宇宙作家クラブ
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No.433 :プログレスM1-6打上げ他
投稿日 2001年5月22日(火)02時52分 投稿者 江藤 巌

・ロシアがISSにプログレス無人補給船打上げ
 国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を運ぶため、ロシアは5月21日にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から、プログレスM1-6無人補給船を打ち上げた。
プログレスM1-6には宇宙食や新鮮な野菜、果物、薬品、衣類、それに家族からの手紙などが搭載されており、23日にISSと自動でドッキングする。
 ISSでは3人の第二次遠征隊の滞在が75日に達しようとしている。
SpaceDaily
NASA有人宇宙飛行
CNN

・NASAが宇宙打上げ構想サイト立ち上げ
 NASA(米航空宇宙局)は、ジョージ・W・ブッシュ政権の宇宙打上げ構想(Space Launch Initiative)に基づいて、新たにSLIニュースのウェブ・のサイトを立ち上げた。
SLIはマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)の担当となっているが、SLIニュース・ウェブ・サイトは独自の企業ドメイン(slinews.com)を持っている。

・NASAが第二世代シャトル研究契約結ぶ
 その宇宙打上げ構想の下で、スペースシャトルに代わる第二世代の繰り返し使用可能打ち上げ機の研究契約が取り交わされた。NASAでは昨年の秋から新しい打上げ手段の提案を求めていたが、このたび大小22社と合計7億6700万ドルで研究契約を結んだものである。
SLIの総予算枠は、2006会計年度までに合計48億ドルとなっている。
 SLIと関連して、MSFC内に第二世代再利用可能打上げ機計画室が設立された。計画室長にはMSFCの宇宙輸送部門の副部長だったデニス・E・スミスが任命された。
NASAニュース・リリース
SpaceRef
Space.com
CNN

・X-40滑空テスト完了
 NASAのX-40A無人実験機は、5月19日にドライデン飛行研究センターで最後の滑空テストを行った。
X-40Aはヘリコプターに吊り上げられて高度4574mから投下され、滑空して速度486km/hに達した後で着陸した。
Space.com
SpaceDaily

・「NASA長官の交替を」AW&ST
 アメリカの航空宇宙業界週刊誌Aviation Week & Space Technologyが最新号の論説で、ジョージ・W・ブッシュ政権に早急に新しいNASAの長官を任命するよう求めている。
現在のNASAの長官ダニエル・S・ゴールディンは、父のジョージ・H・W・ブッシュ大統領に任命されて、クリントン政権を経て、子のG・W・ブッシュまで三代の大統領に仕えている。
アメリカの政官界では大統領が替われば高級官僚も辞職するのが慣習となっており、ゴールディンのように共和、民主、共和の両政党の下で省庁の長を務める例はきわめて珍しい。
 Space.comによれば、NASAの新長官の引き受け手がないのは国際宇宙ステーション(ISS)計画の予算大幅超過を初めとして前途に難題が予想されること、G・W・ブッシュ政権が軍事宇宙活動には力を注いでも、NASAを熱心に後押しするとは見られていないこと、NASA長官の俸給が民間企業経営者よりも格段に低いことなどが理由である。
NASA長官の俸給は年に約14万ドルに過ぎず、これは大手航空宇宙産業の幹部の年収の10分の一から百分の一に過ぎない。
Space.com

・デルタ2で軍事衛星打上げ
 ボーイング社のデルタ2打上げ機が5月18日ケイプ・カナヴェラルから打ち上げられて、国家偵察室(National Reconnaissance Office)の軍事偵察衛星GeoLITE(Geosynchronous Lightweight Technology Experiment)を静止遷移軌道に載せた。
GeoLITEはレーザー通信やUHF通信の実験を行う衛星と言われる。 NROはアメリカ国防省中央情報局(CIA)の合同組織で、偵察衛星の企画や開発、運用を担当している。
SpaceDaily
CNN

