宇宙作家クラブ
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No.857 :設備投資 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年7月3日(日)20時25分 投稿者 松浦晋也

 JAXAになって、さすがにNASDAとの差が大きいのは問題だということで、設備投資が行われたそうです。老朽化していた施設は多くが取り壊されていました。避雷針タワーも基部だけ残して取り壊されました。


No.856 :M-Vロケット6号機打ち上げ取材開始、7月3日電波テスト ●添付画像ファイル
投稿日 2005年7月3日(日)20時22分 投稿者 松浦晋也

 宇宙作家クラブ取材班は7月2日から現地に入りました。これよりM-Vロケット6号機打ち上げの現場の様子をアップしていきます。今回はJAXAになってから初めてのM-Vロケット打ち上げです。

 本日7月3日のロケット公開は天候悪化のためになくなりました。1度M-Vロケット6号機は整備棟から出したのですが、雨が降る可能性が高いために再度収納しました。

 電波テストは、打ち上げリハーサルを意味するISAS用語です。

午後0時から記者室で質疑応答。次いで管制室などのプレスツアーが行われました。出席者は的川泰宣教授と、中島内之浦宇宙センター所長。

 質疑応答の主な内容は以下の通りです。

――ロケットを出した時刻と格納した時刻は
中島:午前10時頃出して11時頃には収納した。ランチャーを一回南にまで回してロケット搭載の姿勢を調べる機器の較正した。M-Vのランチャは真東から南まで回すことができる。
 整備棟内にロケットを納めた状態でもテスト自体は進めることができる。機器のオンオフとかロケットのアンテナとのデータ通信確認など。
的川:電波テストでは打ち上げの各作業がどれだけ時間がかかるかを調べるものです。

――M-Vロケット6号機の改良点は。
中島:第2段に搭載していた電子機器を第3段に移した。打ち上げ能力の点では不利になるが、安全性は向上する。
――当日の天気は
中島:6日は打ち上げ可能な天気だろうということだ。7、8日は天気が悪くなるとのこと。

――当日はどのような情報が出てくるのか。
的川:今回の打ち上げは、3段式での打ち上げとなる(注:これまで成功した打ち上げはすべて4段を付加した打ち上げだった)。打ち上げ後1307秒で、クリスマス島追跡管制局が衛星と第3段の分離を確認したら、私はすぐに報道室に降りてきます。その後サンチャゴで衛星を追跡しますが、これはバックアップです。
 その後衛星は地球の裏側の遠地点で400秒近くスラスターを噴射して近地点高度を持ち上げる。だから次の内之浦上空通過は、最初とは軌道が変わっている。次の内之浦上空通過は打ち上げ後約100分後で、この時に衛星の状態をはじめてチェックできる。だから、午後3時半の記者会見で名称は軌道、衛星の状態などを公開できると思う。

――遠地点噴射はサンチャゴで監視するのか。
的川:いや、完全に自動噴射だ。見えないところで噴射するのは不安ですね。最初にやったのはEXOS-Bで、私がソフトウエアを担当しましたが、不安でした。今は衛星がきちんとやってくれることが分かっているので、今回も自動噴射です。

――5年前に打ち上げに失敗したASTRO-Eと今回のASTRO-E2では設計は同じか。
的川:Eの開発中で、「こうすればもっと性能が上がるのに」と気が付いたところは入れ込んでいる。だから若干性能が向上している。

――寿命がASTRO-Eの2年から3年に延びているがその理由は。
的川:E2では機械式冷凍機を積んで、センサーの一つであるマイクロカロリーメーターを冷やす固体ネオンの寿命を延ばした。これは設計時に大分議論したところだ。
 しかしマイクロカロリーメーターが使えなくなっても他のセンサーは使えるので、軌道が持つ限り(注:衛星が空気抵抗で落下するまで)は観測を継続できることを期待している。
 現在衛星の名前は所内で投票しています。さえた名前が出てくれば採用しますので、皆さんも投票して下さい。名前を選ぶ衛星グループに聞いたところ、本命はまだないそうです。

広報班から説明。
 今回は打ち上げ映像を、全国に配信します。鹿児島中央駅や、東京丸の内のオアゾ、各センターなどで放送するので告知をお願いします。

中島:なお、今回は国際宇宙ステーションとの干渉という問題がありまして、軌道が近づく時は打ち上げません。ISSは大きいので衝突確率も通常の衛星よりもずっと大きくなる。

