宇宙作家クラブ
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No.925 :S-310打ち上げ成功
投稿日 2006年1月22日(日)13時20分 投稿者 松浦晋也

 午後1時ちょうど、内之浦宇宙空間観測所よりS-310-36号機が打ち上げられました。打ち上げは成功した模様です。

 宇宙作家クラブ取材班は、種子島最北端喜志鹿崎から、対岸大隅半島の打ち上げを見学しました。

No.924 :内之浦は、予定通り午後1時に打ち上げ予定
投稿日 2006年1月22日(日)12時03分 投稿者 松浦晋也

 内之浦からの連絡によると、S-310-36の打ち上げ準備は順調に進んでいます。現地は快晴で風も弱く、機器にトラブルがない限り、予定通り午後1時に打ち上げられる予定です。

No.923 :21日午後3時からのY-1ブリーフィング(再アップ、訂正版) ●添付画像ファイル
投稿日 2006年1月21日(土)16時55分 投稿者 松浦晋也

 本日午後3時から、プレスセンターでYマイナス1ブリーフィングが行われました。

 出席者は、園田昭眞JAXA企画主任、遠藤守H-IIAプロマネ、ロケット班の泉達司氏、富岡健治衛星主任。写真は質問に答える泉氏。
(最初のアップで、泉氏のお名前を、東氏と誤記していました。謹んで訂正し、お詫びいたします。以下再アップします)

 まず園田主任から

 本日午前10時からの主任会議で、最初のY-1で出たテレメータ送信機の不適合と、天候を検討し、23日午前10時33分の打ち上げを決定した。
 本日午後から残っていたY-1の作業を進めている。明日未明までかけて終わらせる予定。明日の午後6時半に機体移動のGO/NO GO判断を行い、午後9時半から機体移動を行う。


 泉氏から。ロケットのトラブルの説明。1月17日にテレメータ送信機3台のうち1台の電源を投入したところ、正常に電波を発信しないというトラブル発生。電源を再投入したところ正常に動作した。
 18日に送信機を交換。18日夕刻から、トラブルを起こした送信機を工場に送り返して試験を実施。数百回の電源投入を実施したが、トラブルは再現せず。
 この結果、トラブルは電源投入時にのみ起きるもので、かつ起きる可能性が極めて低いと判明。また電源再投入できちんと動作すれば以後は健全に動作すると判断した。

 園田主任:機体移動は午後9時半から。燃料注入のGO/NO GO判断は午前0時半、GOなら午前1時から燃料注入。
 天気について。24日のほうが天候が安定しているが、23日にも打ち上げ条件を満たすということで23日に決定した。ただし、22日時点の気象によってはまた1日延期する可能性がある。
  23日は、北寄りの風邪7〜9m/s、のち5〜7m/s 曇り時々晴れ、にわか雨。このにわか雨は小雨であり、打ち上げに支障があるものではないだろうと判断している。

 富岡主任から衛星の状況について。
 バッテリーの補充電と、モニターを継続している。本日午前中モニター項目を増やしてチェックした。すべて健全。本日夜からロケットと共に、アーミング(火工品関連の結線)を行う予定。


 以下質疑応答です。

共同通信 送信機不具合について。原因は分からないけれども、低頻度でやむを得ないものと判断されたのか。今日の作業でもう一度発生しても問題にしないのか。天気の状況を見ると22日と23日とでは大して違いがないように見えるのだけれども、なぜ23日か。

泉 トラブルは、送信機内の特定の部位で特定の条件で起きるというところまで分かっている。万一起動時に同じ現象が発生したならば、電源再投入で作業を進める。

園田 22日打ち上げのためには20日に打ち上げを決断しなければならない。20日の段階では雷雲を伴う低気圧の通過が予報されていたので、22日は打ち上げができないと判断した。

西日本新聞社 作業スケジュールについて。通信機器トラブルで作業ストップしていたということだと思うが、作業は再開したのか。それとも作業手順の組み直しがあったのか。
 明日の機体移動の前に23日打ち上げを延期する可能性があるとすれば、最終判断は明日の午後9時半と思えばいいか。
 トラブルの起きた送信機だが、電源起動はいつ行うことになっていたのか。

