宇宙作家クラブ
トップページ 活動報告ニュース掲示板 会員ニュース メンバーリスト 推薦図書

No.402 :エンデヴァー19日打上げに向けてカウントダウン開始
投稿日 2001年4月18日(水)00時37分 投稿者 江藤 巌

 スペースシャトルOV-105エンデヴァーは、4月19日のSTS-100国際宇宙ステーション(ISS)フライト6Aの打上げに向けてカウントダウンを開始した。
KSCカウントダウン・オンライン
KSCカウントダウン進行表
 エンデヴァーは、アメリカ東部夏時間4月19日午前2時41分(日本時間同日1641時)にケネディ宇宙センター(KSC)39A発射台から打ち上げられて、10日と19時間19分飛行して、4月30日午前10時0分(日本時間同日23時0分)KSCの滑走路(SLF)に着陸する予定である。ISSとのドッキングは21日の午前9時36分(日本時間同日2236時)に予定されている。
 エンデヴァーの乗員は、機長のケント・ロミンガー、パイロットのジェフリー・アシュビー、ミッション・スペシャリスト(MS)のクリス・ハドフィールドカナダ宇宙局(CSA))、スコット・パラジンスキージョン・フィリップスウンベルト・ギドーニヨーロッパ宇宙機関(ESA)/イタリア)、ユーリー・ロンチャコフ(ロシア)の7人である。
 STS-100のミッションでは、ISSにカナダ製のロボティック・アーム(Space Station Remote Manipulator System)を取り付け、またエンデヴァーに搭載したイタリア製のラファエロ多目的補給モジュール(Multi-Purpose Logistics Module)から実験機器ラックや衣類・食料などの補給物資をISS内に運び込む。オービターのロボティック・アーム(カナダーム)とMSS(カナダーム2)との比較
 なおISSでは第二次遠征隊の3人が、すでに40日以上の滞在を続けている。
FLORIDA TODAY STS-100特集
FLORIDA TODAYカウントダウン速報
FLORIDA TODAY
CNN
Space.com
宇宙開発事業団(NASDA)の関連ページ
STS-100/6A
乗員略歴
ミッション内容ペイロード
SSRMSの取付と展開
MPLM(ラファエロ)の取付・取り外し
船外活動(EVA)
船内活動
ISSを肉眼で見よう

No.400 :X-33計画を空軍が肩代わり?他
投稿日 2001年4月14日(土)00時58分 投稿者 江藤 巌

・X-33計画を空軍が肩代わり?
 4月13日付のワシントン・ポスト紙が報じたところでは、先ごろNASAが切り捨てたX-33実験機の計画を、アメリカ空軍が肩代わりする話が出て来ているようだ。
同紙によれば、NASAが今年度の終わり(10月)まではX-33計画の面倒を見て、それ以後は空軍が予算を支出すると言う線で、空軍とロッキード・マーティン社がNASAと交渉中と言う。
X-33計画は、スペースシャトルの後継となる繰り返し使用打ち上げ機(Reusable Launch Vehicle)の技術デモンストレイターの製作と試験を目指していたが、技術的困難と予算の超過から、NASAでは事実上計画の打ち切りを決めて2002年度予算案から削除していた。
NASAではX-33計画にすでに10億ドルを投じており、ロッキード・マーティンも自社費用4億ドルを投入していた。
X-33実験機を完成させてテストを行うには、あと少なくとも4億ドルは必要と見積もられている。
ワシントン・ポスト・オンライン

NASAのシャトル初飛行20周年記念特集
Space.comシャトル飛行20周年記念特集

・X-40無人実験機のテスト飛行成功
 将来のスペースプレーンの無人デモンストレイターであるX-40A実験機の二度目の滑空試験が、エドワーズ空軍基地で4月12日に行われて成功した。
X-40Aはヘリコプターで吊り上げられて高度4600mから投下され、最大470km/hの速度で滑空して湖底に着陸した。
NASAドライデン飛行研究センター(DFRC)ニューズ・リリース

