宇宙作家クラブ
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No.302 :シャトル明朝打ち上げへ
投稿日 2001年2月7日(水)17時46分 投稿者 江藤 巌

・アトランティス明朝打ち上げに向け秒読み快調
 スペースシャトルSTS-98/国際宇宙ステーション(ISS)フライト5Aのカウントダウンはほとんどトラブルなしに進行中で、打ち上げは予定通りにアメリカ東部標準時(EST)7日の午後6時11分(日本時間8日午前8時11分)に行われそうである。ケネディ宇宙センターの天候も良好で、天候が理由で打ち上げが延期される確率は10%程度と見積もられている。
 現在最大の懸念は、万一アトランティスの離昇中にトラブルが生じた場合に緊急着陸するTLA(Trans-Atlantic Landing abort)のため確保している、大西洋西岸の三つの飛行場の天候が思わしくないことである。
規則上は一個所のTLA飛行場が使用可能であれば打ち上げは行われ、三個所の飛行場がいずれも天候不良になることはめったにない。
KSCシャトル・カウントダウン・ページ
FLORIDA TODAY打ち上げ速報
NASDA STS-98概要

カウントダウン進行表
日時アメリカ東部標準時(日本時間)
7日0216(7日1616)〜0716(2116)              5時間
7日0716(2116)〜0916(2316)                2時間ホールド
7日0916(7日2316)〜1216(8日0216)            3時間
7日1216(8日0216)〜1416(0416)              2時間ホールド
7日1416(8日0416)〜1656(0656)              2時間40分
7日1656(8日0656)〜1706(0706)              10分間ホールド
7日1706(8日0756)〜1717(0717)              11分間
7日1717(8日0717)〜1802(0802)              45分間ホールド
7日1802(8日0802)〜1811(0811)              9分間
アメリカ東部標準時7日18時11分(日本時間8日08時11分)        離昇

・ISSの運命が決まる
 今回のシャトルの打ち上げは、NASAにとっては国際宇宙ステーション(ISS)の文字通り「運命」を決める重要な飛行である。
アトランティスは、ISSにアメリカが製作した研究棟”デスティニー”(Destiny)を運び込み、取りつけることになっている。
現在軌道を回っているISSで宇宙飛行士が活動しているのは、ロシアで造られた二つのモジュール(その一つはアメリカ側が製作資金を出資)の中である。これら二つのモジュールは、外見も技術もロシアのミール宇宙ステーションの発展型と言える。
これに対してデスティニーは、アメリカの技術と予算で造られたモジュールであり、今後のISSの活動の核となる役割を担っている。
デスティニーは直径が4.3m、長さが8.5m、質量14,000kgの円筒形で、内部には23個のラック収容を収容できる。そのうち12のラックが宇宙実験機器の収納に充てられる。ただし今回の打ち上げ時にはラックは13しか取りつけられておらず、残りは今後のミッションで運び込まれる。
また地球に向く側には直径51cmの窓が設けられ、地球観測機器などを取りつけられる。 STS-98のデスティニー取りつけの手順を簡単に説明すると、アトランティスはISSのユニティ・ノードの地球側にドッキングし、まずユニティの側面の与圧結合アダプター2(PMA-2)をロボットアーム(Remote Manipulator System)を使って取り外し、Z1トラスに移し替える。
続いてRMSでデスティニーをカーゴベイから持ち上げて、向きを180度変えてから、ユニティの側面にドッキングさせる。
最後にZ1トラスに仮置きしてあったPMA-2をRMSで取り外し、デスティニーのユニティ結合部とは反対の端にある共通結合機構に取りつける。
 STS-98のデスティニー取り付け作業の一環として、二人のミッション・スペシャリスト(MS)によって飛行4日目、6日目、8日目に合わせて3回の船外活動が行われる。
NASDA デスティニーの取付
NASAプレス・リリース
CNN

No.301 :シャトル・カウントダウン進行中
投稿日 2001年2月5日(月)15時05分 投稿者 江藤 巌

・アトランティス秒読み開始
 スペースシャトルSTS-98/国際宇宙ステーション(ISS)フライト5Aのカウントダウンは、アメリカ東部標準時(EST)4日の午後10時(日本時間5日午前12時)から開始されている。打ち上げは2月7日1811EST(8日0811JST)の予定。
ケネス・コックレル機長らアトランティスの5人の乗員も、4日午後にケネディ宇宙センター(KSC)に空から到着した
KSCシャトル・カウントダウン・ページ
FLORIDA TODAY打ち上げ速報
 現在は最初の16時間のカウントダウンが進行中である。カウントダウンは途中に7回合計25時間11分のホールド(休止)を挟んで、実質43時間行われる。

