投稿日 2003年11月28日(金)16時10分 投稿者 松浦晋也
午後3時からはYマイナスゼロの記者会見がありました。写真左が河内山ロケット主任、写真右が園田企画主任。
園田:企画主任
現在のところ設備、ロケット、気象のすべては問題なし。9月27日の打ち上げ中止以降に行った作業を説明する。その前に内調はじめ関係機関および鹿児島県、種子島関係者、漁業関係者に感謝する。
9/27は慣性誘導装置(IMU)を交換した。ロケット本体は火工品を解除した後保管。衛星はロケットに搭載したまま大型ロケット組み立て棟で空調とバッテリー補充電をしつつ保管。
新しいIMUは11月中旬に島に持ち込んで取り付け、11/23に動作を確認。
河内山ロケット主任。
昨日までの作業は、ロケットを巻いている保護材や足場をはずすクローズアウト作業と火品を接続するアーミング作業を行った。
本日は0時半からロケットのロールアウト、射点の配管接続を行った上で午前6時頃から推進剤を充填作業に入る。
雨の条件は移動時には15mm/h、打ち上げ時は8mm/h。これはロケット表面の断熱コーティングへの影響から決まっている。
打ち上げ時最大瞬間風速は14.7m/s。これは打ち上げ時にロケットが射点設備にヒットしないという条件から決まる。
打ち上げコンフィギュレーションは、補助ブースターを4本を装着する2024型。
打ち上げシーケンスの説明。ただし具体的な秒時についての説明はなし。
園田主任:天候について。昨日の予報よりも風速の予想が弱まっている。昨日低気圧が抜けた後、高気圧の張り出しがない、また台風の影響がほとんどないということから、風速予想が弱まった。
打ち上げ制約条件について10月から11月にかけて太陽フレアが活発なので、こちらも打ち上げにあたって通信総合研究所にお願いしてウォッチしている。現状太陽表面は安定しているということだが、場合によっては
質問:JAXAになってなにか手順に変更はあったか。
答え(河内山):特にない。
園田:10月の組織改編に伴っていくらか人事異動があったが、前回と打ち上げ隊の主要メンバーに変更はない。
質問:太陽フレアと天候についてより詳細な説明をお願いしたい。
答え(園田):高気圧の張り出しがないということが、風が弱まった要因だ。
答え(河内山):太陽フレアはロケット搭載の電子機器にラッチアップやアップセットという影響を与えるが、今回太陽フレアの影響をうけにくい軌道に入るのであまり心配をしていない。
質問:天候の最終判断は明日の何時ごろか。
答え(園田):午前10時頃
質問:明日一番の心配要因はなにか。にわか雨か?雷か?
答え(園田):現状では共に心配するほどではない。
質問:情報収集衛星は電源系の再点検をしていないのか。
答え(園田):「みどり2」関連の質問だと思うが、設計的にも構造的にもみどり2のものとは違うという報告を内調に出して了承されている。
質問:打ち上げへの意気込みが聞きたい。
答え(園田):JAXAになったとしてもNASDA時代と同じく1機1機確実に打ち上げるという気持ちに変わりない。本日の天候がおだやかだったので、気分は晴れやかである。今晩10時からの打ち上げ作業は、この気持ちでやれば必ず成功すると思う。
答え(河内山):昨日はすごい雨で、明日の打ち上げはないと思わせるほどだったが、その雨がみんなの気持ちを洗ったと思う。
前回9月のブリーフィングは、種子島宇宙センター企画部門、つまり現地広報の園田氏だけが出席するという異例のものでしたが、今回はロケット主任の河内山氏も出席する、かなり通常の打ち上げに近いブリーフィングでした。もちろん、というべきか、衛星関係者は出席していません。
明日の天気予報です。11月29日土曜日の天候は北北東の風4-5m/sのち5-7m/s、夜は7-9m/s、曇り、昼過ぎからにわか雨、夕方から時々雨。最高気温19℃、最低気温17℃。ロケットの上昇する姿はすぐに雲に隠れそうですが、打ち上げに支障の出る天候ではありません。
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