宇宙作家クラブ
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No.1496 :ISS向け飲料水 ●添付画像ファイル
投稿日 2011年1月22日(土)09時01分 投稿者 柴田孔明

写真はISSで使う飲料水として、HTVに搭載されている種子島の水と同じもの。種子島宇宙センターの水道水を精製したものですが、殺菌剤として添加されたヨウ素の臭いがします。
尚、実際に運ばれる水は専用の水バッグ(CWC−I)に詰められています。

(※投稿時間がずれる場合があります。その時は+1時間して下さい)


No.1495 :射点に着いたH2Bロケット2号機 ●添付画像ファイル
投稿日 2011年1月22日(土)08時11分 投稿者 柴田孔明

同じくJAXA提供の写真より。射点に着いたH2Bロケット2号機。

尚、9時現在では全タンク100%充填済。電波系統の点検などが行われています。


No.1494 :JAXA提供の写真から ●添付画像ファイル
投稿日 2011年1月22日(土)08時07分 投稿者 柴田孔明

昨夜の射点移動より。JAXA提供の写真です。


No.1493 :H-IIB F2ロールアウト ●添付画像ファイル
投稿日 2011年1月21日(金)23時31分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット2号機の射点移動が21日23時から行われました。竹崎観望台から見てVABの奥の方(北側)から出たH-IIBは約30分で第二射点に到着しています。これから燃料注入に向けた配管などの作業が行われます。


No.1492 :H−IIBロケット2号機打ち上げ再Y−1ブリーフィング ●添付画像ファイル
投稿日 2011年1月20日(木)13時45分 投稿者 柴田孔明

H−IIBロケット2号機打ち上げ再Y−1ブリーフィングが1月20日13時30分から行われました。
(※一部敬称を略させていただきます)

出席者 左から
宇宙航空研究開発機構 HTVプロジェクトマネージャ HTV射場主任 虎野 吉彦
宇宙航空研究開発機構 射場技術開発室 室長 企画管理主任 川上 道生

資料読み上げ
川上・宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機/H2Bロケット2号機の打ち上げを、平成23年1月22日14時37分57秒に行うこととした。

虎野・HTVについて問題ない。
22日の打ち上げの場合、ISSへランデブーするまでの飛行期間は、当初予定の7日間から5日間に短縮になる。22日以降の打ち上げになった場合、最低5日の期間が必要なのでランデブー日は延びてゆく。尚、ロシアの輸送船・プログレスがドッキングする関係で1月30日のランデブーは避ける。

質疑応答・種子島会場

共同通信・27日までにISSに到着できるのは22日打ち上げまでだが、結合のプロセスは20日打ち上げと同じか。また打ち上げが更に遅れた場合の結合のプロセスは当初と同じか。
虎野・同じです。

鹿児島テレビ・打ち上げに向けた意気込みをお聞きしたい。また天候の状況はどうか。
川上・気象状況に注意しているが、ほぼ予報通り推移している。最後まで気を引き締めて行う。
虎野・初号機より2号機の方が期待度が高い。気を引き締めて行う。

NHK・結合とキャプチャの時間はいつか。7日を5日まで短縮するのは何か。
虎野・当初と変更は無い。結合は28日4時頃。キャプチャは27日20時45分の予定。
分離後の確認を早めに行うことで対処する。ISSまで5キロ地点(アプローチ点)からのアプローチに関しては当初予定と同じ。

読売新聞・ランデブーが7日から5日になると運用に余裕がないのではないか。
虎野・初号機の実績と訓練の成果を織り込んである。余裕が無い、ということではない。小さいトラブルも見込んでいるが、大きいトラブルの場合は1日程度遅れるかもしれない。

産経・時間を短縮するのは後方地点到着までか。ミッション期間は短くなるのか。到達高度は。
虎野・その通り。ミッション期間は2日短縮されるが、これはNASAとの調整もある。
ISS到達高度は約352Kmの予定。

