宇宙作家クラブ
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No.1181 :ブリーフィング後に ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月23日(金)14時05分 投稿者 松浦晋也

 ブリーフィング後のぶらさがりにて。

佐藤:ぎりぎりまで2月中に打つ努力をするけれども、そろそろ頭の体操として、3月以降になるケースを考え始めています。

(夏になるのかという質問に対して)
 まだセレーネの打ち上げをどうするかというところまでは考えていません。すべての地上設備が2系統あればいいのですが、一部共用なもので、夏に2機を打ち上げるならば、施設のやりくりを考えなければいけません。

 とにかく天候です。次に推進剤を入れた状態で延期になると、中5日で2月中はなくなりますからね。
 遠藤打ち上げ主任は、いつも空ばかりみていますよ。打ち上げ隊ではにわか気象予報士が続出です。


No.1180 :23日のYマイナスゼロブリーフィング ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月23日(金)14時03分 投稿者 松浦晋也


 午後1時30分からのYマイナスゼロブリーフィングの様子です。

 出席者は佐藤寿晃企画主任。

佐藤:午前11時から主任会議を行い、天候判断を行った。すでに機体の準備はできているので、気象関係を中心に説明する。

 昨晩強い雨と風をもたらした低気圧は、通り過ぎ、大陸から高気圧がはりだしてきている。明日は晴れとなる。高層雲は出る可能性があるが打ち上げに支障を来す可能性はない。

 今現在、センター付近は強い風が吹いている。明日の打ち上げ時刻の予想は風速9mと少し強めだ。打ち上げ条件は突風で14.5m以下なので、打てない風ではないが、注意ポイントである。
 風は、機体移動には支障はない。

 打ち上げ時間帯は今日の解析により、今までと同じ午後1時41分から10分である。打ち上げ準備作業スケジュールには、基本的な変更はない。

質疑応答

朝日新聞:前回の中止原因となった氷結層は問題ないのか。

佐藤:問題ないと判断している。

NHK:明日は風が問題とのことだが、判断は具体的にどう行っているのか。作業的スケジュールは、すべて前回と同じと考えていいのか。最後に、現在の気持ちを聞きたい。

佐藤:天気図や気象庁の情報を元に風速を予測している。風速は連続的に打ち上げ直前まで確認する。ブロックハウスでは、ずっと射点の風速を測定しており、打ち上げ直前には遠藤主任が打ち上げ中止か否かを判断する。

 スケジュールは変更なしである。

 また、2日の延期でかなり休養がとれたので、余裕を持って作業を進められると思っている。

NHK:今日までの段階で、機体の問題は出ていないのか。確認したい。

佐藤:前回園田さんから、トラブルが少なかったという話が出たが、あれは打ち上げ準備作業全体の話で、カウントダウンに入ってからはほとんどトラブルはない。前回の中止から推進剤排出、点検においてトラブルは出ていない。
 本日ロケット系は休みで、衛星も補充電しかしていない。

鹿児島テレビ:荒天対策費はIGS打ち上げのみということが、これがIGSのみに用意されているという理由を知りたい。

佐藤:政府からの受託ミッションなので、追加支出が発生すると政府に請求しなくてはならない。年度末に近いので、ここで大きな延期が出ると予算対応が難しくなる。このためあらかじめ予算枠を確保してもらっている。 JAXAミッションでは、JAXAの予算の中でやりくりができる。

毎日新聞:打ち上げ費用を確認したい。24日になったことで変化はあるか。

佐藤:試算によれば、明日打ち上げとなると追加4.4億円となる。総額112億4000万円ということになる。


以上です。


No.1179 :3回目の延期の記者会見 ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月21日(水)13時55分 投稿者 松浦晋也

