宇宙作家クラブ
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No.508 :今朝のへんな雲 ●添付画像ファイル
投稿日 2001年8月29日(水)13時15分 投稿者 松浦

 これはおまけです。本日午前6時前に射点上空に見えた変な雲。
 偶然飛行機雲がぴったりな位置に見えただけだと思いますが,「おいおいもう上がっちゃったよ」というジョークがプレスセンターで出ていました。


No.507 :最初の打ち上げ時刻は晴れでした ●添付画像ファイル
投稿日 2001年8月29日(水)13時14分 投稿者 松浦

 最初の打ち上げ予定時刻だった午後1時を回ろうとしています。天候は晴れ,今打ち上がったなら固体ロケットブースターの分離まできれいに見えるでしょう。残念ですが致し方ありません。
 写真は午後1時前のH-IIA。タンクへの推進剤充填作業は順調です。


No.506 :液水タンク充填100%
投稿日 2001年8月29日(水)13時13分 投稿者 江藤@種子島

NASDA12時37分発表

ロケット燃料の100%充填を確認
12:10現在、1段および2段の両燃料タンクの100%充填が確認されました。ロケット燃料を、タンクからの蒸発を考慮し、つねに補充しております。

No.505 :推進剤タンク充填
投稿日 2001年8月29日(水)12時45分 投稿者 江藤@種子島

NASDA午前11時52分発表

現在の整備状況
総員退避が11:16に終了しました。また、11:40現在、予冷作業が終了し、1段の水素タンクは30%充填が完了し、1段の酸素タンクも30%充填が完了してります。2段の水素タンクは50%充填が完了し、2段の酸素タンクの充填は完了しました。

No.504 :プレスセンターにて
投稿日 2001年8月29日(水)11時52分 投稿者 小川一水

 机を同じうする他のSAC会員諸氏と速報で張り合っても仕方ないので、私はもう少しアナログなことを伝えます。


 プレスセンターは北に向かって窓を持つ。普通にデスクに座っていると、壁幅全面を使った窓の向こうに、砂浜と、やや波のある海と、芝に覆われた小高い丘が見える。何も知らない人ならリゾートだとだませる。丘の向こうに立ついくつかの塔さえなければ。
 手を伸ばして指を立てると、塔は爪一枚で簡単に隠れる。たいして目立つものではない。
 それがLP1(ランチパッド1)に立つH−IIA・F1である。竹崎プレスセンターからの距離は約3.6キロ。はっきり言って遠い。リゾートの背景程度の絵面でしかない。
 しかし彼は主役である。注目を集めている。プレスセンターの人間は、記事を書く合間に顔を上げ、受話器に説明しながら振り向き、双眼鏡を構えて微動だにせず、彼を見つめている。センター壁面の6面のテレビは、NASDAスタッフが捉えた彼の横顔を様々に分割して映し、それらを見守るRCC(総合指令棟)の様子をも映している。映像機器の城壁を築いているTV各局技術スタッフも、それぞれの視点で彼を見つめ、駐車場の中継車にケーブルの滝を通じて絵を送り、本土そして全国に伝えている。
 海上に注意すれば、ぽつんと白い点がある。NASDAと海保の警戒船だ。東方30Km以内の警戒水域から不審船を締め出す役の彼らも、H−IIAの背中に視線を送っているだろう。
 また、ここTNSCを囲む宇宙ケ丘公園、長谷展望公園で待っている人々もいる。彼らはちょっと遠い。
しかしもっと遠くで待つ人々もいる。沖縄、勝浦、館山、筑波、小笠原など日本各地、それにクリスマス島、サンチャゴ、グラースなど世界各地の追跡管制各局。時差を越えて彼らも見つめている。
 そしてもちろんあなた。
 今回はまたずいぶんと、ウェブを通じた広報態勢が強化されている。NASDAサイトに注目する人々が世界中にいるだろう。
 その注目の真ん中にいるH−IIAが、こう顔を上げるとあっちに見える。ちょっと遠いが、特等席である。

 雲は減りつつある。雨は去った。外は白っぽく明るい。
 風は生ぬるい。ハンカチを垂らすと真横になびいた。ちょうどロケットからこちらへ――北から南に吹いているようだ。しかしどちらかと言えば、温度とか風向よりもその湿り気が気になる。かすかに海くさく、気がつくと背中に服が貼りついている。彼もこの風は気に入るまい。それとも平気か。
 いや、やっぱり平気ではないらしい。作業はすでに数時間遅れているから。楽屋のVABから舞台のLP1に移ったところで、彼は固定ラッチに不具合を起こした。他に2件ほどのトラブルも抱えている。致命的なものではないところが、彼の軽い不機嫌を表しているように思える。
 彼に振りまわされてプレスの人間たちもぴりぴりしている。朝からずっと、センター内で物音がするたびに一斉に振り向くような感じだった。先ほどは、トラブル説明の記者会見があると聞いて、我さきに会見場へと走っていった。
 その間センター内は静かだったが、正式な打ち上げ時刻延期の報が入ると、残っていた人間たちが一斉にキーボードと電話の音を立てた。すぐに会見場からも人が戻ってきて、四時だ四時に延期だ、と言いたてた。
 舞台に立つ彼の一挙手一投足を外へ知らせようと、皆が聞き耳を立てている。落ちつかない。