・NASA長官候補にまた新しい名前
 ジョージ・W・ブッシュ政権の発足から3カ月にもなるのに、NASA(米航空宇宙局)の新長官は一向に決まる気配がない。
 NASA Watchによると、コロラド州のコロラド・スプリングスで開催されているスペース・ファウンデイション全米宇宙シンポジウムの会場では、二人の長官候補の名が噂されたが、どちらも本命とは見られていない。
 一人はスペース・コマンド(USSPACECOM)サイモン・P”ピート”ウォーデン空軍准将で、ウォーデンは天文学の博士号を持ち、現役軍人ながら全米宇宙協会(the National Space Society)理事を務めている。ただしシンポジウム会場でNASA長官の下馬評に付いて聞かれたウォーデンは、笑って否定していたという。
 もうひとりはサイオコール社のタイ・マッコイである。
Space.com全米宇宙シンポジウム特集

・NRO室長辞任を求められる
 アメリカの衛星偵察計画を統括する国家偵察室(National Reconnaissance Office)キース・R・ホール室長が、ブッシュ政権から辞任を求められたと言う。
ホールは1997年にNRO室長に就任し、ブッシュ新政権発足に際しては慣例に従い辞表を提出していたが、その際には慰留されていた。ホールの辞任の時期と後任についてはまだ明らかにされていない。
NROの室長は、空軍の宇宙担当次官を兼ねている。
Space.com

No.399 :有人宇宙飛行40年他
投稿日 2001年4月13日(金)02時34分 投稿者 江藤 巌

・有人宇宙飛行から40年、シャトル20年
 ユーリー・A・ガガーリンのヴォストークの飛行から40年、スペースシャトルSTS-1から20年(下の396で30年となっているのはもちろん誤り)を迎えた4月12日、WWWの宇宙関係メディアでも特集を組んでいる。
CNN
ジェイムズ・オーバーグ(Space.com)
FLORIDA TODAY ガガーリン特集
FLORIDA TODAY STS-1特集
FLORIDA TODAY 後継機の見付からぬシャトル
FLORIDA TODAY シャトルの落とし穴
シャトル20歳の誕生日 「18、19、20! 誕生日おめでとう、コロンビア! 欲しいものはなに?」「跡継ぎ!」
SpaceDaily
SpaceDaily
SpaceDaily
SpaceRef ユーリーの夜

・露プーチン首相星の町を訪れる
 ヴォストークの飛行から40周年の記念日に、ロシアのプーチン首相はモスクワ郊外の「星の町」(Zvezdniy Goorodok)を訪れた。
プーチン首相はガガーリンを讃えると共に、訓練で星の町に滞在しているアメリカ人の宇宙旅行予定者デニス・ティトーにも声を掛け飛行の成功を祈った。
 ロシア側ではティトーの準備は万端であるとして、アメリカの反対にも関わらず、4月28日打上げのソユースTM-32にロシア人飛行士とともにティトーを乗せる計画である。
SpaceDaily
SpaceDaily
SpaceDaily
CNN

・ソーラーセイル展開実験は延期に
 アメリカの惑星協会(The Planetary Society)とコスモス・スタジオが行う予定だったソーラーセイル(太陽帆船)”コスモス1”の予備実験が、セイルの損傷により延期となった。
この実験は、弾道飛行により大気圏外でセイルを実際に展開してみるもので、4月26日に実験用セイルをロシアから打ち上げることになっていた。
ところが4月11日に搭載前の地上試験で電気系統に通電したところ、予定外のセイル展開システムにも電気が入ってしまい、展開用の火工品に点火されてしまった。このためセイルが地上で展開される形になり、セイルが損傷したものである。
原因および復旧の目途はいまのところ不明だが、試験ペイロードの打上げは少なくとも3週間は遅れるものと見られている。
 惑星協会は、1996年になくなったカール・セイガン博士らが設立した科学団体、コスモス・スタジオは、セイガン未亡人のアン・ドルーヤンが興した団体である。
惑星協会ニュース・リリース
CNN
Space.com

・NASDA宇宙飛行士がISSの訓練参加
 宇宙開発事業団(NASDA)の宇宙飛行士が、国際宇宙ステーション(ISS)のアドバンスト訓練に参加することが決まった。
NASDAから訓練に参加するのは、1999年に選ばれた古川聡星出彰彦角野直子の3人で、このうち角野宇宙飛行士は基礎訓練の一部が未了だが、今年9月には訓練を終えて他の二人と同じ資格を得ることが決まっているので、アドバンスト訓練への参加が認められたものである。
 アドバンスト訓練はISSのシステムやペイロードの運用に関する共通の知識及び技能を習得するためのもので、NASDAの3人の他にもNASAから一人、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)から3人、ロシアから一人が訓練に参加する。訓練の場所はNASAのジョンスン宇宙センター(JSC)、期間は今年4月2日から5月25日までである。

