宇宙作家クラブ
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No.757 :世界宇宙飛行士会議二日目 ●添付画像ファイル
投稿日 2003年10月14日(火)22時31分 投稿者 江藤 巌

世界宇宙飛行士会議、会期二日目の14日の午前中には、非公開でセッション2「クルーセーフティ・テクニカル・セッション」が行われた。
これは宇宙飛行の安全性を議題とし、各宇宙飛行士が個人として自由に意見を述べられるように、
報道陣にも一切非公開で行われる。セッションではJAXAの若田光一宇宙飛行士などから報告があった。
右はセッション終了後の記者会見に代表として出席したNASAのジェリー・ロス宇宙飛行士


No.756 :記者会見 ●添付画像ファイル
投稿日 2003年10月13日(月)22時09分 投稿者 江藤 巌

本日のセッション終了後の記者会見。
左から今回の会議の実行委員会委員長の毛利衛宇宙飛行士、ASE共同会長のレオーノフ宇宙飛行士、ASE共同会長のフェイビアン宇宙飛行士。


No.755 :セッション1:宇宙と教育 ●添付画像ファイル
投稿日 2003年10月13日(月)21時58分 投稿者 江藤 巌

13日午後には日本科学未来館において、最初のセッションである「宇宙と教育−全人類の文化に向けて」が行われた。
セッション最後のパネル・ディスカッション。
左からNHKの高柳雄一解説委員、NASAのジャン・デイヴィス宇宙飛行士、ロシアのミハイル・V・チューリン宇宙飛行士、スイスのクロード・ニコリエ宇宙飛行士、日本の秋山豊寛宇宙飛行士、アメリカのラッセル・シュワイカート宇宙飛行士、基調報告者の立花隆氏。


No.754 :参加宇宙飛行士集合写真 ●添付画像ファイル
投稿日 2003年10月13日(月)21時51分 投稿者 江藤 巌

本日の会議に参加した宇宙飛行士は、全14カ国(*)65名に上る。

*:ロシア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、ハンガリー、カザフスタン、モンゴル、ポーランド、ルーマニア、スイス、シリア、アメリカ、日本。


No.753 :第18回世界宇宙飛行士会議開会 ●添付画像ファイル
投稿日 2003年10月13日(月)21時49分 投稿者 江藤 巌

10月13日から17日までの5日間、東京お台場の日本科学未来館(館長:毛利衛)を中心に、
世界の宇宙飛行士の団体である宇宙探検家協会(Association of Space Explorers)
第18回世界宇宙飛行士会議(18th Planetary Congress)が開催される。
13日午前には、皇太子殿下のご臨席を賜り、東京国際交流館にて開会式が執り行われた。

お言葉を述べられる皇太子殿下。後ろは左からASE共同会長のアレクセイ・A・レオーノフ宇宙飛行士(ロシア)、同じく共同会長のジョン・フェイビアン宇宙飛行士(あめりか)、今回の会議の組織委員会委員長の近藤次郎博士。


No.752 :気象衛星の気象衛星製造続行の申し立て、米連邦破産裁判所が却下
投稿日 2003年10月12日(日)23時35分 投稿者 松浦晋也

 10月12日、気象庁は、米スペース・システムズ/ロラール社(SS/L)の破産に伴ってアメリカの連邦破産裁判所に申し立てていた、「運輸多目的衛星新1号(MTSAT-1R)」の製造続行を求める緊急救済命令が却下されたと発表しました。

 SS/L側の態度はかなり強硬なようで、来年初頭の打ち上げは、限りなく赤信号に近い黄信号という状態になってきました。

  気象庁ホームページ
  気象庁からの発表(pdf:8KB)
 
 この件についてスペース・システムズ・ロラールのホームページにはまだ何も出ていません。

  ロラールのリリースページ

 また、気象庁の監督官庁である国土交通省からも何も発表されていません。
  国土交通省ホームページ


 日本のマスコミでこの件に一番早く反応したのは読売新聞でした。
  読売新聞記事
 ついで毎日が反応しました。
  毎日新聞記事

 日経、朝日、産経の反応は遅れているようです。各社デスクの宇宙開発に関する関心と知識量を、ある程度ですがこのことから推量することができます。

 また、読売の見出しは「打ち上げ延期?」、毎日は「ひまわり5号の後継機納入されない可能性も」で、こので両社のデスクのセンセーショナリズムに対する見識の差を見ることもできます。

