと思っています。一方、その代替品、交換するための物品は準備はできるのですが、実際に原因を追及した結果、今出来上がっているものに更に何か追加の試験をやらなければならないというようなことがあれば、そういった事にも時間を要する。それを除いたとしても、それであらためて射場に持ち込んだバルブを組み付けて、最後に点検を行って、打ち上げ前のコンフィギュレーションをもう一回作るのにまた1日かかります。それから2日間の打ち上げ作業となりますので、単純に足していきますと7日を超えてしまうことになります。

朝日新聞・打ち上げ何時間前、どういったタイミングで見つかったのか。
二村・ざっとした時間で申し訳ないですが、2段の液体酸素ベントリリーフバルブの作動試験は本日2時頃に実施をして、その段階で異常な作動があると発見した。

朝日新聞・打ち上げ4時間前か。
二村・そうです。もう少し準備が早ければもう少し早くやるし、少し遅れていれば遅れるが、あくまで最後の打ち上げに向けて燃料の最終充填の作業前に、こういった点検作業をやっていますので、だいたいタイミングはそれくらいになる。

朝日新聞・初めてとのことだが、昨年8月(H-IIA F35)の漏れとの違いと、その後リスクマネジメントを見直したとの話だったが、何故見逃されたのか。
二村・見逃したというのは若干当たっていないと正直思っています。前回の時は最終的に判ったのは封止プラグのところの小さなゴミ、そこからの漏れがあって、それを排除したものをすぐに準備して1週間程度で打ち上げた。ということでバルブ作動の異常とは異なります。今回起きた事象というのは、先程も申し上げた通り、我々の今までのスクリーニングで十分スクリーニングできていたと思っている部分での、これに関しては初めての経験であるというのが正直なところでございまして、原因が何とも言えない状態で、その辺りについてのコメントはまだできないというのが今の正直なところでございます。ただあのときは本当の圧力をかけて試験ができなかったのかとか、(H-IIA)35号機の時にございましたけども、本バルブについてはやれる範囲での試験はやり尽くしていると我々は思っております。前回のこともありスクリーニングでやれることでやっていないことはないか再度整理しておりますけども、本件については現時点ではやるべきことをやってきたつもりです。

朝日新聞・HTVが遅れることの影響はあるか。
田邊・一週間程度という話がありましたが、その程度なら特に影響はありません。問題が長期化して例えば1ヶ月を超えるとなると再評価が必要になると考えています。
(※宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙技術部門 HTV技術センター 技術領域主幹 田邊 宏太)

朝日新聞・再評価の意味合いは。
田邊・「こうのとり」に積まれている荷物であるとか、「こうのとり」のシステム、バッテリであるとか推進系とか、そういったものの点検と確認が必要です。

朝日新聞・ISS側には問題は無いか。
田邊・これも新しい日時、キャプチャの日時が見通した段階でNASA側と調整することになっています。

朝日新聞・生命維持には影響が無いということか。
田邊・特に影響はありません。

時事通信・今回特に設計変更とか仕様の変更は無いのか。
二村・全く変更はしていません。

時事通信・この2段の液体酸素ベントリリーフバルブの動作試験は燃料を充填してこの段階でないとできないのか。
二村・厳密に申し上げます。まずバルブ単体としては工場の中で低温試験をやっておりまして、その後機体に組み付けた後に最終的な温度環境で動かせるのはこのタイミングだったということでございます。

時事通信・事前のスクリーニングには限界があるのか。
二村・そうです。

南日本新聞・バルブ単体の試験はいつ行われたか。
二村・今手元にデータがございません。

南日本新聞・その段階では正常だったというこか。
二村・もちろんそうです。

南日本新聞・これはH-IIB特有のものではないということか。
二村・同じバルブをH-IIAでも使っています。

南日本新聞・今回の問題はH-IIA/Bで初めてなのか。
二村・そうです。

南日本新聞・0.33で圧力が抜けるということは、そこまでの圧力が無ければ打ち上げない規定があるのか。
二村・規定圧力は、それ以上の圧がかかるとタンクに何らかの影響を及ぼすと思ってください。0.3 MPaAはフライト中に圧力を維持したい値です。その違いがあります。

