宇宙作家クラブ
トップページ 活動報告ニュース掲示板 会員ニュース メンバーリスト 推薦図書

No.907 :宣伝:11月9日(水曜日)、新宿・ロフトプラスワンでトークライブ「なぞなぞ宇宙講座2」が開催されます
投稿日 2005年11月5日(土)23時39分 投稿者 松浦晋也

 今回、ゲストにあの萩尾望都さんが参加します。野田司令(実は大ファン)は萩尾漫画の何をどう解説するのか?八谷、藤谷の突っ込みは如何に?

身近にサイエンス
「なぞなぞ宇宙講座2」
漫画の内のSF設定とは?
【出演】野田篤司(宇宙機エンジニア)、八谷和彦(メディアアーティスト)、藤谷文子(作家/女優)
【Guest】萩尾望都(漫画家)

11月9日(水曜日)
Open18:30/Start19:30

ロフトプラスワン :新宿・歌舞伎町

¥2000(飲食別)

No.906 :午後4時半からの記者会見
投稿日 2005年11月4日(金)16時19分 投稿者 松浦晋也

 発表文が出ました。中止の原因は、自律航法機能の誤差が、許容値よりも大きくなったためでした。探査機そのものは正常です。
 今後リハーサルをもう一度行いたいとことですが、検討の結果ではリハーサルと第一回降下を兼ねる可能性もあります。

以下発表文の要旨です。前文は JAXAページで読んで下さい。

 午前4時17分に高度3.5kmから降下開始。高度700m付近までは正常だったが、自律航法機能の航法誤差が許容値を逸脱したことを検出したため、12時30分に地上からの指令で、以後の試験を中止して上昇指令を送信した。

 今回の試験で、自律航法・誘導機能を低高度まで試験出来たことは一定の成果と考える。



 以下、午後4時半からの記者会見の様子です。出席者はプロマネの川口教授一人でした。


川口
 リハーサルの結果です(発表文読む)。

 直ぐに質疑応答に入りました。

共同通信:自律航法機能と誤差の許容範囲を超えたということを説明して欲しい。

川口:はやぶさはイトカワの明るさの中心を計算して、そこに向かって降下していく。同時に直下のイトカワ地表までの距離も計測し、その両方から判断して降りていく。
 イトカワは複雑な形状をしており、周期12時間で回っている。このため近づいていくと光の当たり方から、明るさの中心がきちんと判断できなかったのではないかと考えている。例えば明るい部分と暗い部分がはやぶさから見ると、イトカワが2つみっつの複数に見えてしまった可能性がある。
 現状でそれが原因だとは断定できないが、テレメトリーでは取得画像のどこに向けて降下していけばいいかを判定できなくなったことは判明している。こういうことが起きるとレーザー高度計は、明るさの中心をターゲットするようになっているので、どこが明るさの中心になるかが分からなくなると、どこの高度を測ればいいか分からなくなり、高度を測定できなくなる。

時事通信:明るさの中心を見るというのは

川口:ある一定以上の明るさの面積の重心に向かうということ。明るい領域が一つなら問題ないが、複数ならどこに向かうかは難しくなる。明るい領域が2ヵ所ぐらいなら対応できるようになっているが、明暗がまだらになると対応しようがない。現在NASAの地球局経由で機上のデータレコーダーに蓄積したデータをダウンロードする準備を進めている。それを使って対策を検討する。

日経新聞:帰還への影響はあるか。推進剤は持つのか。

川口:明日はまず、ホームポジションにはやぶさを戻す操作を行う。明日の晩に対策会議を開く。対策には二、三日かかるだろう。日程的には12月にイトカワを離れなくてはならないというのがぎりぎりだ。
 リハーサルは一回増やすぐらいなら、推進剤は持つだろうと考えている。NASAの地上局予約はなかなか予定を動かせないのだが、第1回については動かせるという条件になっている。
 リハーサルは再度

毎日新聞 装置側に問題が出た可能性はないか。

川口:今のところ機器については問題ないと考えている。しかし現状ですべてを把握しているわけではない。とはいえ上昇時に正常な信号を返してきているので問題はないだろう。