 MTSAT-1Rは、1999年11月のMTSAT-1打ち上げ失敗に伴って、代替衛星としてSS/Lに163億円で発注されました。当初2002年12月引き渡し、今年初めの打ち上げを予定していましたが、製造中のトラブルが重なって打ち上げは来年初頭にずれました。

 ところが今年7月にSS/Lが親会社のロラール スペース&コミュニケーションズ社とともに、本年、米国連邦破産法チャプター11(会社再建手続き)の申請を行い、破産・会社再建となりました。これに会わせてSS/Lから気象庁に契約内容の変更等の要望が出ました。
 上記読売と毎日の記事によると、SS/Lは8月7日付けで「3000万ドルの追加経費請求と、これが払われない場合衛星納入を拒否する。また、これまでの遅れに対する補償金の支払い免除や損害賠償請求の放棄を求める」と通告してきたとのことです。
 気象庁はこれに対抗して連邦破産裁判所に衛星製造続行を求める緊急救済請求を出しましたが、今回却下されました。

 裁判は、まだ、契約通りの金額での製造を求める請求と、納期厳守を求める請求が残っています。

 現在日本の気象衛星は、1995年打ち上げの「ひまわり5号」の寿命がほぼ尽きており、アメリカから「GOES 9」を借りて観測を続行している状態です。

 私は、この件に関して納入遅れが出た時に、Biztechに記事を書きました。
  衛星打ち上げ再延期、硬直化した予算編成があらわに(2003年4月22日付け)

 上記記事と一部だぶる部分もありますが、繰り返しておきます。

 気象衛星は日本にとって国際公約であり、国際貢献でもある重要な衛星です。また、気象情報は災害監視を初めとした日常に密着しており、さらには安全保障上も重要な意味を持っています(軍事作戦には気象情報が必須です)。
 ありていに言ってしまえば2500億円をかけた情報収集衛星よりもはるかに基本的な部分で、アジア地域の安全保障に意味を持つ衛星です。

 ロケットによる衛星打ち上げとその運用は、常にリスクが伴います。従って重要な衛星には軌道上予備機、最低でも地上予備機を用意するのが常識です。

 しかし、旧運輸省(現国土交通省)は、主に「気象衛星予算が、気象庁予算枠を超える規模である」ことを理由に、気象衛星の予備機を用意することを怠ってきました。気象庁も宇宙開発事業団も過去に何度となく、予備機の必要性を説いてきましたが、運輸省はそれを受け入れませんでした。

 最近になって、「1999年の打ち上げを宇宙開発事業団が失敗したばかりに」という恨み言も、聞こえてきますが、これは筋違いです。ロケット打ち上げには常にリスクが伴い、そのリスク管理に失敗したのは、気象庁に予備機を用意するに足る十分な予算をつけなかった国土交通省なのです。

 いよいよ事態は切迫してきました。この過去の失態について国土交通省がどう責任を取るか、あるいは取らないかは、今後の注目点です。

No.749 :[宣伝]ジュンク堂池袋店でトークライブを行います
投稿日 2003年10月10日(金)17時35分 投稿者 笹本祐一

 10月21日に、M-Vロケット1号機〜5号機、H-IIAロケット2号機から4号機の取材日記をまとめた『宇宙へのパスポート2』が朝日ソノラマより出版されます。
 この機会に、池袋ジュンク堂がイベントを組んでくれました。
 作者である笹本と、担当編集I氏、解説の松浦も出演予定です。
 よろしくお願いします。

イベント情報:
「宇宙へのパスポート2」出版記念トークセッション
出演:笹本祐一
日時:2003年10月18日(土) 19:00〜
会場:池袋ジュンク堂書店 4F喫茶
問合せ先:TEL.03-5956-6111(ジュンク堂)