No.396 :最初の宇宙飛行から40周年
投稿日 2001年4月12日(木)10時21分 投稿者 江藤 巌

・ヴォストークから40年
 今日、4月12日は、ガガーリンがヴォストークで人類史上初めての宇宙飛行を経験してから、40年目の記念すべき日に当たる。
 ソ連のヴォストークは、1961年の4月12日のモスクワ時間午前9時7分にカザフスタン地方のアラル海の東の、まだそうは呼ばれていなかったバイコヌール宇宙基地(チューラタム)から飛び立ち、地球を1周して午前10時55分に着陸した。軌道の近地点は181km、遠地点は327km、周期は89.1分、傾斜角は64度57分であった。
 ヴォストーク(Восток、Vostok)は、ロシア語で「東方」を意味し、西側世界に対する東側(社会主義)世界あるいはソ連の優越を象徴させていた。ヴォストークを打ち上げたロケットは、ソ連の最初のICBM(大陸間弾道ミサイル)であるR-7(SS-6”サップウッド”)の転用で、1957年10月4日に史上最初の人工衛星スプートニクを打ち上げたものの改良版である。ヴォストークが打ち上げられたのも、スプートニクの時と同じ発射台だった。
 ユーリー・アレクセイェヴィッチ・ガガーリンは、1934年3月9日ロシアのスモレンスク地方生まれ。1955年に飛行学校卒業後空軍に入り、MiG-15のパイロットになる。1960年3月ソ連で最初の宇宙飛行士隊の一員となり、訓練で優秀な成績を示して最初の飛行の最終候補の一人となる。1961年4月10日ヴォストークの乗員に正式に任命される。
 ガガーリンは、二度目の宇宙飛行の訓練中に、1968年3月27日MiG-15UTIジェット練習機に搭乗中に原因不明の事故で死亡した。
 わずか1時間48分の短い宇宙飛行(現在まで最短の有人軌道飛行)ではあったが、ガガーリンとヴォストークの名は人類の歴史に永遠に刻まれるであろう。

・シャトル初飛行から30年
 今日はたまたま、アメリカのスペースシャトル(Space Transpotation System)が初飛行してから30年目の記念日にも当たる。
 NASA(米航空宇宙局)のスペースシャトル・オービターOV-102コロンビア、ミッション名STS-1は、1981年4月12日にフロリダ州のケネディ宇宙センター(KSC)の39A発射台から飛び立ち、54時間22分飛行してカリフォーニア州のエドワーズ空軍基地に着陸した。軌道要素は、近地点240km、遠地点251km、周期89.4分、傾斜角40.3度であった。
 STS-1の打上げは前々日の4月10日に予定されていたが、離昇9分前にオービターに搭載されている5台のコンピューターが同調しないトラブルが発生、打上げを2日間延期したために、偶然にもヴォストークの飛行から10年目に飛び立つことになったものである。
 STS-1の乗員は、機長のジョン・W・ヤング(民間人)と、パイロットのロバート・L・クリッピン海軍大佐であった。ヤングは5回目の宇宙飛行、クリッピンはルーキーであった。無人で軌道試験されたことのない有人宇宙機に乗り込んで初飛行したのは、彼等が最初であった。

No.395 :野口宇宙飛行士の飛行予定決まるほか
投稿日 2001年4月10日(火)21時36分 投稿者 江藤 巌

・野口宇宙飛行士は2002年7月に飛行
 宇宙開発事業団(NASDA)の野口聡一宇宙飛行士が、2002年7月に打上げ予定のスペースシャトルSTS-113/ULF1にミッション・スペシャリスト(MS)として搭乗することが決まったと、9日にNASAからNASDAに連絡があった。
NASA側からはまだ正式の発表はなく、NASAのサイトでは打上げ予定は2002年6月となっている。
 野口聡一宇宙飛行士は1965年4月横浜生まれ、東京大学工学部航空学科卒業、同大学院工学系研究科航空学専攻修士課程終了後1991年に石川島播磨重工業に入社。1996年にNASDAの第3期(通算5人目)の宇宙飛行士になり、NASAの訓練を受けて1998年にMSの資格を取得した。
STS-113は野口宇宙飛行士の最初のミッションとなり、機外活動(EVA)も行う予定。
野口聡一宇宙飛行士のスペースシャトルSTS−113(国際宇宙ステーション組立ミッション(ULF1))への搭乗決定について
ULF1ミッション概要
野口宇宙飛行士コメント
野口MS経歴(NASA)