・NASAがシャトル・オービターに脱出カプセルを検討
 NASAではスペースシャトルの飛行中の緊急事態に備えて、ペイロード・ベイに脱出カプセルを組み込むことを検討している。
1986年のチャレンジャー爆発事故以降、オービターには非常脱出用のパラシュートと側面のハッチから滑り降りるための伸縮式のブーム(棒)が装備されている。
 新しい構想では、オービターの機長とパイロットの2名の席には射出座席が装備され、残りの数名のミッション・スペシャリスト達のためにペイロード・ベイ内に気密で飛行可能な脱出カプセルを組み込むことになる。
 このような構想は、チャレンジャー事故の直後を含めてこれまで何回も提案されたことがあり、今回も実現するかどうかは分からない。
オービターに脱出カプセルと射出座席を組み込むとなると、数千万ドル以上の費用が掛かる上に、改修の間オービターは1年以上も戦列を離れることになる。
CNN

No.431 :H-2Aの打上げ準備進む他
投稿日 2001年5月16日(水)14時12分 投稿者 江藤 巌

・H-2AのLE-7Aエンジン取付中
 今年の夏に打上げ予定のH-2Aの試験機1号機に使われる第1段のLE-7Aエンジンは、先ごろ燃焼試験を無事に終えて、組立て工場でロケット本体に取りつける作業に移った。
H-2A最新情報

・スペースシャトルの打上げ予定変更
 NASAではスペースシャトルの今後の打上げ予定を後にずらすことにしたが、次回のSTS-104/ISSフライト7A(アトランティス)の打上げ予定だけは変わらず6月14日となっている。
 STS-104のアトランティスは、改良されたメイン・エンジン(Space Shuttle Main Engine)を初めて搭載して飛行する。ブロック2と呼ばれる改良型SSMEは、従来のロケットダイン社製の高圧燃料ターボポンプに代えて、プラット&ホイットニー社が開発したターボポンプが取り付けられている。ターボポンプは開発当初からSSMEのアキレス腱となって来たが、ブロック2メイン・エンジンでは溶接部分を廃止したり、シャフトとブレイドを一体化するなどの設計変更で信頼性と耐久性の向上を図っている。
SSMEの高圧酸化剤ターボポンプは、ブロック1改良型として1995年以来飛んでいる。
 2001年中にはSTS-104を含めて、あと5回のシャトル打上げが予定されている。今年11月19日に打上げを予定していたコロンビアのハッブル宇宙望遠鏡の軌道上修理ミッションは、来年の1月17日まで延期された。
2001年打上げ予定
NASAニューズ
Space.com
FLORIDA TODAY

・プロトンで米通信衛星打上げ
 ILS(International Launch Services)社は5月15日にバイコヌール宇宙基地から、ロシアのプロトンK打ち上げ機でアメリカのパンナムサット社の静止通信衛星PAS-10を打ち上げるのに成功した。PAS-10はインド洋上の東経68.5度の赤道上に静止する予定で、CNN、BBC、ESPNなどの放送ネットワークの中継に使われる。
ILS社は米ロッキード・マーティン社、露エネルギヤ社、フルニチェフ社などの合弁企業で、今回が20回目の打上げになる。
パンナムサット社ニュース・リリース
ILS社ニュース・リリース
CNN
SpaceDaily
Space.com
ILS(ロシア語)

・イタリアが
 先ごろ国際宇宙ステーション(ISS)の居住モジュール製作でNASA(米航空宇宙局)と基本的に合意したイタリア宇宙局(ASI)だが、居住モジュールを提供する見返りとしてNASAに衛星の無料打上げを要求するようである。
イタリアが打上げを求めているのは、4機のコスモ・スカイメド(Cosmo Skymed)レーダー衛星で、軍民両用に使われる。
Space.com
FLORIDA TODAY