――保管が続いているM-Vの2号機だが現状どうなっているのか
中島:実は今回の6号機の1段と3段は、2号機のものを使用している。もちろんノズルスロート部は4号機の打ち上げ失敗を受けてグラファイト製からC/Cコンポジット製に交換している。固体燃料の変質については、毎回試験ピースを保存している。また今回に打ち上げに先立って5年保管したモーターの燃焼試験を行った。
的川:先だって定年退職したM-V担当の高野先生の話では、アメリカでは12年保管した「スカウト」ロケットを打ち上げたことがある。変質という点では問題はないだろうとのこと。
中島;もう一つ、自重で推進薬で変形し、亀裂や剥離が発生するのが恐ろしい。打ち上げ時に亀裂で異常燃焼が発生して失敗の原因となる。そこで保管時には半年ごとに上下を入れ替えて推進薬の変形を防いでいる。もちろん保管倉庫は一定温度、一定湿度に保ってある。亀裂や剥離は超音波探傷とX線検査によって検査を行っている。

――5号機と6号機で設計を変更した部分はあるか。
 第2段と第3段にわけて搭載していた通信機器2系統をまとめて第3段に搭載した。第3段まで2系統で通信を行えるようにするため。通信機器の重量の分だけ打ち上げ能力には不利になるが、安全性を重視するという方針で設計を変更した。

的川:一昨日、内之浦町は合併で肝属郡肝付町になった。内之浦という名前は地名としてはなくなる。残るのは内之浦小学校に内之浦中学校に漁業組合に、この内之浦宇宙センターだけだ。

――今回JAXAになってから初めての内之浦からの打ち上げだが変わったところはあるか。
中島:旧NASDAの人が50人ほど来ている。主に担当しているのは広報や情報連絡のような部分。今まで大学としてやってきた我々には広報面などで至らないところがあったが、そこをいろいろやってもらっている。実際の打ち上げ部隊のメンバーは、以前とあまり変わっていない。

写真は的川教授(左)と中島所長(右)


No.854 :宣伝:6月25日、野田司令がロフトプラスワンに出演します
投稿日 2005年6月2日(木)10時58分 投稿者 松浦晋也

 6月25日に「野田司令」こと野田篤司さんが、ロフトプラスワンに出演します。

 八谷和彦さんと、藤谷文子さんという豪華な組み合わせが、野田さんから宇宙の常識・非常識・反常識を聞き出します。



■「なぞなぞ宇宙講座」
トンデモSF設定? 「アルマゲドン」と「妖星ゴラス」はどっちが効率的に隕石衝突を免れる?等々。「これってどこまでできるの?」という疑問をネタに野田司令にざっくばらんに訊く、宇宙や科学のこと。
【出演】野田篤司(宇宙機エンジニア)
【聞き手】藤谷文子(作家/女優)、八谷和彦(メディア・アーティスト)
【日程】2005年6月25日(土)
【時間】Open/18:00 Start/19:00
【値段】¥1000(飲食別)飲食代:ドリンク¥500〜
【会場】新宿ロフトプラスワン
    新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2
    03-3205-6864

No.853 :宣伝:6月3日(金曜日)、新宿・ロフトプラスワンでトークライブを開催します
投稿日 2005年5月10日(火)00時01分 投稿者 松浦晋也

 次回のロフトは6月3日です。前回初登場し、参加者全員の度肝を抜いた垣見恒男さんが再度出演し、ベビーロケットについて語ります。

宇宙作家クラブPRESENTS
「ロケットまつり6」

 ペンシルロケットに続いて開発されたのがベビーロケットだった。東大の糸川博士のチームは、ちょっと大きくなったベビーロケットを秋田県の道川海岸でばかすか打ち上げていった。目標は高度100kmの宇宙空間。ロケットは小さいし技術は貧弱だったけれども、誰もが若く『いっちょやったろか』と思っていた。

 前回に引き続き垣見恒男さん、林紀幸さんを迎えて回想する日本のロケット青春時代。さあ、道川海岸の空に笑え!