質疑応答・東京会場
なし

質疑応答・筑波会場
なし

質疑応答・種子島会場

不明・高度は400キロから下げるのか。
虎野・今のISSの高度が352km付近なので、そこになる。

毎日・今回、5日の飛行でISSに着くなら、今後の打ち上げもそうなるのか。
虎野・そうなるかもしれないが、長い方が余裕がとれる。ただ、長すぎるとたるみが出るかもしれない。また、運用チームの能力にもよる。能力の違うチームに引き継いで運用する場合は、最短でないケースも出るだろう。

以上です。


No.1491 :新たな打ち上げ日時
投稿日 2011年1月20日(木)12時29分 投稿者 柴田孔明

H2Bロケット2号機の新たな打ち上げ日時は平成23年1月22日14時37分57秒(JST)になりました。

No.1490 :打ち上げ延期ブリーフィング ●添付画像ファイル
投稿日 2011年1月19日(水)15時02分 投稿者 柴田孔明

2011年1月19日15時から行われたH2Bロケット2号機打ち上げ延期ブリーフィングの内容です。

出席者
宇宙航空研究開発機構 射場技術開発室 室長 企画管理主任 川上 道生


プレスリリース読み上げ
1月20日の打ち上げ予定が、1月22日以降に延期となった。
延期の理由は20日の打ち上げ時刻に、制約条件を超える氷結層を含む雲の発生が予測されるため。
http://www.jaxa.jp/press/2011/01/20110119_h2bf2_j.html

質疑応答・種子島

読売新聞・新たな打ち上げが決まるのは明日の天候判断か。今の予報で雲の厚さは。
川上・その通り。条件が揃わなければ決定しないこともある。
今のところ3キロ程度の厚さ。

共同通信・22日に打ち上げる場合、何時になるか。
川上・1日に20分程度早まるので15時前になる。

毎日新聞・このあとの判断のタイミングは。次はまたY−2から入るのか。
川上・明日昼前に行う。これは18日と同等の判断。
Y−1まで終了しホールドしている。作業再開はY−0から。

KTS・氷結層の延期は前々回でもあったが、よくあることなのか。
川上・H2Aの17、15、12、11号機であった。
(※H2B初号機は予定通り)

NHK・1.8Kmという雲の厚さの基準は何か。多い気がするが、厳しすぎるのではないか。
また、明日の作業は何を行うのか。
川上・NASAの基準に合わせている。安全側に振った基準であるのは確か。
明日はY−1が終わっているので確認のみ。

鹿児島テレビ・今のところ22日を予定しているのか。
川上・22日以降である。決定はしていない。現在はホールド状態。

NHK・ロケットが雷を起こすのか。ロケットが電気を起こすのか。どういった影響が出るのか。
川上・ロケットが雲を突き抜けるときに、安定した電荷の状態を崩して電流が発生する。
ロケットには誘発した電流が流れ、電子機器が誤作動する。
アメリカでは失敗事例がある。制御不能となった。
補足・内川・2日の延期であればドッキングに影響は無い。27日ドッキング、28日結合である。

不明・22日までなら予定通りドッキングするというのは、ランデブーまでのスケジュールを詰められるのか。
補足・内川・その通り。

質疑応答・東京、筑波会場 無し

以上です。


No.1489 :打ち上げは22日以降に ●添付画像ファイル
投稿日 2011年1月19日(水)12時54分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット2号機ですが、打ち上げ予定時刻に制約条件を超える氷結層を含む雲が予測されることから、1月22日以降に延期になりました。15時頃から説明会があります。
写真は記者に氷結層の説明を行っている様子。


No.1488 :Y-1ブリーフィング ●添付画像ファイル
投稿日 2011年1月18日(火)19時38分 投稿者 柴田孔明

H−IIBロケット2号機打ち上げ前ブリーフイング(Y−1)が1月18日15時30分から行われました。(※敬称を一部略させていただきます。また、内容を多少要約しています)

出席者 左から
宇宙航空研究開発機構 H-IIBプロジェクトマネージャ 打上執行主任 中村 富久
宇宙航空研究開発機構 HTVプロジェクトマネージャ HTV射場主任 虎野 吉彦
宇宙航空研究開発機構 射場技術開発室 室長 企画管理主任 川上 道生

