宇宙作家クラブ
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No.369 :ミール最新情報
投稿日 2001年3月19日(月)21時43分 投稿者 江藤 巌

 ミールの高度はすでに230kmを切り、高度の低下率も3km/dayとなっている。制御が順調ならば、ミールは日本時間で3月23日の午後には南太平洋に落下することになる。最終軌道が日本の上空を通るかどうかはまだ確定しない。

文部科学省ミール情報収集分析センター 3月19日10:30発表
「ミール」軌道離脱計画に関する情報について(お知らせ)

・ロシア航空宇宙庁ツープ飛行管制センターによれば、ミールの落下予定日時は3月23日モスクワ時間9時頃(日本時間同日15時頃)となることが最有力となった。
・ミールの姿勢は22日にスピンモードから慣性空間に固定された姿勢のモードへ変更される予定。
・エンジン噴射の方針に変更はない(第15周回で1回目、第16周回で2回目、次の第2周回で3回目(最終)のエンジン噴射)。
・本計画案については、本日モスクワ時間15時(日本時間21時)開催予定のロシア政府の省庁間委員会において議論の上、最終決定される予定とのこと。

ロシアの宇宙ステーション「ミール」の軌道離脱計画について(最新情報)

<ミールの軌道について>
(ロシア航空宇宙庁飛行管制センター発表/現地時間3月19日現在)
●ミールの軌道の平均高度
   227.9km
●ミールの軌道の降下速度
   3.0km/1日
●平均高度の220km到達予測日
   3月21日(〜+2)
●自然落下の場合の落下予測日
   3月28日(−2〜+3)

文部科学省宇宙ステーション「ミール」関連情報

No.368 :ディスカヴァリーISSに別れを告げる他
投稿日 2001年3月19日(月)17時02分 投稿者 江藤 巌

・ディスカヴァリーISSとのドッキング解除
 スペースシャトル・ディスカヴァリーは、18日のアメリカ東部標準時18日2332時(日本時間19日1332時)に、国際宇宙ステーション(ISS)からアンドッキング(ドッキング解除)した。
 これに先だって、ディスカヴァリーは同日0545時(18日1945時)にロボットアームを使ってレオナルド・モジュールをISSから取り外し、ペイロード・ベイに納めた。レオナルドはISSに運び込む約5トンの資材を載せて打ち上げられ、帰りにはISSで出たゴミや不要になった機器などを積み込んでいる。
 ディスカヴァリーにはウェザビー機長等4人の乗員と、4ヶ月半に及んだISS滞在を終えたシェパードら3人の第一次遠征隊が乗っている。ディスカヴァリーで飛び立ったウサチョフら3人の第二次遠征隊は、交替してISSに残った。
 ディスカヴァリーは東部標準時21日0059時(日本時間21日1459時)に、ケネディ宇宙センターに帰還する。
Space.com
Space.com
SpaceDaily
CNN

・ロシアのロケットでロックンロール
 アメリカ・ロシア・ウクライナ・ノルウェイ合弁のシー・ローンチ社が、南太平洋上のプラットフォーム”オディッシー”から、ゼニート3SLで19日にアメリカのラジオ放送衛星を打ち上げた。
この衛星はXMサテライト・レイディオ社のXM-2”ロック”で、5月初めにも打ち上げ予定のXM-1”ロール”と合わせて”ロック&ロール”(ロックンロール)となる。
シー・ローンチ社ニュース・リリースミッション・アルバム
XMサテライト・レイディオ社ニュース・リリース

・ミール落下見物に南太平洋遠征
 ロシアのミール宇宙ステーションの落下が数日中に迫り、予定落下地点に近い南太平洋のフィジー諸島には、世紀の瞬間を見届けようとの見物客が集まってきているようだ。
アメリカではミールの落下を、ボーイング747に乗って空中から見物するツアーも組まれている。
Space.com
MirReentry.com

・国際宇宙輸送協会発足先送り
 商業衛星打ち上げ業者を糾合する国際宇宙輸送協会(International Space Transportation Association)の設立は、業界大手のアメリカのボーイング社、ロッキード・マーティン社のいずれもが参加を断ってきたため、当面先送りになりそうだ。
ISTAは、アリアンスペース社のアメリカ支社長だったダグ・ヘイドンが業界団体として設立を呼びかけたものである。
SpaceRef