カウントダウン進行表
日時EST(JST)
4日2200(5日1200JST)〜5日1400(6日0400)16時間
5日1400(6日0400)〜5日1800(6日0800)   4時間ホールド
5日1800(6日0800)〜6日0200(6日1600)   8時間
6日0200(6日1600)〜6日0600(2000)     4時間ホールド
6日0600(6日2000)〜6日1400(7日0400)   8時間
6日1400(7日0400)〜7日0216(7日1616)   12時間16分ホールド
7日0216(7日1616)〜0716(2116)       5時間
7日0716(2116)〜0916(2316)         2時間ホールド
7日0916(7日2316)〜1216(8日0216)     3時間
7日1216(8日0216)〜1416(0416)       2時間ホールド
7日1416(8日0416)〜1656(0656)       2時間40分
7日1656(8日0656)〜1706(0706)       10分ホールド
7日1706(8日0756)〜1717(0717)       11分
7日1717(8日0717)〜1802(0802)       45分ホールド
7日1802(8日0802)〜1811(0811)       9分
アメリカ東部標準時7日18時11分(日本時間8日08時11分) 離昇

No.300 :シャトル秒読み開始へ他
投稿日 2001年2月5日(月)01時37分 投稿者 江藤 巌

・アトランティス秒読みへ
 2月7日アメリカ東部標準時午後6時11分(日本時間8日午前8時11分)の打ち上げに向けて、スペースシャトルSTS-98/国際宇宙ステーション(ISS)フライト5Aのカウントダウンが4日東部標準時午後10時(日本時間5日午前12時)から開始される。
スペースシャトル・アトランティスは、アメリカの研究モジュール”デスティニー”を搭載していて、ISSにドッキングしてデスティニーを取りつけることになっている。
ケネス・コックレル機長らアトランティスの5人の乗員も、4日昼にはNASAのT-38練習機に乗ってケネディ宇宙センター(KSC)に到着する。
NASDAフライト情報
KSCシャトル・カウントダウン・ページ
FLORIDA TODAY打ち上げ速報

・NASAがISS運用センター開設
 NASAマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)に、国際宇宙ステーション(ISS)のペイロード運用センター(Payload Operations Center)が2月二日付で開設された。
POCはISSで行われる科学実験を地上で支援するもので、13人から19人の管制官が常駐する。
POCは、アポロ、スカイラブ、スペースシャトル、スペースラブなどの有人飛行を支援してきた、ハンツヴィル運用支援センター(Huntsville Operations Support Center)の一角に設けられている。
MSFCニュース・リリース

・韓国が宇宙センター建設へ
 韓国の中央日報朝鮮日報などが1月30日付で伝えるところによると、
韓国政府の科学技術部の徐廷旭(ソ・ジョンウク)長官は30日に、韓国南西部全羅南道高興郡蓬来面曳内里(チョンラナムド・コフングン・ポンレミョン・イェネリ)ウェナロ島に総額1300億ウォンを投じて宇宙センターを建設する計画であることを発表した。
宇宙センターは2005年までに建設され、ロケットの組立施設や発射台、追跡管制などの施設が設けられる。
宇宙センター建設諮問委員会は1999年から慶尚(キョンサン)道、全羅南道、済州(チェジュ)道など11地域を検討し、2000年にウェロナ島を選んだ。
韓国政府は2005年末の国産科学衛星を皮切りに、2015年までに宇宙センターから多目的衛星4機、科学衛星5機を打ち上げる計画だが、日本を含む周辺国の領土上空を横切らないようにウェロナ島からロケットを打ち上げるとすると、軌道がきわめて限られる問題点がある。

No.299 :ミール落下は3月10日頃他
投稿日 2001年2月3日(土)13時54分 投稿者 江藤 巌

・ミール落下は3月10日頃まで延期
 ロシアの宇宙関係者によれば、ミール宇宙ステーションが最終的に落下するのはこれまで言われていた3月の6日ではなく、8日から10日頃になるとのことである。
ミールは現在は約290kmの高度の軌道を周回しているが、大気の抵抗で軌道は1日約0.5kmずつ低下している。
ロシアはミールにドッキングしているプログレスM1-5無人補給船を使って減速して、ミールを南太平洋に落下させる計画である。
Space.com

・NASAはティトーの飛行を未承認
 ロシアが4月末頃に予定している「市民宇宙旅行者」、アメリカの実業家デニス・ティトー(60歳)の国際宇宙ステーション(ISS)乗り組みについて、NASA(米航空宇宙局)ではまだロシア側と討議もしていないことが明らかになった。
ISSの取り決めにより、各国は自国の飛行枠の中で宇宙飛行士を選ぶことが出来るが、飛行にあたっては他国の承認が必要である。
NASAによれば、ロシア側からはまだティトーの飛行について正式の打診は行われておらず、近くヒューストンで行われる合同委員会の場においてロシア側から申し出があるものと理解している。
 一方ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のISS計画担当者は、ロシアのティトー送り込みを「無責任」と非難し、拒否権を発動することも示唆している。
SpaceToday
Space.com

・ISSの総コストは950億ドル
 アメリカ議会の会計検査院(GAO)は国際宇宙ステーション(ISS)計画に関する報告を提示したが、その中でISS計画の総コストを950億ドルと算出して波紋を広げている。1980年代始めNASAが宇宙ステーション計画を提示した当時には、計画総額は80億ドル程度とされていた。しかし計画が1984年にレイガン大統領の承認で実施に移されると、相次ぐ計画の見直しと遅延でコストは膨れ上がった。さらにクリントン政権時代にロシアをパートナーに加えることでさらに計画は変更を迫られ、ステーション完成の時期も先送りされた。
NASAではISSの運用経費を含めた総コストをなかなか明らかにしようとしないが、GAOの試算では建設コストと運用コストを加えたISS計画の総コストは950億ドルにも上る。
FLORIDA TODAY