・宇宙からロックンロール
 シー・ローンチ社は5月8日に太平洋上のプラットフォーム”オディッシー”から、ウクライナ製のゼニート3SL打ち上げ機でXMサテライト・レイディオ社の放送衛星XM-1を静止遷移軌道に打ち上げた。XM-1ロールは西経85度の赤道上に静止する予定。
 XM-1は”ロール”と名付けられており、3月18日にに打ち上げられて西経115度の静止軌道上にあるXM-2”ロール”と合わせて、”ロック&ロール”となる。二つの衛星は静止軌道上からアメリカに向けて100チャンネルのラジオ放送を行う。
シー・ローンチ社ニュース・リリース
XMサテライト・レイディオ社ニュース・リリース
XMサテライト・レイディオ社ニュース・リリース
打上げ画像
CNN
SpaceDaily

・ガガーリンの飛行記録は盗品?
 さきごろクリスティーのオークションで171000ドルで落札されたユーリー・A・ガガーリンの歴史的飛行の記録は、ロシア政府の所有物が不当に持ち出されたものではないかとの疑惑が持ち上がっている。
 ガガーリンの文書は1961年4月12日の人類最初の宇宙飛行の後に認められ、本人がサインしたもので、数部が製作されてソ連政府が保管していたが、何者かが持ち出して売却した可能性もある。
FLORIDA TODAY
Space.com

・ロシアの軍事衛星管制センターで火災
 ロシアの軍事衛星を管制しているセルプホフの施設で5月10日火災が発生して十数時間にわたって燃え続け、軍事衛星4機の管制が一時不可能になった。
衛星とのコンタクトは14日までには回復した。
CNN
CNN
Space.com

・シャトルで衛星回収を計画
 NASAでは1991年に打ち上げられて軌道を回っている高層大気研究衛星(Upper Atmosphere Research Satellite)を、スペースシャトルで回収して地上に持ち帰ることを検討している。
SpaceRef

No.430 :宇宙開発委員会も機構改革
投稿日 2001年5月10日(木)13時38分 投稿者 江藤 巌


 文部科学省宇宙開発委員会のページに、宇宙開発委員会の新しい役割に関する文書(pdf)が掲げられた。宇宙開発委員会について
 これまでの宇宙開発委員会は、「宇宙開発に関する重要事項について企画、審議、決定を行い、その決定に基づいて内閣総理大臣に意見を述べる役割があり、内閣総理大臣は宇宙開発委員会設置法により本委員会の意見を尊重しなければならない」(旧・宇宙開発委員会について)となっていて、日本の宇宙開発全般に関わる立場にあった。
しかし今年初めの省庁改革で、これまで宇宙開発に関わって来た文部科学省と科学技術庁とが統合されたのを機に、宇宙開発委員会の役割も見直されることとなった。現在の日本の宇宙開発体制
 新しい宇宙開発委員会の役割は、宇宙開発事業団法の規定により、宇宙開発事業団(NASDA)の基本計画と人事だけを所掌することになる。形式的には宇宙開発委員会の権限の縮小と言えよう。

No.429 :米国防省が軍事宇宙活動強化他
投稿日 2001年5月9日(水)23時46分 投稿者 江藤 巌

・アメリカ国防省が軍事宇宙活動を強化
 アメリカのD・ラムズフェルド国防長官は5月8日に、宇宙における軍事活動を強化するために、アメリカ軍の機構を改革する方針を示した。
 同長官は現在陸海空軍にまたがっている軍事宇宙活動を空軍宇宙コマンド(Air Force Space Command=AFSPACE)の下に集約する方針で、新たにAFSPACEの専任の司令官として空軍大将を任命する。AFSPACEは現在の任務に加えて、開発や調達にも関わることになる。
現在はAFSPACEの司令官の空軍大将が、陸海空軍合同の統合宇宙コマンド(United States Space Command=USSPACECOM)の総司令官と、アメリカ・カナダ軍合同組織の北アメリカ航空宇宙防衛コマンド(North American Aerospace Defense Command=NORAD)の総司令官を兼任しているが、この地位は新たに任命されるAFSPACE司令官とは別になり、USSPACECOM総司令官の方は空軍以外の大将でも就任できるようになる。
 ラムズフェルド長官は、弾道ミサイル防衛(Ballistic Missile Defense)を全面的に押し進める政策を示しており、今回の宇宙関連組織の改革もその一環と見られている。
SpaceRef
CNN
Space.com
FLORIDA TODAY
FLORIDA TODAY