・NASAの2002年度予算案発表
 2002会計年度(2002年10月1日より2003年9月30日まで)のアメリカ航空宇宙局(NASA)の予算案が正式に発表された。
2002年度のNASAの歳出権限総額は145億1140万ドルで、内訳は有人宇宙飛行が72億9600万ドル、科学・航空が71億9170万ドル、それ以外が2370万ドルとなっている。
2001年度予算は総額142億5320万ドルだったので、2億5820万ドルしか伸びておらず、実質的には横ばいである。
NASA2002年度予算
FLORIDA TODAY
Space.com

・ロシアがプロトン改良型打上げ
 ロシアは4月7日プロトン打ち上げ機の改良型、プロトンMを初飛行させた。
プロトンMは、これまでのプロトンKよりもペイロードが大きくなっており、推進剤は従来より毒性が低いという。
プロトンMの1号機には静止放送衛星が搭載されていた。
CNN

・インドが18日に再度のGSLV打上げ試みる
 インド宇宙研究機構(ISRO)は、4月18日に再度国産の静止衛星打ち上げ機GSLV(Geosynchronous Satellite Launch Vehicle)の最初の実験を試みる。
GSLV-DD1の打上げは3月28日に試みられたが、第1段から出火して打上げは中止されていた。
SpaceDaily
Space.com

・2001年火星の旅は順調
 8日に打ち上げられたNASAの火星探査機2001マーズ・オディッシー(2001 Mars Odyssey)は、現在地球から火星に向かう太陽中心軌道上を順調に飛行中である。
Space.com
Spaceflight Now
Space.com

No.394 :2001マーズ・オディッシー打上げ成功
投稿日 2001年4月8日(日)00時23分 投稿者 江藤 巌

 NASAは火星探査機「2001年火星の旅」(2001 Mars Odyssey)を、4月7日東部夏時間午前11時2分(日本時間8日0時2分)にケイプ・カナヴェラルからデルタ2で打ち上げた。

No.393 :2001年火星の旅他
投稿日 2001年4月7日(土)02時48分 投稿者 江藤 巌

・2001年火星の旅
 NASAの火星探査機「2001年火星の旅」(2001 Mars Odyssey)が、4月7日の頭部夏時間午前11時(日本時間8日0時)にケイプ・カナヴェラルからデルタ2で打ち上げられる。
マーズ・オディッシー探査機は、火星の周回軌道から火星表面の鉱物組成や水の有無、放射線などを調べる予定である。
マーズ・オディッシーは、2001年の10月に火星に到着して周回軌道に入った後、火星の大気の抵抗を利用したエアロブレイキングによって軌道高度を調整する。
NASAの火星探査機は最近続けざまに失敗しているので、2001マーズ・オディッシーには期待が集まっている。
2001マーズ・オディッシーHP火星への軌道
CNN
FLORIDA TODAY
SpaceDaily
SpaceRef
Space.com

・STS-100の打上げは4月19日に決定
 NASAはスペースシャトル・エンデヴァーのSTS-100/国際宇宙ステーション(ISS)フライト6Aを、当初の予定通り4月の19日に打ち上げると決定した。
ロシアが月末にソユースTM-32をISSに向けて打ち上げることになっているため、スケジュールが重ならないようSTS-100の打上げを1日早めることも検討されいていた。
STS-100はISSにカナダ製のISS用ロボットアーム(Mobile Servicing System)や、イタリア製の補給モジュール”ラファエロ”を持って行く。
NASAニュース
CNN