・宇宙輸送のコストは高いない?
 ところで、これまで地球周回軌道にペイロードを運ぶのに掛かるコストは、漠然と1ポンドあたり1万ドル(22000ドル/kg、1ドル120円として264万円/kg)と言われて来たが、これを覆すような実証的データがアメリカのシンクタンク戦略予算評価センター(Center for Strategic and Budgetary Assessments)から示されている。
CSBAが現用の主な打ち上げ機の打ち上げ料金とペイロードを調査したところ、アリアン4が1ポンドあたり4762ドルから5952ドル、アトラス2が4724ドルから5512ドル、デルタ3が4103ドルから4923ドル、プロトンが1697ドルから2149ドル、アリアン5が3788ドルから4545ドルと言ったところで、平均すれば3632ドルから4587ドルと、これまで言われて来た半額でしかない。
 ただし大半の商業衛星が打ち上げられる静止遷移軌道(GTO)までの打ち上げ料金を見ると、アリアン4が9174ドルから11468ドル、アトラス2が10976ドルから12805ドル、デルタ3が8929ドルから10714ドル、プロトンが7389ドルから9360ドル、アリアン5が10000ドルから12000ドルとかなり高くなる。平均すると9243ドルから11243ドルで、ほぼ1ポンド1万ドルと言って良いようだ。
 なおこの調査には、まだ商業打ち上げの実績のない宇宙開発事業団のH-2Aは対象になっていないが、仮にH-2Aの打ち上げ料金を85億円(1ドル120円で約7080万ドル)、低軌道ペイロードを10000kgとすれば、打ち上げコストは単純計算で1ポンドあたり3213ドルとなる。
SpaceRef

No.367 :ミール最新情報
投稿日 2001年3月19日(月)14時19分 投稿者 江藤 巌

文部科学省宇宙ステーション「ミール」関連情報
ロシアの宇宙ステーション「ミール」の軌道離脱計画について(最新情報)
<ミールの軌道について>
(ロシア航空宇宙庁飛行管制センター発表/現地時間3月18日現在)
●ミールの軌道の平均高度
   230.9km
●ミールの軌道の降下速度
   2.6km/1日
●平均高度の220km到達予測日
   3月21日(〜+2)
●自然落下の場合の落下予測日
   3月28日(−2〜+3)

的川泰宣の「ミール落下日誌」より
 ツープ(コロリョフ宇宙管制センター)では、モスクワ時間3月23日午前9時(日本時間の同日午後3時)頃にミールを落下させる計画が最有力と見られているとの情報が、確からしい。15周回目、16周回目、次の日の2周回目に噴射を行う予定は不変(3月15日参照)だが、その際の速度修正(ブレーキ)は、それぞれ秒速9m、9m、23.5〜25mである。この3回の噴射で燃料はすべて使いきるとの情報が寄せられているが、もしそうならば、燃料の余裕は全くないわけで、燃料の噴射のしすぎで落下が日本に近付いてくる可能性はなくなることになる。なおくわしい情報の収集が必要。

No.366 :ミール落下は今週後半
投稿日 2001年3月19日(月)10時10分 投稿者 江藤 巌

 いよいよミールの落下が迫ってきた。
人為的に落下させるとしたら今週の後半に南太平洋に落ちる予定で、例えコントロールが不能になったとしてもミールは来週の後半には大気の抵抗で自然に落下して来ることになる。
 ミールがコントロールされた状態である限りは、人の住んでいない南太平洋の洋上を目がけて落下させるので、地上に被害を与える可能性はきわめて少ない。
また自然落下では落下地点を選べないが、その場合にはミールが飛んでいる北緯57度から南緯57度に挟まれるすべての地表に落下して来る可能性があり、逆に考えればミールの破片が特定の地域(例えば日本)に落下して来る確率は低いことになる。
 最新の情報では、ミールの落下オペレーション開始は3月の22日になりそうだ。ミールはドッキングしているプログレス無人補給船の逆噴射で三段階にわたって軌道を引き下げ、最終的に大気圏に再突入することになる。
 現在ミールの軌道高度は18日現在約230kmで、1日に約2.6kmの割合で低下している。