・神舟2号は成功と中国当局者
 1月16日の着陸の報以来映像を含めた詳しい情報がいっさい中国から提供されていない有人宇宙機の無人試験「神舟」(Shenzhou)2号だが、中国の宇宙当局者はAFP通信に対して、神舟2号の着陸は成功で現在資料の分析中であると語った。
神舟2号の降下モジュールは着陸した内モンゴルから、北京に移送されたという。
 また着陸の直前に神舟2号から切り離されて単独で飛行中の軌道モジュールも、高度381.7kmX399.6km、傾斜角42.6度、周期92.4分の軌道上で順調に飛行中という。
SpaceDaily
SpaceDaily

・カナダの宇宙飛行士第一号が宇宙局副理事長に
 1984年にカナダ人として初めて宇宙を飛行したマルク・ガルノー博士、このほどカナダ宇宙局の副理事長に任命された。
ガルノーは1949年ケベック生まれ、イギリスで電気工学の博士号を受け、カナダ軍に入った。海軍の兵器の開発に従事した後、1984年2月にカナダのペイロード・スペシャリストに選ばれて、同年10月のスペースシャトルSTS-41Gでカナダ人として初めて宇宙を飛んだ。1989年に軍を大佐で退役、1993年に改めてNASAの宇宙飛行士(ミッション・スペシャリスト)となって、1996年のSTS-77、2000年のSTS-97ではMSとして飛行した。
CNN

・EUVE
 NASAの紫外線天文学衛星EUVE(Extreme Ultraviolet Explorer)が、運用予算を打ち切られて2月初めを以て観測を停止することになった。
EUVEは1992年6月7日にケイプ・カナヴェラルから打ち上げられて、70〜760Å(オングストローム)の極端紫外線域で全天の観測を行って来た。
EUVEの観測機器はいまも健在である。
EUVEは2001年の終わりから2002年の初めにかけて、大気に再突入することになる。
EUVEのHP(カリフォーニア大学バークリー校)
SpaceRef
EUVEが紫外線で捉えた宇宙
紫外線天文学略史

No.298 :・資金難に悩むアメリカの衛星通信業界
投稿日 2001年2月2日(金)00時40分 投稿者 江藤 巌

・資金難に悩むアメリカの衛星通信業界
 アメリカの航空宇宙業界誌Aviation Week & Space Technology1月29日号の記事によれば、最近のアメリカの景気後退の中で、1990年代に相次いで産声を上げた商業衛星ベンチャーはどこでも資金繰りに悩んでいるようである。
すでに低高度衛星通信会社のイリジウムLLCとオーブコム社は連邦破産法第11条を申請して倒産している。前者はイリジウム・サテライト社として更正が決まり、後者も親会社のオービタル・サイエンシズ社(OSC)が資金を集めて再起を図っているが、オーブコムの負債は1億7100万ドルに達している。
OSC自身の負債も2億4000万ドルにもなっており、オーブコムの倒産もあってOSC自体の株価も低迷している
そのためOSCが一部のノン・コア事業を切り離して売却すると噂されている。
 イリジウムやオーブコムと同じ衛星通信会社のグローバルスター社も巨額の負債に悩んでおり、倒産は時間の問題とさえ言われている。
 アメリカで最近注目されている衛星通信事業は、衛星を利用したディジタル・ラジオ中継で、すでにXMレイディオ社とシリアス・サテライト・レイディオ社が名乗りを上げている。
XMレイディオはすでに12億7000万ドルの資金を集め、今年の2月末と4月半ばにロックとロール(Rock & Roll)と名付けた2機の衛星をシー・ローンチ社の手で打ち上げる計画である。
しかし同社はこの先の運転資金として、さらに1億5000万ドルから1億7500万ドルを必要としている。
 シリアス・サテライト・レイディオは、すでに3機の衛星を軌道に乗せている。
同社は15億ドルを集めているが、来年も営業を続けるためにはなお1億5000万ドルが必要である。
 資金難の他にも、現在衛星通信事業の立ち上げが困難な理由がある。
それは将来の衛星ブロードバンド通信の主流がどれになるのか判断が難しいことで、ボーイング・ヒューズ社パンナムサット社SESアストラ社などでは、フットプリントを絞れて高データ率の送受信が可能なKaバンドが主流になると見ている。
しかし一方Kaバンドには雨の影響を受けやすいという明らかな欠点があり、Kuバンドを推す意見もある。
Kuバンドが天候の影響でサービス不能時間が累計8〜12時間になるところ、Kaバンドだと50時間にも達するとの統計もある。
ただ現在言えることは、今後注目される投資先はすべてが静止軌道衛星を使うシステムであり、1990年代に一世を風靡したような低高度非静止衛星のシステムではないということである。
非静止衛星システムの重大な問題点は、数十機の衛星からなる「星座」が完成してからでなければ商業運用を開始できないということで、莫大な初期投資が必要になる。
倒産した低高度衛星通信会社は、すべて初期投資に見合った顧客を獲得できず、資金繰りに行き詰まって倒産した。
これに対して静止衛星を利用したシステムでは、最初は1機の衛星だけから営業を開始出来、その後から顧客の増加に合わせて徐々に衛星の数を増やして行くことが出来る。