・宇宙三機関が連携協力協定
 宇宙開発事業団(NASDA)宇宙科学研究所(ISAS)航空宇宙技術研究所(NAL)の宇宙三機関は、4月6日に「連携・協力の推進に関する協定」を締結した。
これら三機関は従来は監督官庁、上級官庁が異なっていたが、行政改革により文部省と科学技術庁が併合されたことで、いずれも文部科学省の下に入ることになった。
宇宙開発事業団は宇宙開発事業団法に基づく特殊法人、宇宙科学研究所は文部科学省の国立研究機関、航空宇宙研究所は独立行政法人となっている。
NASDAプレス・リリース「連携・協力の推進に関する協定」の締結について
連携・協力の推進に関する協定(写)

No.392 :ティトー宇宙観光の最終訓練へ他
投稿日 2001年4月6日(金)01時27分 投稿者 江藤 巌

・ティトー宇宙観光の最終訓練へ
 ロシアが今月末にソユースTM-32で宇宙観光に送り出そうとしているアメリカ人実業家デニス・ティトーは、ソユースと国際宇宙ステーション(ISS)搭乗の最終訓練に入ろうとしている。
ロシアとアメリカは、ISSへのティトー搭乗問題についての協議会を設けて話し合っているが、いまのところ結論は出ていない。
このままではロシア側はアメリカなど他のISS計画参加国の事前の承諾を得ずに、ティトーをソユースTM-32でISSに送り込む可能性もある。
 一方現在ISSで長期滞在を続けている第二次遠征隊は、ティトーのISS訪問を歓迎する意向を示している。
Space.com
Space.com
Space.com
SpaceDaily
SpaceDaily
CNN

・トライアナ地球観望衛星計画事実上の打ち切りへ
 NASAのトライアナ地球観測衛星の計画が無期延期になったようだ。
トライアナは地球と太陽の引力が釣り合うラグランジュ点(L1)の近辺におかれる衛星で、地球の昼の側を常に撮影し、地上に送信して来ることになっていた。
トライアナの地球画像は常時インターネットに流され、教育などに使われるはずだった。
この構想はアル・ゴア前副大統領が現職時代に提案したもので、計画反対派からは「ゴア衛星」「世界一高価なスクリーンセーバー」などと揶揄されていた。
NASAでは、トライアナ計画をカリフォーニア大学のスクリップス海洋研究所の研究という形で実施に移そうとしていたが、ゴアが大統領選挙で敗れて実質的に計画は立ち消えとなったようだ。
トライアナは2002年の1月にスペースシャトルで打ち上げられることになっていた。
トライアナ計画には、これまでに9000万ドルが投じられて来た。

・NASAゴールディン長官任期最長に
 政権が代わっても後任の長官が任命されないため、職に留まり続けているNASA(米航空宇宙局)のダニエル・ゴールディン長官が、この4月1日で就任から丸9年を迎えた。
ゴールディンは、先代のジョージ・H・W・ブッシュ政権によって1992年4月1日付でNASAの長官に任命され、次のクリントン政権でも留任した。
ゴールディンのNASA長官就任期間は、すでにジェイムズ・ウェブ長官の単独任期(1961〜68)、ジェイムズ・フレッチャー長官の二度の任期(1971〜77、1986〜89)の合計をも超えて、歴代NASA長官で最長記録を更新しつつある。
後任のNASA長官については最近は噂も聞かれなくなっている。
NASA

No.391 :科学技術週間の施設一般公開他
投稿日 2001年4月6日(金)01時16分 投稿者 江藤 巌

・科学技術週間に宇宙関連施設公開
 4月18日の発明の日を含む1週間、ことしの場合は4月の16日から22日までは科学技術週間と言うことで、日本の各地の宇宙関連施設も一般に公開される。
宇宙開発事業団(NASDA)施設公開
角田ロケット開発センター(宮城県)  22日(日)
筑波宇宙センター(茨城県)      16日(月)〜22日(日)
勝浦宇宙通信所(千葉県)       22日(日)
地球観測センター(埼玉県)      22日(日)
種子島宇宙センター(鹿児島県)    22日(日)
増田宇宙通信所(鹿児島県)      22日(日)
沖縄宇宙通信所(沖縄県)       16日(月)〜22日(日)
航空宇宙技術研究所(NAL)
本所・調布分室

