H-IIAロケット48号機の打上げ前プレスブリーフィング
柴田孔明 ２０２４年１月９日１４時から種子島宇宙センターで行われた、Ｈ－ＩＩＡロケット４８号機打上げ前プレスブリーフィングです。なお打上げ予定日ですが、当初の２０２４年１月１１日は天候悪化が予想されるため、同１月１２日に延期されています。
（※一部敬称を省略させていただきます）
・登壇者
内閣官房 内閣情報調査室 内閣衛星情報センター 管理部付調査官 三野 元靖
三菱重工業株式会社 防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部 MILSET長 鈴木 啓司
・打上げ時間帯について（三野）
令和６年１月１１日に予定しておりました、Ｈ－ＩＩＡロケット４８号機によります情報収集衛星光学８号機の打上げにつきましては、 天候悪化のため打上げを延期することとなりました。
新たな打上げ日時は令和６年１月１２日１３時４４分２６秒～１３時４５分２９秒となっています。
※打上げ予備期間：令和６年１月１３日～令和６年２月２９日
・Ｈ－ＩＩＡロケット４８号機の準備状況と気象状況（鈴木）
・Ｈ－ＩＩＡロケット４８号機について
・２０２型、４Ｓフェアリング
・作業実績と今後の作業予定(ロケット系)
・１月７日：Ｙ－３作業
１／２段推進系・電気系・機構系点検作業
・１月８日：Ｙ－２作業
火工品結線
２段ガスジェット推進薬充填
・１月９日：Ｙ－１作業（予定）
電波系統点検（良好に完了）
推進系最終クローズアウト
機体アーミング
機構系／アンビリカル離脱系最終準備
射点／貯蔵所系設備準備
・１月１１日～１月１２日：Ｙ－０作業（予定）
機体移動（１１日）
射点設備系最終準備
ターミナル・カウントダウン
（※打上げ前後のシーケンスは通常のＨ－ＩＩＡロケットと同じ。２段は再着火無し）
・気象状況
種子島宇宙センターは本日は曇りで小雨のぱらつく天気になっており、この後次第に雲が厚くなって夕方以降は雨の降りやすい天気という予報となっています。
明日以降の天気については、打ち上げ日を1日延期して１月１２日に設定しましたが、この１月１２日の打上げ時刻１３時４４分の辺りに向けた作業、１１日の夜から開始していきますが、作業時間と打上げ時通しまして晴れもしくは曇りとなっており特に作業や打上げに支障となる気象要素は無いと考えています。
元々打上げを予定していました１月１１日に向けての作業といたしましては、１月１０日の夜から明後日の未明にかけて雷、強風、そして明後日の未明に関しては霰が降る可能性があるということで、打上に向けた作業が計画通り進められない可能性があると判断致しまして打ち上げ日を１日延期することとしております。
・質疑応答
ＮＶＳ・天候調査で更に延期する場合、打上げの時間帯は１日あたりどれくらいずれるのか。
鈴木・打ち上げ日がずれても打上げ予定時間帯の変更はございません。
ＪＳＴサイエンスポータル・Ｈ３試験機１号機の失敗を受けた対策がＨ－ＩＩＡロケット４７号機に施され成功に至ったと記憶しているが、今回の４８号機も同じ対策を施したという理解で良いか。また４７号機からの変更点はあるか。打上げ成功に向けた意気込みもお願いします。
鈴木・Ｈ３の失敗からの反映事項はご認識の通りでして、４７号機の時にニューマティックパッケージとエキサイタスパークプラグに関して対策を施した状態で打上げを行っております。４７号機のフライト結果は非常に良好でございまして、これらニューマティックパッケージとエキサイタスパークプラグに関しても正常に機能したことが確認され、そこから特に４８号機に向けて何かを変えなくてはならないという状況が無かったことが確認できております。従いまして４８号機に関しても４７号機で実施したのと同じ対策をとったニューマティックパッケージとエキサイタスパークプラグを搭載していまして、それ以外には従来のＨ－ＩＩＡロケットから特に変更しているところはございません。意気込みですが、今号機に関しましては、特に国の安全保障を担う重要なミッションであるということで、必ず成功させたいという気持ちを強く持っております。加えましてＨ３ＴＦ１の失敗を受けた２号機に向けてのリターン・トゥ・フライトの先鞭として、この４８号機を必ず成功させることも必須と考えておりますので、その意味でも必ず成功させたいと強く思っているところでございます。
読売新聞・４７号機では打上げ時刻がぴったりだったが、今回１分ほどの幅があるのはどういった理由なのか。
鈴木・ロケットの打上げをする時には必ずこの打上げ時間帯というものを設定して、その他の条件を加味してどの時刻を狙って打つのかを決定する流れになります。本日は打ち上げの３日前になりますので、本日の時点では打上げの「時間帯」を公表させていただいた。この打ち上げ時間帯の中で何時何分何秒を狙うのかについては、明日天候の状況等を慎重に判断した上であらためて発表させていただく予定としております。
ＮＶＳ・天候で（１０日夜は）雷と強風とのことだったが、氷結層などは問題無いということか。
鈴木・１１日と１２日に関してはいずれも氷結層は問題無いという予報になっています。
時事通信・天候で影響が大きいのは、本来の１１日の打上げ時間帯ではなく準備段階ということか。
鈴木・その通りです。週間気象情報でも雷などは１１日の６時頃までで、その後は概ね晴れから曇りという天気で、もともと予定していた１月１１日の昼過ぎに関しては特に制約となるものは無い予報となっています。
以上です。