No.365 :ディスカヴァリー着陸は21日に延期他
投稿日 2001年3月17日(土)16時18分 投稿者 江藤 巌

・ディスカヴァリーの飛行1日延長
 NASAでは国際宇宙ステーション(ISS)での作業が片づいていないため、ディスカヴァリーとISSとのドッキングを1日間延長することにした。
ディスカヴァリーの着陸は1日遅れて、アメリカ東部標準時間 3月21日午前0時59分(日本時間同日午後2時59分)になる。
STS-102ステイタス・リポート
スペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-102/国際宇宙ステーション組立ミッション(5A.1))の着陸予定日時の延期について

・ゴダードのロケット実験から75周年
 アメリカのクラーク大学ロバート・ハッチンスン・ゴダード教授(1882-1945)が、マサチューセッツ州オーバーンにて液体ロケットの実験を初めて行ってから、今年の3月16日で75周年になる。
NASA記念ページ
D・ゴールディンNASA長官声明
NASAゴダード宇宙飛行センター(GSFC)
ゴダード伝記(GSFC)
ゴダード伝記
CNN

・ガリレオ木星探査機のミッション再延長
 NASA/ジェット推進研究所(JPL)では、木星を周回する軌道上のガリレオ探査機の観測ミッションを、さらに5ヶ月延長することにした。
ガリレオは1989年10月にスペースシャトルで打ち上げられ、1995年12月に木星周回軌道に入り、木星本体とその衛星群を観測してデータを地球に送信して来た。
 ガリレオは2003年の8月にはすべての観測を終えて、木星待機中に突入して燃え尽きることになっている。
JPLニュース・リリース
ガリレオ計画HP
ガリレオ・ニューズ
ガリレオ・ミッション
ガリレオの画像アーカイヴ

No.364 :ディスカヴァリー飛行1日延長他
投稿日 2001年3月16日(金)22時28分 投稿者 江藤 巌

・ディスカヴァリー飛行を1日延長
 スペースシャトル・ディスカヴァリーのSTS-102/ISSフライト5A.1の飛行が1日延長されることが決まった。
 これはISSから地上に持ち帰る機器や不要物をレオナルド・モジュールに収容する作業に手間取っているためで、ディスカヴァリーのISSからのドッキング解除を1日遅らせて作業にあたることになった。
 なおレオナルドに搭載されていた日本で最初のISS実験装置中性子モニタ装置は、13日にISSに運び込まれた。
Space.com
Space.com

・今年のNASA宇宙飛行士募集は中止か
 NASA(アメリカ航空宇宙局)の2001年の宇宙飛行士候補募集は取り止めになりそうだ。NASAではISS計画のコスト膨張を吸収するため、さまざまな分野の予算削減を進めており、宇宙飛行士をいま以上に増やさないことも粗餐圧縮の一環と見られる。現在NASAには約150人の宇宙飛行士が在籍している。

・ICOテレデシックとエリプソ提携
 移動体衛星通信会社のニューICO社を抱えるICOテレデシック・グローバル社と、同じく移動体衛星通信のエリプソ社とが、3月14日に全面的提携を発表した。両者は世界的に共同で低高度衛星を利用する移動体データ/音声通信事業を展開し、最終的には合併も視野に入れている。
テレデシック・ニュース・リリース
まだ消えない衛星携帯電話の「重荷」
(ZDNN)

No.363 :ミール最新情報
投稿日 2001年3月16日(金)22時02分 投稿者 江藤 巌

文部科学省宇宙ステーション[ミール]関連情報
ロシアの宇宙ステーション「ミール」の軌道離脱計画について(最新情報)

<ミールの軌道について>
(ロシア航空宇宙庁飛行管制センター発表/現地時間3月16日現在)●ミールの軌道の平均高度
   236.0km
●ミールの軌道の降下速度
   2.5km/1日
●平均高度の220km到達予測日
   3月21日(〜+2)
●自然落下の場合の落下予測日
   3月28日(−2〜+3)