南日本新聞・これまでどういう調査をして、どういう可能性を潰したのか。
二村・まだありません。データはとりました。ただ機能的には、低い圧力で抜けてしまう事象があるということで、再現確認まではしています。再現確認は一度起きたことが同じ条件でやるとまた同じ事が起きるかという試験で、これは同じ事が起きている。

南日本新聞・タンク側ではなくバルブ側のトラブルか。
二村・その通りです。

南日本新聞・H-IIAの40号機の打ち上げが10月末にあるが、それとの兼ね合いは。
二村・今度打ち上げる40号機はH-IIAでありまして、我々としては並行作業は可能であると考えています。ただこのバルブはH-IIAとH-IIBで共通で使っていますので、原因によっては、H-IIA40号機は機体が組み上がっておりますので、それに対して何らかの処置が必用になるかもしれません。その分は多少影響が出るかもしれませんが、基本的には予定通り打ち上げられるように努力したいと思っています。

南日本新聞・デッドラインがいつと決まっている訳ではないのか。
二村・それは違います。

産経新聞・設計変更していないとのことだが、組立手順とか工程の違いはないでしょうか。
二村・基本的に無いと思っています。定められた手順で、定められた環境、定められた試験条件で試験をやっています。ただ今ご指摘がありました点につては、特異性があったか無かったかというのはこれから調査をしたいと思っているが、基本的にはございません。

産経新聞・昨年は気蓄器の組立手順が違ったということがあったが。
二村・その手のことは一切ありません。

産経新聞・こういった形で延期になったことへの気持ちなど。
二村・ロケットというのは飛ばして衛星を軌道にのせて初めて仕事を果たすということからすると、我々としては打ち上げてからの失敗は絶対にあってはいけない。その手前のチェックで未然に防止できたという意味では、必用なことは出来たと思っています。ただ予定した日に様々な方からご期待をいただいていますので、それに今回は応えられなかったという意味では少し残念な気持ちはしている。繰り返しになれますが打ち上げサービス事業者としては最悪の事態は回避しているので、それは次に向けてしっかりやるためのひとつのモチベーションにもなりますし、我々の取り組み姿勢にも繋がっていくと思っています。

産経新聞・推進薬充填中の点検ということか。
二村・厳密には推進薬をちゃんと充填した後に、機能の点検をする。ただ推薬充填は打ち上げの直前まで繰り返し行いますので、いったん液を入れて環境を作ったところで機能試験をやって、最後に必用な燃料を最後まで詰めて圧力をかけて打つということになります。

NHK・最悪の事態は回避できたとのことだが、今回のトラブルをどれくらいクリティカルな問題と捉えているか。
二村・このバルブに関して、所定の圧より低いところで抜けてしまうモードは、H-IIA用に作ったバルブですが経験が無い。調べてみないと何も判らない。かなり重大な課題を持ったかなと思っています。

NHK・バルブを外して調べた結果、予備と交換するだけではすぐに打ち上げられないという評価結果が出た場合はどうするのか。
二村・まずはバルブを開いてみたりいろいろな調査をしまして、追加の確認評価がいるのであれば、当然それを追加で行ったバルブを準備してから搭載する。そのぶん時間はかかるということになります。

NHK・それにかかる時間はどれくらいか。
二村・正直、まだなんともお答えしにくいです。

朝日新聞・バルブが必用な圧までに抜けてしまうのは、圧力を閉ざす弁のようなものから抜けてしまっているのか。
二村・正直なかなかよくわからない事がございます。非常に簡単に言いますと、ある圧力がかかって必用以上の圧力がかかると、バネ的な機能をもったところが縮むことで流路が開く。非常に単純に言うとそういう機能です。それの押し込みの力が弱い、あるいはどこかに漏れパスがある、その辺りはまだなんとも申し上げられない。

共同通信・ステーションへの物資輸送は最大ひと月分くらいの余裕はあるのか。
田邊・ステーションの中で保管されているものは正確な日数は今無いですが、数ヶ月は持つ。そんなに差し迫った状況ではない。