No.297 :ジェット推進研究所新所長任命他
投稿日 2001年2月1日(木)15時55分 投稿者 江藤 巌

・JPL新所長任命
 カリフォーニア工科大学は、NASAのジェット推進研究所の所長に、チャールズ・エラチ博士を任命したと1月31日に発表した。
エラチ博士は1947年4月18日レバノン生まれ、グルノーブルやカリフォーニア工科大学、南カリフォーニア大学(USC)、カリフォーニア大学ロサンジェルズ校(UCLA)などに学び、1971年以来JPLにあってレーダー地球資源探査を始めとするでさまざまな研究を行ってきた。
 1991年以来所長を勤めてきたエドワード・C・ストーン博士は、カリフォーニア大学で教職に就く。
カリフォーニア工科大学(CIT、キャルテック)は、連邦政府の予算を受けてJPLを運営している。
JPLプレス・リリース
キャルテック・プレス・リリース

・MGSが延長ミッションに入る
 火星の軌道を周回中のNASA/JPLのマーズ・グローバル・サーヴェイヤー(MGS)探査機は、1月31日を以て初期ミッションを終了し、延長ミッションに移行した。
MGSは1996年11月7日に打ち上げられて、翌年9月11日に火星を南北に周回する軌道に入り、軌道上から火星表面の地形や気象を観測して地球にデータを送ってきている。
MGSサイト
MGSの撮影した火星画像
MGSのテレメトリー

・アライアント社がサイオコール社買収へ
 弾薬や固体ロケットのメーカーであるアライアント・テクシステムズ社(ATK)は、アルミニウム・メーカーのアルコア社から孫会社のサイオコール・プロパルジョン社を買い取ることで合意した。
サイオコール社の買収金額は6億8500万ドルと推定されている。
ユタ州に本拠を置くサイオコール社は大型固体ロケットの大手メーカーで、現在は
コーダント・テクノロジーズ社の傘下にある。
コーダント社は、2000年5月にアルコア社に買収されている。
スペースシャトルの固体ロケット・ブースター(SRB)も同社の製品である。
サイオコール社の売り上げは5億7000万ドル、ATK社の売り上げは11億ドルになる。
なお現在のサイオコール社の社長は、スペースシャトルの最初の飛行のパイロットを務め、その後もシャトルで3回飛行し、またケネディ宇宙センター所長(1992〜95年)も務めた元宇宙飛行士のロバート・L・クリッピン退役海軍大佐である。
ATKプレス・リリース

No.296 :米実業家のISS訪問本決まり他
投稿日 2001年1月31日(水)15時51分 投稿者 江藤 巌

・米実業家ISS訪問が本決まり
 オランダ法人のミール社との契約で、史上初の「市民宇宙旅行者」(Citizen Explorer)としてミール宇宙ステーションを訪問することになっていたアメリカの実業家デニス・ティトーは、ミールの廃棄決定で代わりに国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗することが本決まりとなった。
ロシア航空宇宙庁(ロスアヴィアコスモス)は、ティトーと正式に契約を取り交わしたことを発表した。これによりティトーと二人のロシア人宇宙飛行士は、4月末にもソユースTMに搭乗してISSに向かうことになる。
契約金額は公表されていないが、噂では約2000万ドル(約23億円)と言う。
60歳のティトーは宇宙飛行の訓練をすでに済ませているが、現在は肺炎のためモスクワの中央空軍病院に入院中とも言われ、4月末までに健康が回復するか不安がないでもない。
SpaceDaily
Space.com

・プログレスM43が大気圏突入
 ロシアのミール宇宙ステーションにドッキングしていたプログレスM43無人補給船は、1月25日にミールから切り離されて、29日に地上からの指令で大気圏に突入して南太平洋上空で燃え尽きた。
プログレスM43は2000年の10月16日に打ち上げられている。
現在ミールには無人のプログレスM1-5がドッキング中で、その推進システムを用いて軌道を徐々に低下させ、3月6日前後に大気圏に突入させて廃棄することになっている。CNN
ジェイムズ・オーバーグ(ソ連/ロシア宇宙開発研究家)ミールを語る

・デルタ2でナヴスター航法衛星打ち上げ
 アメリカ空軍は1月30日にケイプ・カナヴェラル空軍ステイションから、ボーイング・デルタ2でナヴスターGPS(Global Positioning System)航法衛星を打ち上げた。
なおこの今回はケイプ・カナヴェラルの打ち上げ史上初めて、女性の発射ディレクターのニーナ・アーマグノ少佐が打ち上げの指揮を執った
SpaceDaily
Space.com
CNN

・宇宙開発事業団(NASDA)プレス・リリース
LE-7Aエンジン技術データ取得試験の実施状況について
フライングテストベッド(FTB)の試験の実施について
第4回宇宙開発事業団改革推進委員会の開催結果について

