宇宙作家クラブ
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No.1316 :2段目 ●添付画像ファイル
投稿日 2009年2月13日(金)00時41分 投稿者 野尻抱介

 2段目はH-2Aのそれとほとんど変わらない。


No.1315 :1段目の上部 ●添付画像ファイル
投稿日 2009年2月13日(金)00時40分 投稿者 野尻抱介

 1段目の上端はテーパーしてH-2Aと同じ直径になり、2段目に結合する。タンク部分は断熱材が塗布されて白っぽく見える。


No.1314 :クラスター化されたLE-7A ●添付画像ファイル
投稿日 2009年2月13日(金)00時36分 投稿者 野尻抱介

 保護カバーに覆われているのが残念だが、双発化にともなう配管が垣間見える。ノズルはロングノズルが使われている。


No.1313 :二人のプロジェクトマネージャー ●添付画像ファイル
投稿日 2009年2月13日(金)00時32分 投稿者 野尻抱介

 JAXA H-2Bプロジェクトマネージャー中村富久氏(右)と三菱重工 H-2Bロケット プロジェクトマネージャー後藤智彦氏


No.1312 :H-2B(H-IIB)コア機体報道公開 ●添付画像ファイル
投稿日 2009年2月13日(金)00時22分 投稿者 野尻抱介

 2009年2月12日、愛知県の三菱重工飛島(とびしま)工場にてH-2Bのコア機体が報道公開された。宇宙作家クラブからは鹿野司、今村勇輔、小川一水、野尻抱介が出席した。
 飛島工場は名古屋港の一角にある。すぐ外に貨物船を接舷できるから、ロケットや航空機の海上輸送に適した立地である。報道陣は名古屋駅から送迎バスで現地入りした。

 H-2BはJAXAと三菱重工の共同開発で、H-2Aロケットをベースにした新しい国産最大のロケットである。コア機体とは1段目と2段目をあわせた部分のこと。これに固体燃料ブースター(SRB-A)と衛星フェアリングを取り付けると打ち上げ時の姿になる。

 H-2Bの第2段はH-2Aとほとんど同じで、若干強度を上げている程度。大きく変わったのは第1段である。
 最大の特徴は1段目エンジンがLE-7Aを二基束ねた、国産初のクラスター・ロケットになったこと。すでに三回の燃焼テストを成功させている。(写真参照) この報道公開ではすでに保護カバーが取り付けられ、LE-7Aエンジンの威容は拝めなかった。
 機体全長はH-2Aとほぼ同じ56mだが、1段目の直径が4mから5.2mに膨らみ、搭載燃料は1.7倍になった。旅客機を拡張するときは胴体直径をそのまま、全長をストレッチするのが普通だが、H-2Bでは逆の選択をしたことになる。理由は機体強度の保持において有利なこととと、ロケット組立棟や射点設備の変更を最小にすることだという。
 H-2Bは「H-2Aの増強型」として扱われることが多いが、直径が変わり体積が2倍近くになったのだから、新型ロケットとみなしてもいいだろう。H-2Aと比較すると「H-3」と呼んでもおかしくない貫禄がある。
 構造系の新技術としてはタンクドームの国産化と、摩擦攪拌接合方式(FSW)が導入された。タンクドームは円筒形の燃料タンクの上下にあるドーム状のパーツで、アルミ合金を一体のまま成型している。摩擦攪拌接合とは溶接に置き換わるもので、タンクスキンを素材の展性・延性によって結合する。FSWの利点は接合作業が機械化できることにあるという。

 H-2Bの開発費はJAXAの負担が187億円、三菱の設備投資が75億円、合計262億円。三菱の設備投資は今後の数機ぶんに分散して回収する見込み。
 H-2Aの開発費は1500〜1600億円である。海外の同規模のロケットに較べてもH-2Bの開発費は一桁安い。SAC取材班内でも「バカみたいに安い」が一致した感想であった。H-2Aで確立した技術がなければこの費用では実現しなかった、とプロマネは述べている。
 開発費と別勘定の、H-2B 1号機単体の価格は147億円。1号機は試験機であるため様々なオプションがつき、通常より高価になっている。2号機以降の価格は現時点では確定できないとのこと。