遠藤 ロケットに関しては、作業ストップのところから再開している。ただし、電波系の試験は、トラブル部位以外もすべて終了していたのだが、これだけは改めて本日やりなおしている。

園田 午後6時半の段階で判断する。

泉 送信機は打ち上げ前に電源を投入してそのまま入れっぱなしだ。正常作動が確認できれば、問題はないと判断している。電源投入は前日午後11時から0時にかけて行う。ここで確認を行えば、その後は電源は入れっぱなしとなる。

東京新聞 「送信機内の特定の部位で特定の条件で起きる」の詳細を知りたい。これは、前回の送信機固有のものなのか、それとも送信機全般に起こりうるものなのか。

泉 送信機発振部で起きていることは確認できている。送信機全般にあり得ることだが、可能性は非常に低いと考えている。

東京新聞 つまり前回トラブルを起こした送信機は異常ではなかったのか。

泉 トラブルを起こした送信機も、工場での試験では一回も起きなかった。このため起きる頻度が非常に低いと判断している。

東京から
毎日新聞 機体移動の判断。午後6時半に判断を行うということでいいか確認したい。送信機のトラブルについての判断を行ったのはいつか。

園田 そうだ。この時点での判断は天候が主体になると思う。

泉 送信機の判断は昨日午後に行った。

時事通信 9号機とM-Vの日程に影響が出るか。

園田 まだ分からない。まずは8号機が、出るかもしれない。

NHK 本日Y-1の作業をもう少し詳しく知りたい。

遠藤 推進系クローズアウトは、エンジン回りのアクセスドアを閉じるという意味。飛行系アンビリカル離脱系の最終準備は、アンビリカルケーブル、第1段のタンク間部に機体を支えるための装置の、最終的なセッティングを行う。ランヤードという綱が引っ張られるとアンビリカルが外れるという仕組みだが、準備時はわざとランヤードをゆるく張っている。これはぴんとはるということ。

NHK 送信機トラブルの内容をもうすこしかいつまんで教えてほしい。天候も23日はパーフェクトではないようだが。ALOSのウインドウが午前10時33分から43分の10分間の理由を知りたい。

泉 電源投入時で、送信機発振部が正常に動作しなかった。

園田 週間予報では23日に雨ということになっているが、実際には雲の切れ間もあり、雨雲が来たときに小雨がぱらつく程度。また冬のこの時期は最大瞬間風速は、平均風速の1.5〜1.7倍程度であることが経験上分かっている。このため平均風速10m/sであれば打ち上げは大丈夫と判断した。

富岡 ALOSは赤道を通過する時刻を午前10時30分とすることになっている。これはセンサーと太陽光の地上への入射角で決まっている。ウインドウは、初期のクリティカルフェーズの軌道制御の効率で決めている。例えば姿勢センサーの視野に月が入らないというようなことだ。これにより43分までというウインドウが決まった。

NHK もう少し送信機のトラブルを書きやすいように教えて欲しい。

泉 トラブル時には「故障の木解析(FTA)」という手法でトラブルの出る場所を特定していく。これにより、発振部がトラブルを起こしたことは突き止めている。電源の温度、電圧、電流などのデータから、発振部がトラブル源だと突き止めたわけだ。
 発振部内部の一体どこがトラブルを起こしたのか、水晶発振部なのか周波数制御部なのかは、現象が再現できていないこともあって、まだ特定できていない。

種子島にマイク戻る

西日本新聞 送信機の原因確認作業は終了したいうことか。それともより一層の解析を続けるのか。

泉 引き続き検討を進める。

遠藤 打ち上げに関する検討については、問題なしという結論を出している。しかし、先ほど話したようにまだ特定できていない問題もあるので将来的には、どう信頼性を向上させるかで今後検討を行うことになるだろう。