NHK・細かい表現で、打ち上げは最低でも一週間後ということか。
二村・みなさんがお聞きになりたい気持ちはよく理解していますが、今のところ確定的なことを申し上げるのはなかなか難しい。一週間以内の再度の打ち上げはなかなか難しいというのが、今言えることでございます。

NHK・このあとの機体移動(VAB返送)も確定できないのか。
二村・機体をVABに戻すのは現在の作業目標としては本日中には戻したいと思って作業を進めています。

NHK・今回はバルブにトラブルがあったという認識か。
二村・システム的にはトラブルです。

読売新聞・バルブ以外のシステムの異常で今回の事象が起きたことは考えられるか。
二村・現時点ではバルブ単体の異常と判断しています。ベントリリーフバルブの作動だけのための試験環境を整えて、バルブの機能だけを確認するフェーズがございまして、その中で発見をしている。それと実際にバルブの挙動というか、そこでしか圧力を保持する機能が無いので、このバルブ単体の異常だと思っています。おっしゃりたいのは取り付け部からの漏れなどではないかということでしょうけども、それは無いと思っています。

不明・最短でも一週間ということは、22日以降か。
二村・なんともお答えしにくい。努力はしてまいりますが、まず機体の返送をして、バルブ取り外す前の作業が1日あり、順調にいって交換用のバルブに対して何らかの追加試験が必要ないということがはっきりすれば、かなり努力すればその程度でいけるかもしれない。だたまだ何ともお答えのしようがない。

不明・点検する機器の異常ではないのか。圧を計る機械がぶっ壊れている可能性は潰れているのか。
二村・その可能性はかなり低いと思います。

不明・0.25 MPaAで飛んでもうまくいくのか、それとも問答無用で駄目なのか。
二村・後者です。

以上です。

追記
・2018年9月19日夕方に、新たな打ち上げ日時を2018年09月22日午前3時15分頃(JST)とする発表がありました。


No.2208 :打ち上げ予定日発表
投稿日 2018年9月19日(水)16時42分 投稿者 柴田孔明

連絡があり、液体酸素ベントリリーフバルブの問題から延期されていたH-IIBロケット7号機は、2018年9月22日(土)3時15分頃(JST)の打ち上げ予定と発表されました

No.2207 :打ち上げ中止(2018/09/15)
投稿日 2018年9月15日(土)04時24分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット7号機ですが、9月15日朝の打ち上げは中止になりました。
以下、本件の連絡文です。

種子島宇宙センターから宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)を搭載したH-IIBロケット7号機(H-IIB・F7)の打上げを平成30年9月15日に予定しておりましたが、ロケットの推進系統に確認を必要とする事象が生じたため、本日の打上げを中止いたします。なお、新たな打上げ日については、決定し次第お知らせいたします。

No.2206 :第2回判断はGO ●添付画像ファイル
投稿日 2018年9月14日(金)20時22分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット7号機の第2回Go/NoGo判断会議の結果はGoです。
(※ターミナルカウントダウン作業開始可となります)

写真は射点付近のH-IIBロケット7号機(14時半頃)


No.2205 :H-IIBロケット7号機の機体移動 ●添付画像ファイル
投稿日 2018年9月14日(金)16時43分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット7号機の射点への機体移動が2018年09月14日14時00分から14時33分にかけて行われました。


No.2204 :打ち上げ時刻について
投稿日 2018年9月13日(木)14時06分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット7号機の打ち上げ日時の詳細が発表されました。6時頃とされていた時刻の詳細が決定しています。
打ち上げ日: 2018年9月15日(土)
打ち上げ時刻: 05時59分14秒(JST)
打ち上げ予備期間: 2018年9月16日(日)〜 2018年10月31日(水)
※打ち上げ予備期間中の打上げ日及び時刻については、国際宇宙ステーションの運用に係る国際調整により決定する。

No.2203 :再延期
投稿日 2018年9月12日(水)15時47分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット7号機/こうのとり7号機の打ち上げ予定日は2018年9月15日6時00分頃(JST)に再度延期となりました。
当初予定していた2018年9月14日の天候悪化が予想されるためです。