【Guest】林紀幸(元宇宙科学研究所・ロケット班長)、垣見恒男 (元富士精密技術者・ペンシルロケットをを設計)
【出演】浅利義遠(漫画家)、笹本祐一(SF作家)、松浦晋也(ノンフィクション・ライター)、他

 ロフトプラスワン:新宿・歌舞伎町

Open/18:30 Start/19:30
¥1000(飲食別)

No.852 :告知:例の写真のダウンロードが可能になりました
投稿日 2005年5月8日(日)18時27分 投稿者 松浦晋也

 4月12日にロフトプラスワン「ロケット祭り」にご来場くださった方への連絡です。会場でお約束した旗の写真のダウンロードを開始しました。

http://homepage2.nifty.com/smatsu/会場で知らせたパスワード/flag.zip

でダウンロードできます。300万画素のJPEG画像5枚がzipファイルで圧縮してあります。7MBありますのでモデム接続の方は注意して下さい。

 大変遅くなって申し訳ありませんでした。また、当方のうっかりミスで肝心のお二方のサインが入っていません。次回、6月3日に、改めてサインをいただいて、会場で展示しようと考えておりますのでご容赦頂ければと思います。

No.851 :宣伝:4月12日(火曜日)、新宿・ロフトプラスワンでトークライブを開催します
投稿日 2005年4月12日(火)16時03分 投稿者 松浦晋也

告知が遅れてしまいましたが、明日、東京・新宿のロフトプラスワンでトークライブを開催します。

ロケット祭り「ペンシルロケット50周年!」
 50年前の1955年4月12日、東京・国立の工場跡地で、糸川秀夫博士のペンシル・ロケットが初めて発射された。日本は今よりずっと貧しかったけれども、意欲は大きくて目標も高かった。それから15年年後の1970年2月11日、ペンシルから始まったロケットは日本初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げることに成功した。
 昨今、日本の技術はダメだとか、中国に抜かれたとか、色々いう人が多い。だが我々は一番大切なことを忘れてはいないだろうか。つまり、「あの時見上げちゃった空」という奴をだ。
 初心を思い出して、ばりばり未来に進もう。「ロケットの神様」林紀幸氏に加えて豪華ゲスト(出演交渉中)を呼んで、ペンシルから現代までの現場のあれやこれやを話してもらう。
 ロケット青春期の青臭い話を聞いて、恥ずかしさと感動でのたうち回ろう。
【Guest】林紀幸(現NPO「二見浦・賓日館の会」事務局長、元宇宙研・ロケット班長)、他現在交渉中
【出演】浅利義遠(漫画家)、笹本祐一(SF作家)、松浦晋也(ノンフィクション・ライター)、他
Open/18:30 Start/19:30 ¥1000(飲食代別)当日券のみ

 せっかく林紀幸さんに話を聞くシリーズを続けているのだから、ペンシルロケット50周年にあわせてイベントを開いてしまおうということで企画しました。

 ゲストも確定しました。林さんに加えてももうお一方、ロケット開発の生き証人が出演します。

No.848 :午後8時からの記者会見第二部 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年2月26日(土)21時35分 投稿者 松浦晋也

記者会見第二部です

 写真は園田主任(左)と、河内山主任(右)

出席者
JAXA 打ち上げ隊企画主任
園田昭眞

JAXA ロケット主任
河内山治朗

三菱重工業
名古屋航空宇宙システム製作所
主任プロジェクト総括
浅田正一郎

ロケットシステム
打ち上げ隊 統括責任者代理
筒井弘

国土交通省 航空衛星室 室長
松本勝利

気象庁
気象衛星室 室長
大島隆


園田主任から作業の説明
 すべてがほぼ予定通り。マージンとして2時間半ほど取ってあったので作業自体は余裕を持って進めることができた。ところが打ち上げ1時間前の午後4時頃に、機体側のアンビリカル・コントローラーから4回ほどアラームがでた。このアラームが打ち上げ作業に影響ないことを確認するのに時間が掛かり、打ち上げ時刻が午後6時25分となった。

問(鹿児島読売テレビ):大島室長に。感想と、MTSAT-1Rの愛称を聞きたい。
答え(大島):成功に心から感謝したい。今後静止化などやるべきことがある。東経145°へ暫定静止化し、システムのチェックなどを行う。次の出水期には間に合わせたい。色々あったので新たな愛称を付けることは考えていない。「ひまわり」という名前が国民にずいぶんと親しまれていたのだが。