的川泰宣の「ミール落下日誌」より。

3月16日(金)15時
3月20日にオペレーションを開始する可能性はなく、21日以降になる見込み。その場合、制御落下は3月22日以降になる。

 ちなみに、モスクワ時間と日本時間(JST)では6時間の時差がある。グリニッジ平均時(GMT)との時差は、モスクワ時間が3時間、日本時間が9時間である。

No.362 :ディスカヴァリー滞在期間延長か他
投稿日 2001年3月16日(金)10時41分 投稿者 江藤 巌

・ディスカヴァリーの飛行延長か
 スペースシャトル・ディスカヴァリーでISSに乗り込んだ第二次遠征隊の三人は、4ヶ月を超えた任務を終えて交替してディスカヴァリーで帰還する第一次遠征隊の三人や、ディスカヴァリーの乗員と共に、ドッキングしているレオナルドMPLM(Mult-Purpose Logistics Module)から積荷をISSに移し替える作業を終えた。レオナルド約5トンのの積荷の中には、日本の中性子モニタ装置もあった。
 続いて10人の宇宙飛行士達は、ISS内に溜まっていた各種のゴミ(宇宙食のコンテナ、着た衣類その他)や必要のなくなった機器などを、レオナルドに移す作業に取り組んだ。しかし移し替えの作業は思いの外手間取り、NASAではディスカヴァリーがISSとドッキングしている期間を計画より1日延長することも検討している。
 ところで14日にはディスカヴァリーはスラスターを噴射して、ISSと一緒にやや高い軌道に移動した。これは先のEVA中に行方不明となった宇宙飛行士の足の拘束具(質量約5kg)が、軌道を回ってISSに衝突する事態を懸念したからである。しかしその後の詳しい軌道計算によって、衝突の危険はなかったことが判明している。ISSは現在高度386kmの軌道を周回している。
CNN
Space.com

・ロシアは宇宙観光者打ち上げ強行へ
 ロシアはアメリカ人実業家デニス・ティトーの宇宙観光旅行を来月にも実施する意向である。
ティトーはロシアに2000万ドル(約24億円)を払い込んで、国際宇宙ステーション(ISS)へのソユースTMのシートを購入した。これに対してアメリカやヨーロッパ宇宙機関(ESA)など他のISS計画のパートナーは、公式あるいは非公式にティトーのISS滞在に反対の意向をロシア側に伝えている。
 アメリカなどが特に懸念しているのは、ティトーのISS滞在が4月末から5月初めに予定されているが、その直前のSTS-100/フライト6AでISSロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System)が取り付けられることになっており、この時期にはISSの宇宙飛行士達はSSRMSの点検と調整に追われ、ティトーを世話している暇などないと言うことのようだ。
SpaceDaily
Space.com

・X-40の滑空実験成功
 ボーイング社が開発しているNASAの新しいスペースプレーン無人実験機X-40Aの滑空実験が成功した。X-40Aは3月15日カリフォーニア州のエドワーズ空軍基地/NASAドライデン飛行研究センター(DFRC)で、陸軍のヘリコプターに吊り上げられて高度約4600mまで運ばれ、空中投下された。X-40Aは74秒間滑空飛行して、エドワーズ基地の滑走路に無人で自動着陸した。
 X-40Aの滑空テストは1998年に次いで二度目で、将来はスペースシャトルのペイロード・ベイに搭載して宇宙で自立飛行と再突入のテストを行う計画である。
DFRCプレス・リリース
マーシャル宇宙飛行センター(MSFC)プレス・リリース
SpaceDaily
Space.com

・次期NASA長官選び難航
 アメリカのジョージ・W・ブッシュ政権が発足してから2ヶ月を迎えるが、NASA(航空宇宙局)の長官選びは難航しており、ダン・ゴールディン現長官が暫定的に職務を遂行している。
 NASA新長官の有力候補と伝えられたロバート・ウォーカー元下院議員も、長官になるつもりのないことを15日に正式に表明している。
Space.com

No.361 :ミール最新情報
投稿日 2001年3月15日(木)23時45分 投稿者 江藤 巌

文部科学省ミール関連情報
ミール最新情報
<ミールの軌道について>
(ロシア航空宇宙庁飛行管制センター発表/現地時間3月15日現在)
●ミールの軌道の平均高度
   238.5km
●ミールの軌道の降下速度
   2.4km/1日
●平均高度の220km到達予測日
   3月21日(−1〜+2)
●自然落下の場合の落下予測日
   3月28日(−3〜+3)