西日本新聞 福島の工場に返送した送信機を使って、引き続き原因究明を行うのか。

泉 とりあえず今のところ、その予定はない。

以上です。


No.920 :本日の内之浦の打ち上げは中止
投稿日 2006年1月21日(土)12時52分 投稿者 松浦晋也

 午後1時打ち上げを目指して準備していた、内之浦のS-310-36号機は、雨のため打ち上げ中止となりました。

No.919 :打ち上げは23日に決定
投稿日 2006年1月21日(土)11時24分 投稿者 松浦晋也

 本日午前11時の判断で、H-IIA8号機は1月23日打ち上げが決定されました。本日15時からY-1ブリーフィング(現状の記者会見)があります。

 内之浦ではS-310-36号機の打ち上げ準備が進んでいます。午前11時から打ち上げ準備作業が始まりました。天候は小雨。ぎりぎりまで引っ張って打ち上げるか否かの判断を行うとのことです。

No.918 :22日の打ち上げはありません
投稿日 2006年1月20日(金)11時25分 投稿者 松浦晋也

 本日午前11時の判断で、打ち上げは23日以降となりました。22日の打ち上げはありません。

 H-IIAの打ち上げは、毎日午前11時に判断を行います。

No.917 :射点に一番近い集落が立ち退いていた ●添付画像ファイル
投稿日 2006年1月19日(木)15時03分 投稿者 松浦晋也

 H-IIAの射点に一番近い集落だった、南種子町の広田集落ですが、今回センターに向かう途中で通過すると、一番センターに近い地域が全戸移転していました。後にはセンターの管理地であることを示す看板が立っています。

 1994年のH-II初号機打ち上げの時から、安全区域内として問題になっていた地域です。一部では安全区域のラインが家の中を通っているというところもありました。これまでは、打ち上げ当日だけ待避して貰うことで運用していましたが、立ち退き交渉がまとまったようです。


No.916 :現在、種子島宇宙センター ●添付画像ファイル
投稿日 2006年1月19日(木)15時01分 投稿者 松浦晋也

 現在宇宙作家クラブ取材班は、種子島宇宙センターのプレスセンターにいます。昨日夕方に、H-IIA8号機のトラブルが比較的軽微なものであったことを知り、急遽今朝のフェリーで種子島に渡りました。

 鹿子島方面は荒れ模様の天気です。フェリーはかなり激しく揺れました。明日は海が荒れて、フェリー欠航の可能性もあると思います。

 H-IIA8号機の打ち上げは、22日以降となりました。ただし、天候回復が、23日になる模様で、打ち上げは23日以降となる可能性が強いです。

 また、内之浦のS-310打ち上げも、19日は悪天候のため中止になりました。20日に順延しましたが、明日20日は今日以上に天候が悪化すると予報が出ており、こちらも22日、ないしは23日以降になる可能性が大です。

 現在、宇宙センター付近は、風が強く横殴りの雨が降っています。センターの予報官による天気予報では25日が晴れて風が弱いということなので、一気にここまで延期になるかも知れません。

 打ち上げ隊は、2機のH-IIA整備で、ここしばらくは相当なハードワークだったとのこと。逆に言えばこの悪天候は、ちょうど良い休養になるという雰囲気です。

「今日あたり、打ち上げ隊の面々が、上中(南種子町の地名)で飲んでいるはずですよ」(某氏談)

 写真は展望隊から見たH-IIA射点。


No.915 :本日の検討会はなし
投稿日 2006年1月18日(水)13時30分 投稿者 松浦晋也

「本日の検討会はなし。作業終了次第帰宅せよ。明日は定時」というアナウンスがありました。トラブルはなく、純粋に天候のみが問題だったようです。

No.914 :中止原因は雨
投稿日 2006年1月18日(水)13時27分 投稿者 松浦晋也

 中止の原因は雨でした。打ち上げ10分前に発射する建屋の屋根を開きますが、その10分間に雨に濡れた場合、電装系に影響が出る可能性があるとのこと。本日の予報では昼過ぎに雨が止むということだったので準備を進めていたけれども、小雨が続いてしまったとのことです。