No.2202 :打ち上げ予定日は9月14日
投稿日 2018年9月11日(火)14時09分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット7号機の新たな打ち上げ予定日の連絡がありました。

打ち上げ日:2018年9月14日(金)
打ち上げ時刻:6時20分頃(日本標準時)
※時刻は最新の国際宇宙ステーションの軌道により決定する。
打ち上げ予備期間:2018年9月15日(土)〜2018年10月31日(水)
※今後の天候状況等によっては、再延期の可能性もあります。

No.2201 :H-HHBロケット7号機打ち上げ前プレスブリーフィング ●添付画像ファイル
投稿日 2018年9月11日(火)01時34分 投稿者 柴田孔明

 2018年9月9日14時より種子島宇宙センターの竹崎観望台記者会見室にて、H-IIBロケット7号機の打ち上げ前プレスブリーフィングが行われました。

(※一部敬称を省略させていただきます)

・登壇者
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙技術部門 HTV技術センター 技術領域主幹 田邊 宏太
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 第一宇宙技術部門 鹿児島宇宙センター射場技術開発ユニット 技術領域主幹 西平 慎太郎
三菱重工業株式会社 防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部 MILSET長 鈴木 啓司

・打ち上げ延期について(※プレスリリースより)
 『三菱重工業株式会社及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、種子島宇宙センターから宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)を搭載したH-IIBロケット7号機(H-IIB・F7)の打上げを平成30年9月11日に予定しておりましたが、打上げ前日から当日にかけて地上局(グアム局)の天候悪化(台風による強風等)が予想されるため、打上げを延期いたします。
 なお、新たな打上げ日については、決定し次第お知らせいたします。』

・ロケットについて
 ロケット:H-IIB
 フェアリング:5S-H型

・打ち上げ準備状況(※配付資料から抜粋)
 ・H-IIBロケット7号機は飛島工場を7月25日に出荷後、射場整備作業を開始。
 ・以下の射場整備作業を良好に実施。
  ・機能点検(〜8月20日)
  →機体の各機器が正常に作動する事を確認。
  ・カウントダウン・リハーサル(8月21日)
  →関係要員に対し打ち上げ当日の対応手順を周知徹底するために、打ち上げ時の作業を模擬。
  ・「こうのとり」7号機とロケット機体の結合作業(8月30日)
  ・ロケット機体の最終的な機能点検(9月6日〜)
  ※グアム局の天候悪化から9月11日の打ち上げ予定を延期。
  ※機体移動は9月10日15時30分を予定していた。

 ・使用建屋/射点
  ・整備組立棟 VAB2
  ・第2射点 LP2

・台風22号についての予報(グアム)
  ・強風域:10日明け方〜11日夜はじめ頃
  ・暴風域:10日夕方〜11日朝
  ・最接近:10日夜遅く(グアムの北約50 km)

・宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)について
 ・機体概要
  ・全長:10.0m
  ・最大直径:4.4m
  ・ハッチ:1.3m
  ・打ち上げ時質量:約16.6トン
  ・搭載補給品質量:約6.2トン(船内+船外物資+小型回収カプセル)
  ・輸送目標軌道(ISS軌道):高度350km〜460km、軌道傾斜角51.6度

 ・搭載補給品について
  ・NASAの国際標準ラックなどの大型ラック計4つ。
  ・HTV6号機に続いて今回もISS用リチウムイオンバッテリを6台。
  (※老朽化したISSバッテリの交換用。旧バッテリは「こうのとり」で廃棄)
  ・小型回収カプセルを搭載し、サンプル回収技術の実証実験を行う予定。
  ・ループヒートパイプラジエータ(LHPR)技術実証システム。
  ・小型衛星放出機構(J-SSOD)、超小型衛星(CubeSat)