問:今回補助ロケットを改修する計画はあるのか。打ち上げ能力の低下は今後補う計画はあるか。
答え(河内山):今回はまず落ちたブースターを発見するということに主眼をおく。能力については今後軽量化その他で
問(毎日新聞):アンビリカル・コントローラーとは何か。
答え(河内山):地上系からのリクエストに応じてデータを返す機器で、ここが地上からのリクエストに3回以上返答しないとアラームが出る。このアラームが4回繰り返すというトラブルだった。
問(朝日新聞):具体的な探査の計画はどんなものか。
答え(答え):航空機の観測ではブースター4本のうち3本は視認できている。また音響ビーコンを装備しており、まずはこれで確実に見つけるという技術を確立する。海洋機構と探索では協力している。
問:三菱重工業としてはH-IIAロケットをどう評価しているか。ミスがあっても確実に上がるロケットになるのだろうか。
答え(浅田):一つのミスがあってもうまくいかないというのがロケットだ。特に日本のロケットが気むずかしいということはない。失敗については、なによりも打ち上げ回数が足りない。海外のロケットは何十機と打ち上げている。今後数を増やして行かなくてはならない。コストは世界の先進国と比べて決して負けていない。現在世界のコストのトップをいくのはロシアと中国だ。ロシアのロケットは大陸間弾道ミサイルの部品を利用していて安いのはあたりまえだ。しかし、それを言い訳にはできない。
問(朝日新聞):通信以上の起きた正確な時間は?その時点で打ち上げ可能だという見込みはあったのだろうか。
答え(園田):16時2分が最初で4回起きた。感覚がだんだん開いて安定してきていた。これは本質的なものではないと、園田と河内山の間で話していたが午後5時の時点では上げられるのではないかとという感触があった。再発するかどうかは確かに心配だったが、自動シーケンスに入っても再発しなかったので安心して打ち上げることが出来た。
 ここ数日の延期は天候が原因で、これは「天気が原因ならしょうがない」ということで納得できた。今日は風が強かったが、許容
問(ニューヨークタイムズ):ロシアと中国はコストの面で競争相手になるとおっしゃったが、中国は競争相手として脅威と捉えているか。
答え(浅田):中国は宇宙開発の目的が日本と違う。日本のロケットは科学技術の能力を高めるという目的がある。中国の場合人が上がればロケットはなんでもいいという姿勢だ。中国もロシアも人件費という面で軍が上げているのでかなり楽である。日本は欧州とアライアンスを組んでブランドで対抗していこうとしている。
問(航空新聞):航空管制は2機そろわないと完全ではないというが2号機はどうなるのか。
答え(松本):2号機は今年度中に受領する予定で、打ち上げはH17年のなるべく早い時期にと考えている。2機体制についてはまずは1機体制で運用
問(宇宙作家クラブ大喜戸):日本の技術開発は信頼性にコストをかけていないのではないだろうか。
答え(河内山):信頼性をきちんとした上でコストについて考えていく
答え(浅田):例えばアリアンの場合最初の10機で3機失敗している。決して日本がコストをかけていないわけではない。しかし実績がない分は、信頼性の高さでカバーするしかない。その方向。
問(共同通信);MTSAT-1Rのスピードと高度は?
答え(園田):軌道については衛星屋が決定するのでロケット側では言えない。分離時の高度と速度は、後で調べて回答する。
問()率直な感想と今後の意気込みを聞きたい。
答え(浅田):ほっとしています。まだ肩が凝っています。非常に大きなプレッシャーがかかっていたので、衛星分離を聞いてほっとした。ロケット野郎は止められないというのは非常な緊張と解放があるから。これは快感だが、解放の前は非常に苦しい。皆家族にも迷惑をかけていると思う。今回の成功で家族のところに帰ることができるかなあと思う。
問(朝日新聞);打ち上げ能力の低下で、打ち上げがあぶなくなる衛星はあるのか。
答え(河内山):当面のものについては、すでに十分なデータが蓄積されているテレメーター機器を外して軽量化する、あるいは補助ブースターの燃焼タイミングを工夫することで当面の衛星を打ち上げるメドを得ている、
問(共同通信):通信トラブルで、エラーが出たことでどのような対策を施したのか。それとも様子を見て結果として5回目のトラブルが出なかったというものなのか。
答え(河内山):まず何が起こっているかを把握しようとした。次にどう影響するのかを把握しようとした。1時間半ほど検討して安全性に影響はないという結論を得て、打ち上げシーケンスを進めた。アンビルカル・コントローラーは打ち上げの根幹に関わる機器ではないので、大丈夫だろうということで進めた。アラームが出るとリセットをかけると復帰する。リセット後は次のトラブルが起きるまでの間隔は開いていったので、問題が起きることはないだろうと判断した。
問(月刊天文):この一年三ヶ月一番大変だったのは何だろうか。それとJAXA発足時に発表された次期基幹ロケットは現在どうなっているのだろうか。
答え(河内山):失敗直後が一番つらかった。事故調査が急激に行われたので、事故調査をJAXAとメーカーが力を合わせて行ったがそれはなかなか大変だった。
 いつもはそれぞれの担当部位が終わったところで担当メーカーから拍手が出るのだが、今回は衛星分離で初めて拍手が起きた(少々泣く)。
 次期基幹ロケットについては、現在H-IIAを磨くという方針を進めており、その将来は未定だ。
問(日刊工業新聞):事故調査報告書に定量的なリスク評価をすべしという指摘が出ているが具体的に何をするのか。
答え(河内山):定量リスク評価に向けた研究計画は出来ており、それに従って進める、
答え(浅田):ロケットのような少量生産品のリスク評価は、自動車のような大量生産品と違う考え方をしなくてはならないだろう。新しい学問分野になるのではないかと思う。航空機の手法がそのままロケットに通用するとは考えていない。
問:分離時のお気持ちを
答え(園田):感無量でした。「超気持ちいい」といいたいところだが、MTSAT-1Rがまだまだなので喜びは半分に押さえておきたいと思う。
問(航空新聞):4号機以降のRSCの役割は何だったのか。
答え(筒井):これまでは機体の発注業務を行い、出来た機体をJAXAに納入するというものだった。今回は機体をJAXAに渡さずにRSCの機体としてJAXAに打ち上げを依頼するという形になっている。分離時の軌道データはJAXAからRSCが受け取り、ロラールに渡す。ロラールは世界中に局を持っており、今後追跡管制を行う。
問():今後の発表は、国土交通省が行うのだろうか。
答え(大島):暫定静止化については国土交通省から発表する。アポジ噴射などのイベントは、気象衛星室ないし航空衛星室に問い合わせて欲しい。