資料読み上げ
中村・H-IIB 2号機打ち上げ準備状況。
虎野・HTV準備状況。

質疑応答・種子島

鹿児島テレビ・打ち上げ可能とした天候判断の理由と、打ち上げに向けての意気込み・心境など。

川上・打ち上げの制約条件は資料の通り。予報では打ち上げに適する見込み。
(補足説明:打ち上げ時に風速20.0m/s以下、降雨8mm/h以下、氷結層を含む雲は鉛直の厚さが1.8km以上でないことなど。※射点移動時は異なります)
中村・今回は2回目である。ISSの運用で国際的な役割を果たすことになる。必ず成功させる。慎重に作業を進めていく。平成23年度の打ち上げに向けて幸先のいいスタートを切りたい。
虎野・H-IIBロケットで特別点検をやったが、HTVでもやった。特に「あかつき」で問題の出た推進系について徹底的にやった。HTVはシリアル&パラレルの構成である。中村プロマネの関係者にも別の目で見てもらうため入ってもらった。結果、問題は無かった。
意気込みとしては、初号機はトラブルが予見されたが、いくつか出たトラブルは比較的軽微であり乗り切れて、2号機では改修も行った。2号機は成功して当たり前という期待度があり、プレッシャーがある。地上からコマンドを送って運転しているので、運転ミスをしないように気をつけている。ISSに2ヶ月程度も長期係留するのは緊張の連続でなかなかしんどいが、元気を出して頑張る。(※係留期間はシャトルの運用状況によって変わります)

不明・天気について、今回は氷結層の心配はあるか
川上・今年は全国的に寒い上に、これから雨の予報である。氷結層は非常に注意しているところである。

共同通信・気象情報はこれから打ち上げまで何回更新されるのか。NO/NOGO判断のタイミングはいつか。
川上・気象情報は朝夕、定例的に出していく。GO/NOGO判断は機体移動前や60分前などで出してゆく。

南日本新聞・打ち上げ費用はどの程度か。
中村・H-IIBの費用は民間移行を予定されている関係で、公表は差し控えさせていただく。

南日本新聞・HTVに逆止弁はいくつあるか。
虎野・配管にひとつだけだと故障すると終わりだが、直列に二つあって、並列にも同様のものがある設計である。

MBC・こうのとり(HTV)にかける国際貢献の期待度、有人への期待度。
虎野・こうのとり2号機は試験機ではなく運用機で本格的に荷物を運ぶ。今後6機の飛行が予定されているが、ISS計画の延長とシャトルの退役によって、HTVのもつ大きい貨物を輸送する能力が期待されている。ATVは荷物積載量は多いがドアが小さいためラックなどが運べない。そういった意味で期待している。組織内部ではHTVは(無人)宇宙船と呼んでいる。HTV−Rというリエントリ機の将来構想もある。

読売新聞・ISSへのドッキング期間が最大60日と曖昧だが、それはシャトルの影響か。シャトル乗員の怪我という情報もあるが、更に延期になった場合はどうなるか。また、特別点検の結果で、処置が必要となった4件の内容とは何か。

虎野・シャトルの影響である。シャトルのドッキング中はHTVは天頂方向に疎開している。シャトルが更に遅れた場合、HTVは早期にISSを離脱したい。
佐々木・シャトルが延期した場合、タイミングにもよるが2月中に離脱する。
中村・1件目、制御落下実験のテレメトリの項目確認にダブりがあった。これは削除した。
2件目、搭載電子機器の耐放射線関連の文章が昔のままの内容だったので、最新にして問題無いことを確認した。
3件目、2段目の制御落下の誤差について、パラメータの抜けがあり再計算した。ただし再計算による誤差は殆ど無かった。
4件目、射点の点検を行い、施設の養生を行った。