・日本のロケット開発も民間主導に
 3月31日付日経新聞は、日本政府がロケット開発を官主導から産業界主体の体制へと転換する方針だと報じた。
この方針は主要宇宙メーカーが参加する経済産業省の次世代商業ロケット産業調査委員会(委員長・中山勝矢広島工大教授)が報告書としてまとめたもので、近く経済産業省ではこれを受けてロケット開発の奨励優遇策を打ち出すと言う。

・NASDA短報
熱帯降雨観測衛星(TRMM)降雨レーダの当初ミッション達成について(報告)
第5回宇宙開発事業団改革推進委員会の開催結果について
高速再突入技術実験(DASH)のH-IIA試験機2号機での実施について
国際宇宙ステーションのサービスモジュールに搭載する実験装置の出荷について
LE-5Bエンジンの信頼性向上燃焼試験の結果について
フライングテストベッドの試験実施結果について(報告)

No.390 :インドの静止衛星打ち上げ機失敗他
投稿日 2001年3月30日(金)13時28分 投稿者 江藤 巌

・インドの静止衛星打ち上げ機失敗
 インド宇宙研究機構(Indian Space Research Organisation)は、3月28日に静止衛星打上げを目指すGSLV(Geo-synchronous Satellite Launch Vehicle)の1号機(GSLV-DD1)を、インド南東部スリハリコタ島のシャール・センターから打ち上げようとしたが、離昇直前に第1段のストラップオン・ブースター(SOB)の一つから出火して、打上げは中止された。
 GSLVは3段式のロケットで、第1段(S125)は固体推進剤で4本の貯蔵可能液体推進剤のSOB(L40)が取り巻いている。第2段(GS2)は貯蔵可能液体推進剤で、第3段(C12)には液体水素燃料を用いている。
GSLVの全長は49m、離昇重量は401トンで、静止遷移ペイロードは1530kgになる。
 自力で開発したロケットによる静止衛星の打上げは、インド政府の悲願である。
SpaceDaily
Space.com

・墜落した火星探査機を発見?
 NASA(米航空宇宙局)とNIMA(National Imagery and Mapping Agency)は、火星表面の画像の中から消息を絶ったマーズ・ポーラー・ランダー(MPL)の痕跡を探す作業を協同で続けている。
NIMAはアメリカ国防省(ペンタゴン)の内局の一つで、主に偵察衛星の画像分析を行っている。
MPLは2000年の4月に火星の極地方に着陸を試みたものの、着陸直前に消息を絶ち、墜落して破壊されたものと見られている。
 さきにNIMAがマーズ・ポーラー・ランダーが火星表面に着陸している姿を発見したとの報道があったが、NASAではこの分析に否定的で、カメラのいたずらではないかと見ているようだ。
最新の軍事的な画像分析技術がからむだけに、真偽の判定は難しいようだ。
NASANews
Space.com
CNN

・ISSの乗員指名
 NASAは3月26日、ISSの将来の乗員の組み合わせを発表した。ISSの長期滞在乗員は第四次遠征隊まですでに決定しているので、今回発表されたのは第五次から第八次の正規乗員6名とそのバックアップ要員8名である。ロシア人の乗員はロシア側が決定するので、今回の発表には含まれていない。
 ISSの遠征隊はロシア人の隊長と隊員1名に、NASAのペギー・ホイットスン博士で構成される。第六次隊は隊長がNASAのケネス・バウアーソックス海軍大佐で、ドナルド・トーマス博士とロシア人隊員で構成される。第七次隊はロシア人隊長と隊員に、NASAのエド・ルー博士で構成される。第八次隊は隊長のマイクル・ファウル博士とウィリアム・マッカーサー陸軍大佐にロシア人体員で構成される。
 ISSでは現在第二次遠征隊が滞在中で、任務は4週間目に入ったところである。
NASANews

・SESがGEアメリコム買収
 ルクセンブルクの衛星通信と放送の世界的な大手SES(Societe Europeenne des Satellites)社が、アメリカのジェネラル・エレクトリック(GE)社系列のGEアメリカン・コミュニケイションズ(アメリコム)社を50億ドルで買収し、合併すると発表した。
・旧ソ連宇宙開発の功労者ラウシェンバフ死去
 旧ソ連で初期の宇宙開発に貢献した宇宙工学者のボリス・V・ラウシェンバフが、3月27日に86歳で死去した。
 ラウシェンバフは1915年にドイツ系ロシア人としてペトログラートに生まれ、大戦期にはセルゲイ・P・コロリョフらと共に強制収容所に送られたが、戦後に釈放されてロケットと宇宙機の開発に従事、1959年10月世界で最初に月の裏側を撮影したルナ3計画に貢献した。
Yahoo!News