以上です。



No.847 :午後8時からの記者会見第一部 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年2月26日(土)21時33分 投稿者 松浦晋也

午後8時からの記者会見です。第一部。メモをそのまま流します。一部聞き取れなかったところは空白になっています。

出席者
中山成彬文部科学大臣
立川敬二JAXA理事長
三戸宰JAXA理事
安富正文国土交通省審議官
井口雅一宇宙開発委員会委員長
津田義久ロケットシステム社長


 立川JAXA理事長
 実行部隊として今回のロケット製造に当たった三菱重工以下のメーカーやロケットシステムなどの人々の一致した努力の結果と思う。

三戸理事
 クイックレビューでは、衛星は所定の軌道に投入されたと思われる。

中山文部科学大臣
 打ち上げは現在のところ成功と言うことで喜びたい。1年3ヶ月前の失敗以来、総点検を経て今日を迎えることができた。関係者の総力を挙げた取り組みが実を結んだものと考える。今後も世界に冠たる日本の宇宙開発を目指してもらいたいと思う。

安富国土交通省審議官
 関係者の努力に感謝したい。気象観測は5月末、航空管制機能は2005年末をメドに運用を開始したい。

井口宇宙開発委員会委員長
 宇宙開発委員会は事故後、「人事を尽くして天命を待つ」という方針で取り組んだ。打ち上げ前、関係者の顔からは人事を尽くしたという満足感を感じた。その成果がみのって今回の成功になったのだと思う。今後は100%成功への挑戦を目指していきたい。これでH-IIAは今後13機連続成功させて、成功率は95パーセントとなる。これは世界の枯れた安定したロケットの成功率で、なんとかこの目標を達成したい。