産経・「こうのとり」は9日後にドッキングするのか
虎野佐々木・ISSのアームによるキャプチャは8日目だが、ドッキング完了は翌日になる。

産経・今回の海外からの打ち上げ視察者は誰か。
虎野・佐々木・NASAとタイから来賓がある。ESAはATVの準備があり来られない。

産経・H-IIBは151個の逆止弁があって多いが、どういった内容か。
中村・1段目エンジンは1基あたり46個の逆止弁があり、それが2基なので倍となる。機体は20個程度だが、エンジンに多い。これはガスを扱う部分が多いため。余分な物は無い。
「あかつき」の逆止弁は小さいもので、H-IIBのもの(酸素タンク×2)は同じメーカーのものであっても大きさもタイプも違う。

質疑応答・東京会場

東京新聞・スペースX社のドラゴンが年末にも補給飛行を開始するが、搭載量も開口部も大きい。HTVとの関係はどうなるのか。
虎野 良きライバルではある。ISSの補給という点では、別の補給手段があることは良いことである。

東京新聞・搭載する電池を減らしたが、どういった内容のか。
回答・リチウムイオン電池を11→7台にした。初号機の経験で余剰と判ったため。

不明・シャトルの飛行が後ろにずれた場合でも、HTVは最大60日か。
虎野・その通り

大塚・「こうのとり」には「あかつき」と同じメーカーの逆止弁はあるか。
虎野・無い。

質疑応答・筑波会場

NHK・資料の9Pについて、打ち上げ計画書と値が違うが、予測値の方が実際に近いのか。
中村・計画書のものはノミナル値で、今回の資料は再計算したものである。

NVS・打ち上げ時の音(H-IIB初号機打ち上げ時の金属音)は何か。
中村・音響低減のための散水施設(上面注水)の(加圧用の)窒素ガスが出た音ではないか。


質疑応答・東京会場

読売新聞・逆止弁で「あかつき」と同メーカーは2個だが、閉塞しないと判断した理由は何か。
中村・チェックバルブは流れる方向に100%開く、過渡的に開くなどの状態があるが、H-IIBの場合は作動後100%開いて弁が振動することは無い。

赤旗新聞・2段目の制御落下はデブリ低減のためか。
中村・本来は打ち上げ後、3日程度で落ちてくるのでデブリにはならない。落下地域の安全(死傷率ゼロ)を確保するため。これまでの死傷率計算の値はあるが差し控える。
過去の例では14年程度前にアメリカで女性の肩に当たったことがある程度。肩に燃焼室のガラス繊維がひらひら落ちてきた程度で怪我などは無い。

質疑応答・筑波会場

NVS・H-IIBが延期の場合、再打ち上げまでのインターバルは
中村・H-IIBはH2Aの1.7倍の容量だが、同様に中二日で3日目に打ち上げ可。


以上です。


No.1487 :H2Bロケット2号機打ち上げ取材 ●添付画像ファイル
投稿日 2011年1月18日(火)10時40分 投稿者 柴田孔明

H-IIBロケット2号機打ち上げ取材のため、種子島宇宙センターに入りました。
15時30分からY-1ブリーフィングが行われます。


No.1486 :公開の様子 ●添付画像ファイル
投稿日 2010年12月4日(土)12時01分 投稿者 柴田孔明

公開の様子。内容は相模原での公開に準じています。追加としてカプセルのカットモデルと、分離機構のモデル展示が行われていました。報道陣はこの位置のみで撮影。
尚、前面ヒートシールドの実物公開は以後行う予定が無く、解析が行われるとのことです。今後の展示では精巧に作られたレプリカが用いられるとのこと。他の部分は解析などが必要な時以外は展示が続けられるそうです。


No.1485 :はやぶさカプセルを内之浦で公開 ●添付画像ファイル
投稿日 2010年12月4日(土)11時55分 投稿者 柴田孔明

本日12月4日と5日、小惑星探査機「はやぶさ」の再突入カプセルの公開が、打ち上げを行った内之浦宇宙空間観測所で行われています。的川教授によると、ここに来てはじめておかえりと言えるとのこと。
写真はテープカットのときのもの。