No.295 :ミールに無人補給船ドッキング成功他
投稿日 2001年1月28日(日)15時31分 投稿者 江藤 巌

・最後のプログレスがミールにドッキング成功
 ロシアが1月24日に打ち上げたプログレスM1-5は、27日のモスクワ時間0833(0533GMT)にミール宇宙ステーションに無人で自動ドッキングした。
ロシアはプログレスM1-5の推進システムを用いてミールを減速して、3月6日前後に南太平洋上空で大気圏に突入させる計画である。
ミールは現在近地点296km、遠地点313km、傾斜角51.66度の軌道を周回している。
CNN
SpaceDaily
SpaceDaily
SpaceRef

ミールとISSの現在位置
 ただしミールの現在の軌道から計算した推定位置なので、落下位置の予測には使用できないことには注意していただきたい。
ミールの軌道低下(HeavensAbove)

・民間人宇宙旅行者がISSを訪問か
 オランダ法人のミール社との契約で、ミールを訪問することになっていたアメリカの実業家デニス・ティトーだが、どうやらミールの代わりに国際宇宙ステーション(ISS)を訪問することになりそうだ。
現在ロシア側はNASA(米航空宇宙局)から、ティトーをロシアのソユースTMの乗員の一人としてミールに送り込む了承を得ようと交渉中のようである。
Space.com
CNN

・チャレンジャー事故から15年
 1月28日はスペースシャトル・チャレンジャー(OV-099)/ミッション51Lの空中爆発事故乗り組んでいた7人の命が失われてから15年目であった。
FLORIDA TODAYが特集を組んでいる。

No.293 :アトランティス打ち上げは2月7日に決定他
投稿日 2001年1月26日(金)12時34分 投稿者 江藤 巌

・アトランティス打ち上げは2月7日に
 スペースシャトル・アトランティスのSTS-98/ISSフライト5Aの打ち上げは、2月7日の午後6時11分(アメリカ東部夏時間)と正式に決定した。
帰還は2月18日午後1時39分(同)になる。
STS-98/フライト5Aでは、アメリカの研究モジュール”デスティニー”が国際宇宙ステーション(ISS)に取りつけられる。
 アトランティスの飛行が遅れたことで、次のディスカヴァリーのSTS-102/ISSフライト5A.1も先にずれて、打ち上げは3月8日となる。
STS-102/フライト5A.1では、現在ISSに滞在中の第一次遠征隊の3人が、第二次遠征隊3人と交代して5ヶ月ぶりに地上に戻ってくる。
 その次のミッションはエンデヴァーのSTS-100/ISSフライト6Aで、4月19日打ち上げの予定である。
シャトル・ステイタス・リポート
Space.com

・グローバルスターも倒産避けられず?
 低高度衛星による携帯電話中継を売り物にしたグローバルスター社が、倒産の危機に追い込まれていると、アメリカの航空宇宙業界誌Aviation Week & Space Technology1月22日号が報じている。
グローバルスター社は資金繰りに奔走しているが、同誌によれば株主には同社の清算を求める声が強く、第三者による強制破産か同社自身の連邦破産法第11条申請かいずれの形を取るにしろ、ここ二、三ヶ月以内の破産は避けられないであろうと同誌は述べている。
もしグローバルスター社が倒産すれば、1999年9月のイリジウムLLC、2000年9月のオーブコム社に続く低高度通信衛星企業の挫折となる。
グローバルスター社はロラール社の子会社であるが、ロラールの株価はすでにグローバルスターの営業不振によってすでにかなり下がっており、グローバルスターが倒産してもロラールへの影響は少なくてすむとの見方もある。
・フルニチェフ新社長にA・メドヴェジェフ
 ロシアの国営フルニチェフ宇宙科学生産センター(GKNPT)を辞任したアレクセイ・キセレフの後任に、アレクサンドル・メドヴェジェフが任命されるようである。
メドヴェジェフはロシア宇宙庁(ロスアヴィアコスモス)のユーリ・コプチョフ長官や、イリヤ・クレバノフ副首相の支持も得ているという
メドヴェジェフはロシアの国際宇宙ステーション(ISS)モジュール製作で指導的役割を果たしてきた。
Space.com
Space.com

・プーチン大統領が露ロケット軍を分割
 ロシアのヴラジーミル・プーチン大統領は、戦略ロケット軍から衛星打ち上げなどを担当する宇宙部隊を分離するよう指示した。
これは元戦略ロケット軍司令官で、戦略ロケット軍の縮小に強く反対してきたセルゲイ・イヴァノフ国防相の敗北を意味し、イヴァノフの地位を狙うと言われるアントリ・クヴァシーニン参謀総長が有利な立場になった。
SpaceDaily

・パイオニア10との通信途絶える
 NASAが1972年3月に打ち上げた木星探査機パイオニア10は、現在冥王星の軌道よりも更に外側、地球から76天文単位のところを太陽系の外に向かって飛行中だが、1月16日の交信の試みには応答がなかった。
NASAは深宇宙ネットワーク(DSN)によりもう一回交信を試みる予定だが、それでもパイオニア10からのデータが受信できなければ、29年近く続いたパイオニア10との交信を終えることになるかもしれない。
現在パイオニア10の他に、姉妹機のパイオニア11、1977年打ち上げのヴォイジャー1と2が、太陽系を脱出する軌道上にある。
パイオニア11と二つのヴォイジャーは、太陽系が銀河系の中で進んでいる方向に飛んでいるが、パイオニア10だけは太陽系の後ろ側に向かって飛んでいる。
ヴォイジャーは今年中にも、太陽の吹き出す荷電粒子の流れ(太陽風)が押し戻されるバウ・ショックを突破して、実質的に太陽系の外に出るものと期待されている。
2機のヴォイジャーには地球外知的生命体に向けたメッセージを納めたディスクが積まれている。