・質疑応答
日経新聞・延期の理由がグアム局の台風直撃、直接射場ではなくグアムというのはどういった支障があるのか。グアムの台風は11日には通過するが、11日中に打ち上げ日を判断するのか、あるいは10日深夜か。
鈴木・次の予定日の考え方は、今後引き続き種子島とグアムを含めて気象状況を慎重に見極め、明日天候判断会議を実施する予定です。その場で検討しまして、決定すれば速やかにご報告させていただきたい。
西平・JAXAの打ち上げ安全管理で使う設備がグアムにある。台風の進路予想図で暴風域に入る時間帯が10日夕方から11日の朝にかけて予想されています。暴風域に入りますと、安全上の規定として作業を実施できないことをルールとして設けています。そのためこの10日夕方から11日の朝にかけては打ち上げに関する作業を一切できないので、本日の打ち上げ延期を判断するに至った。

日経新聞・打ち上げ安全管理設備が台風によって損傷する可能性があるため延期したのか。
西平・設備の損傷よりは要員の安全確保のため、暴風域の中で打ち上げに関する準備作業及び打ち上げの作業をすることをルールで禁止している。

日経新聞・既に10月29日に次の打ち上げ予定の案内があったが、この次の打ち上げに影響しないためには、いつまでに打ち上げないといけないのか。
鈴木・次はH-IIAロケットの40号機でVAB1、LP1(第一射点)とH-IIBとは違う設備を使って運用をしてまいりますので、打ち上げの間隔としてはH-IIA同士やH-IIB同士よりは比較的狭い間隔で打ち上げが可能。現在の気象状況から想定される影響の範囲ならば、40号機には影響しない。

南日本新聞・(グアムの)地上局は追尾をする局か。
西平・その通りです。ロケットのデータを受信する設備です。

南日本新聞・打ち上げ直前の作業ができないというのは、どういった作業か。
西平・グアム局だけで作業している訳ではなく、種子島の管制室とつないで基本的な機能の確認だとか手順の確認をしているが、そういった作業ができなくなる。

南日本新聞・グアムだけでなく種子島も発雷の予報があり、両方駄目ということでの延期なのか、それともグアムだけが駄目なのか。
鈴木・種子島についても気象状況が良くないが、今回決定的であったのがグアムとご理解いただければと思います。

南日本新聞・11日の氷結層は規定以内ということか。
鈴木・現在の予報では規定値ぎりぎりぐらいが示されている。

南日本新聞・明日の判断会議で決まれば最短で12日になるのか。
鈴木・明日決まった場合は最短で13日になります。

NHK・天候会議は明日のいつ開催か。今回予定していた日の打ち上げが叶わなかったことで受け止めを一言。
鈴木・明日の判断会議は11時を予定しています。私自身といたしましては、引き続き今後の作業を確実丁寧に実施していって、新たな打ち上げ日での打ち上げを目指すことに関して変わるところではありません。
田邊・安全確実にステーションに物資を届けることが最優先でありますので、より確実な条件で万全を期して打ち上げに臨みたいと思います。
西平・延期となりましたが、今後新たな打ち上げ日に向けても安全確実に作業を進めてまいりますように、打上安全管理を頑張っていきたい。

NHK・打ち上げが1日延期される毎に、打ち上げ時間が何分ずつずれていくか、早くなるのか遅くなるのか。
田邊・打ち上げが1日ずれますと約24分前倒し、時間が早くなります。これはISSにランデブーするということで、種子島上空に軌道面がかかった時に打ち上げるため、この軌道面が1日毎に約24分ずれていくのが理由になっています。

NHK・9月13日なら何時何分に打ち上げとなるか。
田邊・13日の打ち上げだったら、だいたい48分前倒しになる。秒数までは今はお答えできない。

NHK・打ち上げは何時何分何秒まで決まっていて、ウインドウはひとつか。
田邊・はいおっしゃるとおりです。

NHK・機体移動後に燃料を入れ始めるタイミングは、打ち上げのどれくらい前になるか。
鈴木・Y−0当日の作業表で、9月11日7時32分頃の打ち上げとした場合、推進薬の充填作業を前日の22時30分頃から開始致します。これは打ち上げ日がずれても相対的な関係は変更されません。

NHK・こうのとりに過去最多最重量の荷物を積み込むが、最大のキャパが約6トンとなっているが今回は6.2トンを積み込む。0.2トン超過するのは問題ないという判断だと思うが、なぜ問題無いのか。
田邊・もともと6トンは仕様値としてあるが、今回ロケット側の性能とか運ぶ荷物のバランス等を精査して評価した結果、6.2トンで打ち上げても支障が無いと評価した。

