投稿日 2009年1月22日(木)14時54分 投稿者 松浦晋也
1月22日午後1時半からの記者会見の様子です。
記者会見出席者。
並河達夫 三菱重工打ち上げ運用副長
濱俊雅 三菱重工 名航 射場チーム長
浜崎敬 JAXA「いぶき」プロジェクト・マネージャー
西田隆 JAXA企画主任
このほか側面に、橋本徹・環境省主査、国立環境研究所・横田達也GOSATプロジェクトマネージャー、江藤隆夫JAXA産学官連携参事
司会、名航総務課 石井
濱:午前11時の天候判断会議で、明日の打ち上げに問題なしという結論が出た。今日の夕刻17時から打ち上げ作業を開始する。ロケットの機体移動は午前0時を予定。
天候判断は昨日と大きく変わってはいない。打ち上げ時刻は晴れ間も見える予想。その後は寒気が入り込んで天候は悪化する。
浜崎:GOSAT「いぶき」の説明。基本的な内容はネットに出ているので略。
江藤;相乗り小型衛星について。同上、略
質疑応答
鹿児島テレビ:濱さんと浜崎プロマネに。打ち上げに向けての意気込みと今の気持ちを行き来したい。
濱:天候による延期が続いたがどうやら明日は青空の中に飛んでいく気配。天気のいいときに打ち上げたいのが本心なので、良かったかと思う。1年間隔があいたので
浜崎;衛星計画立ち上げから5年9ヶ月。すべてはこの日のためと環境研と共にがんばってきた。「いぶき」は海外からも注目を浴びているので、はらはらどきどきわくわくといった気分だ。打ち上げは明日で終わるが、衛星の運用はそこから5年間続く。天気が良くても悪くてもしっかり打ち上がってほしい。
NHK:明日は氷結層の発生可能性が低いといことでいいのか。
濱:明日はそう大きな雲の広がりはなく、打ち上げ時刻には晴れ間も望める。
産経新聞:SOHLA-1は資料によると分離の有無に関わらず衛星が信号を発信するとなっているが、どこで衛星分離を確認するのか。
江藤:分離の直接確認は不可能。分離した衛星が発する電波を、日本上空に衛星が回ってきた時に、それぞれの地上局が確認する。
南日本新聞:分離してなかったのに、SOHLA-1衛星が電波を出し続けているという可能性もあり得るのか。
江藤:可能性としてはあり得る。
産経新聞:天気について。23日は最大瞬間風速はいくつか。推進剤の充填とカウントダウンはいつから始めるのか。24/25の打ち上げは難しいのか。
濱:最大瞬間風速は、14m/sぐらいになると予想している。推進剤充填は午前3時半から開始し、6時頃から充填を開始する。カウントダウンは打ち上げ1時間前から。24/25は雷の可能性があるので、打ち上げるとしても可能性は低めとなるだろう。
西日本新聞:曇り時々雨という今日の予報は今日の作業に影響するのか。
濱:低気圧の通過のピークは午後9時と予想しているので問題はないだろう。予備時間を2時間半用意しているので、なにかあってもそこで吸収する。
毎日新聞;次の判断は午後9時。機体を移動するかどうか、でいいのか。
濱:その通りだ。
毎日新聞:次
共同通信:アメリカの温室効果ガス観測衛星「OCO」(来月打ち上げ)との役割分担はどうなっているのか。また「いぶき」にトラブルが出た場合の国際的な責任はどうなるのか。
浜崎:アメリカとは両計画がスタートした後に協力関係を始めている。共通理解は「両衛星のデータを世界中の科学者が使えるようにしたい」ということ。例えばデータが比較可能なように、測定精度をはっきりさせるというようなこと。また、打ち上げ後のデータの処理ソフトを相互で交換して比較する。
国際協力によるデータ提供は無償提供が基本。従って賠償が生じるものではない。
NHK:小型衛星は分離にスプリングを使っているというが、どのような仕組みなのか。
江藤:超小型衛星4機についてはそれぞれの衛星側が開発した分離機構。2機は衛星が箱に入っていてふたがついている。スプリングをテグスで押さえておいてそれを焼き切る。後はモーターなど。
50km級はマルマンクランプバンドというバンドを広げることで切り離す。JAXAが開発した分離機構で火工品。
SDS-1は火工品を使っていない。ナットが割れる機構を使っている。
西日本新聞:分離機構の開発は誰がやっているのか。
江藤:50cm級2衛星はJAXA。超小型衛星はそれぞれの衛星の開発者。
南日本新聞:SOHLA-1の電波発信の件をもう少し簡単にお願いしたい。
江藤:この衛星は内部に姿勢を維持するためのモーメンタム・ジャイロが入っている。分離前にジャイロを回転させる必要があり、そのために分離前に電源を投入する。電源が入ると自動的に電波発信を始めるという仕組み。
不明:いぶきとSDS-1は保険をかけているのか。
浜崎:トラブル時の原因究明に必要な分に付いては保険をかけている。保険金額は1億円。これはJAXA地球観測衛星の一般的な方法。SDS-1は内部の技術実証が目的なので無保険。
毎日新聞:小型衛星の分離について。分離信号を確認するのは誰か。
江藤:各衛星で用意した地上局地上局が存在しない地域上空で分離するため、直接確認は不可能。
西田:昨日H--IIAの天候による延期を7機と言ったが、実際は8機だった。訂正します。
以上です
写真は終了後、質問に答える浜崎プロマネ
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