No.389 :ロシアとオーストラリアが衛星打ち上げ機共同開発
投稿日 2001年3月27日(火)01時35分 投稿者 江藤 巌

 オーストラリアのアジア・パシフィック・スペース・センター(APSC)は、ロシアと”オーロラ”と名付ける打ち上げ機を共同開発して、オーストラリアの北西のクリスマス島から打ち上げる構想を進めている。
この構想のロシア側の参加者はロスアヴィアコスモス(航空宇宙庁)、RKKエネルギヤ、TsSKBプログレス、一般機械製作設計局(KB-OM)で、すでにロシア政府も計画を承認している。
 オーロラは、ソ連のセルゲイ・P・コロリョフが1950年代に開発したR-7セミョールカ(西側呼称SS-6サップウッド)弾道ミサイルの発展型である。R-7は衛星打ち上げ機としても、1957年のスプートニク打ち上げ以来改良されながら使われ続けてきた。
オーロラは、円筒形のコア・ステージ(第2段)の回りに4本の大根のようなストラップオン(第1段)を束ねたR-7の基本構成は変えていないが、第1段と第2段のロケット・エンジンをNK-33に換えている。NK-33は、クズネツォフ設計局がN-1月ロケットのために開発したエンジンの改良型である。NK-33はケロシンと液体酸素を推進剤とし、推力は1638kN(真空中)、比推力は331s(同)になる。R-7の第1段/第2段のR-107R-108と比べると、NK-33の推力は6割以上も大きい。
 オーロラはこの上に上段を重ねた3段式あるいは4段式として打ち上げられる。オーロラの低地球軌道への打上げ能力は約12トン、静止遷移軌道への打上げ能力は4.5トンになる。
 オーロラの最初の商業打ち上げは2003年末に予定されている。
SpaceDaily

No.388 :ミール落下地点は南緯40度西経160度
投稿日 2001年3月23日(金)16時47分 投稿者 江藤 巌

 ミールの落下地点は、アメリカの観測では先に報じたよりも西寄りで、南緯40度、西経160度近辺らしい。これは警戒海域の西側の海域に当たる。
落下時刻は、アメリカでは日本時間の午後3時0分13秒と推定しているが、ロシアの管制センターは午後2時59分にはミールの落下を宣言している。ロシアの宇宙ステーション「ミール」の軌道離脱計画について(最新情報)
文部科学省宇宙ステーション「ミール」関連情報
的川泰宣の「ミール落下日誌」
Space.com
CNN

No.387 :ミール南太平洋に落下
投稿日 2001年3月23日(金)14時35分 投稿者 江藤 巌

 最終的に確認されてはいないが、ロシアのミール宇宙ステーションは大気圏に再突入して分解し、破片は南緯44度、西経140度を中心とする南太平洋上に散乱して落下したものと考えられる。
 フィジー島の海岸からは、ミールが燃え上がりながら落下して行くのが目撃されたという。

No.386 :ミール落下中
投稿日 2001年3月23日(金)14時05分 投稿者 江藤 巌

 ミールの高度はすでに50km以下に低下して、分解して燃え上がりながら落下しているはずである。
ミールの破片は、まもなく南太平洋の幅200km、長さ6000kmくらいの細長い海域に散乱して落下するものと思われる。
ロシアの宇宙ステーション「ミール」の軌道離脱計画について(最新情報)
文部科学省宇宙ステーション「ミール」関連情報
的川泰宣の「ミール落下日誌」
Space.com
CNN
SpaceDaily
ミール宇宙ステーション地上観測ネットワーク


No.385 :ミール大気圏に突入
投稿日 2001年3月23日(金)13時44分 投稿者 江藤 巌

 ミールは日本上空を無事通過、南太平洋の落下予定海域に向けて降下しつつある。
ミールは日本時間午後2時45分頃には太平洋の赤道上空で高度100kmまで降下し、大気の抵抗で燃え上がりつつ分解して行くところである。
ニュージーランド東方の南太平洋への破片の落下は午後3時過ぎになる。