・2020年火星の旅?
 NASA(米航空宇宙局)のD・ゴールディン長官は5月9日ジョージ・ワシントン大学における講演で、人類は2020年までに火星に着陸するだろうとの予想を述べた。
 しかし現在の政治経済情勢で、巨額の予算を必要とする有人火星計画が議会とホワイトハウスの承認を得られる可能性は事実上ゼロである。
SpaceDaily

・ティトー「宇宙はパラダイスだ」
 8日間の宇宙観光旅行を終えて地球に帰還したアメリカ人実業家デニス・ティトーは、モスクワに戻って来ている
 6日にカザフスタン共和国に着陸した直後、ティトーは「宇宙はパラダイスだ。すばらしい飛行と着陸だった。まったくなんの困難もなかった。私は夢を実現した」と語っている。
 ロシアのRKKエネルギヤでは、ティトーに続く宇宙旅行候補者10人前後とすでに交渉を進めているという。
しかしロシアの宇宙当局者は、今後2年間は宇宙に観光客を送り出さないと語っている。
SpaceRefティトー特集Space.comティトー特集
Space.com
SpaceDailySpaceDaily
SpaceDaily
CNN
CNN
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・LE-7Aエンジン新インデューサ試験第1回実施
 宇宙開発事業団(NASDA)は、H-2Aロケットの第1段のLE-7Aエンジンの技術データを取得する試験の第1回目(50秒間)を、5月9日に田代試験場で実施した。今回の試験は液体水素ターボポンプ用インデューサの新しい候補の一つを液体水素ターボポンプに組み込んで、エンジンの作動状態の確認を行うことを目的にしている
H-2A最新情報
LE-7Aエンジン液体水素ターボポンプ新インデューサ技術データ取得試験の実施について
LE-7Aエンジン技術データ取得試験スケジュール(田代試験場)

第1回LE-7Aエンジン液体水素ターボポンプ新インデューサ技術データ取得試験の結果

・NASDA「スペースシャトル・エンデバー号(STS-100/国際宇宙ステーション組立ミッション(6A))等の運用結果について(報告)」

・ロシア版シャトル輸送機が再度飛行
 旧ソ連時代にソ連版スペースシャトル”ブラーン”のオービターを背中に載せて運ぶため開発された、世界で最大の貨物輸送機アントーノフAn-225”ムリヤ”(ウクライナ語で「夢」)が、月日に再び空を飛んだ。
An-225は、4発のAn-124ルスラン軍用輸送機の主翼と胴体を大型化したターボファン6発の輸送機で、全幅88.40m、全長84.0m、離陸総重量600トンは、いずれも世界で最大である。
 An-225は旧ソ連時代の1988年12月21日に初飛行し、1989年のパリ航空ショーにはブラーンを背中に載せて参加して見せたが、ソ連崩壊とブラーン計画の中止で目的を失い、1994年以来飛んでいなかった。
 ウクライナのアントーノフ社では、最大搭載量250トンというAn-225の能力を生かして、大型で特殊な貨物の商業輸送に利用して行きたい意向である。An-225は今年のパリ航空ショーにも参加するという。
SpaceDaily
SpaceDaily

