投稿日 2010年5月21日(金)19時41分 投稿者 柴田 孔明
打ち上げ後の8時45分から記者会見が行われました。第1部から第3部まである長いもので、そのまま掲載すると膨大なので、かなり簡単にまとめてみました。
なお今回はニコニコ動画で生放送を行いました。テキスト化するより速報性が高く、大変良いと感じます。今後は、こういったサービスが使われていくでしょう。
会見出席者
※敬称を一部略している場合があります。
第1部
三菱重工業 川井 昭陽 航空宇宙事業本部長
宇宙航空研究開発機構 樋口 清司 副理事長
文部科学省 後藤 斎 政務官
宇宙開発委員会 井上 一 委員
第2部
三菱重工業株式会社 前村 孝志 技監・技師長
宇宙航空研究開発機構 坂爪 則夫 鹿児島宇宙センター所長
宇宙航空研究開発機構 中村 正人 PLANET-Cプロジェクトマネージャ
第3部
宇宙航空研究開発機構 森 治 IKAROSデモンストレーションチーム長
宇宙航空研究開発機構 福田 義也 産業連携推進室長
UNISEC 木村 真一 東京理科大准教授
鹿児島大学 片野田 洋 准教授
早稲田大学 宮下研究室 蓮池 真樹
創価大学 黒木研究室 山田 興人
挨拶・質疑応答などから抜粋
H-IIAロケットについて。
・今回で11回連続成功、通算16回目の成功である。
・打ち上げ機会が多いことが安定性に貢献している。
・ロケットの信頼性が一段とアピールできるようになった。安全性を前面に押し出せる。
・安定しているが、部品の枯渇対策や、次世代の部品を作る事などをしていきたい。
・延期が決まってから中二日で打ち上げた事が今回ブレイクスルーになっている。
金星探査機あかつきについて
・かなり正確な軌道に乗った。機体の状態は今夕確認する。(正常と発表された)
・打ち上げ10秒前が特に辛い感じ(中村プロジェクトマネージャ)。
・部下のチームにはおめでとうと言った。努力してきたのは彼らである(同上)。
・金星到着は12月7日。
・金星探査に特化した衛星だが、金星に着くまでにもミッションがあり、その都度発表する。
小型ソーラーセイル実証機IKAROSについて
・分離のコマンドは確認した。(信号確認は今夕を予定)
・今回は金星が目的地だが、木星へ行く事を考えて特に難しい技術を搭載した。
・最も難しいのはセイル展開。
・土星以遠の探査では太陽光が更に弱まり、この技術をそのまま使えないが、いくつかは使える。
小型副衛星について。
・UNITEC-1は金星軌道のため可視が遅く、確認は後になる。
・KSATは8時45分に受信確認。
・negai☆は石垣島8時35分、その他8時39分に確認。
・Waseda-Sat2はうまく受信ができていない。明日深夜に再チャレンジ。
・裾野拡大のためできるだけ多くの宇宙実証の機会を与える。次の3回目の選定に入る。
・学生への教育効果が高い。
・今後は文系の学生の参加も。
小型副衛星の分離時間について、会見後配付資料(※は柴田の追加)
J-POD分離信号発出 打ち上げ後12分9秒(729秒)
その約30秒後にnegai☆が分離したと思われる。
その約40秒後にwaseda-sat2が分離したと思われる。
その約50秒後に大気水蒸気観測衛星(KSAT)が分離したと思われる。
(※各衛星共にJ-POD分離信号発出後の時間)
IKAROS 分離ステータスのみ確認。
(※IKAROSの分離中はロケット側もスピン中なので信号の確認ができない)
UNITEC-1 47分52秒後に信号発出。
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