 21日午後1時30分からの延期記者会見の様子です。

 出席者は佐藤主任のみ。

佐藤:前回のことがあるので天候判断を慎重に行うことにしている。本日11時の主任会議は、少し遅らせて11時30分から実施した。射場は現在高気圧に覆われている。

 今後の天気は前線が通過し、また大陸からの高気圧が西から東に移動してくる。
 明日は16日の天気と推移が似てくるという点を非常に気にしていた。打ち上げ直前になって雲が出てくるかどうかを重点的に判断した。その結果24日の天気が非常によさそうであると判断した。ぎりぎりまで22日の作業を進めるかどうかも考えたが、作業者の疲労もあるので、24日は延期した。

 作業はYマイナス1まですべて終わっている。今後は23日夜まで作業は基本的に休みで進むということになる。

南日本新聞 22日は氷結層が出る可能性があると判断したのか。

佐藤:雲の出方が予測しずらいところで、雲のでやすい日を避けたということである。

南日本新聞:昨日の時点でも24日も天気がよいと判断されていたはずだが。

佐藤:確かに昨日の時点で24日にすべきではないかという議論があった。しかし気象庁の予報精度の問題もあり、また打ち上げウインドウの後ろが切られていることもあり22日で進めようということになった。

NHK:これで打ち上げ三度延期になるが、作業者のモチベーションや負担に問題は出ないのか。

佐藤:今日も明け方まで作業を進めることもありえたが、作業者の疲労を考えて延期した。

NHK:推進剤を充填したことによる機体トラブルなどなないか。

佐藤:ない。天気のみが問題である。

共同通信:延期費用はどうなるのか。

佐藤:22日打ち上げとしては4億円かかるという試算を出してあった。昨日の記者会見の通り。24日打ち上げの場合は、まだ試算は出していないが、3000万から6000万円が2日かかると思ってもらいたい。
 4億円中の3億円は荒天対策費用として当初予算に組み込まれている。

鹿児島テレビ:荒天対策3億円の中身はなにか。

佐藤:計画の段階で過去の予測を含めて形状しているもの。

鹿児島テレビ:これま毎回計上しているものか。

佐藤:情報収集衛星打ち上げに特有のもの。その他の打ち上げでは、費用が発生した時点で充当する。

鹿児島テレビ:現在の心境は。

佐藤:打って失敗してはいけないので、きちんと仕事をしていこうと思っている。

以上です。


No.1178 :打ち上げは24日に
投稿日 2007年2月21日(水)13時26分 投稿者 松浦晋也

 22日に悪天候が予想されるため、打ち上げは24日に延期となりました。

No.1177 :ブリーフィング後の会話から ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月20日(火)19時35分 投稿者 松浦晋也

遠藤「いやもう春の天気ですよ。変わりやすい」

 推進剤を毎回抜くのは外国もやっているのかという質問に。

遠藤:海外では、推進剤を抜かずにそのまま次のに打ち上げた例も存在する。我々はそういう方法をとらずに、一度抜いて点検するということにしているということ。もしも抜かないという運用をするなら、タンクに24時間推進剤を詰め続けて問題が出ないかを試験する必要があるだろう。

 今後例えばH-IIBでそういうことをするのか。と問われて

遠藤:いや、やるつもりはない。


 超過費用4億円で、1億が推進剤なら3億は人件費かという質問に。

佐藤:確かに人件費がかなりの部分を占める。人数を減らせばこの部分は減るが、安全に打ち上げるということとどう両立させるかが難しい。データをすべて工場に送って技術者が出張せずにトラブルシューティングできるというような仕組みを作るということもアイデアとして出ている。

松浦:人数は増えてますよね。H-IIは1号機が500人ぐらいで、その後300人ぐらいまで下がった。事故の後増えて高止まりしている。

佐藤;高止まりしているのは事実。ただし、現在の打ち上げ隊人数の発表には、以前は含めていなかった小笠原などの追跡局の人数も含めている。とはいえ、増えたままになっていることは間違いない。


No.1176 :やりなおしのYマイナス1ブリーフィング ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月20日(火)19時32分 投稿者 松浦晋也