No.1484 :「みちびき」名付け親認定証授与式 ●添付画像ファイル
投稿日 2010年9月12日(日)18時02分 投稿者 柴田孔明

 今回の記者会見の後に、「みちびき」名付け親認定証の授与式が行われました。最近の衛星ではIGSなどを除いてよく行われている恒例行事です。「みちびき」は328名(総数11,111件中)の応募があり、その中から抽選で選ばれた方が種子島に招待され、この授与式となりました。
 初めて打ち上げを見学された感想は「すごい体験だった」とのことです。
 写真は寺田準天頂衛星システムプロマネと、抽選で選ばれた和歌山県の方。

※打ち上げ動画をYoutubeにも投稿しました。こちらは登録が不要です。
http://www.youtube.com/watch?v=o6XVFAZ639A

 今回の主な取材は以上です。


No.1483 :記者会見第2部 ●添付画像ファイル
投稿日 2010年9月12日(日)17時00分 投稿者 柴田孔明

2010年9月11日 H2Aロケット18号機打ち上げ後記者会見 第2部

記者会見第2部です。
(※敬称を一部省略させていただきます。また内容の一部をまとめさせていただいています。そして掲載が遅れたことをお詫び申し上げます)

前面左から
三菱重工業株式会社 前村孝志 技監・技師長
宇宙航空研究開発機構 坂爪 則夫 鹿児島宇宙センター所長
宇宙航空研究開発機構 寺田 弘慈 準天頂衛星システムプロジェクトマネージャー
情報通信研究機構 浜 真一 衛星時空計測プロジェクト研究マネージャ
新エネルギー・産業技術総合開発機構 濱田 英幸 機械システム部主査
無人宇宙実験システム研究開発機構 佐々木 謙治 技術本部 総括主任研究員
産業技術総合研究所 岩田 敏彰 エネルギー技術研究部門 宇宙技術グループ 主任研究員

側面列席
国土交通省 国土地理院 矢来 博司 測地計測センター 地震調査官
電子航法研究所 坂井 丈泰 高精度測位補正技術開発研究プロジェクトチーム 主幹研究員
衛星測位利用推進センター 中島 務 専務理事
宇宙航空研究開発機構 川上 道夫 射場技術開発室長



寺田 衛星分離後、20時55分にチリ・サンチャゴ局で衛星電波を受信し、21時45分にパドル展開を確認した。

浜 まずは無事に衛星が上がって安心したが、我々ミッション担当はこれからが本番である。これからの技術実証をしっかりやっていき、我が国の衛星測位技術の確立に寄与したい。

濱田 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は「みちびき」のリチウムイオン電池を担当し、宇宙産業機器の世界での競争力を高めた。世界ナンバーワンの技術である。「みちびき」で実証される。

佐々木 衛星本体の基幹技術の開発を担当した。このような機会をいただき各関係者に感謝したい。地上試験との比較実験を行っていきたい。これからが大変だが、よろしくお願いしたい。

岩田 搭載用の原子時計を不要にしていく疑似時計技術を開発している。現在は2ナノセカンドまで追い込んでいる。準天頂衛星でどこまでできるのか楽しみにしている。

質疑応答

種子島会場から

共同通信:太陽光パドルの展開に成功したのか。
寺田:21時45分に展開に成功した。

南日本新聞:打ち上げが安定してきたと感じているが、印象はどうか。また、通年打ち上げに対する現場のモチベーションについて。
前村 今回は非常に順調であった。自分が担当するようになって6機目だが、よく落ち着いていた。積み重ねて習熟してきたと感じる。設計でも枯れてきたと感じる。通年打ち上げについては、関係者に感謝申し上げたい。これまで夏と冬だけだったが、来年から通年の打ち上げでチャンスが増える。これまで冬場などでは天候に苦労してきたが、今後は天候の良い時期を選べる。

日本経済新聞:前回の「あかつき」も投入精度が高かったが、今回も精度は高い。この結果で「あかつき」同様に軌道変更の回数が減ることがあるか。
前村 前回「あかつき」と同精度だった。
寺田 今回は精度が高くても予定されている軌道変更の5回は変わらない。