 H-2B開発の目的は大きく二つある。
(1) 国際宇宙ステーション補給機(HTV)を運ぶこと。これには高度300km×200kmの略円軌道に16.5トンを投入する能力が必要である。
(2) H-2Aロケットと併用して多様な打ち上げ能力を保有し、国際競争力をつけること。H-2Bは静止トランスファー軌道に約8トンを投入する能力がある。これにより、2〜4トンの静止衛星を2機同時に打ち上げることができる。
 国際宇宙ステーションについては計画が大幅に遅延・縮小し、お荷物扱いする向きも多い。また、衛星については小型化の傾向もあることから、H-2Bが今後どれだけ活用されるかは予断を許さない。
 いっぽう、HTVの輸送ミッションは国産技術で初めて、既存の宇宙施設にランデヴー&ドッキングする機会である。その輸送量や液体燃料ロケットのクラスター化とあいまって、日本の宇宙技術における大きな一歩を印すことになるだろう。H-2Bは宇宙輸送において、世界の檜舞台に立てる能力がある。我々はもはや他国の大型ロケットを指をくわえて見ている必要はないのである。

 H-2B 1号機はこの報道公開の後まもなく種子島に運ばれる。種子島では第1段実機型タンクステージ燃焼試験(CFT)、地上総合試験(GTV)が行われる。作業が計画どおりに進めば、本年夏、HTV技術実証機を搭載しての打ち上げとなる。


No.1311 :記者会見第三部の最後に ●添付画像ファイル
投稿日 2009年1月23日(金)17時12分 投稿者 松浦晋也

 自分らの衛星を囲んで。


No.1310 :記者会見第三部 ●添付画像ファイル
投稿日 2009年1月23日(金)17時10分 投稿者 松浦晋也

記者会見第三部

出席者
吉田和哉 東北大学教授
今村博昭 東大阪宇宙開発共同組合理事長
山本勝令 株式会社ソラン宇宙システム事業部長
石川智浩 都立産業技術高専 准教授
佐藤友紀 東京大学中須賀研究室 研究員

音声参加
能見公博 香川大学 准教授

画像参加
橋本英一 JAXA宇宙実証センター長(筑波宇宙センター)

 向かって右側に
江藤隆夫 JAXA産学官連携参事

 写真はスプライト観測衛星を「雷神」と命名したことを発表する吉田教授。


橋本:SDS-1は分離を確認。衛星状態が良好であることも確認できた。

吉田:我々のスプライト観測衛星は、地球一周後、東北大学で電波をキャッチ。分離を確認した。テレメトリのデータから衛星の状況は正常であることを確認。相乗り機会を提供してくれたJAXA、三菱重工業に感謝する。
 愛称を雷神(RISING)と命名した。スプライトの宇宙からの観測は世界初、また地上落雷に伴うガンマ線発生を検出することも狙っている。この衛星は東北大学の理学研究科と工学研究科が協力して開発した。データが取れれば理工の協力による成果となる。

今村:2002年以来、NEDOの委託事業として衛星を開発してきた。増田宇宙通信所で電波を受信し、衛星軌道投入を確認、衛星名を「まいど1号」と命名した。関係各位、全国から応援してくれた人々に感謝します。当初は日本から“不況”という言葉を吹き飛ばすべく開始した計画だが、未曾有の大不況の中の打ち上げとなった。この打ち上げが不況を吹き飛ばすきっかけとなることを狙う。

山本:まず、今回、ミッションの一環として障害を持つ子供達が宇宙が丘で打ち上げを見学したことを報告したい。衛星のほうは、まだテレメトリーの確認はできていないが、今後一生懸命衛星を追いかけてミッションを達成したい。たくさん人々の力を借りて衛星を作り、上げることができた。小型衛星は簡単ではなく、ハードルは高い。くじけそうなこともあったが、子ども達の笑顔と共にNever Give Upの気持ちでここまでくることができた。

石川:今日自分がここにいるのは、学生達の代弁者である。衛星の名前KKS-1、航空高専サテライト1号。今度航空高専という名前はなくなるので、その名前を残したかった。
 愛称は公募で「きせき(輝汐)」と決まった。
 15歳から22歳の楽聖が作り上げた衛星である。普通に中間テストや期末テストがある環境の中で、土日と長期休暇をすべて注ぎ込んでできあがった衛星である。また、荒川区・足立区の中小企業、商工会議所などの応援があって航空高専衛星となった。メインのミッションはマイクロスラスターという固体火薬にレーザーで着火するスラスターを宇宙空間で試す。
 現状では通信がまだ取れていない。通信確立後は、地球の写真撮影、姿勢制御実験、最後はマイクロスラスターの試験を行う。

能見:衛星の愛称は「くうかい」。衛星は北海道工業大学で電波を受信し、分離を確認した。衛星は親機と子機の構成で、宇宙でひもを伸ばす実験を行う。子機は姿勢制御機能を持ち、写真撮影も行う。親機、子機ともに電波を受信できている。
 打ち上げは300人が入る教室で小中学生が集まって映像と共に盛り上がった。