各探査機の現在の状況(Heavens Aboveによる)。
            Pioneer10  Pioneer11  Voyager2  Voyager1
Distance from Sun (AU) 77.030 58.607 63.082 80.051
Speed relative to Sun (km/s) 12.300 11.796 15.766 17.264
Speed relative to Sun (AU/year) 2.595 2.488 3.326 3.642
Ecliptic Latitude 3.0° 14.9° -26.1° 34.5°
Distance from Earth (AU) 76.401 59.438 63.916 80.526
One-way light time (hours) 10.59 8.24 8.86 11.16
Magnitude of Sun from spacecraft -17.3 -17.9 -17.7 -17.2

パイオニア・ステイタス・リポート
ヴォイジャー恒星間ミッション

No.292 :ミール廃棄に向けプログレス打ち上げ
投稿日 2001年1月24日(水)21時09分 投稿者 江藤 巌

・プログレスM1-5打ち上げ
 ミール宇宙ステーションに引導を渡す役割の無人補給船プログレスM1-5が、モスクワ時間1月24日0728にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地からロシアによって打ち上げられた。
プログレスM1-5は27日にミールとドッキングし、その推進システムを使って徐々にミールを減速、最終的には3月6日前後に南太平洋に落下させる予定である。
Space.com
プログレスM1-5の軌道修正スケジュール
SpaceDaily
CNN

・宇宙開発事業団が2宇宙飛行士認定
 宇宙開発事業団(NASDA)は、1999年4月から国際宇宙ステーション(ISS)の搭乗宇宙飛行士候補者としての基礎訓練を行っていた古川聡、星出彰彦の二人の宇宙飛行士候補者が所定の訓練を終了したとして、審査の結果1月24日付で二人を宇宙飛行士として認定した。
 古川、星出両宇宙飛行士は今後ISSの運用訓練(アドバンスト訓練)に参加し、さらに日本の実験棟「きぼう」(JEM)の開発支援業務などを行い、将来はミッションに関する訓練(インクリメント固有訓練)に参加することになる。
 なお古川、星出両宇宙飛行士と同時に選考された角野直子宇宙飛行士候補者も現在基礎訓練中で、順調なら今年の夏にも先の二人同様宇宙飛行士の資格を手にする予定である。
古川聡宇宙飛行士候補者及び星出彰彦宇宙飛行士候補者の基礎訓練終了及び宇宙飛行士認定について古川聡宇宙飛行士候補者及び星出彰彦宇宙飛行士候補者の基礎訓練終了及び宇宙飛行士認定について(宇宙開発委員会への報告)

古川聡略歴
星出彰彦略歴
ISS搭乗飛行士候補者の基礎訓練(基礎訓練の概要)
ISS搭乗飛行士候補者の基礎訓練(基礎訓練の分野)
基礎訓練レポート
日本の有人宇宙活動の流れ
日本人宇宙飛行士および宇宙飛行士候補者のプロフィール
宇宙飛行士募集(参考)

・アメリカ西海岸で宇宙開発事業団職員を騙る詐欺続発
 アメリカのカリフォーニア州ロサンジェルズ周辺で、宇宙開発事業団の職員を名乗る中年の白人男性による日本人観光客相手の寸借詐欺が続発しているそうなので、アメリカ西海岸に旅行される方はくれぐれもご用心されたい。
ロサンゼルスにおける詐欺事件について

・宇宙科学研究所が宇宙学校開催
 文部科学省の宇宙科学研究所(ISAS)では、1月27日(土)に神奈川県相模原市産業会館において、2月4日(日)に東京都目黒区駒場の東京大学において、宇宙学校を開催する。無料だが往復葉書による申し込みが必要。
詳しくは下記で。
宇宙学校開催

No.291 :シャトル発射台移動は26日他
投稿日 2001年1月24日(水)11時48分 投稿者 江藤 巌

・シャトルの発射台移動は26日
 NASAはケネディ宇宙センター(KSC)の機体組立ビルディング(VAB)でのスペースシャトル・アトランティスの固体ロケット・ブースター(SRB)の点検を完了し、26日に39A発射台へと移動させる予定である。
発射台への移動は25日の予定であったが、VAB内の湿度が高く、SRBのケーブル点検が遅れて1日先送りされた。
アトランティス(STS-98/ISSフライト5A)の打ち上げはいまのところ2月6日以降とされている。
 21世紀最初の打ち上げが半月延期されたことで、以後のミッションも玉突きで先に延びることは避けられず、8回予定されていた今年の打ち上げのうち1回は来年に延期されるだろうとも言われている。
KSCシャトル・ステイタス・リポート
FLORIDA TODAY

