投稿日 2011年9月15日(木)15時59分 投稿者 柴田孔明
2011年9月15日 14時〜 Yマイナス1ブリーフィング
本日14時から、H-IIAロケット19号機打ち上げ前(Yマイナス1)プレスブリーフィングが行われた。
(※敬称を略させていただきます)
登壇者 左から
三菱重工業株式会社 MILSETグループ主席チーム統括 森 和久
三菱重工業株式会社 MILSETグループ長 並河 達夫
宇宙航空研究開発機構 射場技術開発室長 川上 道生
・配付資料より
打ち上げ予定日時 平成23年9月17日13時36分〜13時49分
打ち上げ予備期間 平成23年9月18日〜9月26日
・当初予定日8月28日の打ち上げが延期された件についての説明。
並河 指令破壊受信機(CDR)の電子部品の使い方に誤りがあった。同様の事例が無いかメーカーに確認した結果、問題となる事項はみつからなかったが、万全を期するためJAXA/MHIでCDR等全ての集積回路で再確認したところ、使用条件を逸脱する設計不良が確認され、その改修が必要なことから8月25日に打ち上げ延期を決定した。
改修と、その後の点検により健全性が確認され、打ち上げ作業が再開できると判断した。
・作業実績と今後の作業予定
8月25日 火工品結線 ※指令破壊受信機の設計不良につき打ち上げ延期を決定
9月14日 再Y−2 火工品結線、2段ガスジェット推進薬充填
9月15日 Y−1 電波系統点検、推進系最終クローズアウト、機体アーミング、機構系/アンビリカル離脱系最終準備、射点/貯蔵所系設備準備
9月16日〜17日
機体移動(※時刻などの発表や、報道向けの公開等は無し)
射点設備系最終準備
ターミナル・カウントダウン
・気象状況について
台風15号の影響により風が強い。射場は昼頃から強風域に入ると思われる。
週間予報では16日以降は、台風の影響により風雨が強まるが、台風の進路により予報が大きく変わる可能性がある。
・質疑応答
・鹿児島テレビ
打ち上げに向けた意気込みをお聞きしたい。
並河 不適合に対する処置はあったが機体は万全である。隊員の意気も高まっている。できれば晴天の中で打ち上げたい。
森 関係者はモチベーションを維持している。今の日本は沈滞ムードがあるので、種子島で打ち上げを成功することで希望や元気を与えていきたい。
川上 延期があったが、再開し作業が進められている。モチベーションは高い。これからの作業を確実に進め成功したい。
・読売新聞
打ち上げ日程は決まったが、天候が厳しい。どういった確認と判断をどのタイミングでやるのか。
並河 決められた時間では行わない。台風情報は3時間ごとに更新されるはずなので、随時確認していく。
・毎日新聞
機体移動の時間と、打ち上げを成功と判断する時間帯はいつか。
並河 今号機は特別な機体のため、申し上げられない。
・産経新聞
GO/NOGOの判断はいつになるか
並河 台風の進路により随時確認するため確定した時間は無い。
機体移動などの前には従来通り判断していく。
・共同通信
打ち上げ延期の場合、最短でいつ打ち上げになるか。
並河 今回は天候判断が問題となる。いったん燃料を充填した場合は、実績通り中二日になる。
・NHK
打ち上げ時刻は13時36分から同49分の間だが、過去の例から36分の打ち上げと見ていいか。
並河 打ち上げ機会を確保するため、なるべく早い時間帯になるのは確かである。
・産経新聞
指令破壊受信機の不具合はなぜ放置されていたか。どのような反省点があるか。
川上 設計の不適合だが、現在メーカーと調査中である。これまでは正常に作動していたため、発見できなかった。正常であっても点検すると抜けがあるということ。開発する際はこういった問題点が出ないようにしていきたい。
並河 MHIとしても今後、打てる手について反映していきたい。
・読売新聞
各機器メーカーで確認しても不具合が見つからず、JAXA/MHIで再確認したら設計不良が見つかったということか。(※配付資料より)
川上 なぜメーカーで発見できなかったかを確認していく。メーカーは信号ピンの点検だけで、GNDや電源ラインなどは点検していなかった。使っているピンだけでなく、全てのピンについて点検すべきであった。
・南日本新聞
予備期間があまり無いが、天候が回復しなかった場合はどうするのか。
並河 26日までのチャンスで確実に上げていきたい。
・SAC柴田(※会見後のぶらさがりにて)
前回H2BF2でSRB−Aがねじれて分離したが、この対策は予定通り行われたのか。
H2ロケット時代のPST施設を解体したことに伴う変更点はあるか。
川上 今号機から改良されたストラットが適用されている。
PST施設は、H2Aではもともと無い前提なので、打ち上げに影響は無い。PST施設にあったカメラなどの移設は行っている。
以上です。
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