佐藤:最初のパスでは電波の受信はできなかった。これは当初予測通りであって、今夜、仰角が高いパスがあるので、その時に受信を狙う。我々の衛星は超小型の地球観測衛星で、光学系を進展する。
 愛称は、衛星電波受信後に公表したい。Yes we can.です。

質疑応答

NHK;おひとりずつ、打ち上げの瞬間に立ち会った感想と、これまでのとびきりの苦労を一つづつお願いしたい。

吉田:光と轟音とで“雷のように登っていった”と感じた。開発には一言で言えない苦労もあった。時間との戦いだった。2007年5月に採択され、そこからフライトモデルの開発に入ったので実質1年で作っている。「間に合うか間に合わないか」で、ぎりぎりのところで間に合わせることができた。
 我々はSバンドの2.4mパラボラアンテナを大学構内において受信に使っているが、これが完成したのは2日前だった。すべてぎりぎりで間に合った。

今村:モニター経由と実際とはこんなにも違うのかと思った。自分の作ったスピンアップホイールが最初に仕事をするのだが、「しっかり働いてくれ」と思った。衛星を作るほうは無我夢中で苦労はなかったが、組合の運営で色々あった。それでもここまでこれて感無量だ。

山本:音と光が印象的だった。特に音は「振動試験をしたけれど大丈夫かな」というほどに感じた。限りある資金の中でやらねばならないというところが苦労だった。また、打ち上げ時の安全のハードルが高かったが、いい経験をした。

石川:感動の一言。光に遅れて音が来るので「本物だ」と思った。参加した12名の学生達も見に来ていたが、彼らも非常に喜んだ。自分にとって衛星の成功と学生らの喜ぶ顔を見ることができてダブルの喜びだった。
 苦労は、まず資金面。最初は海外での打ち上げを考えて、寄付を集めていた。次に苦労したのが学生らの旅費。あちこちに試験を行うための旅費が必要だが親御さんに迷惑はかけられない。最終的にOBから寄付でまかなうことができた。

佐藤:PRISMは非常に長い時間をかけて作ってきた。私は最後の2年間を担当した。打ち上げを味わったことは大変幸運だと思う。今晩も研究室では受信努力が続く。私たちの作ってきた衛星のすばらしさをアピールしたい。

能見:教室にみんなで集まってカウントダウしながら打ち上げを放送で見ていた。個人的には私は「おりひめ・ひこぼし」に参加して、打ち上げを種子島で見ている。おりひめ・ひこぼしも親子衛星でくうかいと似ている。おりひめ・ひこぼしに負けない成果を出したい。
 苦労は、打ち上げを見た瞬間吹き飛んだ。今は思い出せないです。

江藤:私はロケットの開発がメインで、逆に打ち上げを見ることはなかった。打ち上げの時はブロックハウスやRCCの中、とか。音です、やはり印象に残っているのは。

毎日新聞:今村理事長へ。今回の成功は大阪の町工場に何をもたらしたと思うか。今後も衛星開発は続けるのか。

今村:まだはっきりとはしない。今後は、今組合が縮小傾向で今後をどうするか相談中。方向性は出ていない。

不明:電波がとれていない衛星の皆さんに。自前設備以外での受信報告は来ていないのか。

山本:うちの「ソラン」は日本に3つの地上局を転回して、そこで受信する体制を持っている。

石川:KKS-1は「あるいは」という受信報告は来ているが確認が出来ていない段階だ。

佐藤:協力局から「あるいは」の報告は来ている。

毎日新聞:これらの未受信衛星の次の受信のチャンスは。

山本:すべて「いぶき」と同様の軌道に入っているので昼と夜に受信チャンスがある。今晩のチャンスに受信するつもり。

南日本新聞:まとめてどこかで受信報告を出すことは考えていないか。

JAXA広報:考えさせてください。

読売新聞:石川先生へ、12名の学生さんはすべて高専生でしょうか。

石川:高専は15歳5年間。その後研究科で2年。最初は15歳で半田付け経験なし、プログラミング経験なしだったものが、長足の進歩を遂げた。なによりも考え方が、「自分たちが主体となって人工衛星を作るんだ」とい意識となり、自主的に問題と取り組み話し合うようになった。このことが私にとっての大きな感動だ。

読売新聞:今村さんに。受信の報を聞いた時の感想。計画に参加した事の感想をお願いしたい。

今村:運用はJAXAの施設を借りた。スピンアップは正常動作しており、衛星は毎分2回で回っている。私の「うまくうごいてくれよ」という願いは叶った。自分の場合は不況のどうのこうのよりも、新しい技術に挑戦したいという思いでやってきた。若い大学を卒業したばかりの若い人たちと仕事が出来たことがうれしい。これまでの経験の幾分かを伝えることができたと思うので。