H2Aを打ち上げる世界で最も美しい宇宙基地、NASDAの種子島宇宙センター。
NASDAの10分の1の予算でロケット打ち上げから宇宙探査までこなす宇宙科学研究所の、世界で最も貧乏な宇宙基地、内之浦宇宙観測所。
1994年以来、日本で一番多くのロケット打ち上げを見た作家・笹本祐一が、新聞に載らない宇宙基地の話、宇宙開発の現場の話、現地取材のノウハウなど最新情報をお伝えします。

http://www.junkudo.co.jp/evtalk.html#cosmos

No.748 :6号機ロケット打上げ、延期(詳報)
投稿日 2003年9月27日(土)15時04分 投稿者 笹本祐一


 竹崎報道センターにて、14時20分から記者ブリーフィングが行われました。
 今回の打ち上げ中止の原因になったのは、H-IIA初号機から使われている新型の四基の慣性センサーユニットに対し、三回目、最後のセルフテストコマンドを打ったところ、異常アンサーが返って来たためです。
 このセンサーはロケット二段目に搭載されており、現時点ではどれかひとつが異状なのか、二つ以上がおかしくなっているのか解りません。また、異常アンサーが返ってくる以前に二度、おなじテストを繰り返していますが、その時点では異常は発見されていません。
 異常なのがセンサーなのか、それともデータをアウトプットするコンピューターなのかは解っておりません。
 現在、射点上の6号機は推進剤抜き取り作業中であり、これをVABに戻すのは本日22時以降になるものと予想されています。原因究明作業は、それから開始されることになります。
 VABに帰還後、6号機のセンサーユニットは東京都昭島市の日本航空電子工業に持って帰って原因究明を行ない、解明されてから打上げを行ないたいとのことです。
 10月は、漁協との協定で打上げが出来ないことになっています。また、現時点で原因が判っておらず、その対策にどれくらいの時間を要するかも不明なため、打ち上げ時期の再設定は出来ません。
園田実施責任者「NASDAとして最後の打ち上げになるだろうと思っていたが、残念である」

No.747 :6号機ロケット打上げ、延期(続報)
投稿日 2003年9月27日(土)13時30分 投稿者 笹本祐一

 笹本です。
 6号機打上げ延期に関する続報をお伝えします。
 27日12時頃に、ロケットの搭載機器データに異常が発見されました。このトラブルがシュート出来なかったため、本日の打ち上げ中止が12時50分頃に決定されました。
 現在ロケットは推進剤の抜き取り作業中であり、原因の特定のための調査は抜き取り作業終了後になると思われます。

 現時点で、打上げ中止に関する記者会見の時間も設定されておりません。また上記の理由により、再設定される打上げ日の発表はかなり遅くなる可能性があります。

No.746 :6号機ロケット打上げ、延期(速報)
投稿日 2003年9月27日(土)12時59分 投稿者 笹本祐一

 広報によると、ロケットに不具合が発見されたため、本日の打ち上げは中止になりました。
 液体燃料の抜き取りが必要になるため、次回の打ち上げは10月2日以降に設定されるはずです。
 この場合、漁協との再調整が必要になるため、現時点でまだ打上げは再設定されていません。

No.745 :射点上のH-IIA6号機 ●添付画像ファイル
投稿日 2003年9月27日(土)11時34分 投稿者 笹本祐一

 牧野が撮影した6号機です。
 いつもの打ち上げと違って、記者室内に作業の進行を告げるアナウンスも流れないのですが、どうやら打上げ作業は進行中の模様。


No.744 :打ち上げ準備順調に進行中
投稿日 2003年9月27日(土)10時46分 投稿者 笹本祐一

 現地の笹本は10時30分に竹崎報道センターに入りました。
 天候は快晴、雲量は五パーセントほど。現時点で報道センターから射点を臨むと、飛行方向に邪魔になるような雲はありません。
 種子島宇宙センターは11時から入構禁止になります。
 現在のところ、H-IIAロケット6号機の打上げ準備作業は順調に進行中です。

 なお、機体移動の時にフェアリングの先にぽっちが見える、と書きましたが、あれは向こう側の避雷針の先端が重なって見えているだけでした。お詫びして訂正します。

No.743 :射点に設置されたH-IIロケット6号機 ●添付画像ファイル
投稿日 2003年9月27日(土)02時04分 投稿者 笹本祐一

 笹本です。
 J1用整備塔のそばから牧野が撮影した、H-IIA6号機です。今までの六基中四基がこの仕様という、SSB4基が追加装備された2024型です。
 よく見るとフェアリングの先端に今までに見たことのないぽっちが付いているのですが、これが何なのか不明。報道センターで質問して答えてもらえるかどうか。

