投稿日 2005年2月25日(金)16時04分 投稿者 松浦晋也
午後3時からの記者会見の模様です。
出席者
JAXA 打ち上げ隊企画主任
園田昭眞
三菱重工業
名古屋航空宇宙システム製作所
主任プロジェクト総括
浅田正一郎
ロケットシステム
打ち上げ隊 統括責任者代理
筒井弘
国土交通省 航空衛星室 室長
松本勝利
気象庁
気象衛星室 室長
大島隆
園田主任からこれまでの経緯説明
2月24日
機体定期点検 設備定期点検 衛星はバッテリーを補充電
2月25日
推進系最終クローズアウト
機体アーミング
アンビリカル離脱系最終準備
貯蔵所系設備準備
以上の作業を朝までに終わらせた。
注:25日の日中は午後11時からの作業に備えた休養に当てられます。
本日1時半から明日の天候確認。問題なしと判断。
・衛星について
大島室長から
衛星については問題なし。本日は1日1回の補充電を行う。明日の打ち上げに向けては工学系が曇るのを防いでいる窒素ガスの循環を停止する。直前に打ち上げコンフィギュレーションを設定(最後まで衛星に残しているカバーをはずす。搭載コンピューターを設定する)。
園田主任から
明日の天候は風速7-8m/s。打ち上げに問題はなし。
打ち上げ関係者数は、JAXAが183名、ロケットシステムが60名、メーカーが258名、外部機関が25名。合計526名。
注:これはかなり多いです。1号機なみの態勢です。
本日午後11時から打ち上げ作業を開始。5時間の準備の後、午前4時から機体移動。移動は30分。
午前8時から予冷却を開始。午前9時半頃から推進剤充填開始。この時点で半径3km立ち入り禁止になる。約3時間で充填終了。
衛星分離は南米チリ・サンチャゴのチリ大学に受信設備を持ち込んで確認を行う。
質疑応答
問:日本の気象観測を意義を改めてまとめて欲しい。
答(大島):99年の打ち上げ失敗で気象衛星観測の継続が難しくなった。今回打ち上げに成功すれば安定的な継続観測が可能になる。その意義が最も大きい。
問(NHK):打ち上げに対する期待と意気込みをお願いしたい。
答(大島):確実に打ち上げて欲しい。これが一番大きい。
答(園田):非常に緊張感が高まっているが、平常心を取り戻して必ず成功に結びつけたい。
問(中日新聞):三菱はプライムメーカーとして従来以上に責任が感じて作業をしていたと思うが。
答(浅田):訂正です。まず三菱は今回はプライムではありません。ただし今回、来年以降プライムということで、他社の担当部分も我々が点検しました。私は入社以来25年ロケットをやってきたが、毎回「このロケットを落としたらお終いだぞ」と言われてきた。が、今回はいつものものにましてきびしい状況にある。先ほど宝満神社(注:南種子町の神社)で手を合わせてきたが、責任を強く感じた。
問(共同通信):MTSATに保険を掛けていない理由は
答(松本):衛星開発、打ち上げ費用、追跡管制で317億円かけている。昨今の料率では保険料が90-100億円になるので今回は入っていない。
問(共同通信):ロケットから分離後のトラブルはロラールとの間でどのような取り決めになっているのか。
答(松本):ロラールが故意にトラブルを起こしたならば賠償請求もあり得るが、その場合は立証責任は我々にある。このためリスクは我々が負うことになると考えている。
問(時事通信):今回久々にネット中継など一般向けサービスをしているが、一般の方々にどこに注目して欲しいか。
答(筒井):今回は我々の設立趣旨に乗っ取った初めての打ち上げなので、RSCとしては我々は是非とも成功させたいという意気込みでやっている。
問(宇宙作家クラブ・大喜戸):理事長が技術系出身から技術官僚出身になったが、それは現場にどう影響を与えたか。
答(園田):実施代理責任者以下打ち上げ隊は同じメンバーなので影響はない。
問(宇宙作家クラブ・大喜戸):現場の志気はどうか。
答(園田):失敗の後なので、今回の志気は非常に高い。
以上です。
写真は説明を行う園田主任
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