以上です。


No.1309 :「いぶき」命名者代表者の表彰 ●添付画像ファイル
投稿日 2009年1月23日(金)17時08分 投稿者 松浦晋也

 記者会見第二部の最後に、公募した「いぶき」という名前の命名者代表の表彰がありました。


No.1308 :記者会見第二部 ●添付画像ファイル
投稿日 2009年1月23日(金)17時06分 投稿者 松浦晋也

記者会見
第二部です。

 写真は「私はヒマでした」と語る前村打ち上げ執行責任者

出席者

園田昭眞 打ち上げ安全管理責任者
前村孝志 三菱重工業 打ち上げ執行責任者
浜崎敬 JAXA「いぶき」プロジェクト・マネージャー 衛星管制主任
横田達也 国立環境研究所 GOSATプロジェクト・リーダー
橋本徹 環境省地球環境局主査

園田:打ち上げ執行は三菱が完璧に行った。私の仕事は前村さんがYes we canというところをNoというもの。Noと言わずにすんで本当に良かった。

前村:今日、ロケットの不適合はゼロで、私はヒマでありました。天候も問題なく、非常に良い打ち上げだった。

浜崎:打ち上げ後の経過。13;15からオーストラリアのパース局でテレメトリをとり、電池パネルを開いたことを確認。最初に太陽電池パネルを太陽に向けてゆっくり回転する太陽指向モードに入った事に入った。その後サンチャゴ局で太陽電池出力が正常であることを確認した。その後の運用でもすべて正常。24時間後までには三軸の姿勢を確立する。
 その後3ヶ月のチェックアウトを行い、ついで環境研と共同でセンサーの伽理ぶれーションを行う。世界に温暖化のデータを提供できるようにがんばっていきたい。

横田:今日の打ち上げはハードルがいくつかあるうちの第一歩。それを超えることができて関係各位に感謝している。

橋本:今後の「いぶき」のデータ積極活用を進めていきたい。


質疑応答

南日本新聞:11ヶ月ぶりというブランクがあったが、にも関わらずうまくいった理由はどこにあるか。

前村:最大の懸念は作業者の習熟度だった。並行して開発中のH-IIBの開発現場に作業者を出したり、12月に種子島でリハーサルを行うなどの手を打っていた。

南日本新聞:ではロケットは完成したと言っていいのか。

前村:完成度は上がっていると考えているが、世界では20機以上打っても事故は起きている。気をひきしめていきたい。

南日本新聞:昨日のほうが打ち上げには向いていたようだが、今後は打ち上げオペレーションも習熟する必要があるのではないか。

前村:昨日もデータを取っていたが、雲の状態がぎりぎりで、昨日打っていたらかなりスリリングなことになったろう。今日は見ていた方には気の毒だったが、全く打ち上げには心配ない状況だった。天候判断は正しかったと考えている。

産経新聞:商業打ち上げについて一言。

前村:我々は成功し続けなくてはならない。でなければ、世界で認めてくれない。長年ロケットをやっていると、成功の雰囲気というのは分かるようになる。今回についてはかなり以前から「成功する」と感じていた。

産経新聞:また、管制室でずいぶん喜んでおられたが、何か思い入れでもあったのか。

前村:韓国衛星受注後で失敗できないということと、大宮社長の就任後初で失敗ができない。衛星数も多くて期待も大きい。yes we didという気持ちが出たのだろう。

NHK:量産効果以外のコストダウン策はあるのか。
前村:ロケットの競争力では信頼性が重要。我々のコストダウンは「信頼性を低下させることはしない」というのが前提だ。

不明;コストダウンについて、いずれ工夫も尽きるはずだが、どこまでコストダウンできるのだろうか。

前村:後は液体酸素の使用量を減らす工夫をするなどが考えている。


No.1307 :記者会見第一部 ●添付画像ファイル
投稿日 2009年1月23日(金)17時03分 投稿者 松浦晋也

午後2時半からの成功記者会見です。

第一部

 出席者
大宮英明 三菱重工業社長
立川敬二 JAXA理事長
野田聖子 宇宙開発担当大臣
田中正朗 文部科学省大臣官房審議官
青江茂 宇宙開発委員会委員
寺田達志 環境省地球環境局長

 横に
横田真 宇宙開発戦略本部参事官
中川健朗 文部科学省宇宙開発利用課長
河内山治朗 JAXA理事
太田進 国立環境研究所理事
前村孝志 三菱重工業打ち上げ執行責任者

