投稿日 2001年4月12日(木)10時21分 投稿者 江藤 巌
・ヴォストークから40年
今日、4月12日は、ガガーリンがヴォストークで人類史上初めての宇宙飛行を経験してから、40年目の記念すべき日に当たる。
ソ連のヴォストークは、1961年の4月12日のモスクワ時間午前9時7分にカザフスタン地方のアラル海の東の、まだそうは呼ばれていなかったバイコヌール宇宙基地(チューラタム)から飛び立ち、地球を1周して午前10時55分に着陸した。軌道の近地点は181km、遠地点は327km、周期は89.1分、傾斜角は64度57分であった。
ヴォストーク(Восток、Vostok)は、ロシア語で「東方」を意味し、西側世界に対する東側(社会主義)世界あるいはソ連の優越を象徴させていた。ヴォストークを打ち上げたロケットは、ソ連の最初のICBM(大陸間弾道ミサイル)であるR-7(SS-6”サップウッド”)の転用で、1957年10月4日に史上最初の人工衛星スプートニクを打ち上げたものの改良版である。ヴォストークが打ち上げられたのも、スプートニクの時と同じ発射台だった。
ユーリー・アレクセイェヴィッチ・ガガーリンは、1934年3月9日ロシアのスモレンスク地方生まれ。1955年に飛行学校卒業後空軍に入り、MiG-15のパイロットになる。1960年3月ソ連で最初の宇宙飛行士隊の一員となり、訓練で優秀な成績を示して最初の飛行の最終候補の一人となる。1961年4月10日ヴォストークの乗員に正式に任命される。
ガガーリンは、二度目の宇宙飛行の訓練中に、1968年3月27日MiG-15UTIジェット練習機に搭乗中に原因不明の事故で死亡した。
わずか1時間48分の短い宇宙飛行(現在まで最短の有人軌道飛行)ではあったが、ガガーリンとヴォストークの名は人類の歴史に永遠に刻まれるであろう。
・シャトル初飛行から30年
今日はたまたま、アメリカのスペースシャトル(Space Transpotation System)が初飛行してから30年目の記念日にも当たる。
NASA(米航空宇宙局)のスペースシャトル・オービターOV-102コロンビア、ミッション名STS-1は、1981年4月12日にフロリダ州のケネディ宇宙センター(KSC)の39A発射台から飛び立ち、54時間22分飛行してカリフォーニア州のエドワーズ空軍基地に着陸した。軌道要素は、近地点240km、遠地点251km、周期89.4分、傾斜角40.3度であった。
STS-1の打上げは前々日の4月10日に予定されていたが、離昇9分前にオービターに搭載されている5台のコンピューターが同調しないトラブルが発生、打上げを2日間延期したために、偶然にもヴォストークの飛行から10年目に飛び立つことになったものである。
STS-1の乗員は、機長のジョン・W・ヤング(民間人)と、パイロットのロバート・L・クリッピン海軍大佐であった。ヤングは5回目の宇宙飛行、クリッピンはルーキーであった。無人で軌道試験されたことのない有人宇宙機に乗り込んで初飛行したのは、彼等が最初であった。
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