ロシア宇宙ステーション「ミール」の軌道離脱計画(概要)
ロシア宇宙ステーション「ミール」の軌道離脱計画(pdf)
〔ロシア航空宇宙庁及びツープ飛行管制センターからの情報〕
○落下オペレーション開始は21日±2日。
○最終軌道は日本上空を通過することもあり得るが、高度約150kmであり、日本に危険が及ぶことはない。
○エンジン噴射の回数:3回
・第1回エンジン噴射:高度220km付近となる日の第15周目
・第2回エンジン噴射:同日の第16周目(第1回噴射から約90分後)・最終エンジン噴射:翌日の第2周目(第2回噴射から約3時間後)
(噴射時刻・制御量の詳細は未定)
〔所見〕
 最終噴射は、当初計画では第1周目であったが、本計画では第2周目に変更になり、最終軌道が当初計画より西に約22.5度ずれることになる。
 なお、本情報のみでは実際の最終軌道が日本上空を通過するか否かを確定することは困難。
(注)軌道の数え方
 ミールが赤道面上空を南から北向きに通過するときの経度が東経20度を西側に越える最初の周回を、その日の第1周と定義し、その後、第2周、第3周、・・・、第16周と順番をつけている。

・的川教授のミール落下日誌
 落下目標地点については、従来と変更なし。西経140度、南緯47度を中心とする南太平洋上である。最後の段階で日本上空を通るかどうかについては、今後の計画の進行を見なければ分からないというのが真実である。したがって日本上空を通るような軌道が続々と発表されているが、そのどれかがひとり歩きすることが最も懸念される。

・ロシア航空宇宙庁(ロスアヴィアコスモス)ミール管制センター(英語)
軌道
プレス・リリース

ミール宇宙ステーション地上観測ネットワーク
ミール情報
ミールの軌道・見え方
ミールの大気圏再突入
ミールの破片の落下

・ミールの目視情報・軌道上の位置
宇宙開発事業団(NASDA)ミールの目視情報
NASDAミールの現在位置
NASA"Where is Mir?"
横浜こども科学館

・その他のミール関連リンク
USスペース・コマンド(USSPACDCOM)
NASA"The End is Mir"
AGIミール再突入動画
Encyclopedia Astronautica
野尻ボード

No.360 :ミール落下は3月19日から23日の間
投稿日 2001年3月14日(水)16時33分 投稿者 江藤 巌

 文部科学省のミール最新情報が更新された。
それによれば、ミールの落下予定日は3月の21日プラス・マイナス2日である。
 またロシア航空宇宙庁(ロスアヴィアコスモス)飛行管制センター(TsUP)が3月13日に発表したミールの軌道データは以下のとおり。
ミールの軌道の平均高度243.6km
ミールの軌道の降下速度2.0km/1日
平均高度の220km到達予測日3月21日(−1〜+2)
自然落下の場合の落下予測日3月28日(−3〜+3)
ロシア政府公式発表文書
文部科学省ミール関連情報
的川教授の「ミール落下日誌」

 ミールに関する文部科学省への問い合わせ先は:
ミール情報収集分析センター:03−3581−5271(内線5977)

No.359 :ミール再突入準備の最終段階へ他
投稿日 2001年3月13日(火)23時59分 投稿者 江藤 巌

・ミール再突入準備の最終段階へ
 ロシアの管制センターは、12日にミール宇宙ステーションのコンピューターを再起動した。ミールのコンピューターは電力の節約のため停止されており、無事に再起動出来るかどうかが懸念されていた。続いて管制センターでは、ミールの姿勢を制御するジャイロのテストを行う。
 これまでロシアが公表していた計画では、ミールは3回の逆噴射で徐々に軌道を下げて行き、最終的に太平洋上空で大気圏に再突入させることになっていた。
しかし新たにロシア側から、ミールの軌道が高度220kmまで低下するのを待ってから逆噴射を行おうとの構想が伝えられて来ている。この方法なら逆噴射の推進剤は節約できるが、高度が低下するまでにミールが制御を失ったり、ミールの大きな太陽電池パネルに働く空気力学的な力でミールの姿勢制御が困難になったり、予想以上に高度の低下が早く逆噴射のタイミングを逸したりする可能性があり、リスクの大きな方法と言えよう。
 なおミールの13日現在の高度は245kmで、大気の抵抗で1日に約2kmずつ高度を下げている。このままなんの制御を行わなくても、ミールは3月の最終週には大気圏に突入するものと見られるが、その場合どこに落ちるかは直前にならないと予測できない。
Space.com
文部科学省ミール関連情報
的川教授の「ミール落下日誌」