No.913 :打ち上げは延期
投稿日 2006年1月18日(水)13時22分 投稿者 松浦晋也

 13時10分、天候不良のため打ち上げは延期されました。次の予定日は19日13時00分です。


訂正が1件あります:S-310-6号機→S-310-36号機

No.912 :実験は神戸大学と東京大学が企画 ●添付画像ファイル
投稿日 2006年1月18日(水)11時55分 投稿者 松浦晋也

 今回の実験は、東京大学中須賀研究室(網面展開)と、神戸大学賀谷研究室(送電実験・網面移動ロボット)が企画したものです。記者室にはすでに記者会見用の名札が設置されていました。


No.911 :S310打ち上げ取材開始 ●添付画像ファイル
投稿日 2006年1月18日(水)11時52分 投稿者 松浦晋也

 現在宇宙作家クラブ取材班は、内之浦の内之浦宇宙空間観測所に来ています。

 本日午後1時、実験ロケットS310-6号機が打ち上げられます。無重力条件下での、1)親衛星・子衛星によるスラスターを使った網面の展開、親衛星1機と、子衛星3機のアンテナを一つのフェーズド・アレイ・アンテナとして合成して電力を送信する送電実験、3)無重力環境下で網面上をロボットが移動――という3つの実験を実施します。
 到達高度は130kmを予定。打ち上げ後80秒でノーズコーンを分離、83秒で燃え尽きたロケットモーター部分を分離。130秒に衛星を固定していたロックを解除して展開と送電実験を開始、158秒/高度130kmで網面を完全展開してロボットの移動開始。276秒で実験を終了します。
 実験装置は海面に落下して投棄されます。

 宇宙作家クラブ取材班は、当初種子島宇宙センターからのJH-IIAロケット8号機を取材するために、17日から自動車で移動を開始しました。ところが18日早朝、鹿子島新港フェリー乗船場で、H-IIAロケットがトラブルにより打ち上げを延期するとの報を聞き、急遽目的地を内之浦に変更し、午前10時半過ぎに、内之浦宇宙空間観測所に到着しました。

 S310ロケットの打ち上げ準備は午前11時から始まりました。現地の天候は小雨。正午前後に最終的な打ち上げ実施判断を行います。午前11時には風向きを見るための気球が放たれました。

 写真は放たれた気球。


No.910 :宣伝:12月2日(金曜日)、新宿・ロフトプラスワンでトークライブ「ロケットまつり9」を開催します
投稿日 2005年11月30日(水)10時11分 投稿者 松浦晋也

 今週の金曜日に「ロケットまつり9」を開催します。秘蔵資料公開と、まだまだ続くラムダロケットの話です。

宇宙作家クラブPRESENTS
「ロケットまつり9」
ラムダロケットのお話。再び。あといろいろ。
【Guest】林紀幸(元ロケット班長)、垣見恒男 (日本で初めてジェットエンジンを設計)
【出演】浅利義遠(漫画家)、松浦晋也(ノンフィクション・ライター)、他
12月2日金曜日
Open/18:30 Start/19:30
ロフトプラスワン :新宿・歌舞伎町

¥1000(飲食別)

No.909 :宣伝;11月17日(木曜日)、新宿・ロフトプラスワンでトークライブ「小松左京、かく語りき」が開催されます
投稿日 2005年11月14日(月)09時17分 投稿者 松浦晋也

 表記の通り、小松左京トークライブが開催されます。


「小松左京、かく語りき」
地球、自身、宇宙…神に至るまで縦横無尽に語る!
【出演】小松左京(作家)
【聞き手】笹本祐一(SF作家)、鹿野司(サイエンス・ライター)、松浦晋也(ノンフィクション・ライター)
11月17日(木曜日)
18:30Open/19:30Start ¥2000(飲食別)

ロフトプラスワン :新宿・歌舞伎町

※前売発券あり。ローソンチケットにて11/6〜発売(Lコード:35578)