投稿日 2001年2月3日(土)13時54分 投稿者 江藤 巌
・ミール落下は3月10日頃まで延期
ロシアの宇宙関係者によれば、ミール宇宙ステーションが最終的に落下するのはこれまで言われていた3月の6日ではなく、8日から10日頃になるとのことである。
ミールは現在は約290kmの高度の軌道を周回しているが、大気の抵抗で軌道は1日約0.5kmずつ低下している。
ロシアはミールにドッキングしているプログレスM1-5無人補給船を使って減速して、ミールを南太平洋に落下させる計画である。
Space.com
・NASAはティトーの飛行を未承認
ロシアが4月末頃に予定している「市民宇宙旅行者」、アメリカの実業家デニス・ティトー(60歳)の国際宇宙ステーション(ISS)乗り組みについて、NASA(米航空宇宙局)ではまだロシア側と討議もしていないことが明らかになった。
ISSの取り決めにより、各国は自国の飛行枠の中で宇宙飛行士を選ぶことが出来るが、飛行にあたっては他国の承認が必要である。
NASAによれば、ロシア側からはまだティトーの飛行について正式の打診は行われておらず、近くヒューストンで行われる合同委員会の場においてロシア側から申し出があるものと理解している。
一方ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のISS計画担当者は、ロシアのティトー送り込みを「無責任」と非難し、拒否権を発動することも示唆している。
SpaceToday
Space.com
・ISSの総コストは950億ドル
アメリカ議会の会計検査院(GAO)は国際宇宙ステーション(ISS)計画に関する報告を提示したが、その中でISS計画の総コストを950億ドルと算出して波紋を広げている。1980年代始めNASAが宇宙ステーション計画を提示した当時には、計画総額は80億ドル程度とされていた。しかし計画が1984年にレイガン大統領の承認で実施に移されると、相次ぐ計画の見直しと遅延でコストは膨れ上がった。さらにクリントン政権時代にロシアをパートナーに加えることでさらに計画は変更を迫られ、ステーション完成の時期も先送りされた。
NASAではISSの運用経費を含めた総コストをなかなか明らかにしようとしないが、GAOの試算では建設コストと運用コストを加えたISS計画の総コストは950億ドルにも上る。
FLORIDA TODAY
・神舟2号は成功と中国当局者
1月16日の着陸の報以来映像を含めた詳しい情報がいっさい中国から提供されていない有人宇宙機の無人試験「神舟」(Shenzhou)2号だが、中国の宇宙当局者はAFP通信に対して、神舟2号の着陸は成功で現在資料の分析中であると語った。
神舟2号の降下モジュールは着陸した内モンゴルから、北京に移送されたという。
また着陸の直前に神舟2号から切り離されて単独で飛行中の軌道モジュールも、高度381.7kmX399.6km、傾斜角42.6度、周期92.4分の軌道上で順調に飛行中という。
SpaceDaily
SpaceDaily
・カナダの宇宙飛行士第一号が宇宙局副理事長に
1984年にカナダ人として初めて宇宙を飛行したマルク・ガルノー博士、このほどカナダ宇宙局の副理事長に任命された。
ガルノーは1949年ケベック生まれ、イギリスで電気工学の博士号を受け、カナダ軍に入った。海軍の兵器の開発に従事した後、1984年2月にカナダのペイロード・スペシャリストに選ばれて、同年10月のスペースシャトルSTS-41Gでカナダ人として初めて宇宙を飛んだ。1989年に軍を大佐で退役、1993年に改めてNASAの宇宙飛行士(ミッション・スペシャリスト)となって、1996年のSTS-77、2000年のSTS-97ではMSとして飛行した。
CNN
・EUVE
NASAの紫外線天文学衛星EUVE(Extreme Ultraviolet Explorer)が、運用予算を打ち切られて2月初めを以て観測を停止することになった。
EUVEは1992年6月7日にケイプ・カナヴェラルから打ち上げられて、70〜760Å(オングストローム)の極端紫外線域で全天の観測を行って来た。
EUVEの観測機器はいまも健在である。
EUVEは2001年の終わりから2002年の初めにかけて、大気に再突入することになる。
EUVEのHP(カリフォーニア大学バークリー校)
SpaceRef
EUVEが紫外線で捉えた宇宙
紫外線天文学略史
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