・EVA2遂行
 ディスカヴァリーのトーマスとリチャーズの二人の宇宙飛行士(ミッション・スペシャリスト)は、12日から13日にかけて6時間半に及ぶEVA(機外活動)を行った。これはSTS-102/フライト5A.1にとっては2回目、彼等にとっては今回のミッションで初めてのEVAである。
 EVA2はアメリカ中部標準時12日2323時(日本時間13日1423時)に開始され、13日の0544時(2044時)に終了した。二人のMSは、前回のEVA1でヴォスとヘルムズの二人のMSがやり残した配線の接続をこなし、宇宙ステーション(ISS)の外壁に予備の冷却液のアンモニア・ポンプを取り付けた。また4月打ち上げ予定のSTS-100で運ばれるISS用のロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System)の取付の下準備の配線を接続した。
 トーマスとリチャーズはまたディスカヴァリーのロボットアームの先端に乗って、ISSの幅約70mの太陽電池パネルのところまで行き、先にこの太陽電池パネルを取り付けたときには掛けることが出来なかったラッチを取り付け直した。
 ディスカヴァリー内ではヘルムズとケリーの二人のMSがロボットアームを操作しながら、トーマスとリチャーズのEVAを助けた。一方ISSでの長期滞在任務を終えてディスカヴァリーで帰還することになるシェパードと、交替してISSに留まることになるウサチョフ、ヴォスらは、ISSに接続しているレオナルド・モジュールから積荷をISSに移し替える作業に従事した。レオナルドには約5トンの補給物資や実験機器が搭載されている。
STS-102ステイタス・リポート#11
CNN
Space.com
SpaceDaily

・MDSワークショップ
 宇宙開発事業団(NASDA)では、先端的なミッション機器の宇宙実証を行うミッション実証衛星(Mission Demonstration test Satellite)の開発研究を行っており、その研究テーマを公開するMDSワークショップを3月22日に東京都千代田区のJAビルで開催する。
MDSワークショップの開催について

・宇宙開発事業団改革推進委員会第5回会合
 NASDAでは、宇宙開発事業団改革推進委員会の第5回会合を3月27日に東京都港区のNASDA本社で開催する。
議題(案)
(1) 品質保証の強化に対する取り組み(その4)
−企業における取り組みの強化状況等−
(2) 高度情報化の推進に対する取り組み
(3) 専門的人材の育成活用に対する取り組み
 事前に申し込めば一般でも傍聴できる(先着50名まで)。
宇宙開発事業団改革推進委員会第5回会合の開催について

No.358 :レオナルド取り付け他
投稿日 2001年3月13日(火)01時24分 投稿者 江藤 巌

・レオナルドMPLM取り付け
 スペースシャトル・ディスカヴァリー(STS-102/フライト5A.1)は、国際宇宙ステーション(ISS)にレオナルドMPLM(Multi-Purpose Logistics Module)を取り付けるのに成功した。
ディスカヴァリーのペイロード・ベイに搭載されたレオナルドは、A.トーマス宇宙飛行士(ミッション・スペシャリスト)の操作するロボットアームで持ち上げられて、12日の0002時(日本時間1402時)にISSのユニティ・ノードの共通結合機構(CBM)に取り付けられた。レオナルドの移設には計画以上の2時間半掛かった。
 この作業を終えた後、トーマスMSはもう一人のMSのP・リチャーズ宇宙飛行士と共に、12日に予定されているEVA(機外活動)の準備に入った。
STS-102ステイタス・リポート#9
CNN
FLORIDA TODAY
SpaceDaily