 そういうセンター内で私が何をしているかと言うと、わりとのんびりしている。
 今回は記録よりも記憶のためにやってきた。もちろん記録もするがそれは紙と磁気に残すことにした。だから、あまり殺気だって情報を追っかけず、追っかける人たちを見ることができている。
 冷静にトラブルを起こした系の確認を取り合っている人たちもいれば、職員に向かってわからないことを何度でも尋ねる、熱意ある人もいる。どちらにしろみな、三キロ半先のあの小さな塔に振り回されている。これはなかなか面白い。
 小さな塔などと冷めたことを言っているが、もちろん私が期待していないわけではない。その塔が、5時間後に地盤を揺るがす大爆音を立てて、私の傍観者ぶりを吹っ飛ばしてくれることを期待している。そうなるはずなのだ、周りの経験者が口をそろえて言うには。
 いや、待つまでもない。ここにいるとうつる。高まり、引っ外され、また高まる打ち上げへの昂揚が。わけもなく手が震えたりするので、ちょっと不思議にすらなる。
 あと五時間。それともそれ以上か。待てなくはないが待ち遠しい。早く「音」を聞かせてほしい。そのために来たんだから。

No.503 :29日午前11時からの記者会見詳報 ●添付画像ファイル
投稿日 2001年8月29日(水)11時45分 投稿者 松浦

 11時から記者会見が開かれました。午前6時40分頃に発生した液体水素供給系の配管接続のトラブルについて説明がありました。トラブル発生でマスコミは色めき立っています。

 打ち上げは午後4時となりました。

 状況は以下の通りです。説明は丹尾スポークスマン,トラブルが3件発生しています。

1)液体水素配管接続装置動作不良
 発生,午前5時10分,処置終了時刻,午前8時。
 移動発射台が射点に移動して,地上の液体水素配管との接続を行った。移動発射台の配管を油圧で垂直に降下させて接続する。接続の確認はリミットスイッチで正規の位置まで下がった配管がスイッチを押すことで確認する。

 対策:再接続を行い,フランジ面が正規の位置にあることを確認した。ただしリミットスイッチは動作せず。リーク試験を行ってリークがないことを確認した。

 原因:リミットスイッチのトラブルと思われる。


 2)液体酸素配管の予冷前の点検で第1段液体酸素注排液バルブに逆圧が印加された。発生,午前5時30分。処置終了,午前8時10分。

 点検時に機体にある第1段液体酸素注排液バルブに通常とは逆の機体外から機体内の方向に逆の圧力がかかった。

 原因:配管の中にガスを吹いて清掃するためのパージラインから圧力がかかったと推定して,逆圧のかかったバルブの漏洩試験を実施し,漏洩がないことを確認した。

 原因は,配管設計と実際の配管が異なっていた模様。パージラインの接続ミスの可能性がある。なぜそんなことが起きたかは調査中。

 3)ロケットを監視するテレビカメラが,機体に3個所搭載されているヘリウムガス気蓄器への充填ラインから白い煙がでていることを発見した。

 機体と地上系との接続カプラからのヘリウム漏洩ではないかと判断して調査している。現在漏洩は止まっており,順調にヘリウムタンクのガス圧は上昇している。漏洩が止まった理由は,カプラの温度が下がって寸法が変わったためと思われる。


現在のステータス

 午前9時25分から予冷開始。10時51分,2段の液体酸素タンクに液がたまり始めたことを確認。11時過ぎには全タンクで液体がたまりはじめる模様。

 トラブルについては完全ではないものの,打ち上げに支障のない範囲で処置ができたと判断して,打ち上げ準備作業を継続する。

 現在作業は3時間20分遅れている。打ち上げ時刻は,午後4時に設定して作業を進める。

 最初のトラブルはおそらくスイッチの単純故障でしょう。3番目も伸縮がある低温配管ではままあることです。

 ただし2番目はかなり根の深いトラブルのように思います。開発手順の進め方にまで踏み込む調査が必要になるかも知れません。



 写真は,説明を行う丹尾新治スポークスマン


No.502 :打ち上げは1600時に延期
投稿日 2001年8月29日(水)11時12分 投稿者 江藤@種子島


H-2Aロケットの打ち上げは、本日(29日)の午後4時に延期された。
カウントダウンは3時間ずらして実施する。

No.501 :ターミナル・カウントダウン開始
投稿日 2001年8月29日(水)10時00分 投稿者 江藤@種子島

 ターミナル・カウントダウンが午前9時に開始されている。
現在は推進剤の液体水素と液体酸素を充填する前段階の作業として、配管とタンクの中を常温からそれぞれの推進剤と同じ温度まで冷やす予冷作業を行っている。
予冷のあと、本格的な推進剤の充填作業が開始される。推進剤充填そのものは1時間半から2時間程度で完了する作業である。
ただし推進剤のタンクが一杯になっても、超低温の推進剤は常温では絶えず蒸発して失われるため(ボイルオフ)、これを補うためにタンクには少量の推進剤が充填され続ける。
 予定では推進剤充填作業は午前6時半に開始され、打ち上げ直前の12時30分まで続けられることになっていた。