 20日午後7時からのYマイナス1ブリーフィングの様子です。

 出席者は、佐藤寿晃規格主任と、遠藤守ロケット主任。


佐藤;16日、20分前に延期を決めたわけだが、その後推進剤をすべて排出して機体を組立棟に戻した。17日に火工品の解除、19日にかけて配管系などの点検を行っている。
 今日はYマイナス1作業で、もういちど推進系クローズアウト、アーミング、地上推進剤貯蔵系の点検などを行っている。明日はほとんどおやすみ。スケジュールは前回とほぼ同じ。
 打ち上げ時間は明日最終解析を行って決定する。ウインドウに変化はない。

 天候は明日も今日と同様に晴れ、ただし気圧の谷が入ってくるので雲が出やすくなる。風はやや強くなりつつあるが打ち上げには影響のない範囲と予報されている。
 天気については慎重に判断していきたい。22日の打ち上げ時間帯は、曇り時々雨、やや風が強めという予報なのだが、打ち上げに支障が出るほどではないと判断した。明日の午前11時の主任会議で、また天候判断を行う。

以下質疑応答

西日本新聞:推進系のリサイクル作業で異常は出なかったのか。また、今後3月でも打ち上げ可能な交渉をしているのか。

遠藤:問題は特にでなかった。順調に作業は進んでいる。

佐藤:基本的には2月末日までに打ち上げるようにしたいと思う。大きくのびるなら政府と調整することになるが、現状では特に考えていない。

産経新聞:延期でかかる費用について聞きたい。

佐藤:15からの延期で22に打ち上げられるとして、試算が出ている。トータルで4億円の追加が発生する。

産経新聞:打ち上げ費用は全部で115億円ということか。


広報:111億の中に「荒天対策費」の3億強が最初から含めているので、現状では112億円である。

毎日新聞:打ち上げ費用で確認したいが111億円には人件費が入っているわけか。

佐藤:推進剤と人件費が入っている。今回も4億円のうち約1億円が推進剤の蒸発分などである。

以上です。


No.1175 :打ち上げは22日
投稿日 2007年2月20日(火)13時24分 投稿者 松浦晋也

 H-IIAロケット12号機の打ち上げは、22日に決まりました。

 本日午後7時からYマイナス1ブリーフィングが開催されます。

No.1174 :長谷から撤退;うどんや ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月16日(金)15時58分 投稿者 柴田孔明

 なべいっぱいのうどんを作っていたうどん屋さんも撤退です。


No.1173 :氷結層の資料 ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月16日(金)15時55分 投稿者 松浦晋也

 今朝、航空機でどのあたりの雲を観測したか、その結果がどうだったかの資料です。


No.1172 :記者発表資料 ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月16日(金)15時54分 投稿者 松浦晋也

 氷結層に関する資料です


No.1170 :中止直後の長谷運動公園の様子 ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月16日(金)15時18分 投稿者 柴田孔明

 もうかなりの見物客が帰り始めていました。帰りのクルマが渋滞していたので、かなりの人出だったようです。

「ロケットあがりましたか」と質問してくる人もいたり。


No.1168 :中止決定時のロケット ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月16日(金)15時15分 投稿者 松浦晋也

 ロケットを正面に臨む上里から、中止決定時のロケット。

 撮影:柴田孔明


No.1167 :記者会見の後、苦笑いする園田代理 ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月16日(金)15時06分 投稿者 松浦晋也