・NASAの宇宙飛行士削減の秘策
 NASAでは現在抱えている宇宙飛行士を一人も解雇することなく、宇宙飛行士の数を劇的に減らす方策を講じることになった。
これは宇宙飛行士達が所属するジョンスン宇宙センター(JSC)の所長を先ごろ更迭されたジョージ・アビーの発案である。
これまでNASAでは所定の訓練を終えた宇宙飛行士候補(Astronaut Candidat=ASCAN)には一様に「宇宙飛行士」(Astronaut)の肩書きを与えていたが、これからは実際に宇宙に飛ぶまでは訓練を終えていても「宇宙飛行士候補」に留まることになった。
これにより従来は約160名いたJSCの宇宙飛行士達は、「宇宙飛行士」が約70名に、「宇宙飛行士候補」が約90名と言うことになった。
 なおロシア(旧ソ連)ではこれまでも、実際に宇宙を飛行するまでは「宇宙飛行士」(kosmonavt)の肩書きは与えられていない。
NASA WATCH
文部科学省ミール宇宙ステーション関連情報
宇宙科学研究所(ISAS)的川泰宣教授のミール落下日記

No.357 :最長のEVA終了他
投稿日 2001年3月12日(月)10時14分 投稿者 江藤 巌

・最長のEVA終える
 国際宇宙ステーション(ISS)の第二次遠征隊のJ・ヴォス、S・ヘルムズ両宇宙飛行士は、11日にスペースシャトル計画史上最長となる8時間56分のEVA(機外活動)を行った。
 EVA1はアメリカ東部標準時10日2311時(日本時間1411時)に開始されて、二人はアンテナの移設や配線の取り外し、ラブ・クレイドル・アセンブリーの取り付け、与圧結合アダプターPMA-3取り外しの下準備などを行った。彼等がディスカヴァリーのエアロックに戻り、エアロックが加圧されてEVA1が終了したのは11日の0808時(2308時)であった。
 本来このEVA1は長さ6時間から7時間程度のはずであったが、大小様々な不具合に付きまとわれて時間が掛かった。それでも予定した課題を完遂することは出来ず、一部はEVA2に持ち越しとなった。EVA2はシャトルのP・リチャーズとA・トーマスの二人の宇宙飛行士が行う。
 飛行5日目にあたる12日には、STS-102/ISSフライト5A.1の最大の眼目であるイタリア製の"レオナルド”MPLM(Muli-Purpose Logistic Module)がISSと結合される。
レオナルド結合に先だって、ディスカヴァリーのロボットアームを用いてISSのユニティ・ノードの地球側共通結合機構(CBM)からPMA-3を取り外し、ユニティの左舷側のCBMへと移設する。その後ディスカヴァリーのペイロード・ベイからロボットアームでレオナルドを持ち上げて、ユニティの地球側CBMに取り付ける。レオナルドは内部の積荷をISSに移した後、飛行10日目に再びディスカヴァリーのペイロード・ベイに戻され、地球に持ち帰られる。STS-102ミッション内容
STS-102ステイタス・リポート#7
CNN
SpaceDaily
Space.com

・ISSの呼び名は?
 ところで、ISSの第一次遠征隊は”アルファ”のコールサインを既成事実として米露の宇宙当局にも認めさせたが、第二次遠征隊がこのコールサインを引き続き用いるのか、またISSに名称を付けることに反対している米露の当局がこれを承認するのか、注目されるところである。

・ミールの保険契約成立
 ロスアヴィアコスモス(露航空宇宙庁)はロシアの保険会社と、ミール宇宙ステーションの落下に伴う第三者の損害をカバーする保険の契約を取り交わした。
保険で補償される金額は2億ドル(約240億ドル)相当で、掛け金はその0.3〜0.7%であると言う。
ロシアの保険会社は、ロンドンのロイズ保険協会その他に再保険を掛けてリスクを分散するものと思われる。
 宇宙条約によって、衛星を打ち上げた国はその落下による損害を補償する義務を負っている。
SpaceDaily

No.356 :ミール最新情報他
投稿日 2001年3月11日(日)15時50分 投稿者 江藤 巌

・文部科学省宇宙ステーション「ミール」の軌道離脱計画について(最新情報)
ミールの落下予定日(ロシア政府発表) 2001年3月20日前後 (現地時間3月7日現在)
ミールの落下予定区域 (2月23日 在日ロシア連邦大使館プレスリリース)  太平洋南部水域{(南緯53度、西経175度)、(南緯23度、西経175度 )、(南緯23度、西経132度 )、(南緯30度、西経127度 )、(南緯30度、西経90度)、(南緯53度、西経90度 )の6点で囲まれる範囲}。地図
海上保安庁水路部の航行警報
宇宙ステーション「ミール」関連情報
Where is Mir?