 なお、前回の記事にあったロケットヶ丘は、ロケットの丘の誤りでした。訂正します。
 見回りに来た警官は、ロケットの移動開始時刻を知らされず、「今から見回りに行け」と送り出されたそうです。
 警察は、方言理解のために九州全域から種子島出身者を優先に送り込まれているそうで、警察関係者、警察車両の数を質問したら笑いながら「いっぱい来てるよ」と答えてくれました。


No.742 :H-IIロケット6号機、射点への移動開始
投稿日 2003年9月27日(土)00時37分 投稿者 笹本祐一

 笹本です。
 今回、6号機の打ち上げについて報道陣をVABやブロックハウスに案内するプレスツアーは一切行なわれません。そこで我々取材班はロケットヶ丘の見晴らし台でVABから射点への移動を見守ることにしました。
 洋上に確認できる船舶は二隻。
 6号機は12時35分過ぎにVABから姿を現し、射点への移動を開始しました。

No.741 :打上げ前日記者ブリーフィング ●添付画像ファイル
投稿日 2003年9月26日(金)16時27分 投稿者 笹本祐一

 9月26日15時から、園田打上げ企画主任により竹崎報道センター四階記者室で打上げ前日記者ブリーフィングが行なわれた。
 記者に配られた資料はロケットに関するものだけで、搭載されている衛星に関する記述は一切ない。また、打ち上げ後のシークエンスに関してもSRB分離、第一段分離などとあってもその時間は一切書かれていない。

 今回打ち上げられるロケットは四基のSSBを追加した2024型、全長57メートル、打上げ重量350トン。
 SSBのない、固体ロケットだけの通常の202型なら瞬間最大風速20メートルくらいまでの打ち上げに対応出来るが、2024型は重くなっているので風の影響を受けやすいため、風速14・7メートル以下の規制を受けている。
 天気予報によれば、明日の射場の風は8メートルから9メートル、雲の状況も今日よりいいだろう。
「衛星の切り離しと投入軌道の確認は?」
園田打上げ主任「公表を差し控えさせて頂きます」
 所定の軌道に打ち上げられたかどうかは、放送によりほぼリアルタイムに記者室に伝えられる。
 なお、軌道の問題で地上局は海外局を使わざるをえないのだが、海外局を使うか、外国の協力を得ているかについてもノーコメント。
 今回の打ち上げ費用は98億円、17日間の延期によりさらに2億円ほどの費用が発生している。
 衛星本体の値段は?
「内調にお問い合わせ下さい」
 今回の打ち上げ日程に関する余裕は、9月30日までしかない。
「3、4、5号機と予定通りの日時に上げているので、皆さん自信を持って作業にあたっています」
 もし9月中に打上げられないような延期になった場合は?
「とにかく、目の前の打ち上げに全力投球ということで臨んでいます」
 いつもより警備体制が厳重だが、それに関して打上げ準備作業に変化は?
「作業に対する制約はありません」
 本日、打ち上げ当日を想定した洋上での警備リハーサルが行なわれたというが、警備のために動員された船舶、航空機の数は?
「詳しい数字は言えません。5号機と同程度の警備体制を確保しております」
 打上げを控えた企画主任としての抱負を聞かせてほしい。
「H-IIAロケットの初号機から企画主任としての立場で作業を調整して来て、ミッションが違って来てもひとつひとつの打ち上げということで初心に返ってやって来た。だから、6号機だからということで特別な思い入れがあるわけではない。
 10月の統合を控え、これがNASDAという名前での最後の打ち上げになるので、有終の美を飾れたかなあと思っている」

 現在のところ、H-IIA6号機の発射時刻は、9月27日13時33分。ロンチウィンドウは13時50分まで。
 打上げ方向は、海上保安庁の海上交通情報のサイトで確認することができます。
 現在VABにある6号機の機体移動準備作業開始は本日26日の21時、機体移動開始は24時過ぎの予定です。