No.500 :打ち上げは2,3時間遅れか
投稿日 2001年8月29日(水)09時37分 投稿者 江藤@種子島

 H-2Aロケット試験機1号機の打ち上げは、予定の29日13:00時よりも2,3時間程度遅れる見通しである。
 カウントダウン開始直後の6時10分ごろ、ロケットに推進剤を充填する配管の接続がうまく行かないというトラブルが生じた。
この配管はほんらいは自動で接続するのだが、接続を確認する信号が得られなかった。
このためマニュアルで接続をトライしたところ、接続信号は発せられないものの、外部からの観察で配管が確かに結合していることが確認できた。接続は結合した配管の長さから確認された。
念のため再度自動でトライしたところ、今度は信号も確認でき、外部の観察からも結合が確認された。
 8時25分に推進剤充填作業は再開され、推進剤タンクの予冷が始まった。
しかしこの作業はほんらいならば6時30分に開始される作業なので、すでに作業は2時間は遅れていることになる。
この遅れがそのまま持ち越されれば、打ち上げは午後1時ではなく午後3時となるが、NASDAではまだ打ち上げ時刻をいつにするかは決定していないようだ。

No.499 :補足
投稿日 2001年8月29日(水)05時59分 投稿者 江藤@種子島

補足
 28日の打ち上げ前日の記者会見のNASDA側出席者。
菊山紀彦  広報班スポークスマン代理、NASDA招聘開発部員
丹尾新治  打ち上げ実施責任者代理、宇宙輸送システム本部副本部長
園田昭眞  企画主任、種子島宇宙センター次長
遠藤守   ロケット主任代理、H-2Aプロジェクトサブマネージャ
今野彰   ロケット班長、H-2Aプロジェクトサブマネージャ

今回の打ち上げ見学のVIP
遠山文部科学大臣、岸田同副大臣、水島政務官、青江科学技術審議官他。

No.498 :種子島プレスツアー・その9 ●添付画像ファイル
投稿日 2001年8月29日(水)05時54分 投稿者 松浦

 射点からかなり離れた位置にある追跡管制棟(RCC)内部です。ここは基本的にH-IIで使っていた時のままです。すでにかなりの数の作業者が入って仕事をしています。

 現在午前5時35分です。種子島の空は白み始めました。雲の群の向こうに,ちらちらと空が除いているという天気です。打ち上げ準備作業は順調に進んでいます。


 これからまとめて記事をアップします。

追記:午前6時からの半径3km総員待避のアナウンスがありました。ただ今午前5時56分です。


No.497 :種子島プレスツアー・その8 ●添付画像ファイル
投稿日 2001年8月29日(水)05時52分 投稿者 松浦

 VABの最上階近くから,建物の内部を見下ろしたところです。広報の人から「あぶないので見下ろさないでください」と注意されました。吸い込まれそうな巨大な縦空間です。真ん中にロケット本体が通る穴があいた,整備用の床が見えます。


No.496 :種子島プレスツアー・その7 ●添付画像ファイル
投稿日 2001年8月29日(水)05時51分 投稿者 松浦

 VABを上り,射点側のてっぺん近くに設けられたタラップの上から撮影したH-IIAです。この写真ではよくわかりませんが,H-IIAは第1段の一番下を爆裂ボルトで固定して立てています。H-IIでは固体ロケットブースター(SRB)を爆裂ボルトで固定し,第1段はその真ん中につり下げる形で組み付けていました。これは将来液体ロケットブースターを取り付けて打ち上げるための設計変更です。


No.495 :種子島プレスツアー・その6 ●添付画像ファイル
投稿日 2001年8月29日(水)05時50分 投稿者 松浦

 VABの開いた扉を通してみた射点上のH-IIAです。両側の赤白のタワーは避雷針。ロケットの中央部が黒いのは,第1段と第2段を繋ぐインターセクションが,炭素系複合材料で作られているためです。


No.494 :種子島プレスツアー・その6
投稿日 2001年8月29日(水)05時49分 投稿者 松浦

 VABの開いた扉を通してみた射点上のH-IIAです。両側の赤白のタワーは避雷針。ロケットの中央部が黒いのは,第1段と第2段を繋ぐインターセクションが,炭素系複合材料で作られているためです。