朝日新聞:衛星のパドルは説明があったが、衛星本体の状態はどうなっているか。
寺田 現在確認中で午前3時30分に発表できると思われる。
(※実際には午前1時半に発表され、結果は正常であった)

毎日新聞:午前3時30分の発表では何が判るのか。
寺田 衛星の状態、姿勢、発生電力が確認できると思われる。その結果で明日のAEF(アポジ噴射)を行う。

東京会場へ
無し

筑波会場へ

NVS:7機あれば独自にGPSと同様の環境を構築できると聞いているが、それはどういった構成になるか。
寺田 まだ決まっていないが、準天頂と静止軌道を組み合わせた方がいい。サービスの内容によって決まる。

種子島会場へ

中日新聞:実証実験で民間への応用についての展望、意気込みについて。
寺田:JAXAとしては技術実証をきちんと行っていきたい。またその前に準天頂軌道にきちんとのせたい。

朝日新聞:コストについて、現在の円高で難しいと思うが、今後のコストダウンはどうか 
前村:コストとプライスは全く別物である。コスト的にはH-IIAは若干高めだが遜色はない。大事なのは決められた日時にきちんと打ち上げて成功させる事である。最近の実績ではそれができていると思う。
 コスト・プライスについて技術移転の13号機以降に色々な見直しでかなりのコストダウンをしたため、これ以上は信頼性に関わる。更なるコストダウンには設計の見直しが必要になってく。H-IIAの当初設計の見直しを含む新しいものについては、来年度から立ち上げられるように計画している。

ライター林:どんな使い方、ニーズがあるのか。国と民間のすべきものについての見解は。
中島 利用実証を行っていきたい。受信機、誤差量の提供も行っていく。利用実証への応募が101社あり、現在は58テーマある。測量など基本的なものの他、ゲームや生命保険の証拠、災害救助犬の効率的運用など新しい分野に出していけるようにしていきたい。

東京会場へ
無し

筑波会場へ
無し

以上です。
尚、今回柴田が撮影した打ち上げ動画をニコニコ動画に投稿しています。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12081127
(※注:ニコニコ動画は登録が必要です)


No.1482 :記者会見第1部 ●添付画像ファイル
投稿日 2010年9月12日(日)01時10分 投稿者 柴田孔明

2010年9月11日22時より H2Aロケット18号機打ち上げ後記者会見 第1部

(※敬称を一部省略させていただきました。また内容についても、まとめさせていただいております)

左から
川井昭陽 三菱重工業株式会社 航空宇宙事業本部長
立川敬二 宇宙航空研究開発機構 理事長
川端達夫 文部科学省大臣
内藤正光 総務省副大臣
津川祥吾 国土交通省大臣政務官
山川宏  戦略本部事務局長
森尾稔  宇宙開発委員会委員

(側面列席)
片瀬裕文 戦略本部審議官
加藤善一 文部科学省審議官
久保田誠之 総務省総括審議官
市川雅一 経済産業省審議官
染矢隆一 国土交通省総括審議官



三菱重工業 川井
配付資料読み上げ(JAXAのHP掲載と同じ)
 『三菱重工業株式会社および宇宙航空研究開発機構は、平成22年9月11日20時17分0秒(日本標準時)に、種子島宇宙センターから準天頂衛星初号機「みちびき」を搭載したH-IIAロケット18号機(H-IIA・F18) を打ち上げました。
 ロケットは正常に飛行し、打ち上げ後約28分27秒に「みちびき」を分離した事を確認しました。
 今回のH-IIA・F18打ち上げ実施にご協力頂きました関係各方面に深甚の謝意を表します。
 なお、ロケット打ち上げ時の天候は晴れ、西南西の風(3.7m/s)、気温26.0度Cでした。』

JAXA 立川
飛行安全は天候良し、船舶進入なしで安全に打ち上げられた。
衛星の発注者として、みちびきの開発を進めてきた。殆ど誤差のない軌道でロケット側に感謝したい。