東京事務所からの質問 トラブルが発生したのは高度700mの時点か。

川口 その瞬間ははっきりしている。上昇指令を出したのが12時30分で、決断には10分ほどかかるので問題発生は12時20分頃だったと思う。

東京事務所からの質問 オンボードのアボート機能はないのか。

川口 機能はある。が、オンボード機能が判断に手間取っていると地上からコマンドを送る機能がある。今回はコマンドを地球から送信した。

東京事務所からの質問 臼田の後はNASA局で追跡しているのか。

川口 ギャップがあります。NASAが突然ヴォイジャーの運用をしたいと言い出して、1時間ほどがキャンセルとなった。

東京事務所からの質問 最低何日空ける必要があるのか。

川口 シミュレーションと対策の時間が必要。それと体力の問題がある。今回も昨日からぶっつづけでオペレーションを行っている。実際問題として二三日中にリハーサルを行うのは難しいと考えている。

読売新聞 今回トラブルは想定範囲内なのか。どこまで実際に降下したのか。リハーサル兼第一回になった場合、ミネルヴァは落とすことができるのか。

川口 多分に予想の範囲内だ。また実際には、700mからさらに降りていると思う。データを降ろして確認する必要がある。ミネルヴァの投下は不可能ではない。シーケンスは複雑になる。というのは投下に当たってイトカワの自転をキャンセルする方向に投下する必要があるため。

月刊天文 自律機能で降下目標を変えることはできるのだろうか。あるいは、地上からの判断でできるのだろうか。

川口 最後の画像を撮影するのが500mのところで、そこでGO /NO GO判断が行う。そこまでは地上で判断できるが、そこから先は機上の判断となる。今ある搭載ソフトウエアの範囲で、継続降下が可能になるように工夫することになるだろう。

月刊天文 もしあと2回しか降下できなくなったら、リハーサルを飛ばすのか、本番を一回諦めるのか。

川口 要検討事項です。考えさせて下さい。

NHK 表面がごつごつしているということは、光の反射に影響したのか。レーザーレンジファインダーは動作したのか。ライダーが地表との距離を測れなくなった理由はどこにあるのか。

川口 イトカワ固有の形状が原因だろう。レーザーレンジファインダーの動作は解析中。ライダーはおそらく、探査機が姿勢を変えてレーザービームがイトカワから外れたということではないかと推測している。

東京新聞 12月の何日にイトカワを離れる必要があるのか。

川口 イオンエンジンを使って帰還するならば、どの期間にイトカワを出発するかが決まる。

NHK 降下に当たっての制約条件は。

川口 まず、臼田からの可視でGO /NO GO判断を行えるということ。イトカワは約12時間で自転しているので、これで降りる場所が制約される。次がNASA地上局を望む時間帯に使えるかどうか。

NHK 今回のことはリアクションホイール故障と関係あるのか。

川口 あります。姿勢制御に制約が生じているわけですから。どこを向くにしてもホイールが生きていれば望む方向に向けることができるけれども、ジェットではどうしても荒い制御になってしまう。

以上です。


No.905 :記者会見は午後4時半から
投稿日 2005年11月4日(金)15時03分 投稿者 松浦晋也

 ただいま相模原のISASです。はやぶさタッチダウンリハーサル中止に関する記者会見は、午後4時30 分からです。

 出席者は未定。しかし、プロジェクト・マネージャーの川口教授は出席が確定しています。

No.904 :11月4日、本日のはやぶさのタッチダウンリハーサル、中止
投稿日 2005年11月4日(金)12時43分 投稿者 笹本祐一

 淵野辺の宇宙科学研究所より、笹本です。
 本日14時に予定されていた小惑星探査機はやぶさのタッチダウンリハーサルは、最終GO/NOGO判断の際に以上が検知されたため、中止になりました。本日のターゲットマーカー、ミネルバの放出は行なわれない予定です。

No.903 :宣伝:10月29日(土曜日)、新宿・ロフトプラスワンでトークライブを開催します
投稿日 2005年10月19日(水)00時30分 投稿者 松浦晋也