No.428 :宇宙旅行者ティトー帰還
投稿日 2001年5月6日(日)15時10分 投稿者 江藤 巌

 デニス・ティトーら3人の乗ったソユースTM-31は、5日の0535GMT(日本時間同日午後2時35分)に、カザフスタン共和国内に着陸した。
CNN

No.427 :ティトー帰還の途に他
投稿日 2001年5月6日(日)14時36分 投稿者 江藤 巌

・ティトー帰還の途に
 世界で初めて自費で宇宙旅行の夢を果たしたアメリカ人実業家デニス・ティトーは、ロシアのT・ムサバイェフ、Y・バチューリンの二人の宇宙飛行士と共に、ソユースTM-31に乗り移って、グリニッジ平均時(GMT)5月5日0221時(日本時間6日午前11時21分)に国際宇宙ステーション(ISS)を離れた。
 帰還の前にティトーはロシアの管制センターに対して、「今回の旅行を大変楽しんだ。もし許されるならば、宇宙に何ヶ月でもいたかった」と述べている。
CNN
Space.com
 彼等は自分達の乗って来たソユースTM-32をISSに残して、昨年の10月31日にISSの第一次遠征隊を乗せて打ち上げられたソユースTM−31に乗って帰還した。このソユースTMの交換が、彼等のミッションの本来の任務である。ソユースTMはISSの非常時の救命艇の役割を果たしているが、軌道上に6カ月以上置いておくことが出来ないので、半年ごとに新しいソユースTMを打ち上げて交換する必要がある。ソユースTMは三人乗りだが、通常の運用には2名(機長とフライト・エンジニア)しか必要としないため、ロシアでは三人目の席に金を取って一般人を乗せているわけである。ティトーはこの飛行のために2000万ドル(約24億円)をロシア側に支払ったと言われる。
 一方NASA(米航空宇宙局)などロシア以外のISS計画参加国は、ISSが建設段階のこの時期に一般人が乗り込むことに反対しており、NASAは飛行がティトーの実施された後も折に触れて不快感を表明している。
 NASAのD・ゴールディン長官は、ティトーの乗り組みで受けたISSの損害に対してロシア側に補償を請求すると明言している。しかしティトーが実際にISSの器物に被害を与えたと言う話もなく、ティトーがISSの乗員に迷惑を掛けて仕事を妨害したとの報道もない。ティトーは自分の滞在がISSの乗員の妨げになったことはないと言っている。
 また仮にティトーがいることで作業の能率が低下したとしても、その相当額を算出するのも難しそうである。
ロシア側によれば、いまのところNASAからの具体的請求はない。
Space.com
Space.com
CNN
SpaceDaily
THE TIMES

・アメリカ最初の有人ミッションから40年
 5月5日は、アメリカが初めて人間を宇宙に送り出してから40年目の記念日に当たる。
 1961年の5月5日、NASAのアラン・B・シェパード宇宙飛行士の乗ったマーキュリー・レッドストーンMR-3”フリーダム・セヴン”は、ケイプ・カナヴェラルから打ち上げられて最高高度186kmに到達し、15分後に大西洋に着水した。
 シェパードの飛行は衛星軌道速度を達成していないので、国際的には「宇宙飛行」とは認められないものの、Y・A・ガガーリンのヴォストークに先を越されて意気消沈していたアメリカ人に取っては士気を高める飛行であった。
 シェパードはその後内耳の病気で飛べなくなったが、病気を手術で克服して宇宙飛行士に復帰、1971年1〜2月にアポロ14で月に降りた。シェパード(最終階級は海軍少将)は1974年にNASAを引退、実業家に専念していたが、1998年7月22日に病死した。
 著書「ムーン・ショット」(ディーク・スレイトンと共著)、集英社、1994年訳刊。
Space.com
FLORIDA TODAY

・NASA長官候補をヘッドハンティング?
 ホワイトハウスはNASAの長官のなり手がないのに業を煮やして、企業トップのスカウト専門の会社にめぼしい人材の調査を依頼したと、NASA Watchが伝えている。

No.426 :エンデヴァー帰還
投稿日 2001年5月2日(水)01時12分 投稿者 江藤 巌

 スペースシャトル・エンデヴァーは、日本時間の2日午前1時11分に、エドワーズ基地の22番滑走路に着陸した。
 エンデヴァーは4月19日にSTS-100/ISSフライト6Aミッションに出発し、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしてロボット・アーム(カナダーム2)を据え付け、補給物資を運び込んだ。
FLORIDA TODAYミッション速報