「ロケットも設備も衛星も、本当に調子よかったんですけど」

「今日は午前10時ぐらいまでは本当に天気良かったんですけれど、11時ぐらいになるとみんな憂鬱になってしまってねえ」

記者から「2月を逃すと次は6月になるんですか」という質問に。

「それはまだわかりません」

「でも3,4,5月はないと?」

「それはそうです」


No.1166 :記者会見写真 ●添付画像ファイル
投稿日 2007年2月16日(金)14時55分 投稿者 松浦晋也

 氷結層の説明をする佐藤主任


No.1165 :午後2時半からの記者会見
投稿日 2007年2月16日(金)14時52分 投稿者 松浦晋也

 中止を受けた午後2時30分からの記者会見の様子です。予告から少々遅れました。

 出席者は佐藤寿晃企画主任、園田昭眞打ち上げ実施責任者代理。

園田:今回の打ち上げは、衛星もロケットも設備もこれまでにないほど、順調に進めてきた。ターミナルカウントダウン開始以降も天候確認を含めて順調だった。打ち上げ1時間前の天候判断で、急激というほどでもないが天候が変化し、氷結層が出てきた。最終的には航空機観測を行い、氷結層の厚みが基準の倍以上あり、センターから離れた場所でも厚みに変化がないことがわかり、打ち上げを中止した。

佐藤:11号機と同じ事象で中止することになった。氷結層を説明すると、0℃からマイナス20℃の温度層の雲で氷結した氷が帯電し、マイナス電荷が重みで下がり、プラス電荷が上昇気流に乗って上に上がり、電荷の分離が起こる。そこを噴射ガスをたなびかせてロケットが上昇すると、落雷を誘発することがある。

 氷結層観測の方法:気象庁からのデータ、センターからのバルーン放球などで観測をしている。また、航空機による目視観測を行っている。

 今日は、上層では西から東に風が吹いている。航空機は雲の下と上を飛び、雲の厚さを測る。今回打ち上げ1時間前の段階で雲の厚みは4.2kmで限界の1.8kmを超えていた。しかし推進剤を充填しているので、条件付きでGO判断を出し、ロケット飛行方向の氷結層の厚みを航空機で観測した。最終的に射場付近の雲の厚さが2.9kmあった。
園田:推進剤を充填しているので、排出、機体戻し、点検という手順をとる。基本的には中5日で次の打ち上げを実施することになっている。しかしそれより短くできないかという検討も今後行う。

質疑応答

朝日新聞:日程について。いつ頃に次の期日を発表できるか。

園田:今回は28日までがウインドウとなっている。打ち上げ2日前には打ち上げ日を発表できる。

朝日新聞:今日明日は出てこないか。

園田:それは無理だ。

共同通信:推進剤を抜いて組立棟にもどすのはいつか。

佐藤:今までの実績だと今日の夜半前になるだろう。

共同通信:延期の費用はどれぐらいか。

佐藤:昨日3000万から6000万と答えたが、今日に関しては6000万に近いコストがかかっているはず。3000万円は技術者を全員拘束した場合である。

共同通信:天候判断はよかったのか。

佐藤:かなり微妙だった。もう少し天候が持つと思っていたし、また雲ももう少し薄くなると予想していた。

日経新聞:28日までの打ち上げが難しくなった場合はどうするのか。

園田:28日までに打ち上げるべく最大限努力する。

不明:今回順調だったということだが、今までと比較できる数字はあるか。これまでにこんな延期パターンはあったか。ウインドウに変化はあるか。

園田:記憶に頼って答えるがトラブル件数は機体が17が12に、設備が52が23に減っている。あまり思い出したくないが、H-IIA6号機とH-II8号機がやっている。

広報:詳細は後で答えます。

西日本新聞:低温燃料充填による機体の損傷はあり得るか。打ち上げウインドウは大幅変更になるか。中止決定の時刻はいつか。

佐藤:損傷は心配ない。ウインドウは今後解析が必要。中止時刻は13時21分。

南日本新聞:情報収集衛星ということで慎重に判断したのか。

園田:打ち上げ制約条件を逸脱して打ち上げることはない。今回は氷結層というきちんとした基準が決まっており、しかも倍以上の厚みがあったので止めたのは当然だと思っている。

NHK:天候予測がはずれたのは、雲の厚みか、進路か。

佐藤:昨日は大陸から雲がくることはわかっていたが、予想よりも雲が早く進んできたことと、また予想以上の厚みがあった。

以上です