 次回のロフトのライブトークのお知らせです。10月29日(土曜日)、垣見恒男さん、林紀幸さんが日本初の衛星を打ち上げたラムダロケットについて語ります。


宇宙作家クラブPRESENTS
「ロケットまつり8」

 ラムダロケットは日本初、世界で四番目の人工衛星を打ち上げたロケットだ。しかし成功に至るまでには4回の失敗があった。5度目の正直で、ラムダ4S-5ロケットは1970年2月11日、衛星「おおすみ」を打ち上げることに成功した。それから35年、今こそ存分に語ろう。ラムダロケットのことを。

【Guest】林紀幸、垣見恒男
【出演】浅利義遠、笹本祐一、松浦晋也

ロフトプラスワン :新宿・歌舞伎町

Open/18:30 Start/19:30
¥1000(飲食別)
当日券のみ

 意外に知られていないラムダロケットの実際を、お二方に語ってもらいます。

No.902 :急告;明日25日の大阪ロケットまつりは午後6時からです
投稿日 2005年9月24日(土)10時54分 投稿者 松浦晋也

 一部前売りチケットに、午後7時からと誤記されているようです。正しくは午後6時からですので、お間違えなきようご注意下さい。

No.901 :宣伝:9月25日(日曜日)、大阪・日本橋ジャングルでトークライブに出演します
投稿日 2005年9月17日(土)00時44分 投稿者 松浦晋也

 ロフトプラスワン10周年記念の大阪ライブに、出演することになりました。昨年から東京でやっている「ロケットまつり」の大阪出張版です。東京でやっていることをさらに濃縮してお届けできれば、と準備しています。

宇宙作家クラブ PRESENTS in大阪
「ロケットまつり」
集え!ロケット野郎共よ、種子島に、鹿児島県・内之浦に――日本にはなんと2カ所もロケット打ち上げ基地がある。世界に自国内でロケット打ち上げを見ることが出来ない国のほうが多い。こんな面白いモノを見ない手はない。さあ、ロケット打ち上げを見に行こう。

【出演】あさりよしとお(漫画家)、小川一水(作家)、笹本祐一(作家)、松浦晋也(ノンフィクション・ライター)。

場所:日本橋ジャングル 〒556-0005 大阪市浪速区日本橋5-12-4
●最寄駅 地下鉄(堺筋線) 「恵美須町駅」下車、1-B西出口を左へ50m。

日時:9月25日日曜日 Open 17:00 / Start 18:00
¥1500(ドリンク代別)

 チケットぴあ (Pコード:605-223)、ローソンチケット (Lコード:57821)、e-plus (http://eee.eplus.co.jp/) にて7/30〜発売
お問合せ:清水音泉 06-6357-3666

No.900 :宣伝:8月21日(日曜日)、新宿・ロフトプラスワンでトークライブを開催します
投稿日 2005年8月17日(水)00時27分 投稿者 松浦晋也

 次回のロフトのライブトークのお知らせです。8月21日(日曜日)、あの垣見恒男さん、林紀幸さんがロケット開発の過程で起きた、あまたの失敗について語ります。

宇宙作家クラブPRESENTS
「ロケットまつり7」

 ロケットから人生観まで学べてしまうぞ!失敗は成功のもと。やらかした失敗を大公開!失敗から学べ!

【Guest】林紀幸、垣見恒男
【出演】浅利義遠、笹本祐一、松浦晋也、他

ロフトプラスワン :新宿・歌舞伎町

Open/18:30 Start/19:30
¥1000(飲食別)
当日券のみ

No.899 :シャトルの打ち上げは、一番早くて7月26日
投稿日 2005年7月19日(火)10時36分 投稿者 笹本祐一

本日17時半からと予告されていたケネディ宇宙センターでの記者会見は、結局少し遅れて18時15分から開始されました。

シャトルの打ち上げは、早くても7月26日以降になります。
週末中の原因特定が出来なかったため、NASAは明日20日からシャトルの外装タンクに液体水素燃料を実際に充填してのタンキングテストを行います。これによりセンサー不調の原因を特定、タンクの充填とテスト、及び燃料抜きとタンクの常温戻しに丸2日。次の1日でセンサーを修理し、それによりシャトルのカウントダウンの再スタートが可能になります。
カウントダウンを再スタートしたシャトルの打ち上げはさらに4日後になります。
従って、最も早い場合の打ち上げが7月26日になる、という発表になりました。