No.425 :エンデヴァーはエドワーズに午前1時過ぎ着陸へ
投稿日 2001年5月1日(火)22時49分 投稿者 江藤 巌

 NASAはフロリダの天候不良からエンデヴァーをケネディ宇宙センター(KSC)に降ろすのを諦めて、1日中にカリフォーニア州のエドワーズ空軍基地(EAFB)に着陸させることに決めた。軌道離脱は日本時間の0時6分、着陸は1時11分になる。エドワーズ周辺の天候は良好である。
 エンデヴァーは186周目に軌道を離脱して、アメリカ大陸西岸に南西から接近左右に切り返して減速しながらカリフォーニアの海岸を越えてEAFBの上空で大きく円(Heading Alignment Circle)を描いて旋回して速度を調整、22番滑走路に北東から進入して着陸する。186周目の着陸詳細
 もしこの周の着陸を逃しても、187周目に再度着陸を試みることが出来る。

No.424 :エンデヴァーはエドワーズ基地にダイバートか
投稿日 2001年5月1日(火)20時50分 投稿者 江藤 巌

 ケネディ宇宙センター(KSC)のあるフロリダ州の天候回復の見込みがこの先も低いため、スペースシャトル・エンデヴァーは1日中にカリフォーニア州のエドワーズ空軍基地(EAFB)に降りることになるようだ。
 すでにエンデヴァーには管制センターから降下の準備としてペイロード・ベイのドアを閉じるよう指示が送られているが、軌道離脱と着陸がいつになるのか、最終的な決断は下されてはいないようだ。
エンデヴァーはアメリカ東部夏時間1日の9時4分(日本時間22時4分)のKSC着陸を見送っており、次ぎにKSCに降りるとしたら185周目の9時31分(22時31分)に軌道を離脱して、10時39分(23時39分)にKSCの滑走路に着陸することになる。
しかしKSCの天候が相変わらず思わしくないとすれば、エンデヴァーは186周目の11時6分(2日0時6分)に軌道離脱して、12時11分(1時11分)にEAFBに着陸することになろう。この機会を逃したとしても、187周目の12時43分(1時43分)に軌道離脱して、13時47分(2時47分)にEAFBに降りることが出来る。

No.423 :エンデヴァー今夜帰還試みる他
投稿日 2001年5月1日(火)15時21分 投稿者 江藤 巌

・エンデヴァー今夜帰還?
 スペースシャトル・エンデヴァーは、STS-100/ISSフライト6Aを終えて、日本時間5月1日夜にフロリダ州のケネディ宇宙センター(KSC)への着陸を試みる。しかしKSCの天候は思わしくなく、帰還が1日延期される可能性は高い。
 エンデヴァーが5月1日にKSCに着陸を試みる場合、チャンスは2回ある。
軌道周回184周目で着陸を試みる場合には、軌道離脱(deorbit)がアメリカ東部夏時間(EDT)で午前7時55分(日本時間1日20時55分)で、この時間までに天候を見ながら着理の決断を下さねばならない。184周目で軌道離脱すると、KSCへの着陸は午前9時04分(22時0分)になる。
また185周目に着陸する場合、軌道離脱は9時31分(22時31分)、着陸は10時39分(23時39分)になる。
5月1日には、186周目と187周目にカリフォーニア州のエドワーズ空軍基地(EAFB)に着陸するチャンスもあるが、EAFBに降りた場合には、オービターをボーイング747改造機の背中に載せてアメリカ大陸を横断してKSCまで輸送しなければならなくなる。これには約100万ドル(約1億200万円)の費用と1週間以上の時間が掛かり、NASAとしてはなるべくならKSCにオービターを降ろしたいところである。
エンデヴァーには飛行を2〜3日延長しても十分なだけの消耗資材が搭載されており、5月1日に天候上の問題で着陸が出来なかった場合には、NASAとしては天候の回復に賭けて着陸を1日延長するものと見られる。しかしフロリダ近辺は今週一杯天候不良が予想され、飛行を延長してもKSCに着陸できるという保証はない。
着陸コース
着陸地点の天候
FLORIDA TODAYミッション速報
STS-100ステイタス・リポート
Space.com