津田RSC社長
 関係各者の努力に感謝する。

質疑応答
問(NHK):全開の失敗で国際的な信頼を損なった。今回の成功で信頼は回復できたか。答え(立川):まだ信頼回復のほんの一歩に過ぎない。
問:今回の成功の一番の要員は。100点満点で何点でしょうか。
答え(立川):人事を尽くしたつもりなので、私はだいぶ前から確信を持っていた。
問:(共同通信):今回の打ち上げを実際に見た感想は。
答え(中山):私は常日頃日本の科学技術を信頼してきたが、全回の失敗でその信頼が揺らいでいた。今回は失敗は許されない打ち上げだったのではないかと思う。打ち上げ成功を聞いてほっとすると同時に、「それが当然なんだ」とも感じた。「二度と失敗はない」という信頼を築かなければいけない。
問(時事通信):理事長も数をこなすことが大事だと言うが、予算は減り続けている。予算の手当は考えているか。
答え(中山):日本にとって宇宙とエネルギーは力を入れていくべきかと申し上げいるが、今後宇宙にも予算をと主張できる根拠が、今回の成功でできたと考える。
問(月刊天文):これから少なくとも20号まで成功しても成功率は0.95だ。海外との競争力についてどう考えているか。
答え(立川):H-IIAのコスト的な国際競争力は十分にある。なかったのは信頼性で、成功を積み重ねることが競争力強化につながる。また打ち上げを重ねることで越すとも下がる、。
問(テレビ朝日):打ち上げ1時間前のトラブルで、どんな気持ちがしたか。
答え(立川):私は実態を知っていたので心配していなかったが、大臣にはだいぶ心配をかけてしまった。
答え(中山):私は良くは分からないが通信系ということで、基幹ではないなと思っていた。私が種子島に来られたということは成功することだと考えていた。
問(NHK):SRB-Aの改良は生きたのだろうか。極低温試験などのリハーサルはコスト面の問題があるから止めるのか。
答え(立川):極低温試験はある程度実績ができたら止めることを考えている。SRB-Aは打ち上げのクイックルックで予定に非常に近い軌道を飛んでいることから、設計変更は成功したと考えている。
問(東京新聞):長期ビジョンづくりは、今回の成功を受けて変わる部分はあるでしょうか。
答え(立川):変更はありません。成功することを前提に作っているので。
問:05年度をメドとしていた民営化は
答え:誤解しているようだが05年度はプライム化だ。民営化については何年と決まっていない。今回の成功でその方向に向かうことになるだろう。

 写真は挨拶をする中山文部科学大臣


No.846 :打ち上げ写真その2 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年2月26日(土)19時34分 投稿者 松浦晋也

 成功を受けての記者会見は午後8時からです。


No.845 :打ち上げ写真 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年2月26日(土)19時23分 投稿者 松浦晋也

 撮影:牧野知弘


No.844 :打ち上げ成功
投稿日 2005年2月26日(土)19時16分 投稿者 松浦晋也

  H-IIロケット7号機は午後6時25分、種子島宇宙センターから打ち上げられました。打ち上げは成功し、ペイロードのMTSAT-1Rは打ち上げ後40分で予定の軌道に投入されました。

 松浦が写真撮影を失敗してしまったので、写真はもう少しお待ちください。

No.843 :午後6時25分打ち上げで作業再開しました。
投稿日 2005年2月26日(土)17時28分 投稿者 松浦晋也

午後6時25分打ち上げで作業再開しました

 表記通り午後6時25分打ち上げで作業再開しました。トラブルは打ち上げ作業に支障がないことが確認されました。

 本日のち上げウインドウは午後6時33分までです。

 天候は回復中、上空の雲が切れて日差しがロケットにも当たるようになりました。

 トラブルが発生したのは午後4時過ぎ。トラブルが発生したのはアンビリカル・コントローラーという部位で、データにエラーが出たり回復したりを繰り返してたとのことです。

No.842 :トラブル発生 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年2月26日(土)16時38分 投稿者 松浦晋也

 午後4時30分現在、機体と地上設備の間の通信にエラーが出たために、打ち上げ準備作業をXマイナス60分でホールドし、トラブルシューティングを行っています。


No.841 :午後4時の判断はGO
投稿日 2005年2月26日(土)16時09分 投稿者 松浦晋也

 午後4時のGO/NO GO判断はGOとなりました。準備は天候以外は順調に進んでいます。打ち上げまであと1時間を切りました。

No.840 :厚くたれ込める雲 ●添付画像ファイル
投稿日 2005年2月26日(土)16時04分 投稿者 松浦晋也

 午後3時50分現在の射点上空の雲の様子です。