・カッシーニが木星の衛星イオ撮影
 土星に向かう途中に木星の近傍を通過したNASAのカッシーニ探査機が、木星を背景にした衛星イオの鮮明な画像を送信して来た。
この画像は2001年の1月1日に撮影されたものである。
NASA/ジェット推進研究所(JPL)発表
カッシーニ/ホイヘンス計画HP
カッシーニ木星フライバイ・ウェブサイト
カッシーニの木星画像
カッシーニの現在位置

・連邦通信委員会(FCC)委員長にパウェル氏
 ブッシュ大統領は1月22日に、通信衛星や放送衛星を含めたアメリカの通信政策全般を取りしきる連邦通信委員会(Federal Communications Commission)の委員長に、マイクル・K・パウェルを任命した。
パウェルは陸軍士官、弁護士、公正取引委員会スタッフなどを経て、1997年10月にFCCの委員に就任している。
なお彼の父親は、元統合参謀本部議長(退役陸軍大将)で現国務長官のコリン・L・パウェルである。

・ミールへの最後のプログレス打ち上げ迫る
Space.com打ち上げ速報
SpaceDaily

No.290 :ミール制御にスラスター使用
投稿日 2001年1月23日(火)00時12分 投稿者 江藤 巌

・ミールはスラスターで姿勢を制御
 ミール宇宙ステーションの姿勢制御用ジャイロスコープ(ジャイロダイン)は電気系統の異常で作動不良のままで、ロシアの管制センターではジャイロダインの代わりにスラスターを用いて姿勢を制御しようとしている。
ジャイロダインは電力で作動するので、太陽電池とバッテリーが正常に作動している限りいつまでも使えるが、姿勢制御すらスターの推進剤には限りがあり、24日打ち上げ予定のプログレスM1-5が無人ドッキングする前に推進剤が尽きれば、ミールは永久にコントロール不能に陥る危険がある。
CNN
SpaceDaily

・ノース・キャロライナ空港をシャトル緊急着陸場に指定
 NASAではスペースシャトルの打ち上げの際の緊急事態でアボート(飛行中断)して帰還しなければならない場合の着陸用飛行場として、新たにノース・キャロライナ州のウィルミントン空港を指定した。
国際宇宙ステーション(ISS)へのシャトル・ミッションでは、軌道傾斜角が大きいためシャトルは北アメリカ大陸の大西洋岸をかすめるようにして上昇する。
打ち上げ直後に緊急事態が発生した場合には、オービターは出発地のケネディ宇宙センター(KSC)に帰還する(RTLSアボート)
また高度と距離(ダウンレンジ)が大きくなれば、オービターは大西洋を飛び越えてユーラシア大陸あるいはアフリカ大陸の西岸にあるいくつかの飛行場に着陸できる(TAL)
今回のウィルミントン空港の緊急着陸場指定は、それらの中間の段階で緊急事態が生じた場合に備えるものである。
たとえば固体ロケット・ブースター(SRB)が分離して30秒後にメイン・エンジンが1基ないし2基故障した場合には、オービターにはウィルミントンに着陸する選択が生まれた。
ただしウィルミントン飛行場の滑走路は長さが8007フィート(2438m)しかなく、しかなく、着陸に7500フィート(2286m)の滑走路を必要とするオービターにとってはぎりぎりと言う問題がある。
Space.com

No.289 :プログレス打ち上げは24日他
投稿日 2001年1月21日(日)00時50分 投稿者 江藤 巌

・プログレス打ち上げは今月24日に
 ミール宇宙ステーションの電気系統の問題のため18日の打ち上げを延期していたロシアのプログレスM1-5無人補給船は、1月24日に改めて打ち上げられることになった。
ミールの電気系統の故障の関しては、地上から故障の系統をバイパスさせるコマンドを送信すると言う。
プログレスM1-5は27日にミールとドッキングする計画である。
無人のドッキングに問題が生じた場合に備えて、有人のソユースTM宇宙船と二人の宇宙飛行士が待機している。
ミール宇宙ステーションは3月6日前後に地球に落下させられる予定である。
ミールの減速後に異常が生じた場合、高度が250km以上であればソユースTMがドッキングして修復することが出来るが、それよりもミールの高度が下がってしまってからでは宇宙飛行士が乗り組むのは危険過ぎて、手の施しようもない。
CNN

・アトランティス組立ビルに戻る
 スペースシャトルOV-104アトランティスは、ケネディ宇宙センター(KSC)39A発射台から、19日の東部時間午後2時25分に機体組立ビルディング(VAB)へと戻った。
アトランティスは1月19日にSTS-98/ISSフライト5Aに出発する予定で39A発射台に据えられていたが、固体ロケット・ブースター(SRB)分離の安全性に疑問があるとして、配線の点検のためVABに戻されることになった。
VABではシャトルを立てたままで、SRBの配線の通るシステム・トンネルを取り外して、配線の通電検査やX線検査を行うことになっている。
検査結果が問題なければ、アトランティスは1月25日には同じ道を通って39A発射台へと向かう。
STS-98/ISSフライト5Aの打ち上げは、いまのところ2月6日以降となっている。
NASA有人宇宙飛行
KSCシャトル・ステイタス・リポート