CNN

・パイオニア10探査機との交信が回復
 NASAが1972年に打ち上げたパイオニア10外惑星探査機からの通信が、4月28日に8ヶ月振りに受信された。
 パイオニア10との交信は、昨年8月19日を最後に途絶えており、機能を停止したか送信出力が地球で受信するには弱くなり過ぎたかと思われていたが、28日にマドリッドにあるDSN(Deep Space Network)の巨大アンテナの一つがパイオニア10からの信号を受信し、探査機がまだ生きていることが証明された。
 パイオニア10は1972年3月3日にケイプ・カナヴェラルから打ち上げられて、1973年12月木星の近傍をフライバイして画像撮影などの観測を行い、そのまま太陽系を永久に離れる旅に入っていた。
パイオニア10は現在太陽から77.67天文単位(AU)の距離にあり、太陽から12.24km/sの速度で遠ざかりつつある。パイオニア10と地球との距離は117億4000万kmで、パイオニア10の発した電波が地球に届くまでに21時間45分経過する。
パイオニア・ステイタス・リポート
SpaceRef
SpaceDaily
Space.com

・日本もCRV開発に参画?
 NASAのD・ゴールディン長官は4月25日にアメリカ議会下院の科学委員会の委員に対して、国際宇宙ステーション(ISS)の乗員帰還機(Crew Return Vehicle)の開発に日本が参加する線で交渉が行われていることを認めた。
 NASA(米航空宇宙局)では先ごろISS計画コスト超過を理由に開発を、CRVの開発を棚上げしていた。
同じく開発が中止された居住モジュール(ハブ・モジュール)は、イタリアが肩代わりすることで計画が復活したが、CRVについても日本あるいはヨーロッパ宇宙機関(ESA)をパートナーとすることで計画の存続を図ろうとしているものと見られる。
 日本にとっても、計画が休止しているHOPEの技術を生かし、有人宇宙機の開発経験を得るチャンスと言える。
Space.com

・X-40滑空テスト成功
 将来のスペースプレーンに向けたX-40無人実験機の3回目の飛行テストが4月26日にカリフォーニア州のドライデン飛行研究センター(DFRC)にて行われて、高度4600mから滑空して自動着陸する成功を収めた。
DFRCニュース・リリース
Space.com

No.422 :宇宙ステーション”アルファ”へようこそ
投稿日 2001年4月30日(月)22時14分 投稿者 江藤 巌

 一般市民として初めて宇宙旅行の夢を果たしたアメリカのデニス・ティトーは、ソユースTM-32の他の二人の乗員とともに、国際宇宙ステーション(ISS)に入室した。
ソユースTM-32とザリャー・モジュールとの間のハッチはドッキングから約1時間後に開かれ、漂いながらISSに入ったティトーは「私は宇宙が好きだ」(I love space)と語った。3人のISS第二次遠征隊がティトーを出迎えた。
 ティトーは無重力でも不快を感じてはいないと述べ、宇宙適応症候群(Space Adaptation Syndrome)いわゆる宇宙酔いにはかかっていないようだ。
NASA STS-100ステイタス・リポート#23
Space.com
CNN
SpaceDaily
FLORIDA TODAY
YAHOO!News
BBC

No.421 :ティトーらのソユースがISSとドッキング
投稿日 2001年4月30日(月)17時33分 投稿者 江藤 巌

 デニス・ティトーら3人の乗ったソユースTM-32は、30日の日本時間午後4時58分に、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。ソユースTM-32はロシア製のザリャー・モジュールとドッキングしている。
Space.com

No.420 :ティトーら夕刻にISS到着
投稿日 2001年4月30日(月)12時34分 投稿者 江藤 巌

 宇宙旅行者デニス・ティトーと、ムサバイェフ、バチューリンの二人の宇宙飛行士の乗ったソユースTM-32は、アメリカ東部夏時間(EDT)で30日の午前3時52分(日本時間同日午後4時52分)頃に、国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングする。
ソユースTMとISSの間のハッチが開かれるのは、ドッキングから1時間半後のEDT午前5時22分頃(日本時間6時22分頃)の予定。
 しかし別の報道によると、ドッキングは日本時間で午後5時7分とのことで、この件に関してはより詳しい情報が入り次第お伝えする。
Space.com
SpaceDaily
SpaceDaily
CNN