共同通信・延期になるとHTVの離脱はずれた日数分でずれるのか、それとも変わらないのか。
田邊・離脱日は11日に打ち上がっても決められるものではなくて、宇宙ステーションに無事到着して、バッテリ交換作業とかいろいろステーションの作業がありまして、進捗によって離脱日をNASA側と合意する計画になっています。天候による延期については特に問題無いと考えています。

共同通信・週間天気予報で13日を逃すと週末にかけてまた天候が不安定になり、最短で打ち上げられないとまた延びてしまうと考えられるのか。
鈴木・現在の時点で15日16日それ以降の気象状況は変動要因が多いと思っておりますので、予報の状況を慎重に見極めながら打ち上げ可能な日に確実に打ち上げられるように進めてまいりたい。

共同通信・グアムなど地上局の天候が悪くて延期というのは近年聞いたことが無いが事象として珍しいのか。
西平・H-IIAロケット、H-IIBロケットでこういった理由で延期するのは今回初めてでございます。

鹿児島テレビ・日本が自前の帰還用カプセルを成功させる意義について。
田邊・カプセルのミッションはまだ先になりますけれども、サンプルを回収して持ち帰ることは日本はまだきていない。これまでアメリカやロシアの宇宙船に頼ってきました。この他国に頼っていたところを我々が実証することによって、日本として独自の回収技術を手に入れたいという思いでこの実験をやることになっています。

南日本放送・早ければ13日とのことだが、週間天気予報によると機体移動から打ち上げ時間にかけて雷の予報が出ているが、今の時点で雷の予報が出ていても最短13日で打ち上げられるという認識で良いか。それとも14日の方が安全に打ち上げられるのか。
鈴木・13日の打ち上げ可否に関してはまだ判断しておりません。今後の予報の推移を見極めながら明日判断することにしております。

南日本新聞・今日の段階で13日に再設定出来ないのは、打ち上げ時間帯に氷結層が出る可能性があるためか。
鈴木・繰り返しになりますが13日に打ち上げができるかの判断はまだしておりません。13日はまだ4日先であり、今後も気象の予報は日々変わる。特に今回のような気象状況ですと毎日少しずつ変わることもございますので、なるべくぎりぎりの、より新しい気象に基づいて判断することにしております。

南日本放送・その気象の中には発雷の可能性、あるいは氷結層を含んでいるということか。
鈴木・はいその通りです。

南日本放送・13日以降で判断するのは種子島の方で、グアムはそんなに検討しないで大丈夫そうだということか。
鈴木・現在の台風の予想を見る限りでは13日はグアムは通り過ぎているのではと考えているが、それも含めていきたいと思います。

南日本放送・明日に決まらない可能性もあるか。
鈴木・はい、おっしゃるとおりです。

南日本放送・13日にやるかやらないかは明日決まるのか。
鈴木・13日に打ち上げを実施する場合は明日お知らせを致します。

不明・第2段ロケットの大気圏再突入は、今後の宇宙のデブリ対策としてデータ収集が目的とあるが、そのデータの今後の活用は、解析の上で民間に開放したりするのか。
広報・第2段の計測システムは別途回答致します。

不明・ISSで気圧が下がった件で、こうのとりに支障はあるか。
田邊・ロシアの宇宙船の空気漏れは既に対処は終わっていて、こうのとりの飛行に問題はありません。

NVS・打ち上げ時刻が1日あたり24分早くなるが、機体移動は30分単位だと思うがどう動いていくか。
鈴木・機体移動に関しましても、打ち上げ時刻に合わせて前倒ししてまいります。ただし分単位で設定をするとスケジュールで混乱したりしますので、30分単位で変更することにしております。例えば12日の場合だと7時過ぎの打ち上げ時刻になるが、これを7時だと想定した場合、それに合わせたタイムスケジュールを組みますので、機体移動は(11日打ち上げ予定より)30分前ということになります。

追記・9月10日の判断会議の結果について。
 『本日の臨時天候判断会議にて検討した結果、12日から13日にかけての天候の悪化が見込まれることから、本日の打上げ日設定は見送ることといたしました。
 新たな打上げ日については、決定し次第お知らせいたします。』