・ISS新旧クルーが顔合わせ
 国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングしたスペースシャトル・ディスカヴァリー(STS-102/フライト5A.1)の宇宙飛行士7人が、ISSとの間のハッチを開いて、ISSに滞在している3人の宇宙飛行士と顔を合わせた。
ISSのシェパード海軍大佐(米)等3人の第一次遠征隊は、ウサチョフ(露)等3人の第二次遠征隊を歓迎し、ISSを引き継ぐ簡単な儀式を取り行った。
第二次遠征隊のヴォスとヘルムズの二人は、2312CST(1412JST)に第1回のEVA(機外活動)を開始している。EVA1ではPMA-3とユニティ・ノード間配線の取り外し、左舷の初期通信(ECOMM)用アンテナの取り外し、デスティニー・モジュールへの上部結合機構(LCA)・配線トレイ(RU)設置など)、PMA-3移設などが行われる。
 飛行5日目にはイタリア製の”レオナルド”多目的補給モジュール(MPLM)のISSへの取り付けなどが予定されている。
STS-102ステイタス・リポート#6
CNN
FLORIDA TODAYミッション速報
NASDA STS-102ミッション内容

・中国の有人飛行は2002年
 10日付読売新聞は、全国人民代表大会(全人代)代表の戴証良・航空宇宙工業総公司067基地共産党委員会書記の語ったところとして、中国が2002年後半に有人宇宙船の打ち上げを計画していると伝えた
SpaceDaily中国の新しい宇宙服。見た目はロシアのソユース用とほとんど変わりない。
Go Taikonauts!

・中国の新型打ち上げ機
 中国は2月25日に、新しい衛星打ち上げ機であるKaituozhe 1の第3段用固体ロケット・モーターの試験に成功した。Kaituozhe 1は、東風31型(DF-31)ICBMの第1段と第2段を流用して開発された打ち上げ機と考えられている。

No.355 :ディスカヴァリーがISSとドッキング他
投稿日 2001年3月10日(土)17時39分 投稿者 江藤 巌

・ディスカヴァリーISSとドッキング
 スペースシャトル・ディスカヴァリーは、アメリカ中部標準時の10日午前0時38分(日本時間午後3時38分)に国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングした。ISSとのドッキングは計画より1時間ほど遅れたが、これはISSの太陽電池パネルがドッキング前にロックできなかったため。
 ディスカヴァリーとISSとの間のハッチは、午前2時45分(午後5時45分)頃に開かれる予定。
SpaceDaily
FLORIDA TODAY STS-102ミッション速報
日本初の国際宇宙ステーション搭載実験装置「中性子モニタ装置」を搭載したスペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-102/国際宇宙ステーション組立ミッション(5A.1))の打上げについて
5A.1ミッション内容

・アリアン5で2衛星打ち上げ
 アリアンスペース社は、3月8日にフランス領ギアナのクールーから、アリアン5でユーロバードとB-SAT2Aの2機の衛星を軌道に送った。
 ユーロバードはユーテルサット(ヨーロッパ通信連合)の静止通信衛星で、東経28.5度の赤道上に静止する予定。B-SAT2Aは日本の(株)放送衛星システム(BSAT)の静止放送衛星である。
ユーロサットプレス・リリース(pdf)
CNN
SpaceDaily

・OSC社長がX-34計画中止を批判
 NASAとの契約でX-34無人実験機を開発していたオービタル・サイエンシズ社(OSC)のジェイムズ・R・トンプスン社長が、アラバマ州ハンツヴィルの地元紙ハンツヴィル・タイムズ紙のインタビューで、NASAが一方的に計画を中止したことを批判している。
J・R・トンプスン博士は、1986年から89年まで同地のNASAマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)の所長を、1989年から91年まではNASAの副長官を務めた。

・イリジウム営業再開へ
 倒産したイリジウムLLCの資産を買い取ったイリジウム・サテライトLLCは、4月にも営業を再開する予定である。イリジウム・サテライトでは、すでにアメリカ・カナダを中心に世界の13のサービス提供業者と契約を取り交わしている。