No.419 :エンデヴァーISSとのドッキング解除
投稿日 2001年4月30日(月)03時12分 投稿者 江藤 巌

 スペースシャトル・エンデヴァーは国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングを、日本時間の30日午前2時34分に解除して、帰還の途に就いた。
Space.com
CNN
FLORIDA TODAY

No.418 :エンデヴァー間もなく帰還の途へ他
投稿日 2001年4月30日(月)01時32分 投稿者 江藤 巌

・エンデヴァー間もなくドッキング解除
 スペースシャトル・エンデヴァー(STS-100/ISSフライト6A)は、アメリカ東部夏時間の29日午後1時34分(日本時間30日午前2時34分)に国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングを解いて、帰還の途に就くことになった。
 本来の計画では、エンデヴァーは28日の昼頃にISSとのドッキングを解除して、30日にケネディ宇宙センター(KSC)に着陸することになっていた。
しかしISSの3台のコマンド・コンピューターが突然機能しなくなるトラブルが発生して、ISSと地上との直接交信が途絶したため、ISSに新しく取付けられたロボット・アーム(カナダーム2)のテストが実施不可能になってしまった。
コマンド・コンピューターが停止している間、ISSと地上との交信はエンデヴァー経由となるために、エンデヴァーは帰還の予定を1日ないし2日遅らせてISSとの接続を保っていた。
しかしISSの乗員と地上との協力でコマンド・コンピューターのうち2台が機能を回復、ロボット・アームのテストも行えるようになったために、飛行予定を1日延長しただけで29日にドッキングを解除できる見通しとなったものである。コマンド・コンピューターのトラブルはハードディスクの異常によるものらしく予備と交換してフォーマットし直しプログラムをロードして復旧させた。
 ロボット・アームが再びISS内より遠隔操作出来るようになったことで、カナダーム2を載せて来たパレットがカナダーム2により持ち上げられて、エンデヴァーに装備されているロボット・アーム(カナダーム)へと受け渡された。宇宙で二つのロボット・アーム(リモート・マニピュレイター)が物を受け渡したのはこれが初めてになる。パレットはカナダームによりエンデヴァーのペイロード・ベイにしまい込まれた。
 エンデヴァーの着陸は、計画よりも1日遅れた5月1日の午前9時過ぎ(日本時間1日午後10時過ぎ)になる予定。
STS-100ステイタス・リポート
FLORIDA TODAYミッション速報
Space.com
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・米実業家宇宙旅行中
 世界初の宇宙旅行者であるアメリカ人実業家デニス・ティトーを乗せたソユースTM-32は、28日にバイコヌール基地から打ち上げられて衛星軌道に乗り、現在はISSとのランデヴー・コース上にある。
ソユースTM-32とISSとのドッキングは、現在ISSと一緒に軌道を回っているスペースシャトル・エンデヴァーがドッキングを解除して、ISSから十分に離れたあとになる。
 イタリア系移民の子供のデニス・ティトーは、宇宙技術者としてNASAで働いた後投資会社ウィルシャイア・アソシエイツ社を興し、その創業者利益のうち2000万ドルをロシアに支払ってソユースTMの席を手にした。
CNN打上げ直前インタビュー
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・ティトーの次は映画監督のキャメロン?
 NASAや他のISS計画参加国は、デニス・ティトーの宇宙旅行を例外に留めて置きたい意向だが、ロシア宇宙当局はすでにティトーに続く観光宇宙旅行者と交渉しているという。
噂では、「タイタニック」で1997年度のアカデミー監督賞を授賞した映画監督のジェイムズ・キャメロンが宇宙に行きたがっているとのことである。
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