以上です。


No.2200 :本日の判断は見送り
投稿日 2018年9月10日(月)16時36分 投稿者 柴田孔明

2018年9月10日16時30分頃に連絡があり『本日の臨時天候判断会議にて検討した結果、12日から13日にかけての天候の悪化が見込まれることから、本日の打上げ日設定は見送ることといたしました。
新たな打上げ日については、決定し次第お知らせいたします。』
とのことです。難しい天気となっているようです。

No.2199 :H-IIBロケット7号機の打ち上げ延期
投稿日 2018年9月9日(日)15時14分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット7号機の打ち上げは2018年9月11日の予定でしたが、JAXAより「打上げ前日から当日にかけて地上局(グアム局)の天候悪化(台風による強風等)が予想されるため、打上げを延期いたします。」と連絡がありました。新たな打ち上げ日時は後日、天候を判断した上で決定されます。

No.2198 :いぶき2号 ●添付画像ファイル
投稿日 2018年9月5日(水)23時56分 投稿者 柴田孔明

種子島宇宙センターで公開された温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT−2)
筑波宇宙センターでの公開時には無かった太陽電池パドルが装着されている。


No.2197 :温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT−2)の報道公開 ●添付画像ファイル
投稿日 2018年9月5日(水)23時55分 投稿者 柴田孔明

 2018年9月2日、JAXA種子島宇宙センターにて温室効果ガス観測技術衛星2号「いぶき2号」(GOSAT−2)の報道公開と概要説明が行われました。なお、打ち上げは2018年10月29日が予定されています。
(※一部敬称を省略させていただきます)

・登壇者
環境省 地球環境局 総務課 研究調査室 室長補佐 磯野 賀瑞夫
国立環境研究所(NIES) 地球環境研究センター 衛星観測センター センター長 松永 恒雄
宇宙航空研究開発機構(JAXA) 第一宇宙技術部門 GOSAT−プロジェクトチーム プロジェクトマネージャ 平林 毅
三菱電機株式会社 鎌倉製作所 衛星情報システム部 部長 岡本 和久

・概要説明(※配付資料と説明から一部のみ抜粋)

・「いぶき」(GOSAT)シリーズが目指す環境行政利用(環境省・磯野)
 ・全球規模での温室効果ガス濃度分布や経年変動の把握。
 ・各国の温室効果ガスインベントリとの比較・評価への利活用。
 ・大都市・大規模排出源単位での人為起源温室効果ガス排出量の把握。
 ・パリ協定実施への貢献。
  →・パリ協定に基づき、今後世界各国が温室効果ガス排出量の報告をすることが義務づけられた。
   ・「透明性の高い」枠組みのもとで、各国の排出量報告を行うことが求められている。
    →衛星データを用いて排出量や削減量を比較・評価することは、パリ協定に基づき人為起源排出量や削減量を「透明性の高い」方法で報告するカギとなる。

 ・「いぶき3号」は2018年度中の開発着手を目指す。

・「いぶき」の観測成果(NIES・松永)
 ・全大気平均二酸化炭素濃度も全大気平均メタン濃度も年々上昇している。
  ・二酸化炭素濃度は2016年2月に推定経年平均濃度が400.2 ppmに達している。2018年4月には406.9 ppm。
  ・メタン濃度は2015年12月に推定経年平均濃度が1800.1 ppbに達している。2018年1月は1824.2ppb。

 ・温室効果ガスの濃度差を利用した温室効果ガス排出インベントリの検証。
  →風上と風下の濃度差を利用して排出量を算出する。

・「いぶき2号」の開発(JAXA・平林)
 (※筑波宇宙センターでの公開時と同様 宇宙作家クラブニュース掲示板No.2186)
 ・JAXA筑波宇宙センターで機能・性能確認試験を完了し、種子島宇宙センターに8月20日に搬入。
 ・現在、種子島宇宙センターにて、打ち上げに向けた最終的な点検・組立て作業を実施中。
 (※筑波公開時は太陽電池パドルがついていなかったが、今回はついている)