野田
 今回打ち上げを初めて見た。
 日本はこれからの国家戦略の一つとして宇宙開発を伸ばすことを決意している。5月には宇宙基本計画を出す。いぶきには国家戦略を担う衛星の一つとして、温室効果ガスのデータを取得することを期待している。今順次7機の衛星が分離しているが、東大阪の衛星あり、世界でもっとも若い人たちが作った高専の衛星あり、障害のある子ども達を勇気付き得る衛星ありと様々だ。宇宙開発は失敗すると大きくメディアに報道される傾向があるが、成功した時にも一面に出しもらって閉塞感をうち破るようにしてもらえればと思う

大宮:種子島には何度か来たことがあるが打ち上げは初めて。昨日はすごい雨で機体が引き出せるかどうか心配だったが、最近の天気予報は衛星観測も含めすごいもので、打ち上げには支障は出なかった。軌道投入も高精度でできたと聞いている。
 これまでに打ち上げ成功は15機中14機、9機連続成功となった。商業打ち上げの営業にはずみがつくと思っている。関係各所に感謝している。来年度も心を引き締めて連続打ち上げ成功を続けていきたい。

立川:久しぶりに打ち上げに立ち会うことができてうれしい。民間移管で私の肩の荷物は大宮さんにいったわけだ。現在JAXAは安全管理を行っているが、これがうまくいったということは爆破指令を出さないで済んだということだ。また、小型衛星公募を実施できたことを大変うれしく思っている。相乗り衛星は毎年1機分づつ行いたいと思っているので、この機会を大学などが上手につかって日本の宇宙産業を盛り上げていってもらいたい。

田中:文部科学大臣談話(略)。

青江:打ち上げ成功率93.4%、前回までが92.8%四捨五入すれば93で変わらないが、それこそが積み重ねであるということを強く感じた。

寺田:なによりも「いぶき」が無事軌道に乗ったことに感謝したい。地球温暖化問題は非常に科学がベースになっており、データに基づかねばなります。誤りなき環境政策につなげていきたい。

質疑応答
南日本新聞:商業打ち上げ契約直後の打ち上げの感想を。そして今後のビジネスの課題を知りたい。

大宮:まだH-IIAは海外衛星打ち上げの実績はないが、今回の高精度軌道投入でだいぶん弾みがついたのではないかと思う。それでも衛星メーカーでの知名度はまだまだだ。
 附言すると数年前に比べると大きなトラブルなしに上がるようになっており、これは成熟度を示すものだと思う。
 今、円高という問題もあるが、ライバルに対して対抗できる価格で出していきたい。引き合いは多数来ている。

産経新聞:種子島の打ち上げの制限や飛行場の滑走路が短いという問題についてはどう対抗するしていくのか。

立川:まず打ち上げ実績をたくさん作って「既存の打ち上げ期間では足りない」ということにしようとして色々やってきた。
 滑走路については、大型機が着陸できるが転回できないという問題がある。とはいえ、大型衛星は船で運び込むことも可能なので、やりかたは色々あると考えている。

東京新聞:小型衛星の将来をどう考えるか。国際協力や将来ビジネスにするかなど。
立川:将来、衛星の内容によっては有料にしてもいいかとは思う。
大宮:相乗りがうまく成立するようなロケットサイドの工夫をしたい。カスタマーからすると衛星打ち上げ価格が下がるということなので進めていきたい。

中日新聞:国際競争力をどう考えるか
大宮:今の円高では非常にきびしい。コストダウンが必要だが、信頼性を損なってはならない。あるていどまとまった機数が定常的に打ち上げられると計画的な生産ができるのでコストダウンとなる。今後ともがんばっていきたい。


No.1305 :衛星分離
投稿日 2009年1月23日(金)13時14分 投稿者 笹本祐一

いぶき分離成功。
これでロケット側の仕事は成功。

No.1304 :無事に飛行中です ●添付画像ファイル
投稿日 2009年1月23日(金)13時14分 投稿者 松浦晋也

いぶきが無事分離されました。


No.1303 :無事打ち上げられました ●添付画像ファイル
投稿日 2009年1月23日(金)13時11分 投稿者 松浦晋也

 予定時刻に打ち上げられました。


No.1301 :第二段燃焼停止
投稿日 2009年1月23日(金)13時11分 投稿者 笹本祐一

第二段ロケット燃焼停止、間もなく衛星分離。

No.1300 :無事に飛行中です
投稿日 2009年1月23日(金)13時11分 投稿者 松浦晋也

いぶきが無事分離されました。