投稿日 2000年5月31日(水)14時40分 投稿者 江藤 巌
いささか気が早いが、NASA(米航空宇宙局)のダン・ゴールディン長官の退任が取り沙汰されている。来年の1月にはアメリカの大統領が交替することが確実なので、NASAの人事も刷新されるだろうと言うのである。 ゴールディンは航空宇宙防衛企業のTRW社の幹部から、1992年にNASAの長官(Administrator)に任命され、ブッシュ共和党、クリントン民主党の二代の政権に仕えた。例え民主党のアル・ゴア副大統領が新大統領に当選しても、独自色を出すためにも、就任8年にもなるゴールディンを交替させることはほぼ間違いない。 「早い、良い、安い」(Faster,Better,Cheaper)のキャッチフレーズを掲げ、NASAの大胆なリストラを進めたゴールディン長官に対して、NASA職員の反発は少なくなかった。火星探査機の連続失敗や、ロシアを引き込んだ国際宇宙ステーション計画の遅れなどから、最近はゴールディン長官のやり方に議会やマスコミからも批判が出ている。 ゴールディンのNASAを総括するのはまだあまりに早いだろうが、案外後世の歴史家は彼をNASA中興の祖として、第二代のジェイムズ・ウェッブ長官と並べて高く評価するやもしれない。
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