今回のシャトルのランチウィンドウは、打ち上げ時の確実な映像記録を撮るなどの名目で毎日少しずつ早くなります。7月26日の打ち上げ予定時刻は午前9時16分、ランチウィンドウは前後5分の合計10分間です。
7月31日に打ち上げる場合の予定時刻は7時39分、それより早くなった場合は日照の関係で画像記録の取得が困難になるとしてランチウィンドウは設定されていません。しかしながら、2日か3日であればランチウィンドウの延期はあり得る、と説明されていたこともありました。

なお、この記事を最後に宇宙作家クラブ取材班は日本に帰国します。

No.898 :誤動作の原因はいまだ分からず
投稿日 2005年7月15日(金)11時07分 投稿者 松浦晋也

 現地時間の14日午後、NASAは外部タンクが常温に戻った状態でのエンジン・カットオフ・センサーの試験を行いましたが、誤作動は起きませんでした。昨日誤作動が起きた原因は依然不明のままです。

 今回のような「起きたり起きなかったりする」トラブルの原因確定は難しいので、打ち上げ時期は大きく遅延する可能性が大きくなってきました。

No.897 :アメリカの宇宙食 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年7月15日(金)01時14分 投稿者 松浦晋也

 プレス関係者も、VAB横にあるカフェテリアで食事することができます。が、これが見事なまでにアメリカのジャンクフードで、およそ日本人向けではありません。大量のフリッター(フライドポテト)に、脂っこく塩がきつい味付け、何にでも大量にかけられる大味なソースやケチャップ。飲み物はといえば、大量に砂糖をぶち込んだとしか思えないものばかりです。まともに戦ったら太ること間違いなし。

 日本でも筑波宇宙センターの食事が通称「宇宙食」などと言われていますが、ケネディ宇宙センターの食事もまた「宇宙食」と呼ぶべきものです。

 写真は、それでもダメージの少なそうなものを選んだところ。シーザーズサラダにシェフズサラダ、カップに入っているのはチリビーンズです。カップに入っているサラダは、とりあえず有無を言わさず大量のドレッシングをかけられないのがありがたいです。

 チリビーンズには大量の鶏肉が入っていました。サラダといいつつ大量の肉が載っているので、これだけで十分な食事になります。


No.896 :緊急避難用装甲車両 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年7月15日(金)01時01分 投稿者 松浦晋也

 プレスセンターの近くに、緊急避難用の装甲車両が停車していました。射点でトラブルが発生した場合、オービターから脱出した宇宙飛行士は、まずロープを伝って射点から地上に降り、待避壕に入ります。その後この車両を使って避難します。


No.895 :スペースシャトル主エンジンの履歴 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年7月15日(金)00時56分 投稿者 松浦晋也

 今回のSTS-114ディスカバリーで使用されるスペースシャトル主エンジンの履歴です。エンジンはすべて改良型のブロックII。履歴を見ると、ブロックIとブロックIIの中間型のブロックIIAのコンフィギュレーションで使用したり、燃焼試験に回されたりと多様な使い方をされているのが分かります。6000秒以上も燃焼させたエンジンが2基使用されます。


No.894 :SRBモーターケースの履歴 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年7月15日(金)00時51分 投稿者 松浦晋也

 今回の打ち上げではシャトルを製造したメーカーから興味深い資料がいくつも公表されています。

 写真は、今回の打ち上げで使用する固体ロケットブースター(SRB)のモーターケース使用履歴。SRBは分離後、パラシュートで大西洋に着水。専用の回収船で回収して再度固体推進剤を詰めて使用します。

 驚いたことに24年前の初飛行や2番目の飛行で使われた部位が、今回の打ち上げでも使われています。


No.893 :VABのマーク ●添付画像ファイル
投稿日 2005年7月15日(金)00時19分 投稿者 松浦晋也

 巨大なNASAマークと星条旗も、だいぶ色あせていました。