川端文部科学省大臣
関係者に敬意を表したい。
「みちびき」は官民で活躍が期待されている。
H2Aロケットの連続成功で国際市場に遜色ない性能を示せた。
私自身、初めて打ち上げを見たが、美しく感動的であった。
大きな発展と希望、可能性を載せてみちびきは飛んでいった。
最終の軌道に乗るまでのオペレーション、実証実験、後継機等の課題を乗り越えなければならない。

内藤 総務省内閣副大臣
関係者の努力に敬意を表したい。
米国GPSとの連携には高精度な時刻管理システムの開発が必要だった。今後も高めていきたい。今後この技術を高めていくと共に、利用していくことが大事である。
精密で三次元的な位置を把握するシステムの開発に全力で取り組んで行きたい。
総務省としても全力で取りくんでいる

津川 国土交通省大臣政務官
美しい打ち上げであった。関係者に感謝をしたい。
気象観測その他で宇宙開発を進めてきたが、みちびきはユーザーの立場として参加してきた。
今後は実証試験を行っていく。

山川 宇宙開発戦略本部事務局長
このたびの成功と正確な軌道投入おめでとうございます。
この成功を追い風として準天頂衛星の2号機以降の検討を進め、システムの実現を目指していきたい。

森尾 宇宙開発委員会委員
今までGPS需要では先進国だったが、測位システムの最先端技術開発の始まりで意義がある。

質疑応答

種子島会場

NHK:新しい技術で産業界の関心が高いが、2号機以降が無いことについて戸惑いがあるのではないか。
川端 トータルのシステムとしては2、3機目が前提だが、まずはこの初号機「みちびき」から本格的にデータをとっていくことが大事。
同時に高額な費用がかかることで難しい。事業計画について可能な限り早く結論を出していきたい。民間と連携して努力していきたい。

日本経済新聞:総理大臣が成功に対しコメントを出したのは、準天頂衛星に対しリーダーシップをとって解決したいのか。
川端 総理に成り代わるのは難しいが、官房が主体となって方針を決めていくために強い姿勢が必要。同時に強い経済を要望しているので、世界に貢献しビジネスとして展開していきたいといったことで、総合的に見てこういった談話が出たのではないかと認識している。

東京新聞:プロジェクトチームの検討課題として2号機以降は民間投資が前提となっているが、現段階でどう考えているか。
川端 GPS補強についてはアジアをカバーするもの。技術の発展には国が大きな意志をもって行うべき。プロジェクトチームへのコメントとしては難しい。
内藤 GPSはありとあらゆる基盤になっていて、今回の「みちびき」で強化される。
   国の社会的インフラである。アジア、民間も恩恵を受けるチャンスがある。そのため民間の投資があっても良い。
津川 官民共同が前提だが、民間だけでなく官で何が出来るか。
   国土交通省でこれまでと違った使い方ができないか検討してきたが、これを民間にも問いたい。

東京、筑波会場へ
なし

種子島会場へ

南日本放送:今後2、3機目を継続しなければ確立しないが、国はどのような努力をするのか。
川端 色々な課題がある事を各府省で解決するか議論しなければならない。2機目以降は初号機「みちびき」の軌道投入と実証が前提。財源も問題である。GPSの補強としてどのようなサービス提供ができるか。精度がメートル以下、センチメートルでどのようなサービス提供ができるか。その辺りで説得できないといけない。環境整備が大事だ。

NHK:12機連続成功の意義、宇宙開発への影響について。
川井 今回12機連続成功だが、最近は物凄く安定してきた。これは安定した制作と打ち上げ、年3〜4回というのが安定に対する大きなファクターである。品質の作り込みが製造と打ち上げでなされている。
立川 ロケット技術は移転をして良かった。よくやってもらっている。しかしこれからは技術の維持を考えなければならず、模索している。新しい衛星分野の開発が必要。「みちびき」の2号機以降も行いたい。

朝日新聞:94%の成功率を超えて95%まで2機程度だが、今後の海外受注は。
川井 打ち上げ信頼性が世界に認められる。しかし使用業衛星のためには信頼性、望む期間に打ち上げることが必要。種子島で制限を撤廃していただいたのは大きな進歩と成果である。現在、コスト的には残念ながら円高の影響がある。商売という意味では難しい。