・「いぶき2号」製造メーカとしての取り組み(三菱電機・岡本)
 【運用効率化】
 ・軌道制御を始めとする衛星バス運用の自動化。
 ・観測テーブル方式の採用による運用負荷低減。
 【高信頼性標準バス】
 ・「いぶき」を踏襲しつつ、「だいち2号」の開発成果を適用。
 ・想定外事象に対し、衛星の安全を最優先とした設計。
 【確実なミッション達成】
 ・観測データ量増大への対応。
 →大容量・小型軽量データレコーダ(「いぶき」と質量比0.8倍)
 →高速データ転送(「いぶき」と速度比1.5倍)

 ・衛星製造に留まらず地上システムを含むトータル観測システムを構築、ユーザと連携した宇宙データ利用ソリューションの提供。


・質疑応答
NHK・3ヶ月平均から1ヶ月平均にしたとの話があったが、全ての観測に1ヶ月かかるということか。
平林・500km四方で濃度0.5ppmで出す目標を掲げています。従前で1000km四方で3ヶ月かかって出しておりましたけども、500km四方の中である点数のデータを積み重ねまして0.5ppmの精度を出そうとしております。雲を避けるインテリジェンス・ポインティングということに取り組みまして、有効に使えるデータ数を増やすということと、センサーそのものの向上を図ることによってセンサ自体の観測精度を上げる相乗効果をもって従前よりも細かいエリアで、かつ短い間隔で0.5ppmというものを達成しようという目標を掲げております。

NHK・500km四方を観測するのに、きちんとしたデータを出すのに1ヶ月かかるということか。
平林・10kmの範囲で観測をしております。この観測データを何点か積み重ねることによって500km四方で0.5ppmという精度を出そうとしている。1ヶ月を目標に取り組んでいる。

NHK・いぶき2号の開発費用はいくらか。
平林・JAXAが担当している部分は文部科学省と環境省の両省からの予算でやらせていただいていますが、運用まで含めてトータル約400億円でやっております。
松永・JAXAさんとは別にプロジェクト開始から打ち上げまでで20億円、今後5年間の運用に20億円くらい。開発から運用までで40億円を予定しています。

NHK・いつごろから観測を始めるのか。
平林・打ち上げ後3ヶ月間くらいはチェックアウトを行います。そのあとに定常的な観測をスタートしますけども、使える状態にしていくために初期の校正検証というプロセスが必用になってきます。JAXAで担当しているスペクトルを出すというところまでは約9ヶ月、濃度として出すところは環境研さんの担当になりますが約12ヶ月後をターゲットに進めてまいります。

NHK・運用開始は1年後を目処ということか。
平林・1年後に校正検証を終えたプロダクトを出すというスケジュール感で進める。

NHK・運用で海外衛星との連携とあるが、海外の衛星開発はどういった背景があるのか。どのように連携していくのか。
平林・いぶきがフロントランナーとして世界で初めて温室効果ガスを専門に計る衛星として運用をスタートし、高精度に温室効果ガスを宇宙から観測できると示した。その後、欧米中国といったところでそれぞれ同種の衛星が打ち上げられています。一方でひとつの衛星だけでは観測頻度等で限界があるので、各国が連携し合って観測を続ける必用がございますので、既にNASAとヨーロッパとの宇宙機関の間で観測についての協力の協定等を締結して連携して取り組んでいます。
松永・実際に観測されたデータの精度保証で、地球上に二十数カ所の観測基地があり、各国がそれぞれ運用している。日本の「いぶき」のデータの精度検証のために各国からデータをいただいていますし、我々も欧米の衛星のために地上観測データを交換することを行っています。チャンスがあれば日本の衛星とアメリカの衛星で同じ日に観測したデータを集めて相互比較し、かつ結果を持ち寄ってサイエンティスト同士が議論する場も設けて運用している。

以上です。


No.2196 :燃焼試験設備のフレームディフレクタ ●添付画像ファイル
投稿日 2018年8月31日(金)23時33分 投稿者 柴田孔明

地上燃焼試験後のフレームディフレクタ。
今回の試験で、上部が少し飛ばされています。