・ゴールディン長官三代の大統領に仕える
 ジョージ・W・ブッシュがいままさにアメリカ合衆国第43代の大統領に就任するところだが、NASAのダン・ゴールディン長官は新大統領の下でもしばらくは長官職を続けることが決まった。
ブッシュ新大統領の政権移行チームでは、後任の長官が決定するまでの間、ゴールディン現長官にその職に留まるよう要請している。
ゴールディンは新大統領の父親ジョージ・H・W・ブッシュ大統領によってNASA長官に任命され、次のクリントン大統領の8年間もその地位を保ったので、共和党・民主党・共和党と二つの政党三代の大統領に仕え、連続して親子の大統領の下で働くというアメリカの高級官僚としては珍しい記録を作ることとなった。
NASAWatch

No.288 :神舟2号に犬猿兎搭載他
投稿日 2001年1月19日(金)23時10分 投稿者 江藤 巌

・神舟2号の謎
 神舟2号に実験動物として犬、猿(どちらも単数)、兎(複数)が搭載されていたことが、中国筋によって明らかになった。
しかし神舟2号の降下モジュールが着陸してから丸1日以上経つのにいまだに回収当時の映像は公表されておらず、なんらかのトラブルが生じたのではないかとの観測もある。
1999年11月の神舟の1号機の飛行の際には、回収直後から多くの映像が中国から公表されている。
CNN

・ゴールディンNASA長官が居座り?
 G・W・ブッシュ新大統領の就任を20日に控えて、NASA(米航空宇宙局)の次期長官はいまだに任命されていない。
また新長官就任までの長官代行も任命されてはいない。
さらにはダン・ゴールディン現長官は辞表を提出していないとも言われ、次期政権までの居残りを図っているのではないかとも噂されている。
アメリカの官界では、政権交代に際しては高級官僚は残らず新大統領の就任までに辞表を提出しなければならないと規定されている。
しかしブッシュ新大統領の父親のG・H・W・ブッシュ大統領によって任命されたゴールディン長官は、クリントン政権発足時にも辞表を提出せず、クリントン大統領も後任を任命しなかったために、結果的に留任が認められた敬意がある。

・若田宇宙飛行士ら帰国報告会
 宇宙開発事業団(NASDA)の若田光一宇宙飛行士らSTS-97の乗員が現在日本に滞在中だが、1月19日には筑波宇宙センター(TKSC)でミッション報告会が開催された。
ミッション報告会

No.287 :ミールへの最後のプログレス打ち上げ延期
投稿日 2001年1月19日(金)00時42分 投稿者 江藤 巌

・プログレス打ち上げ直前に中止
 ロシアのミール宇宙ステーションとドッキングする予定のプログレスM1-5無人宇宙機の打ち上げが、ミールが電気系統の異常からコントロール不能に陥ったために中止された。
プログレスM1-5は1月18日のモスクワ時間09:57(06:57GMT)にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられるはずであったが、ミールの電気系統の電圧が定格よりも低下し、姿勢を制御するジャイロスコープ(ジャイロダイン)とメイン・コンピューターが自動的に停止したため、プログレスM1-5の打ち上げは中止された。
プログレスM1-5は、無人で飛行中のミールに自動ドッキングして、推進システムでブレーキを掛けて待機中に落下させるためにミールに送られることになっている。
ミールが姿勢を制御できない状態にあると、無人でも有人でもドッキングは困難で、ミールにブレーキを掛けて落下させることは不可能になる。
ロシア側では、4〜5日後には再度打ち上げを試みると発表している。
Space.com
SpaceflightNow

・神舟2号モジュールは飛行継続
 中国は「神舟」(Shenzhou)2号(国際標識2001-001)の降下モジュールを1月16日に回収したが、再突入の前に切り放された軌道モジュールが独立して飛行を継続していることが確認された。
神舟2号の軌道モジュール(国際標識2001-001C)は、1月17日には軌道を近地点330kmX345kmから、388kmX404kmへと変換している。
 神舟はロシアのソユース有人宇宙機と同じく、前から順に軌道、降下、機械(太陽電池パネル付き)の三つのモジュール(ブロック)からなっている。
このうち大気圏再突入に絶えられるのは真ん中の軌道モジュールだけで、前後の部分は再突入の直前に切り放されて、大気圏上層で燃え尽きる。
ところが神舟においては、軌道モジュールも太陽電池パネルを備え、独自の推進システムや姿勢制御システムを有しているようだ。
中国は軌道モジュールを将来の宇宙ステーションの実験台と見ているようだ。
軌道モジュールは今後半年程度の間ミッションを遂行するが、最終的には大気圏に再突入して燃え尽きるものと思われる。
Go Taikonauts!

・スターダストが月を撮影
 1月15日に地球の近傍を通過したNASA/ジェット推進研究所(JPL)の彗星探査機スターダストが、フライバイの際に月の画像を撮影して送信して来た。
月の輪郭がかすんで見えるのは、スターダストの光学系が汚染されているからである。
JPL

・宇宙開発事業団(NASDA)が宇宙開発委員会に報告
 スペースシャトル・アトランティス号(STS-98/国際宇宙ステーション組立ミッション(5A))の打上げについて(報告)